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微細藻類の炭化水素生合成酵素 - J-Stage

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(1)

微細藻類は炭酸固定能の高さなどから,バイオ燃料資源とし

て注目を浴びている.中でも は大量の

液状炭化水素を生産・蓄積するため,重油代替としての利用 が期待されている.本藻種が生産するトリテルペン系炭化水 素の生成機構はスクアレンの生成機構と似ていると予想され ていたが,実際には2つの酵素の組み合わせによりつくられ るユニークなものであることが明らかになった.その新奇生 合成酵素について紹介する.

世はバイオ燃料ブームである.中でも微細藻類由来の 脂質はその生産性の高さから大きな期待が寄せられてい る.実は,我が国において微細藻類によるCO2固定お よび代替燃料生産が注目されるのは今回が初めてではな い.石油ショック後の1980年代に第一のブームがあり,

1993年から2000年までのニューサンシャイン計画で第 二のブームを迎え,今回が3回目となる.筆者は第一の ブームの後半に卒論生として微細藻類の有効利用に関す る研究生活を始めることになった.その際出会った,と

てもユニークな微細藻が である.

本藻種は他の微細藻類とは異なり非常に大量の液状炭化 水素を生産し,しかも細胞外に分泌するという特徴をも つ.爾来,その魅力に取り憑かれて早25年のつきあい になってしまった.その間に色々な研究をしてきたが,

つい最近,本藻種の炭化水素(トリテルペン)生合成酵 素の遺伝子を特定することができた.本稿では,そのこ とを中心に,この変わった微細藻類について解説した い.

とは

実は13年前の本誌において「石油を作る微細藻」と いうタイトルで に関する「解説」を書かせて いただいた(1)

.したがって,本藻種がどんな生物かにつ

いてはそれを参照していただければよいのだが,あまり にも古い話なので,最近の知見も含めて,改めて簡単に 述べたい.本藻種は単細胞性の微細藻類で,世界中の主 として淡水域に生息する.緑色植物門のトレボウクシア 藻綱に属し, などに近縁であると考えられて いる.単細胞性ではあるが細胞間マトリクスと呼ばれる 本藻種自身が生産するバイオポリマーで個々の細胞をつ Enzymes for Triterpene Biosynthesis by the Microalga 

Shigeru OKADA,東京大学大学院農学生命科学研究科

【解説】

バイオ燃料として期待される

微細藻類の炭化水素生合成酵素

岡田 茂

(2)

なぎ止めて群体を形成し,その大きさは数百

μ

mにも達 することがあり,時として肉眼で確認することもできる

(図

1

本藻種にはA, BおよびLという,生産する炭化水素

のタイプが異なる3品種がある.A品種はアルカジエン 

1) およびアルカトリエン (2) と呼ばれる脂肪酸由来の 直鎖状アルケンを生産する(2) (図

2

.それに対しBお

よびL品種はテルペン系の炭化水素を生産する(2, 3)

.テ

ルペンとは炭素数5のイソプレン単位を構成要素とする 化合物およびその誘導体の総称であり,たとえばイソプ レン単位が6つ縮合した炭素数30の化合物をトリテルペ ンと呼ぶ.B品種はトリテルペンであるボツリオコッセ ン (3) およびメチルスクアレン (4) を,L品種はテト ラテルペンであるリコパジエン (5) を生産する.A, B およびL品種に属するいくつかの株につき,18S rDNA 塩基配列による分子系統樹を作成すると,生産する炭化 水素のタイプが同じ株どうしは互いに近縁であることが 示され,またトリテルペンをつくるB品種は,直鎖状の 炭化水素をつくるA品種よりも,テトラテルペンをつ くるL品種により近いことが示された(4)

.しかし,フ

ローサイトメトリーによりゲノムサイズを調べると,A およびB品種のゲノムサイズはともに166 Mb程度であ るのに対し,L品種はそれらより大きく211 Mb程度で あることがわかった(4, 5)

.なお,筑波大学の渡邊 信教

授のグループは日本各地から本藻種の様々な株を分離さ 図1 の群体および染み出す炭化水素

図2 が生産する炭化水素および関連化合物

(3)

れており,上記の分類に当てはまらない脂質生産を行な う株が存在するとのことである(6)

