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国際社会における日本の競争力確保のために必要な政策

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Academic year: 2025

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「国際社会における日本の競争力確保のために必要な政策」

研究会について

2011年6月15日

【研究概要】

失われた 10 年、或いは 20 年と言われるように、バブル崩壊後の日本の社会経済は長引 く不況や停滞期を経験し、未だそのトンネルを抜ける気配が見えてこない。その間、経済 においては 2007 年に一人当たり GDP でシンガポールに抜かれ、長年維持してきたアジアナ ンバーワンの地位を明け渡した。また、昨年には GDP の総額においても中国に抜かれアジ アで第 2 位となり、世界では第 3 位に転落した。IMD(経営開発国際研究所)の国際競争力 ランキングにおいても、2010 年は昨年の 17 位から 27 位へと下落した。また、天災とはい え今回の大震災による経済的なダメージは、国際社会における日本の競争力をさらに低下 させる要因となりかねない。

このような長期にわたる日本経済の停滞には様々な要因が絡んでいると考えられる。一 つは過去 10-20 年の間に起きた人口動態の変化である。日本の労働力人口が減少し、高齢 化が益々進み、日本の総人口も減少していく中で、今後どのようにして新たな労働力を確 保していくのかが大きな課題となっている。特に若年層が未来に希望を持てるような雇用 制度のあり方、教育制度のあり方が模索されるところである。

日本の競争力強化に欠かせない二つ目の課題は、貿易と投資を中心とした経済の自由化 である。国内人口が減少していく時代にあって、今後は大幅な内需の拡大は見込めない状 況となっている。そのような中で、日本経済が頼りとするべき需要は外需であり、特に今 後急激な需要の増加が見込まれるアジアやその他の新興国の市場に活路を見出していくこ とが急務である。FTA の推進と共に、海外からの投資を受け入れる戦略も立てて行かなけれ ばならない。

競争力強化に必要な 3 つ目の政策的課題は、国内規制の海外との調和と国際標準獲得の 強化である。平成の開国を目指すうえで、今後さらに重要になってくるのは国内規制の緩 和や規制の国際的な調和である。特に、米国や EU などの先進国との FTA を締結していく上 で、この議論は避けては通れない。また、いまや国際標準獲得競争を勝ち抜かなければ、

国際市場では優位に立てないという現実に直面している。製品を海外で売り込むには国際 標準を獲得することが第一義的な課題であり、その対応策次第で日本の経済力も大きな影 響を受けることなる。

日本が国際社会の中で競争力を確保していくために必要な 4 つ目の課題は、人材の育成 と活用という視点である。現在、日本社会全体としての人材育成の仕組み、特に大学や企 業での人材育成のあり方には大きな歪みが出始めている。大学側は学力の向上や人材の育 成といった観点からの教育を提供できていない一方で、このような高等教育の欠陥を補完

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していた企業も社員の教育活動に費やすコスト的な余裕はなくなってきている。現在のグ ローバル社会、超高齢化社会、または、高学歴社会、総じては 21 世紀型成熟社会に対応し た新たな人材の育成と活用の仕方を真剣に考えていく時期に来ていると考えられえる。

以上、本研究プロジェクトでは、1.労働力の確保と若年雇用の改善、2.貿易の自由 化と国内投資の拡大、3.規制の調和と国際標準の獲得、4.人材の育成と活用、という 4 つの分科会を設け、それぞれの課題について適格な現状分析と政策立案を行っていく。さ らに、今回の大震災でこれら課題についてどのような影響があったのか、なかったのか、

また、3.11 という危機を超えてそれぞれの課題についてどのように取り組んでいくべきな のかという視点も取り入れながら、今後の日本の進むべき方向性を考えていく。本プロジ ェクトではこの分野で日本を代表する研究者の参加を得て、これらの諸課題に答えを提示 すべく政策のあり方について検討していく。

【作業計画】

2011年7月に第1回目の研究会を行う予定である。その後も毎月1~2回のペースで研究 会を開催し、適宜、必要に応じてヒアリングや海外調査も行う。2012 年3月末を目指して 報告書の執筆を進め、研究の成果はシンポジウムの開催やホームページでの掲載を通して、

広く一般に公表していく。

【研究会メンバー】

主査:

伊藤隆敏(東京大学大学院経済学研究科教授)

委員:

小峰隆夫(法政大学大学院政策創造研究科教授)

太田聰一(慶応義塾大学経済学部教授)

浦田秀次郎(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)

阿部一知(東京電機大学教授)

中川淳司(東京大学社会科学研究所教授)

長岡貞男(一橋大学イノベーション研究センター教授)

八田達夫(学習院大学経済学部客員研究員)

深川由起子(早稲田大学政治経済学部教授)

委員兼幹事:

斎木尚子(日本国際問題研究所副所長兼主任研究員)

畑佐伸英(日本国際問題研究所研究員)

Referensi

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