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南アフリカ真実和解委員会を例に

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Academic year: 2024

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真実和解委員会設置の有効性

−南アフリカ真実和解委員会を例に−

法学部国際関係法学科4年 玉田恭子(A0132148)

紛争後の平和構築の重要性は認識されているものの、その具体的な方法として何が機能 するかについては議論があるところである。国連では、紛争後の平和構築において再び紛 争が起こらないためには元兵士の社会復帰を促すことが重要であり、元兵士の武装解除・

動員解除及び社会への再統合(Disarmament, Demobilization, Reintegration)と3段階に 分け、復興期におけるとるべきプロセスとして述べている1。特に、社会への再統合

(Reintegration)の段階においては、和解を目的に国レベルで和解プロセスを行うことを 提言している2。和解のひとつの方法として挙げられるのが、真実和解委員会(以下TRC:

Truth and Reconciliation Committee)の設置である。

現在まで多くの真実和解委員会が設置されており、1974年から1994年の20年間の間に 少なくとも 15 設立されたといわれる3。特に、南アフリカTRCは、アパルトヘイト政権下 に行われた人権侵害の解明、そしてそれによる政治的安定、人種対立の解消がもたらされ た4とされ成功例として挙げられている。

南アフリカTRCが真実解明のメカニズムとして成功した要因として従来から挙げられる のが、主に以下の3点である。

1.国の政策として行われたことである程度の資金があった、2.中立性を維持するこ とのできる強力なリーダーがいた、3.TRC を円滑に行う上で国内NGOや、メディアが 発達していた。(詳細については序章参照)これらの点は、TRCの運営面において優れてい る点を指摘しているが、真実解明に直結した、「真実をすべて話し、それが政治目的であっ たと認定されたときのみ免責を行う」という条件をつけることが出来た背景については説 明されていない。

従って、本論文の目的は、南アフリカTRCを具体的なケースとして、上記の条件をつけ ることが出来た要因として政治的な力関係に着目して仮説である「被抑圧者側(南アフリ カの場合ではANC)の力が抑圧者側(NP)に勝るときである」を考察することである。

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1 United Nations, Department Peace Keeping Operations, Lessons Learned Unit, Disarmament, Demobilization, Reintegration of ex-combatants in a peace keeping environment-Principles and Guidelines, (December, 1999): 16-17

2 UN, DPKO, Disarmament, Demobilization, Reintegration of ex-combatants in a peace keeping environment-Principles and Guidelines, 95-98

3 Kenneth, Chirstie. The South Africa T uth Commission (New York: St.

Martin’s Press, 2000) : 37

4 Long, William J. and Peter Brecke. War and Reconciliation (Cambridge, Massachusetts : MIT Press, 2003) : 61

(2)

論文の構成は、序章で南アフリカ TRC の構成や機能についての概略とその効果を述べ、

第1章1節においてガルトゥング(Johan Galtung)が初めて定義化した紛争解決に関す る研究と、その発展、そして紛争解決における和解の位置づけを、2節において世界各国で 設置されたTRC の概略を特に、アフリカ、南アメリカにおけるTRC の機能の違いに注目 して述べる。3節では、TRCの成功例とされる南アフリカTRCと他のTRCとの相違点、

優れている点について述べる。

第2章では、TRC設置により真実解明を行うことができるのは、「被抑圧者側(南アフリ カの場合ではANC)の力が抑圧者側(NP)に勝るときである」という仮説のもと、それを 検証するため、ANC・NP 間の非正式交渉の時代(1節)、正式交渉の時代(2節)、TRC 設 置までの時代(3節)の3時代にわけて述べる。

結論は、第2章の検証より仮説が支持されたことを述べ、TRCが真実解明としての機能 を果たすには、政治的力関係が大きな要素となることを示す。具体的には、前政権と現政 権に妥協の準備があり、被抑圧者側(南アフリカの場合ではANC)の力が抑圧者側(NP)

に勝る場合に真実解明として機能するTRCを設置することができる。 

終わりにおいては、今後のTRCの活用について言及したい。

主要参考文献

Department of Public Information The United Nations and Aprtheid 1948-1994 The United Nations Blue Book S ries Vol.1 New York : The United Nations Publications, 1994

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Galtung, J. "Three approaches to peace: peacekeeping, peacemaking and peacebuilding"

Journal of Peace R search vol.2 Oslo:Universitetsforlaget,1975: 282-304 Luc, Reycler. and Thania, Paffenholz. (Ed.) Peacebuilding : a field guide Boulder :

Lynne Rienner Publishers, Inc, 2001.

Hayner, Patricia. ‘Fifteen Truth Commissions, 1974-1994: a Comparative Study’ in the Human Rights Quaterly, vol. 16, 1994, p604

Darrby, John. and Mac Ginty, Roger. (Ed.) Con emporary Peacemaking Hampshire ; New York:Palgrave Macmillan , 2003

Kenneth, Christie. The South Africa T uth Commission New York: St. Martin's Press, 2000.

Lederach, John Paul. Building peace : sustainable reconciliation in divided societies.

Washington, D.C.:United States Instittue of Peace Press, 1997

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