これらの株の中で,L品種は炭化水素含量が乾燥重量 の数パーセントであるため,代替燃料源としての魅力に 欠けている.それに対し,AおよびB品種の炭化水素 は,藻株により違いはあるものの乾燥重量の数十パーセ ントにも達するものが多い.この大量の炭化水素は細胞 内で生産された後,細胞外に分泌されて前述の細胞間マ トリクスに蓄積されるため,顕微鏡による観察時にカ バーグラスで圧迫すると,炭化水素がしみ出てくるのが 確認できる(図1)

.一度細胞間マトリクスに蓄積され

た炭化水素が細胞内に再び取り込まれる現象は観察され ていないため,藻体により栄養源などとして使われるこ とはないらしい.したがって,なぜ,この微細藻がこれ だけ大量の炭化水素を生産し,しかも体外に蓄積してい るのかは未だ謎である.

筆者は,B品種の生産する炭化水素の分子構造が分岐 状で不飽和度が高いことから,代替燃料としてはA品 種のものより有望と考え,B品種の炭化水素生産に関す る研究を行なってきた.事実,B品種由来の炭化水素を 軽質化することで,オクタン価の高い良質の燃料油が得 られている(7)

.しかし,筆者が研究を始めた当初,B品

種の株としてはカリフォルニア大学バークレー校が特許 を有していたShowa株しか入手できなかったため(8)

日本での実用化に制限のない,新しい株の分離から始め なければならなかった.今となっては何でもないことだ が,当時は新しい株を単離してもそれが既存の株とは異 なることを証明するのに18S rDNAの塩基配列を使うこ とは容易ではなかったため,いわゆる「chemotaxono- my」で構成成分の違いを調べるか,増殖特性を比較し て株の新規性を示す必要があった(9, 10)

そうした試みの中,筆者は本藻種のB品種から,遊離 の炭化水素として存在している様々なボツリオコッセン 類の他に,テトラメチルスクアレンを分子内構成要素と するbotryoxanthin類 (6) や,メチルスクアレンのみな らず長鎖フェノールも分子内構成要素とするbraunixan- thin類 (7) という新規カロテノイド系色素を単離・同 定した(11, 12)

.braunixanthinに見られる長鎖フェノール

は,それまではA品種に特異的な脂質と考えられてお り,B品種からは見つかっていなかった(13)

.さらにそ

の後,フランスのMetzgerらによりbraunicetal (8) と いう化合物も発見された(14)

.braunicetalはメチルスク

アレンと環状化した長鎖アルデヒドが縮合した化合物で あり,この長鎖アルデヒドも生合成的にはA品種の炭 化水素と関連性がある.braunixanthinやbraunicetalな

ど,これらメチルスクアレン誘導体の構造は,さらに重 合して本藻種の細胞間マトリクスの形成に関与している 可能性を示している.また,これらの化合物の存在は,

本藻種のB品種における炭化水素関連化合物の生合成経 路が多岐にわたっていることも意味している.すなわ ち,B品種は遊離炭化水素の主要な成分としてボツリオ コッセン系のトリテルペン,および少量成分としてメチ ルスクアレン類を生成する一方,細胞間マトリクスの構 成要素としてはスクアレン系のトリテルペンを生産し,

さらにはA品種と同様に長鎖フェノールや長鎖アルデ ヒドなどの脂質をつくる能力をも有しているわけであ る.

実は,本藻種はA,B両品種とも他の微細藻類に比べ て増殖速度が非常に遅い.通気も何もしない静置培養で は倍加時間が1週間という報告もある(15)

.また,炭化

水素含量の高い株と低い株では,前者において増殖速度 が遅い.さらに,AおよびB品種間で比較すると,一般 的にB品種は増殖が遅い.このことは,B品種のほうが より複雑な炭化水素関連化合物の生合成システムを有し ていて,増殖速度に影響を及ぼしている可能性を示して いる.なお,ボツリオコッセンおよびメチルスクアレン を構成しているイソプレン単位である,イソペンテニル 二リン酸およびジメチルアリル二リン酸は,メバロン酸 経路ではなくメチルエリスリトールリン酸 (methyl- erythritol phosphate, MEP) 経路のみにより供給されて いることが,13C標識したグルコースの取り込み実験に より明らかになっている(16)

.乾燥重量の数十パーセン

トにも達するトリテルペンを生産するために必要な量の イソプレン単位を供給している本藻種のMEP経路は,

他の生物のものと比べて非常に効率が良いのか,あるい はこの経路が律速となって増殖速度が遅くなっているの かは今後の研究課題である.

