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2006 年度 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文

「家族の購買意思決定に子供が与える影響」

A0342423 小嶋 あずさ

2007 年 1 月 15 日提出

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~目次~

1 はじめに

1.1 素朴な疑問

1.2 たらこキューピーと「あえるパスタソース たらこ」

1.3 新たな疑問

2 言葉の定義

2.1 広告販促キャラクターとは 2.2 購買意思決定行動とは

2.3 コトラーの購買意思決定プロセス 2.4 消費者購買行動の決定要因

2.5 消費者としての家族とは

3 仮説と検証

3.1 仮説①

3.1.1 影響者、購買者、利用者

3.1.2 検証①広告販促キャラクターを用いている商品(実地調査)

3.1.3 検証②販促広告キャラクターの人気(事例研究「ぴちょんくん」)

3.1.4 参考資料①S. E. BeattyとS. Talpade による実証分析

3.1.5 参考資料②子供が親の買うものを左右する

3.1.6 考察

3.2 仮説②少子化が進むにつれて、家庭内における子供の発言力が増している

3.2.1 検証①子供数が少ないほど子供に影響されるファミリー消費

3.2.2 少子化・核家族化

3.2.3 考察

4 まとめ

5 参考資料

(3)

1 はじめに

1.1 素朴な疑問

「た~らこた~らこ♪」のフレーズで一躍有名になったたらこキューピー。「キユーピー あえるパスタソース たらこ」のC Mに登場する、たらこの着ぐるみをかぶったようなキ ユーピーのことである。私の研究はこのキャラクターに対する疑問から始まった。一見視聴 者に「気持ち悪い」という印象を与えそうなこのキャラクターがなぜ人気を集めたのだろう か。また、キャラクターの人気に伴って実際に商品の売り上げは伸びているのだろうか。

1.2 たらこキューピーと「あえるパスタソース たらこ」

「たらこキューピー」は2004年10月、同製品のリニューアルを知らせるキャラクター として誕生した。CMでは大勢の「たらこキユーピー」が短調なメロディーに乗って行進す るという異様な様が女子高生を中心にキモカワイイと話題を呼び、「回転編」、「合唱編」、「訪 問編」、「宇宙船編」と次々と新作が公開されている。放映時間に対する効果で評価するCM 総合研究所の「CM効率ランキング」では、2年連続で食品部門1位であった。また、2005 年秋からキユーピーが公式サイトで関連グッズを販売したところ、ぬいぐるみ3万体、抱き 枕6000個、携帯ストラップ(景品分含む)10万個など、年間で約5000万円を売り 上げ、ネットオークションでは高値で取り引きされているという。さらに2006年9月初旬 には、C MソングがCD化され、オリコンC Dシングルで初登場第2位を記録した。この ようなキャラクターの爆発的人気に伴って「あえるパスタソース たらこ」の売り上げは CMが始まった2004年10月と比べて4倍に上昇したそうだ。

「あえるパスタソース たらこ」は、いまや全国のスーパー店頭に登場している。2006 年12月16日の東京新聞によると、「あえるパスタソース たらこ」の売り上げは、前年比

250%の上昇である。また、グラフ①は日本経済新聞のNEEDS-SCAN/TRENによる、「あ

えるパスタソース たらこ」の日経収集店舗での来店客千人当り販売金額(★注1)とカバ ー率の推移の調査結果である。これによると、「あえるパスタソース たらこ」の2006年8 月の来店客千人当り販売金額は107円であり、C Mが始まった2004年10月と比べ4倍を 超える。また、カバー率は2006 年6月には90%台となっており、市場への浸透ぶりがう かがえる。

グラフ① 「キューピーあえるパスタソース たらこ」の日経収集店舗での来店客千人当り販売金額とカバー率

★注 来店客千人当り販売金額千人の客が来店したときに、その商品がいくら売れたかを示す。地域・業態の規模 や収録店舗数の変動に関係なく、商品の売れ行きを計ることができる指標。PI(Purchase Index)値とも言う

