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特 殊 教 育 Ⅱ

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(1)

特 殊 教 育

(2)

1.特殊教育の現状と課題

特殊教育の現状と課題 単 元 名

現在の我が国の特殊教育の現状と課題を理解する。

講義 授 業 形 態

① 特殊教育の現状について解説する。

a 就学状況

盲学校,聾学校及び養護学校の学校の種類,学校数,在籍児童生徒数,

教員数について各年度の最も新しいデータで説明する。

(文部省初等中等教育局編の特殊教育資料を利用する) b 重度・重複化への対応

c 軽度障害への対応 (a) 通級による指導 (b) 学習障害への対応 d 高等部訪問教育の充実

② 学習指導要領について解説する。

平成11年3月告示の盲学校,聾学校及び養護学校の学習指導要領の中から いくつかのポイントを説明する。

a 養護・訓練から自立活動へ b 個別の指導計画

c 交流教育‑‑小,中,高の学習指導要領に明記されたこと

③ 通常の教育と特殊教育の連携について解説する。

平成11年3月告示の学習指導要領に 「交流教育」 「家庭や地域との連携」 「(特, , , 殊教育諸学校は)地域における特殊教育に関する相談センターとしての役割」が明 記されていることを説明する。

④ 障害者施策の最近の動向を解説する。

a 平成5年3月「障害者対策に関する新長期計画」

b 平成5年12月「心身障害者対策基本法」が「障害者基本法」へ改訂 c 平成7年12月「障害者プラン〜ノーマライゼーション7か年戦略」

3.特殊教育の基礎,(1)から(6)及び 5.障害児教育の展開,(3)等を参照のこと

(3)

資 料

参考文献

1. 文部省 1999 平成11年 盲学校,聾学校及び養護学校 幼稚部教育要領 小学部・中学部 学習指導要領 高等部学習指導要領 大蔵省印刷局

2. 文部省 1999 平成11年 リーフレット「生きる力をはぐくむために」 文部省初等中等教育 局特殊教育課

3. 文部省 1999 平成11年 リーフレット「新しい学習指導要領で学校は変わります。」 文部省 初等中等教育局小学校課教育課程企画室

4. 文部省 1999 特殊教育資料(平成10年度) 文部省初等中等教育局特殊教育課

5. 特殊教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議 1997 特殊教育の改善・充実について 第一次報告・第二次報告 文部省初等中等教育局特殊教育課

コ ラ ム

国際障害分類(ICIDH‑2)について

障害の考え方については,教育,医療,福祉等の様々な立場からの考え方があり,また,その 考え方は日々変化していると言っても過言ではない。それらの多くの考え方の中の一つに,「国 際障害者分類」がある。「国際障害者分類」と述べているが,「国際障害分類第2版,機能障害,活 動,参加の国際分類‑障害と機能(働き)の諸次元に関するマニュアル(ICIDH‑2 International Classification of Impairments, Activities,and Participation‑A Manual of Dimensions of Disablement and Functioning. World Health Organization, 1997)」が正式な名称である。

わが国でも,ICIDH日本協力センターによってフィールドテストが実施中である。

<ICIDH日本協力センター>

代表: 上田 敏(日本障害者リハビリテーション協会)

事務局長: 佐藤久夫(日本社会事業大学)

副事務局長: 大川弥生(国立長寿医療研究センター老人ケア研究部)

<連絡先>

〒474‑8522 愛知県大府市森岡町源吾36−3 国立長寿医療研究センター老人ケア研究部 リハビリテーション研究室

Tel: 0562‑44‑5651〜5653 内線:870, 872, 876(*デジタル回線)

Fax: 0562‑44‑9163 / 0562‑44‑5651 内線:872 E‑mail: [email protected]

(担当:天野)

(4)

2.障害児の発達と学習の基礎

1 視覚障害 単 元 名 ( )

視覚障害に配慮した教育の特性についての理解を深めるとともに,視覚障 害児の教育実践における発達評価の原理,並びに発達特性に応じた学習の進

め方に関する基本的な理解を培う。

講義,ビデオ視聴 授 業 形 態

① 定義

視覚障害の定義を解説する。

② 特性

視覚障害児の発達特性に応じた学習の方法,並びに自立活動について次の内容 で解説する。

視覚障害が運動発達に及ぼす影響と発達援助並びに学習 a

視覚障害が言語発達に及ぼす影響と発達援助並びに学習 b

視覚障害が知覚・認知発達に及ぼす影響と発達援助並びに学習 c

自立活動のための個別の指導計画における発達評価の重要性 d

③ 指導上の配慮事項

視覚障害児の教育における指導上の配慮事項について次の内容で解説する。

身体・運動機能の発達を促進するための教育環境の整備 a

環境認知に関する保有する諸感覚の利用の促進 b

歩行指導の基礎と移動の自立の促進 c

点字並びにコンピュータ・リテラシーの技能習得の促進 d

視機能管理の自立と弱視用補助具の活用の促進 e

各教科の学習に関する適切な教材・教具の利用・開発の促進 f

④ 教育の場

盲学校,弱視特殊学級,及び通級による指導 通級指導教室 の現状と役割につ( ) いて解説する。

4.体験・視聴覚学習 (1)を参照すること

(5)