本藻種による代替燃料生産を行なうためには大規模培 養が必要である.しかし,増殖速度が遅いと,他の微細 藻類が培養槽に夾雑して栄養塩や光に対する競合が起 こった場合,炭化水素の生産性が非常に落ちてしまう恐 れがある.この問題を打開するためには,本藻種におい て光合成により固定された炭素が,上記の炭化水素やそ の関連化合物,あるいはその他の生存に必要な化合物に どのように振り分けられているのか,また,どのような 環境および生理的要因がそれらの化合物のつくり分けを 制御しているのかを明らかにして対処する必要がある.

そのことは取りも直さず,「なぜ,本藻種が大量の炭化 水素をつくるのか?」という疑問の答えを探すことにな る.そこで,本藻種のB品種のトリテルペン系炭化水素

(4)

の生合成酵素遺伝子の同定を行なうこととした.

ボツリオコッセンとスクアレンの生合成メカニズム の比較

ボツリオコッセンには炭素数30 〜37の様々な同族体 が存在するが,それらはすべてC30ボツリオコッセン 

3) を前駆体として,順次 -アデノシルメチオニン 

(SAM) 由来のメチル基が導入されることにより生成す る(17)

.また,

に特異的に存在するメチルスク アレン類も,同様にSAM由来のメチル基が導入されて いる(18)

.本藻種の炭化水素は主として細胞外に蓄積し

ているため,乾燥藻体をヘキサンなどの有機溶媒に浸す だけで,細胞を破壊せずに抽出することができる.この ようにして得られる炭化水素を 細胞外炭化水素 と定 義している.それに対し,細胞外炭化水素を抽出した残 渣について細胞を破砕するか,細胞内への浸透力の強い 有機溶媒を用いることで,細胞内に存在する 細胞内炭 化水素 を回収できる.これらの存在部位の異なる炭化 水素の組成を比較すると,細胞内炭化水素では,ボツリ オコッセン類もメチルスクアレン類もメチル化の度合い の少ないものの割合が高い(19, 20)

.したがって,両タイ

プのトリテルペンのメチル化および細胞外への移行の挙 動には共通性が見られる.スクアレン (9) と3の構造を 比較すると,両者の違いは2分子のファルネシル基が前 者では1-1′結合をしているのに対し,後者では1′-3結合 している点である(図

3

.したがって,ボツリオコッ

センとスクアレンは非常によく似たトリテルペンである と言える.このことから,ボツリオコッセンの生成メカ ニズムに関し,スクアレンの生合成との関連に着目した 研究が行なわれた.

スクアレン合成酵素は膜タンパク質であるため単離精 製が難しかったが,酵母の変異体を用いた機能相補実験 によりその遺伝子が特定されたことでcDNAクローニ ングが可能になり,各種生物から全長クローニングがな され,その酵素学的性質が明らかにされた(21, 22)

.スク

アレン合成酵素は1つのポリペプチド鎖が2段階の反応 を行なう(図3)

.まず,最初の反応で2分子のファルネ

シル二リン酸 (farnesyl diphosphate, FPP) (10) が縮合 し,中間体であるプレスクアレン二リン酸 (presqua- lene diphosphate, PSPP) (11) が生成する.次の反応で は,PSPP中のシクロプロパン環の開裂,炭素‒炭素結 合の再構築およびNADPHによる還元が起こり,スクア

図3スクアレンおよびボツリオコッセンの生成メカニズムの比較

スクアレンはスクアレン合成酵素によるファルネシル二リン酸 (FPP) からプレスクアレン二リン酸 (PSPP) を経由する2段階の反応によ り生成する.それに対しボツリオコッセンは,スクアレン合成酵素反応の2段階目が異なることで生成しうるが,FPPを直接の基質とする かがわかっていなかった.

(5)

レン分子が生成すると考えられている.各種生物由来の スクアレン合成酵素のアミノ酸配列を比較すると,生物 種間を超えて良く保存されている6つのドメインⅠ〜Ⅵ が存在する(図

4

.ドメインⅥは配列としての相同性

は見られないものの,疎水性アミノ酸が連続しており,

膜への結合に関与している.