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ちなみに、CM監督で、たらこキューピーの生みの親である加藤良一氏によると、このキ ャラクターは初めの会議で「手も足もなく、グロテスクすぎる」とボツになったそうだ。し かし、CM製作会社のプロデューサーが、「たらこはぐにょっとしてぶつぶつで、見方によ っては気持ち悪い。でも、これに愛くるしいキューピーの顔を埋め込んだデザインは絶妙か も。」と再提案して採用されたらしい。そしてその絶妙なキモカワイサが女子高生に受けた ということだ。

以上のことから、たらこキューピーはそのキモカワイサによって女子高生を中心に人気と なり、その人気に伴って「あえるパスタソース たらこ」という商品の売り上げも上昇した ことがわかる。

1.3 新たな疑問

ところで、パスタソースという商品はスーパーなどの食品売り場で買うものであり、スー パーで主に買い物をするのは主に主婦である。しかしこのキャラクターは女子高生を中心に 人気があるという。それでは、女子高生は日常的にパスタソースを買わないのに、キャラク ターの人気に伴って売り上げが伸びているのはなぜだろうか。

私はアルバイト先の個人塾で、小中高生の生徒で、たらこキューピーのストラップをつけ ている生徒にインタビューしてみた。質問は、「このストラップをどのような経緯で入手し たか」といった内容である。5人にインタビューし、1人が「雑貨店で自分のお金で買った」

と答え、4人が「母親とスーパーへ買い物にいった際に、パスタソースについているおまけ のストラップが欲しかったため、ねだって買ってもらった」と答えた。つまり、商品を選択 したのは子供で、実際にお金を払って買ったのは親ということである。さらにいえば商品を 使用するのも親である。このことに興味をもった私は、「広告販促キャラクターを用いた商 品の購買意思決定」をテーマとして研究を進めることにした。

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2 言葉の定義

まず、研究を進めるにあたって、本文中で用いる言葉について定義したいと思う。

2.1 広告販促キャラクターとは

フリー百科辞典のウィキペディアによると「マスコットキャラクター」とは『スポーツチ ームや企業などといった「共通性を持つ集団」を表現するために用いられる動物や人間を模 したキャラクターのこと』である。「広告販促キャラクター」は「マスコットキャラクター」

の中に含まれるものであり、企業が商品・サービスの販促活動のために用いるイメージキャ ラクターのことをいう。さらに、広告販促キャラクターには、既存キャラクターを用いる場 合と、新規のオリジナルキャラクターを用いる場合とがある。

Ex) 既存キャラクター…ハローキティ、アンパンマン、ミッキー、ムーミン etc.

新規キャラクター…たらこキューピー、ぴちょんくん、QOO、NOVAうさぎ etc.

なお本論文では、広告販促キャラクターの中でも、新規キャラクター(企業オリジナルの キャラクター)を用いた商品に限定して研究する。

2.2 購買意思決定行動とは

「消費者行動」とは、「特定の時点における特定の商品の購買行為と、それに先立ち、ま たそれに続く、一連の継続的な行為であり、人間の意思決定行動のうちの特定の側面」を指 す。したがって、消費者行動は人間行動一般を意味するのでなく、商品の「購買」と「使用」

に関わる人間行動の特定の側面をいう。つまり消費者行動という用語には、「購買行動」と

「使用行動」の両者が包含されている。

さらに、消費者行動は消費者の「購買意思決定行動」と理解すべきである。つまり、消費 者行動は「購買行為」のみを指すものではない。消費者は、何を、いつ、どこで、いくらで、

どれくらい購買するのかについてさまざまの思考や物理的行為を経て初めて特定の商品の 購買にいたるのであり、また、商品を購買した後には、その商品について評価を行う。そし てその評価が次回以降の消費者の購買行為に影響を与えることになる。

