社会の持続可能性に貢献する金融業のあり方に関する研究会
稲葉 敦 稲葉 敦 工学院大学
工学部環境エネルギ 化学科 工学部環境エネルギー化学科
本田智則 本田智則
産業技術総合研究所
安全科学研究部門
安全科学研究部門
金融市場のグリーン化 金融市場のグリーン化
金融市場 市場
投資資金の流量
環境効率性が「低い」企業 環境効率性が「高い」企業
企業
企業の経済性・安定性・成長性 株価
企業
0
環境負荷
0
企業価値(株価)と排出環境負荷のデカップリング
環境に配慮した資本市場形成
国際的環境と金融の動向 国際的環境と金融の動向
• Dow Jones Sustainability Indexes y
–
ニューヨーク証券取引所1999.9
~–
世界51
カ国2500
社から約300
社の環境・社会性に優れた企業を選 択してインデ クスを組成している択してインデックスを組成している。
• FTSE4Good
ロンドン証券取引所
2001 10
~–
ロンドン証券取引所2001.10
~–
全世界、EU
、日本など対象地域などによって異なる10
以上のイン デックスを運用–
環境・社会性に優れた企業によってインデックスを組成している。世界三大市場の中で持続可能性インデックスを持たないの
は東京証券取引所のみとなっている。
環境と経済の融合 環境と経済の融合
産業構造審議会環境部会 産業と環境小委員会中間報告(
2003
) 環境立国宣言 =環境と両立した企業経営と環境ビジネスのあり方=環境 国宣言 環境 両 した企業経営 環境 ジネ あり方 環境と経済の両立をめぐる議論
出典:経済産業省 News release (2008 6)
産構審小委員会 「環境を『力』にするビジネス」の成長戦略 (
2008
~)①金融・投資のあり方、②消費者への見える化
出典:経済産業省 News release (2008.6)
①金融 投資のあり方、②消費者 の見える化
投資家にとっての環境情報の重要性増大 投資家にとっての環境情報の重要性増大
日本経済新聞 2009/5/22 (朝刊) 5面 (著作権者許諾済み)
日本経済新聞2009/6/22(夕刊) 2面 (著作権者許諾済み)
投資先評価としての「環境」の重要性が増しつつある。
環境経営と持続可能な社会 環境経営と持続可能な社会
本業を通じて 環境負荷の削減と企業利益の追求を両立させること 環境経営とは何か?
本業を通じて、環境負荷の削減と企業利益の追求を両立させること。
SO
カ ボ オ セ ト 環境配慮型製品の開発環境経営
ISO14001
CSR
報告書の発行 社員環境教育 カーボン・オフセット 環境経営評価体制 製品開発 社会貢献
多くの既存評価
定性評価 取組評価
環境負荷物質の排出量削減 または、環境効率の向上
本来の評価対象 結果の評価
LCA
LCA的視点に基づき環境パフォーマンスを定量的に評価する。
金融とライフサイクルアセスメント( LCA ) 金融とライフサイクルアセスメント( LCA )
環境配慮型投資、社会的責任投資については多くの経済パフォーマンス評価研 究が存在する
究が存在する。
一方、環境パフォーマンスを定量化し検証した事例は無かった。
LCA的視点に基づき投資の環境パフォーマンスを定量的に評価する。
研究会での研究テーマ:
1. 投資の環境パフォーマンス定量評価
既存の約
1000
の投資信託について環境パフォーマンスを定量化 研究会での研究テーマ:既存の約
1000
の投資信託について環境パフォ マンスを定量化2. 株式投資のための企業評価手法の開発
環境負荷削減と経済パフォーマンスを両立する投資手法の開発、新たな投 資指標 及び環境
ETF
の提案資指標、及び環境
ETF
の提案3. 投資家への情報提供のあり方についての検討
ゲーム論的手法に基づき、環境に配慮した投資市場形成に求められる投 資家への環境情報提供に関する検討。
持続可能な社会実現に向けた金融業のあり方に関する研究会 持続可能な社会実現に向けた金融業のあり方に関する研究会 座長:稲葉 敦 長 ( ( 工学院大学 教授 授 ) )
2007 年度より開始し、月 1 回のペースで開催 メンバー: ン
大学研究者、企業研究者、自治体、など 21 の団体から参加
研究テーマ:
1 投資の環境パフォーマンス定量評価 1. 投資の環境パフォ マンス定量評価
2. 株式投資のための企業評価手法の開発
3 投資家への情報提供のあり方についての検討 3. 投資家への情報提供のあり方についての検討
本研究は日本学術振興会科学研究費補助金 基盤A(21241013:LCAに基づく金融商品の環境パ フォーマンス定量化手法の開発と活用のための制度設計)の助成を受けている。
フォ マンス定量化手法の開発と活用のための制度設計)の助成を受けている。