そこで・・・ 見た様子をわかりやすくするために、私たちは単位を使います。
・長さの単位は「メートル」ですね。
ところで “1 メートル”はどうきめていますか・・・知らないと 『チコちゃんに叱られる』 かも知れません。
いまから 230 年ほど前フランスを中心にして検討して決めました。
それまでは国や地域によって長さの単位は違っていました。ぞれぞれの国で決めていましたのでおおさま などのはんだんできめられることもありました。国と国の貿易が盛んになると誰にでも共通な単位が必要に なってきました。
(北原相)
発 行 : 「理系大好き」 プロジェクト 発行事務 : 理数強化プロジェクト委員会 発 行 日 : 2021 年 6 月15日 第 2 号
…今回の話は「長さ」のお話です。
学校法人 啓明学園
単位を知っていると、話がわかりやすくなります。
・・・この前 “たけのこ ほり” に行って、とても大きな
「たけのこ」を採ってきました。
写真を見てあなたはどの「たけのこ」を想像しますか?
大きな 「たけのこ」 と言っただけでは人によって 感じ方が違います。
・人の『肘から指先までの距離』(1 キュビット)を長さの基準としていました。メソポタミア・エジプト・ローマなどで 用いていました。
・1 メートルは『赤道から北極までの長さの 1000 万分の 1』の長さを 1 メートルと決めました。
このながさを「メートル原器」に刻みました。
現在、日本ではメートルが基準です。おじいちゃん・おばあちゃんの時代までは 1 尺(しゃく・・・やく 30 ㎝) など
の尺貫法が用いられていました。1960 年からは「metre1 を基準にするメートル法」に変わりました。
※園児や初等低学年では、読み解けないことが多数あります。保護者の方が読み聞かせをしたり、お子様がわかるよう にお話していただく、などのご協力をしていただけるとありがたいです。
日本はつい最近まで「尺貫法」を用いていました。長さにはいろいろな長さがありました。建築関係では 「一間(いっけん)・・・
180 ㎝」「一寸(いっすん)・・・約 3 ㎝」はかなり使用されています。
メートル法 尺貫法での長さ
1 m (メートル) 33 寸(すん) 3.3 尺(しゃく) 0.55 間(けん) 身の回りでよく使う長さ 1 ㎞(キロメートル) 9.167 町(ちょう) 0.255 里(り) 0.540 海里(かいり) もっと長い距離の時 この他に、いろいろな職業で使われる単位もあります。1丈(じょう)、1尋(ひろ・・・魚を捕る網の長さ 約 1.7m) 釣り糸の長さなどもこれで表すこともあります。
日常生活で私たちがどんな単位を使っているか調べてみると面白いですね。
テーマ「いろいろな単位」
・ 長さの単位はその後改善がなされ、現在、『メートル原器』では定義していません。
それでは何で決めているの、
・ 『メートル原器』はその材質、保管方法、扱い方など厳しく定められています。それでも破損・変形などの不安がありま す。何か永久的に不変なものを追い求めなくてはということが考えられていました。
・ 光の波長を基準にする提案が1960年10月の国際度量衡総会提案され、クリプトン-86 が真空中で発するスペクトル であるオレンジ色‐赤色の発光スペクトルが示す波長の 1650763.73 倍と等しい長さへと変更された
・ 更にその後、原子秒の採用で時間測定の方が光波を利用するより高い精度持っていることが分かりました。
1986年から「1 mは、光が 299792458 分の 1 秒間に真空中を伝わる距離」と定められています。
これは技術的に光速度の測定が可能となったためです。
解説 理科では長さ・重さ(質量)・時間の規定はとても大切と考えています。
基本となるメートル法を多くの国が採用しています。世界には、まだ採用していない国もあります。
同じ基準でメートル法が使えると工業製品の利用は楽になります。今よりずっと使いやすくなると思います。どんな国が採用し ていないか調べてみましょう。どうして採用していないかも合わせて調べてみてください。まだ採用していない国がそれぞれ の事情に合わせて、長さ・質量、時間の単位が整備されるといいですね。
◎ 科学博物館で、はじめて「メートル原器の模型を見たとき」・・・の話
教科書で『メートル原器』は白金とイリジウムの合金でその割合も厳しく定められており、H 型のレール状で H 型の表面の左 右に 3 本の線が引かれており、真ん中の線の中央間が 1m・・・ということを理科の先生から聴いておりました。模型でも何でも いいから 『・・・貴重な材質でできているレール状の H 型・・・』 の金属の塊、きっと鉄道のレールを 90 度回して寝かせた平らな部 分の左右に 『3 本の線』 がある。
本物により近いものを見たい、上野の科学博物館に行ってみました。
度量衡の道具が並んだ展示室に入りました。多くの展示品があり、棚には検知竿があったり、年貢の際に用いたという升、江 戸時代の 1 貫の標準の重りがあったり多くのものが、所狭しと棚に並んでいました。
どんな 『・・・レール状の H 型をしたメートル原器・・・』 を探してみました。あちこち探してみましたが、見つかりませんでした。
日を改めて見に行きました。・・・でもみつかりませんでした。そこで受付に戻って、受付の方に事情を話してみました。学芸 員の方が呼ばれ、丁寧に案内をして頂きました。エエッー、何回も見ていた棚の前です。学芸員の方・・・「棚の中程、奥の細長 いカーテンレール状の長いものが「メートル原器」の模型です。・・・それだったら何回も見ていました・・・私の見たかったもの は、カーテンレールではなく、原器と呼ぶのにふさわしい、がっしりとした重々しい「・・・レール状の H 型をしたメートル原 器・・・」早とちりでしたでしょうか。