2.3 コトラーの購買意思決定プロセス

P. kotlerは、消費者が製品を購入する際には以下のようなプロセスをたどるとしている。

① 問題認知

消費者の購買意思決定プロセスは、問題を知覚してそれを解決したいと感じたとき に始まる。この段階を『問題認知』という。

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② 情報探索

次に認知された問題を解決するために『情報探索』が行われる。この情報は、本 来消費者が持っている内部情報と、自分以外から得られる外部情報に分けられる。

一般的に消費者は内部情報の探索から開始し、それでも不充分なときには外部情報 の探索を行うとされている。

③ 代替案の評価

つづいて消費者は、情報探索によって得られた情報をもとに、製品・サービスに ついて評価を行う。これを『代替案の評価』という。複数の代替可能なものの比較 を行うわけである。

④ 購買行動

消費者は、代替案の評価を行うといよいよ『購買の決定』を行う。

ここで『購買の決定』については、すべて最も評価の高いものが購入されるとは限ら ない。その場合にはさらなる候補が選択されることになる。

⑤ 購買後の評価

購買が終了すると、その意思決定に対して消費者は評価を行う。

その結果については消費者の内部情報として蓄積され、次回の意思決定に影響を与え る。ここで自分の意思決定に対し、なんらか不満足な感じがある時に、消費者はその 不快感を減少させるような行動を取る。これを認知的不協和という。

2.4 消費者購買行動の決定要因

消費者行動に影響をあたえる要因には以下のようなものがある。

(文化的特性)

文化 下位文化 社会階層 など

(社会的特性)

家族 準拠集団 地位 対人的影響 企業のマーケティング など

(個人的特性)

年齢 性別 職業 ライフスタイル 経済状態 など

(心理的特性)

動機 知覚 学習 購買者 態度 パーソナリティ など

なお(文化的特性)(社会的特性)は「外的要因」、(個人的特性)(心理的特性)は「内 的要因」と呼ばれる。

この研究では、消費者購買行動の決定要因の中の社会的特性における家族(子供)と いう要因が与える影響について考察する。

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2.5 消費者としての家族とは

「消費者」とは、商品およびサービスを購買し、使用する一つの経済主体をさし、それには個 人、家族、企業、政府・行政機関や学校などの組織体も含まれる。これらの経済主体のうち、個 人および家族は「最終消費者」と呼ばれ、 企業やその他の組織体は「産業用購買者」と呼ばれ る。一般的に消費者という場合は最終消費者を指すと認識されている。

本文中で用いる「家族」とは、最終消費者としての家族を指す。また、本文中でいう子供と は小中高校生を指すものとする。

3 仮説と検証方法

まず、研究を進めるにあたって、仮説を整理したいと思う。このテーマにおける、私の 仮説は以下のものである。

仮説①広告販促キャラクターを用いた商品は、子供が直接的に使用しない商品であ っても、子供が購買意思決定に影響を与えている。

仮説②少子化が進むにつれて、家庭の購買における子供の発言力が増している。

これらの仮説を検証する方法として、アンケートとデータ収集を行い、実地調査と 集めたデータ収集をもとに考察する。

3.1 仮説①

広告販促キャラクターを用いた商品は、子供がの商品の購買意思決定に影響を与えて いる。

たらこキューピーだけでなく他の商品についても子供が家族の購買行動に影響を与え ているのではないかと考え、検証してみた。

3.1.1 影響者、購買者、利用者

検証の前に、購買意思決定にかかわる人々を3つに分類したいと思う。

影響者…購買意思決定に影響を与える人。(購買者以外)

購買者…お金を支払って購入する人。

利用者…商品を使用する人。

ここでは影響者が子供、購買者が親の商品について考える。なお、利用者については 子供、親、子供or親、家族全体の場合すべてを対象に研究する。

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3.1.2 検証①広告販促キャラクターを用いている商品(実地調査)

実地調査とデータ収集により、広告販促キャラクターを用いている商品で、影響者が 子供、購買者が親となる場合がありうるものをピックアップし、分類した。

商品分類 企業、商品名

菓子類 キョロちゃん(森永製菓・チョコボール)

