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平成 23 年度 日本国際問題研究所 米国研究プロジェクト

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2011年5月27日

平成

23

年度 日本国際問題研究所 米国研究プロジェクト

『アメリカ外交にとっての同盟』

【背景と目的】

激動する国際社会の中にあって、日本国は戦後半世紀以上にわたり平和と繁栄を享受して きた。この要因としては、いうまでもなく国民の努力があげられる。加えて、わが国が自由 主義国の一員として関係諸国との友好と協調を図ってきたこともわが国に繁栄をもたらした 一大要因といってよい。なかでも、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障 条約」、いわゆる日米安保条約と安保体制は日本外交において重要な位置を占める。米国は自 由と民主主義という基本的な価値、理念を共有し、強大な軍事力を有する。これまで、わが 国は日米同盟を継続し、その抑止力をわが国の安全保障のために有効に機能させることで、

自らの適切な防衛力の保持と合わせ、隙のない態勢を構築し、安全と繁栄を確保してきた。

現在も、金融危機やテロ、疫病の拡大や大規模自然災害、気候変動など、少なからぬグロー バルな課題を抱える国際社会においても、両国の共通の価値観や利益に基づく日米同盟が重 要であり続けている。特に2011年は東日本大震災に見舞われ、日米協力の重要さが改めて実 感させられた年でもある。

以上のような背景において、本研究プロジェクトの課題は以下の通りである。本研究では、

主に日米同盟を主軸に、より広く米国と他国との同盟関係(英国、イスラエル、NATO、独 仏、韓国、ニュージーランド、フィリピンなど)の歴史と現状を網羅的に比較研究する。こ の作業を通じて、日米同盟の相対的役割や意義がよりいっそう明らかになると考えられる。

同盟成立時の利害調整やそれに由来する歴史的環境も研究対象の重要な一部である一方で、

同一の同盟においても世界情勢や国内政治状況に鑑みて同盟の内容は常に変化している。こ のような変化の部分も十分に念頭に置いて、現在アメリカが結んでいる同盟とそれを支える 政治的構造を解明し、日米同盟の特徴をより鮮明にものにしていく。

とりわけ、本プロジェクトでは以下のような問いを中核として研究を進める。

・日米同盟においてアメリカの国益はどこにあるのか。

・日米同盟においてアメリカは自らの国益と引き換えに日本とどのような妥協をしている のか。

・日米同盟と諸外国と米国間の同盟それぞれにおいて所謂「同盟の非対称性」はどのよう な形で存在しているのか。

・日米同盟は米国の他国との同盟関係と比較して、国益と妥協に関して、どの部分におい て同様で、どの部分が異なっているのか

・以上の作業を通じて日米同盟を米国の多層的同盟のどこに、どのように位置づけること が可能か。

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わが国における類似の研究としては船橋洋一編著『同盟の比較研究―-冷戦後秩序を求め て』(日本評論社、2001年)、桜田大造・伊藤剛編『比較外交政策』(明石書店、2004年)な どがあるが、いずれも一般的同盟研究という性格をもつ。それに対して、本共同研究プロジ ェクトでは、「アメリカにとっての同盟」という視点を明確に打ち出し、特に日米同盟への政 策的インプリケーションを強く念頭においている点で類のない研究であるといえる。本プロ ジェクトは学術的に非常に高いレベルにあることはいうまでもなく、それと同時に日米関係 の現場にある実務家にとっても大いなる指針を与えるものと期待される。

【活動概要】

米国研究プロジェクト『アメリカ外交にとっての同盟』研究期間は平成22年度から23年 度の2年間である。1年目に当る昨年度の末に報告書を上梓した。2年目にあたる今年度は同 報告書を基に調査・研究を更に深めるとともに、研究プロジェクトが終了した後には研究成 果を単行本として刊行することを目指す。

定期的に研究会を開催し、委員は担当テーマについての報告を行う。研究会は月1回程度、

今年度末までに8回程度を開催する予定である。研究会には外務省関係各課の参加をもとめ、

在米日本大使館との連携を模索していく。

なお、プロジェクトの成果をJIIAフォーラムや研究所ホームページなどと連動させるなど して、広く公表していく予定である。

【共同研究参加者】

主 査: 久保 文明 (東京大学法学部教授、当研究所客員研究員)

委 員: 阿部 純一 (霞山会主席研究員)

池内 恵 (東京大学先端科学技術研究センター准教授)

石川 卓 (防衛大学校国際関係学科准教授) 岩間 陽子 (政策研究大学院大学教授)

神谷 万丈 (防衛大学校国際関係学科教授)

倉田 秀也 (防衛大学校国際関係学科教授、当研究所客員研究員)

佐々木 卓也(立教大学法学部教授)

中山 俊宏 (青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科教授、

当研究所客員研究員)

細谷 雄一 (慶應義塾大学法学部准教授)

委員兼幹事: 斎木 尚子 (日本国際問題研究所副所長兼主任研究員)

福田 保 (日本国際問題研究所研究員)

松本 明日香(日本国際問題研究所研究員)

担当助手: 高澤 洋志 (日本国際問題研究所研究助手)

Referensi

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