これらのドメインにおけるアミノ酸残基を変異させた リコンビナント酵素を用いた研究から,各ドメインの機 能が調べられている(23)

.たとえば,ドメインⅢにおけ

るチロシン残基をフェニルアラニンに変えると酵素活性 を示さなくなり,またFPPの結合部位であるドメイン

Ⅳのアスパラギン酸残基をグルタミン酸に変えることで も酵素活性が見られなくなった.これらのことから,ド メインⅢおよびⅣはスクアレン合成反応の1段階目に とって重要であるものと考えられた.また,ドメインⅤ のフェニルアラニンやグルタミン残基を変異させると,

FPPから変換されたPSPPが蓄積するもののスクアレン が生成しないことから,この部位が2段階目の反応に重 要であることが示唆された.

ユタ大学のPoulterらは,放射性同位体で標識した ファルネソール (12) を の培地に添加し,ボ ツリオコッセンおよびスクアレンへの放射能の取り込み を観察した(24)

.その結果,放射能は両者に効率良く取

り込まれた.さらに,位置および立体特異的に重水素標

識したファルネソールの存在下, を培養し,

得られたボツリオコッセンにおける重水素の標識パター ンを詳細に解析した結果,ボツリオコッセンはスクアレ ンと同様に,2分子のFPPの縮合により生成したPSPP を中間体として生成することが強く示唆された.一方,

東北大の井上らも,放射性ファルネソールを用いた の実験で,放射能がボツリオコッセンおよびスクア レンに取り込まれることを確認した(25)

.しかし,藻体

ホモジネートに放射性FPPを添加した のアッセ イでは,放射性スクアレンは検出されるもののボツリオ コッセンの生成は確認できなかった.さらに,基質の細 胞内への透過性を高めるために細胞壁を消化してプロト プラスト化した に,アルデヒドであるファル ネサール (13) を放射性同位体で標識したものを与える と,ボツリオコッセンに放射能が取り込まれることを見 いだした.さらに,この実験において放射性の3-hy- droxy-2,3-dihydrofarnesal (14) が生成し,この物質自 身も効率よくボツリオコッセン画分に取り込まれたこと から,ボツリオコッセンはスクアレンとは異なり,FPP ではなく本物質あるいはファルネサールを直接の基質と し,アルドール縮合あるいはチアミン二リン酸を介した Michael付加的な反応によって生成する可能性を提唱し た(26)

図4各種生物由来スクアレン合成 酵素の保存領域

ここで示した7種の酵素間で保存さ れているアミノ酸残基を網がけで示 した.BSS (Botryococcus Squalene Syn- thase) のドメインVが,タバコなど のスクアレン合成酵素と似ているの に対し,BBS (Botryococcus Botryococ- cene Synthase) では似ていないこと に注目.

(6)

ボツリオコッセン合成活性はFPPを基質として検 出できる

上記の研究は,酵素反応生成物を薄層クロマトグラ フィーで分離し,ボツリオコッセンおよびスクアレンに 相当する部位の放射能を測定することで酵素活性を検出 していたのだが,スクアレンには合成標品があるのに対 し,C30のボツリオコッセンは市販品がないため,ボツ リオコッセン合成酵素活性についてはC30ボツリオコッ センそのものではなく,それ以外のボツリオコッセンと の混合物の放射能を測定している可能性があった.そこ で筆者は,上記の先行研究を参考にし,藻体から単離・

精製したC30ボツリオコッセンを標品として用い,FPP を基質として藻体ホモジネート中のボツリオコッセン合 成酵素活性を検出できるアッセイ系の確立を目指した.

紆余曲折の結果,スクアレン合成酵素活性のアッセイ系 で通常使われているTritonなどの界面活性剤を反応系 から除くことで,FPPからスクアレンのみならずボツ リオコッセンが生成することを確認できた(27)

.また,

スクアレン合成酵素の特異的な阻害剤であるsquale- statinが,藻体ホモジネート中のスクアレン合成酵素も ボツリオコッセン合成酵素も同程度に阻害することがわ かった.squalestatinはスクアレン合成酵素反応の中間 体であるPSPPと構造が似ているために酵素を阻害す る(28)

.したがって,ボツリオコッセンもPSPPを中間体

として生成することがより強く支持された.また,増殖 段階の異なる藻体について両トリテルペン合成酵素活性 を測定したところ,スクアレン合成酵素活性が培養期間 を通じて検出できたのに対し,ボツリオコッセン合成酵 素活性は主として培養初期の増殖の活発な時期に見られ た.