コアラのマーチくん(ロッテ・コアラのマーチ)

ポンデライオン(ミスタードーナツ)

ピンキーモンキー(フレンテ・ピンキー)

飲料 QOO(コカコーラ・QOO)

生茶パンダ(キリンビバレッジ・生茶)

なっちゃん(サントリーフーズ・なっちゃん)

その他食品

(菓子類・飲料以外)

たらこキューピー(キューピー・パスタソース)

きのこ組(ホクト・エリンギ等きのこ類)

アジパンダ(味の素)

電化製品 ぴちょんくん(ダイキン工業)

バザールでござーる(NEC)

タッチおじさん(富士通)

その他 アフラックダック(アメリカンファミリー)

ちわフル(アイフル)

ハナコアラ(損保24)

(9)

ここで、商品分類ごとに子供が影響を与える場合特徴をみてみたいと思う。なお、ここ では親と子が一緒に買い物に行き、子供がそのキャラクターに好意を抱いているものと想 定して考察する。

まず、菓子類と飲料は、スーパーなどに売っているものである。子供が親と一緒にスー パーに買い物に行き、パッケージやおまけに惹かれた子供が商品を選び、親が購入すると いうシチュエーションが考えられる。実際に実地調査でもお菓子コーナーでウロウロして いる子供たちがたくさんいた。中には勝手に商品を選び、親が持つ買い物カゴの中に入れ て

ターが使われて お

の時、子供がキャラクターを好きだからという理由で親が購入 を

実際の 経験

あ る

いる子供もいた。特におまけがついている商品は人気が高いようだ。また、菓子類及び 飲料は購入後子供が使用する場合も親が使用する場合も考えられる。つまり、選択者は子 供、購入者は親、利用者は子供or親である。

次に菓子類、飲料以外のその他の食品についてみてみる。実地調査の結果、菓子類、飲 料以外でオリジナルキャラクターが使われているケースは非常に少なかった。逆に、ハロ ーキティやアンパンマンなど既存のキャラクターを用いた商品が多く見受けられた。特に 目立ったのはソーセージで、7種類あった商品すべてに既存キャラクターが使われていた。

ちなみに使われていたキャラクターは、くまのプーさん、機関車トーマス、マイメロディ、

ポケモン、ミッキー、ボウケンジャーであった。いずれも子供に人気のあるキャラクター であり、これらの商品を選択するのは子供であると思われるが、本論文では新規キャラク ターのみを対象に研究を行っているため、ここでは触れなかった。この商品分野でオリジ ナルキャラクターを用いている商品で目についたものは、先にも述べた「たらこキューピ ー」以外に、ホクトがエリンギやシメジなどの商品に用いている「きのこ組」、味の素の

「アジパンダ」などがあげられる。たらこキューピーはおまけがついているため、子供か らの人気も高いだろう。また、きのこ組やホクトはパッケージにキャラク

り、子供にとっては他の商品と比較した時に魅力を感じるのではないかと思った。これ らの商品もやはりスーパーなどで購入するものであり、選択者は子供、購入者は親である が、利用者は主に親であるという点が菓子類、飲料と異なる点である。

次に、電化製品について考える。電化製品は主に電気店などで売っている。売り場には、

キャラクターの広告やグッズが並べられていることも多い。親子で一緒に行く場合を想定 してみると、休日に家族でTVやエアコンなどの電化製品を購入しに行くというシチュエ ーションが考えられる。こ

決定するという場合や、キャラクターのグッズがもらえ子供が喜ぶからという理由で購 入する場合などが考えられるであろう。この場合影響者は子供、購入者は親、利用者は家 族であると考えられる。

最後にその他では、保険会社のキャラクターが非常に目立った。保険を選ぶのはおそら く自宅でパンフレットなどをみながら選ぶ状況が考えられる。しかしこの場合は、

もなく、実地調査もできなかったため、あまりシチュエーションが想像できなかった。

るとすれば、おまけが欲しい子供や、CMを見て喜ぶ子供に影響を受けて購入を決定す 場合だろうか。この時の影響者は子供、購入者は親、利用者は主に親である。

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この調査からオリジナルキャラクターを販促活動で用いている商品には、偏りがあり、

