2016年7月6日
格差と援助の経済学 2016 年春学期末試験
返却希望 する しない
学籍番号 氏名
4/27 5/18 6/11HW 6/15 6/22HW 平常点
I II III 期末点 総合点
1. P.1(このページ)とP.5の所定欄に学籍番号、氏名、を書くこと。
2. 解答用紙の追加は認めないので、書く内容を十分に吟味してから解答スペース内に解答を書くように。
3. 採点後の答案の返却を希望する場合にはこのページの右上の「する」に○をつけること。以下の有資格者には返却希望に 応じる。
020 037 047 056 066 073 170 181 191 196 234 274 282 307 308 365 394 434 499 536 570 634 742 769 803 824 861 871 875 905 930 943 944 955 977
4. 「しない」「する」のいずれにも印がない場合は返却希望しないの意味とする。
5. 返却希望の意思表示をしても、返却日に無断欠席・遅刻をした場合、その後の返却希望には一切応じない。
6. このページには学籍番号、氏名、返却希望の有無以外は何も書いてはいけない。
I. 貧困指数( 40 点)
(1) P0 P1 P2のうちP0とP2それぞれの長所と短所とを整理しなさい。(8点)
(2) P0を政策基準にするとどのようなことが起きるか論じなさい。(8点)
(3) 以下の2つの条件を前提にすると、3つの貧困指数の中でもっとも望ましいのはどれだろうか。(12点) 単調性:貧困者の所得増加は貧困指数を減少させる。
移転性:貧困層の中で相対的に所得の高い者から相対的に所得が低い者への所得移転がおこなわれたら貧困指数を減少させる。
(再分配後も両者ともに貧困状態のままとする)
以下に1983年と1995年のバングラデシュの貧困・格差データを示す。
Survey year Mean Pov. line Headcount Pov. gap Pov. gap square Gini
1995 41.88 38.0 60.55 19.27 8.00 32.98
1983 38.16 38.0 60.57 17.91 7.31 25.88
(4) 83年から95年にかけて貧困にどのような変化があったか。(6点)
(5) 功利主義を前提にすると社会厚生についてどのような結論を導けるだろうか。(6点)
II. 小問 (25 点 ) 以下について簡単に説明しなさい。
(1) 厚生経済学の基本定理における格差問題の位置づけ (5点)
(2) ローレンツ曲線(5点)
(3) 貧困ライン(5点)
(4) 日本のODAにおける総合的判断(10点)
学籍番号 氏名
III. トリックルダウン仮説( 25 点)
渡辺利夫「中国の経済体制改革と 小平思想」フィナンシャル・レビュー1994年にある次の文章を読んで問いに答えなさい。
小平思想の残るもう一つの核心は物質的刺激策であり,これによって富める資格をもった者,地域,単位がまず 豊かになるべきだという「先富論」であった。・・・ 小平は,こう指摘している。「一部の条件の整っている地域を まず発展させ,残りの地域はあとから発展させる。さきに発展した地域が遅れた地域を引っ張って,最後にはみん なが豊かになる。さきに豊かになった地域が多くの税金を払い,貧困な地域の発展を助けるんだ。もちろん,これ をやるのがはや過ぎちゃいかん。発達している地域の活力をそいではいかん。私はその時期は今世紀末,わが国が
『小康水準』のレベルに達したとき,議論し,解決すればいいと考えている。」
(1) 小康水準とは何か。先富論の意味を考えると、どのように説明できるか。(5点)
(2) 先富論の基礎にある社会厚生関数はどのようなものであると考えるか。理由を付してくわしく説明しなさい。(20点)
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