 B品種のトリテルペン生合成酵素遺伝 子の探索

藻体中におけるボツリオコッセン合成酵素活性および スクアレン合成酵素活性の発現の時期および界面活性剤 に対する感受性の違いから,両酵素活性は別々の酵素に 依存していることが示唆された.そこで,以下の仮説に 立ってボツリオコッセン合成酵素遺伝子のcDNAク ローニングを行なうことにした.

①ボツリオコッセン類とメチルスクアレン類のメチル 化および細胞外への移行の挙動が似ていることか ら,ボツリオコッセンは 細胞内のスクア レンが生成する場所と同じ所で,スクアレン合成酵 素と非常によく似た酵素によりつくられる.

②ボツリオコッセンとスクアレンの分子構造の違い

は,スクアレン合成酵素が司る反応における2段階 目が異なることにより生じ得ることから,ボツリオ コッセン合成酵素はスクアレン合成酵素の6つの保 存領域のうち,ドメインⅤのみが異なる.

まず,各種生物由来のスクアレン合成酵素において保 存されているアミノ酸配列を参考にして縮重プライマー を設計し,スクアレン合成酵素遺伝子と相同性を示す遺 伝子の部分配列を得た.これをプローブとし,Showa 株から作製したcDNAライブラリーをスクリーニング したところ,466アミノ酸残基からなるタンパク質を コードしているcDNAが得られた(図4中のBSS)(29)

このcDNAの演繹アミノ酸配列は,上記の仮説②に反 してスクアレン合成酵素で保存されているすべてのドメ イン,特にドメインⅤが他のスクアレン合成酵素と似て いたため,ボツリオコッセン合成酵素である可能性は低 かったが,それまでに知られていた他生物由来のスクア レン合成酵素と比べてアミノ酸残基数が多い点でユニー クであったことから,大腸菌で発現させたタンパク質に ついて,上述の新たに確立したアッセイ法で活性を測定 することにした.しかし予想通り,ボツリオコッセン合 成酵素活性はなく,スクアレン合成酵素活性しか検出で きなかったため,本酵素は通常のスクアレン合成酵素で あ る と 考 え,BSS (Botryococcus Squalene Synthase) 

と命名した.

次に,他にもスクアレン合成酵素に類似した酵素が存 在しないかを調べるために,BSSをプローブとし,ハイ ブリダイゼーションの条件を緩くしてcDNAライブラ リーのスクリーニングを再度行なったところ,BSSと相 同性を示す403アミノ酸残基のタンパク質をコードする 第2のcDNAクローンが得られた(図4中のBBS)

.こ

のcDNAの演繹アミノ酸配列は,ドメインⅠ〜Ⅳがス クアレン合成酵素と高い相同性を示す一方,ドメインⅤ が他のスクアレン合成酵素とは似ていなかった.また,

スクアレン合成酵素に共通して見られる,膜との結合に 関与するカルボキシル末端の疎水性領域(ドメインⅥ)

も存在しなかった.藻体ホモジネートを遠心分離により 分画すると,ボツリオコッセン合成酵素はスクアレン合 成酵素と同様,膜画分に活性が検出される.先に述べた ように,界面活性剤の添加によりボツリオコッセン合成 酵素活性が消失することは,この酵素がスクアレン合成 酵素のように強固に膜に結合しているのではなく,疎水 結合などで緩く膜と相互作用をしている可能性を示唆し ており,本クローンに膜結合領域が見られないというこ ともボツリオコッセン合成酵素である可能性を示してい た.

(7)

そこで,喜び勇んでBBS (Botryococcus Botryococ- cene Synthase,後にSSL-1

=Squalene Synthase Like-1

と改名)と名付けて,大腸菌で発現させたタンパク質の 活性を調べた.ところが,ボツリオコッセンの合成活性 はおろか,スクアレンの生成も確認できなかった.ボツ リオコッセン合成酵素は何分にも未知のタンパク質であ ることから,大腸菌で発現させたタンパク質では翻訳後 修飾がされていないために活性を示さない可能性も考 え,酵母やタバコでのこのタンパク質の異種発現も試み た.また,すでにスクアレン合成酵素活性の確認できた BSSのドメインⅠ〜Ⅳと,BBSのドメインⅤ以降の部 分から成るキメラタンパク質を作製して活性の検出も試 みたが,依然としてボツリオコッセン合成酵素活性は検 出できなかった.しかし,大腸菌でつくらせたBBSタ ンパク質を藻体ホモジネートに加えて酵素活性を測定す ると,藻体ホモジネートがもともと有していたボツリオ コッセン合成酵素活性に比べて飛躍的に高い活性が観察 されたことから,BBSタンパク質はボツリオコッセン の生成に必須であるものの,藻体内に存在する「BBS と協調して働く別の因子」が酵素活性発現には必要であ ることが示された(30)