店頭で購入するものでは、主に、食品、電化製品で目立って見受けられた。家庭におい て食品や電化製品を購入する際には子供が同行することも多い。このことから、広告販 促キャラクターを用いた商品(主に食品、電化製品)は、子供が商品の購買意思決定に 影響を与えうるということがわかる。さらに、食品や電化製品の販促活動において企業 告販促キャ

3.1.3 検証②販促広告キャラクターの人気(事例研究「ぴちょんくん」)

前述 ン工

品も

幼稚園や小学校、子供たちを対象にしたイベントにも登場する予定だそうだ。ぴ く子供たちに親しま

商品の購入について質問したものであり、家族で購入す る商品として、テレビ、ステレオ、電話機、家具を取り上げている。この調査からティ 具の購入すべてにおいて影響を与え て

がキャラクターを用いることは有用なことであり、その効果を期待して、広 ラクターを起用している企業も少なくないと考えられる。

した、たらこキューピー以外にも人気のある販促広告キャラクターとしてダイキ 業の「ぴちょんくん」の事例を研究する。

ぴちょんくんは、ダイキン工業の家庭用ルームエアコン「うるるとさらら」の マスコットで、擬人化された水玉で、湿気をイメージして作られたキャラクター である。である。2000年5月に、ビビアン・スー主演の「うるるとさらら」のテ レビコマーシャルの脇役キャラクターとして登場し、キャラクターデザインが20 代・30代の女性を中心に受け、問い合わせが殺到した。2002年10月にビビアン・

スーとの契約が切れるとともに、コマーシャルの主役へと「出世」した。その後、

音楽CD、絵本の発売や、セガトイズなどからオリジナル「ぴちょんくん」商 出るほどの人気を集め、2005年のCMでは、NHK「おかあさんといっしょ」、

子供や親子体操や幼児体操教室などで幅広く活躍中の佐藤弘道さんが登場し、オ リジナルのリラックス・リビング体操、「ぴちょんくん体操」ができた。

さらに、ダイキンは2006年11月24日に、空気中のニオイや煙を感知す ると「電撃パンチ」を繰り出す2足歩行型ロボット「ロボぴちょんくん」を開発 製作したと発表した。ロボぴちょんくんは、ロボット技術に親しんでもらうため、

ちょんくんがダイキンの製品キャラクターにとどまらず、広

れているため、さらに子供たちの指示を集めようという同社の狙いが伺える。

3.1.4 参考資料①S. E. BeattyとS. Talpade による実証分析

S. E. BeattyとS. Talpadeは、特にティーンエージャーに焦点を当てて、家族の中

で子供がどのように購買意思決定に関わっているのかを実証分析している。この調査は、

36大学の新入生に高校時代の

ーンエージャーは、テレビ、ステレオ、電話機、家 いること実証されている。

(11)

3.1.5 参考資料②子供が親の買う物を左右する

(「子供を狙え!」ジュリエット・B・ショア アスペクト,2005より)

テキサス!&M 大学マーケティング学部のジェームズ・マクニール

教授の推定によ

ると、2004年には4歳から12歳の子供が、おとなの買い物の3300億ドルに直接の影

以上のことから、広告販促キャラクターを用いた商品は、子供が直接的に使用しない商品で った。

3.2 仮説②少子化が進むにつれて、家庭の購買における子供の発言力が増している

3.2.1 検証①子供数が少ないほど子供に影響されるファミリー消費

グラフ②

響を与え、このほかに3400億ドルの購買力を「創出」したと試算する。そして子供の 影響を受けるおとなの出費は年々20%ずつ増えていると見ている。

あっても、子供が購買意思決定に影響を与えることがあるといえる。さらに、企業側もそれ を狙って販促活動にキャラクターを使用している場合が多いということがわか

グラフ②から、わかることを整理してみる。乗用車購入時、一人っ子の家庭では 5 割以 上が自分の意見が通ったとしているのに対し、兄弟がいる家庭では 3 割以下に留まってい る。また、VTR購入時のグラフに注目してみると、子供の数が少ないほど自分の意見が通 った割合が多くなっている。旅行に関しては兄弟の数に関わりなく子供の意見が通りやす あるが、少なくとも家族の消費において子供の意見はある程 いようだ。やや古い資料では