資 料

参考文献

○ 視覚障害児の教育全般並びに定義

1. 石井武士編著 1999 障害児教育の基礎と展開 コレール社 (第4章 視覚障害)

2. 大川原潔他編 1999 視力の弱い子どもの理解と支援 教育出版

3. 香川邦生編著 1996 視覚障害教育に携わる方のために 慶応義塾大学出版 4. 小林一弘 1995 視覚障害教育の実際 あずさ書店

5. 佐藤久夫・於保真理 1998 特集:国際障害分類の改定の動向 視覚障害,154,pp.1‑17

○ 特性

1. 五十嵐信敬 1993 視覚障害幼児の発達と指導

2. 市川隆一郎他編 1999 介護福祉士選書8・障害者心理学 建帛社 3. 佐藤泰正編著 1988 視覚障害心理学 学芸図書

4. 文部省 1999 平成11年 盲学校,聾学校及び養護学校 幼稚部教育要領 小学部・中学部 学習指導要領 高等部学習指導要領 大蔵省印刷局

5. デウィッド・H・ウォーレン著 山本利和監訳 1998 視覚障害と発達 二瓶社

○ 指導上の配慮事項

1. 原田政美 1989 眼のはたらきと学習:障害児教育と学校保健の基礎知識 慶応通信 2. 五十嵐信敬 1994 目の不自由な子の感覚教育百科 コレール社

3. 稲本正法他編 1995 教師と親のための弱視レンズガイド コレール社 4. 文部省 1984 視覚障害児の発達と学習 ぎょうせい

5. 文部省 1985 歩行指導の手引 慶応通信

6. 文部省 1986 観察と実験の指導の手引 慶応通信

7. 文部省 1987 視覚障害児のための言語の理解と表現の指導 慶応通信 8. 文部省 1995 点字学習指導の手引(改訂版) 慶応通信

○ 教育の場

1. 落合俊郎 1997 世界の特殊教育の新動向 社団法人 日本知的障害者福祉連盟 2. 全国盲学校長会編 1999 全国盲学校実態調査

3. 文部省初等中等教育局特殊教育課 1999 特殊教育資料(平成10年度)

(6)

2.障害児の発達と学習の基礎

2 聴覚障害 単 元 名 ( )

講義及び聾学校での指導場面のビデオ視聴を通して聴覚障害児の発達に関

する基本的特性を理解する。

講義,ビデオ視聴 授 業 形 態

① 定義

聴覚障害の定義について解説する。

② 特性

聴覚障害児の発達的特性に関して以下の項目について解説する。

a 言語・コミュニケーション:聴覚障害による音声言語発達への制限,他のコ ミュニケーション・モード(コミュニケーション手段)による言語発達

b 認知:認知検査の結果における聴覚障害児の発達とその特徴。具体的概念と 抽象的概念の発達

c 社会性・パーソナリティ:各種性格検査の結果にみられる特性について触れ る

③ 指導上の配慮事項

聴覚障害児の発達的特性に関して以下の項目について解説し,聾学校での指導 場面のビデオの視聴により、深く理解させる。

a コミュニケーション・モ−ド:音声、文字,手話,指文字,キュード・スピ ーチなどの体系

b 言語指導:発達段階やコミュニケーション・モードの違いによる特徴 c 教科指導:視聴覚機器,マルチメディアの活用

d 自立活動:聴覚活用,発音・発語指導,障害認識 e 交流教育:障害認識,人間理解

④ 教育の場

聾学校,難聴特殊学級及び通級による指導(通級指導教室)の現状と役割につい て解説する。

4.体験・視聴覚学習(2)を参照すること

(7)

資 料

参考文献

○ 聴覚障害全般

1. 草薙進郎 1996 聴覚障害児の教育と方法 コレール社 2. 中野善達他編著 1996 聴覚障害児の教育 福村出版

3. 吉岡博英他編著 1996 聴覚障害教育情報ガイド コレール社

○ 聴力検査,聴覚活用

1. 服部 浩 1994 基本的聴覚検査マニュアル 金芳堂 2. 堀口申作 1984 聴力検査の実際 改訂第6版 南山堂

3. 文部省 1992 聴覚障害教育の手引 聴覚を活用する指導 海文堂出版 4. 大沼直紀 1997 教師と親のための補聴器活用ガイド コレール社 5. 徳島県立聾学校編 1992 音遊びの聴覚学習 学苑社