.この因子は補酵素や金属塩類な

どの低分子の物質ではなく,膜画分に存在するタンパク 質性の因子であることが,加熱処理やプロテアーゼ処理 により示された.

一方,基質であるFPPを大量に蓄積することができ る酵母の変異株(31)にBBS遺伝子を導入して発現させ,

その細胞内成分を分析したところ,BBS遺伝子を導入 していない酵母には見られない成分がGC-MSで確認さ れた(図6-aおよびb参照)

.当該成分はプレスクアレン

アルコール (15) であることが判明したことから,酵母 細胞中においてBBSはスクアレン合成酵素の1段階目の 反応を行ない,生成したPSPPが酵母のホスファターゼ によりプレスクアレンアルコールに変換されているもの と考えられた.そこで,大腸菌で発現させたBBSを用 いて で再確認をしたところ,確かにFPPから PSPPが生成した.したがってBBSはFPPからPSPPへ の変換という,スクアレン合成酵素およびボツリオコッ セン合成酵素共通の反応を行なえるものの,2段階目の 反応に必要な何かが不足しているものと考えられた.

これに関連し,藻体ホモジネートを用いたアッセイで は,NADPHを反応系に加えることでFPPからのスク アレンおよびボツリオコッセンの生成を検出できる.し かし,もしPSPPからボツリオコッセンへの変換時に NADPHが直接利用されるのではなく,藻体ホモジネー ト内に特異的に存在する因子により,NADPHの還元力

がいったん他のヒドリド供与体に伝達されてから働くの であれば,大腸菌や酵母でつくられたBBSのみを用い るアッセイ系では,PSPPからボツリオコッセンへの変 換は起こらないことになる.そこで,上述の藻体に特異 的に存在するタンパク質性の因子として,フェレドキシ ンやフェレドキシンNADP還元酵素など,NADPHと カップリングして機能するタンパク質をコードしている 遺伝子をクローニングし,得られたタンパク質とBBS と組み合わせてアッセイを行なったが,結果は芳しくな かった.

スクアレン合成酵素様タンパク質がB品種には複 数存在

このように,ボツリオコッセン合成酵素と思われる cDNA (BBS) がクローニングされて以来,10年以上も その機能の解明に苦しんでいるうちに,世の中の技術,

特にDNA塩基配列解析技術が発展し,高嶺の花であっ た EST (Expressed Sequence Tag) 解析にも手が届く ようになった.そこで,上述の酸化還元反応に関与する ようなタンパク質を中心に未知因子を探すべく,Showa 株についてEST解析を行なったところ,意外なことに スクアレン合成酵素と相同性を示すタンパク質をコード する遺伝子が,BBS遺伝子の他にまだ2つも発現してい ることが判明した(図

5

.そこで,先に「BBS」と命

名されFPPからPSPPへの変換能を有するタンパク質を  SSL-1 (Squalene Synthase Like-1) と改名し,その他を SSL-2およびSSL-3と名付けた(30) (図5)

.そして,それ

らを単独,あるいは組み合わせてFPP蓄積能を有する 酵母内に導入したところ,SSL-3単体では何も生じな かったが(図

6

-d)

,驚いたことにSSL-1とSSL-3を共発

現させるとボツリオコッセン (Peak1) が生成した(図 6-f)

.また,少量のスクアレン (Peak2) も生成している

ことが確認された.したがって,SSL-3はFPPを基質と してPSPPを生成する1段階目の反応は行なえず,SSL-1 によりつくられたPSPPを利用した2段階目の反応のみ を行なうことがわかった.一方,SSL-1とSSL-2の組み 合わせでは,ボツリオコッセンは生成せずスクアレンが 生成した(図6-e)

.一般的なスクアレン合成酵素が行な

う2段階の反応を,1段階ずつ別々の酵素が働くことで スクアレンが生成する例はこのSSL-2が初めてであり,

に特異的なものと考えられる.したがって,

最初にクローニングされたBSSが,他生物にも普遍的 に存在するステロールの前駆体生成用のスクアレン合成 酵素であるのに対し,SSL-2は本藻種に特異的なメチル スクアレンおよびその誘導体などの二次代謝産物をつく

(8)

るために藻体内で機能しているものと推定される(図

7

.SSL-1とSSL-3の組み合わせで生じる少量のスクア

レンも,メチル化を受けて二次代謝産物としてのスクア

レン誘導体の生成に寄与しているか否かは現時点では不 明である.