(12)

度の影響力をもち、さらに、兄弟の数が少ないほど意見が通りやすいということがいえる ろう。

3.2.2 少子化について ラフ③

(出所)国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(平成14年1月推計)

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表① 総人口,年齢 3 区分(0~14 歳,15~64 歳,65 歳以上)別人口および年齢構造係数:中位推計

(14)

グラフ③と表①から2000年から50年間で0歳~14歳の人口が7663000人減少し、

ということである。このことを、先ほどのグラフ②と合わせて考えてみると、

以上のことから、少子化が進むにつれて、購買意思決定において子供が影響力をもつ家庭が多 ことが考えられる。

4

ちょんくんなど、

アンケートをとって最新のデータを集めるべきだっ た

が高くなっていくものと考えられる。

今後どのような人気キャラクターが現れ、そのキャラクターが商品の売り上げにいかなる影響 与えていくものか、注目していきたいと思う。

割合も3.8%減少すると推計されていることがわかる。このことから今後も引き続き少子

化は進んでいくものと考えられる。

少子化が進むと、当然家庭における子供の人数も減ってくる。すなわち兄弟姉妹の数が 減ってくる

少子化が進むほど家庭における子供の購買における影響力が大きくなるということ推測 できる。

くなるという

まとめ

この論文では、2つのことに着目して研究を進めてきた。

1つ目は、キャラクターの人気の中心は子供であるという考えから、家庭内で広告販促キャラ クターを用いた商品を買う際に、子供の意見が影響するのではないかということである。調査の 結果、販促キャラクターが用いられている商品は食品と電化製品という限られた商品に多く、そ れらの商品を買うシチュエーションには、子供がいることが多いことがわかった。また、企業側 もこのしくみを狙った上でキャラクターを使っており、たらこキューピーやぴ

功例も少なくない。よって、商品を購入する環境に子供がいるシチュエーションが多い商品に 広告販促キャラクターを用いることはとても有用なことであると思われる。

2つ目は、家庭内に子供が少ないと、商品を購入する際に子供の意見が通りやすいのではない かということである。反省点はいくつかあるが、集めたデータが現在にもいえることであれば、

仮説は正しいものだといえる。しかし、この仮説に対する検証には、反省点がある。まず、グラ フ②のデータが古いものだということだ。私の考えでは、現在も同じような結果がでるのではな いかと思うが、より真理に近づくためには、

と思う。また、この際には乗用車、VTR以外の商品、特に食品や電化製品全般についても調 査できればよりよい結果が得られる思う。

以上の二つが検証されれば、少子化が進むほど、購買における子供の影響力が増していき、広 告販促キャラクターを用いた商品が選ばれる可能性

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参考資料

ド社,2005

木幸弘『ブランド構築におけるキャラクターの役割』日経広告研究所,2000 消費行動」日本経済新聞社 日本消費経済研究所,1987

たらこキユーピー」

h

5

参考文献

平久保仲人『消費者行動論』ダイヤモン 隅田孝『若者市場論』創成社,2006 武居奈緒子『消費行動』晃洋書房,2000

田中洋『ティーンズ・マーケティング』ダイヤモンド・グラフィック社,2002 Juliet B. Schor 『子供を狙え!』アスペクト,2005

『中学生の

参考URL

キューピー株式会社「

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ダイキンHP

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国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口,2002.1 newest02.asp http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest02/

広告キャラクター

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Referensi

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