さらに興味深いことに,SSL-2は単独でNADPHの存 図5  B品 種から見つかったスクアレン合成酵 素様 Squalene Synthase LikeSSL)タンパク質における保存領域 の比較

他生物のスクアレン合成酵素および ここに示した4つの酵素間で保存さ れているアミノ酸残基を網がけで示 した。

図6SSL遺伝子を導入した酵母内での物質生産

遺伝子導入をしていない酵母 (a) に比べて,新たにピーク1 〜4(矢印)で示される物質が蓄積していた.SSL-1はFPPからPSPPへの変 換反応のみを行なう (b).それに対しSSL-3は,FPPを基質とする1段階目の反応は行なえず (d),PSPPを利用した2段階目の反応のみを 行なう (f).SSL-2は単独でも少量のスクアレンを生成するので (c),FPPからの2段階の反応を行なえるが、藻体内ではPSPPを基質とす る2段階目の反応を主として行なっているものと推定される (e).

(9)

在下,FPPを基質として少量のスクアレンとともにビ スファルネシルエーテル (16) という,今まで検出され たことのない化合物を主成分として生成した(図6-c)

これらの結果は,大腸菌で発現させたタンパク質を用い た のアッセイでも同様であった.SSL-1により 生成したPSPPが,SSL-2およびSSL-3の基質として受 け渡されるためには,複合体を形成している必要はない らしく, でSSL-1により生成したPSPPを溶媒抽 出した後,別途SSL-2およびSSL-3に添加すると,それ ぞれスクアレンおよびボツリオコッセンが生成した.し かし,ビスファルネシルエーテルが で見られ ないこと,SSL-1およびSSL-3には膜結合部位と思われ る配列が見あたらないこと,さらには藻体ホモジネート に界面活性剤を加えるとボツリオコッセン合成酵素活性 が消えてしまうことから,SSL-1 〜3が藻体内で複合体 を形成して膜に存在している可能性は捨てきれない.

おわりに

今回, のB品種におけるトリテルペン類生 合成に関わる複数の酵素遺伝子が特定されたことで,本 藻種におけるトリテルペン類の生合成メカニズムの全体 像を明らかにしていくための重要な手がかりが得られた ことになる.

ボツリオコッセンおよびメチルスクアレン類が細胞内 のどこでつくられ,どのように細胞外へ運ばれていくの か?  現 時 点 で は 技 術 的 に 無 理 で あ る が,SSL-1 〜

SSL-3遺伝子をノックダウンすることにより,藻体にど のような影響が出るのか? あるいは逆に,これらの遺 伝子を藻体内で過剰発現させると炭化水素収量はさらに 上がるのか? 興味は尽きない.また,遺伝子組換え技 術により,ボツリオコッセンをもっと増殖の速い異種生 物細胞内でつくらせることによって,石油代替燃料を効 率良くつくることが可能になるかも知れない.事実,上 記のFPP蓄積能のある酵母においてSSL-1とSSL-3の融 合タンパク質を発現させたところ,培地1  当たり数十 mgに相当するボツリオコッセンをつくらせることがで きた.酵素アッセイ標品用のC30ボツリオコッセンを,

藻体から少しずつ単離しては大切にため込んでいた頃に は信じられなかったことである.実際には,大量の炭化 水素をつくらせるということは,その生物にとって生き ていく上で「足枷」になり,速かった増殖速度も

並に遅くなるということも十分に考えられる.

13年前の本誌に「誰がために油はたまる?」と幾分 ふざけた見出しをつけたが,まさにこの問いに対する答 えを見つける研究がこれから始められるわけである.

本稿で述べたトリテルペン生合成酵素遺伝子の特定に 関する研究は,米国ケンタッキー大学Joe Chappell教授 の研究室に1997年の留学時に筆者が持ち込んだ課題で,

そのときの2年余りの滞在以降,今日までずっと共同研 究を続けていただいた成果である.特に後半は,Chap- pell研究室の博士課程学生,Tom Niehaus氏の努力によ るところが大きかった.本稿のおわりに,改めてChap- pell教授をはじめとする関係者に厚く謝意を表する.

図7  B品種におけるトリテルペン類の生成経路

(10)

文献

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佐藤 陽子(Yoko Sato) <略歴>1997 年静岡大学理学部生物学科卒業後,名古屋 大学大学院理学研究科博士課程(前期課 程)修了,同大学院生命農学研究科博士課 程(後期課程)修了(農博),日本学術振 興会特別研究員(PD,九州大学/兵庫県立 大学/スウェーデン・ストックホルム大 学),同海外特別研究員(スウェーデン・

ストックホルム大学)を経て,2007年東 北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻助 教,現在にいたる<研究テーマと抱負>親 水的な膜貫通部位など,特殊な特徴をもつ 膜タンパク質の組込み機構の解明<趣味>

合唱曲を聞くこと,歌うこと(クラシッ ク,特にモーツァルトの宗教曲)

繁森 英幸(Hideyuki Shigemori) <略 歴>1985年慶應義塾大学理工学部化学科 卒業/ 1987年同大学大学院理工学研究科 化学専攻前期博士課程修了/ 1990年同後 期博士課程修了/同年(財)相模中央化学研 究所研究員/同年北海道大学薬学部助手/

1999年同大学大学院薬学研究科助教授/

2001年筑波大学応用生物化学系助教授/

2009年同大学大学院生命環境科学研究科

教授,現在にいたる<研究テーマと抱負>

神秘的な生命現象に関わる生理活性物質の 探索と分子レベルでの機構解明.教科書に 載るような発見・研究を行ないたい<趣 味>少年野球

シ ユ タ サ  カ ン ス ポ ー ン(Kansuporn  Sriyudthsak) <略歴>平成17年タイ王 国カセサート大学生物工学科卒業/ 18年 英国インペリアルカレッジロンドン生物化 学工学科修士課程修了/ 22年九州大学大 学院生物資源環境科学府博士後期課程修 了/同年(独)理化学研究所植物科学研究セ ンター代謝システム解析チーム特別研究員

((独)科学技術振興機構CREST),現在に いたる<研究テーマと抱負>植物アミノ酸 代謝のオミクス統合解析による解明<趣 味>美しい自然の旅行

白 石  文 秀(Fumihide Shiraishi) <略 歴>昭和59年九州大学大学院工学研究科 化学機械工学専攻博士後期課程修了/同年 同大学助手/平成3年九州工業大学情報工 学部助教授/ 17年九州大学バイオアーキ テクチャーセンター教授/ 22年同大学大

学院農学研究院生命機能科学部門教授(バ イオアーキテクチャーセンター教授併任), 現在にいたる.この間,平成2年米国ミシ ガン大学医学部博士研究員<研究テーマと 抱負>大規模代謝反応ネットワークの解 析.超高精度数値計算.光触媒を利用した 空気と水の浄化.太陽光をエネルギー源と する水の電気分解による水素生産<趣味>

クラシックギターを弾きながら物思いに耽 ること

杉 井  重 紀(Shigeki Sugii) <略 歴> 1996年京都大学農学部農芸化学科卒業/

2003年米国ダートマス大学(博士号取得)

を経て,2010年米国ソーク研究所および ハワードヒューズ医学研究所博士研究員/

2011年シンガポール・バイオイメージン グ研究所グループリーダーおよび米国 デューク大学・シンガポール国立大学ジョ イント医学系大学院助教授,現在にいたる

<研究テーマと抱負>脂肪由来の幹細胞に ついて,発生の起源と再生医療分野に応用 するための研究<趣味>旅行,社会経済に 関する読書

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二、次の文章を読んで後の問に答えなさい。 なぜ自分はこの世に生まれ、なぜ生き続けているのか。もともと、この問いを考えるのは哲学の役割でした。哲学は、世界をわかりやすく解釈すること、そして、生きる意昧を教えること、という二つの使命を負っ ていました。 取られてしまいます。 A、社会の大きな変化により、哲学は二つの学問に乗っ① かの生物と同じように