〇 手話,コミュニケーション

1. 丸山浩路 1993 初めての手話の本 祥伝社

2. 文部省 1995 聴覚障害教育の手引−多様なコミュニケーション手段とそれを活用した指導

− 海文堂出版

3. 都築繁幸編著 1997 聴覚障害幼児のコミュニケーション指導 保育出版社 4. 全日本ろうあ連盟 1987 わたしたちの手話 全日本ろうあ連盟

〇 発音・発語指導,言語指導

1. 岡 辰夫 1990 たのしい発音教室 コレール社 2. 柳生 浩 1995 わかりやすい言語指導 湘南出版社

〇 聴覚障害教育用ビデオ

1. 聴覚障害者教育福祉協会 1993 トータルコミュニケーションの実際 聴覚障害者教育福祉 協会

2. 聴覚障害者教育福祉協会 1988 幼児の言語指導 聴覚障害者教育福祉協会 3. 聴覚障害者教育福祉協会 1988 幼児の発語指導 聴覚障害者教育福祉協会 4. 全国特殊教育推進連盟によるビデオ教材

聾学校の教育編

難聴・言語障害特殊学級の教育編 聴覚障害児の理解と指導編 聾学校の養護・訓練編

○ 教科書指導書

1. 文部省 1995 国語科教科書指導書−聾学校小学部1年用− 東山書房 2. 文部省 1996 国語科教科書指導書−聾学校小学部2年用− 慶應出版会 3. 文部省 1997 国語科教科書指導書−聾学校小学部3年用− 教育出版 4. 文部省 1987 聾学校中等部国語(言語編)教科書指導書 慶應出版会

(8)

2.障害児の発達と学習の基礎 (3)知的障害

単 元 名

「知的障害」を正しく理解するとともに,知的障害教育における領域・教科 を合わせた指導、及び教科別の指導,領域別の指導について理解する。

講義 授 業 形 態

① 定義・特性

「知的障害」の定義について解説する。なお,知的障害が人格,情緒等をあらわ しているのではないことに触れる。

また,知能の発達,知覚・認知,記憶,言語発達,適応行動等の特性について 説明する。

② 指導上の留意点

知的障害児の指導について,知的障害児の教育の目標,知的障害児の教育内容 を解説する。また,知的障害児のコミュニティでの生活支援という視点にも触れ る。

③ 各教科

学習指導要領では,知的障害にふさわしい独自の目標と内容を示していること を説明する。

④ 自立活動

知的障害教育の自立活動は,知的発達のレベルからみて,言語,運動,情緒・

行動などに随伴してみられる顕著な発達の遅れや特に配慮を必要とする様々な状 態についての特別な指導であることを説明する。

⑤ 学校教育法第73の11の②に基づく領域・教科を合わせた指導

知的障害教育における領域・教科を合わせた指導の特徴について説明する。

⑥ 教育の場

知的障害養護学校並びに知的障害特殊学級の現状と役割について解説する。

3.特殊教育の基礎 (1)から(6)を参照すること

(9)

資 料

参考文献

○ 知的障害の定義・特性

1. World Health Organization 1992 The ICD‑10 classification of mental and behavioral disorders. WHO, Geneva. (融 道男,中根允文,小見山実監修 1993 ICD‑10精神および 行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 医学書院)

2. 知的障害児に関する海外のwebページ

A National Organization on Mental Retardation http://TheArc.org/faqs/mrqa.html

(U.S.A)による知的障害の紹介のwebページ

AAMRの知的障害についての定 http://www.aamr.org/Policies/faqmentalretardation.html

義(webページ)

○知的障害教育一般

1. 下南英明 1999 知的障害教育のむかし、今、これから 教育出版 2. 渡辺健郎 1995 【改訂版】新精神遅滞児の教育 川島書店

3. 東 正 1985 学生・教師のための精神遅滞児要説 心理・教育・医学のミニマム・エッセ ンシャルズ 川島書店

4. 熱海則夫・小林一也編 1995 心身障害児教育 ぎょうせい

5. 石井武士編 1999 障害児教育の基礎と展開 コレール社 (6章 知的障害) 6. 小出 進編 2000 新版発達障害指導事典 学習研究社

7. 山口 薫他編 1994 精神薄弱教育実践講座 全16巻 ニチブン

8. 小宮三弥・山内光哉 1993 精神遅滞児の心理学−理解と指導のための実験心理学的アプロ ーチ− 川島書店

○ 教育課程,教科学習,自立活動,領域・教科をあわせた指導

1. 文部省 1999 平成11年 盲学校,聾学校及び養護学校 幼稚部教育要領 小学部・中学部 学習指導要領 高等部学習指導要領 大蔵省印刷局

2. 全国知的障害養護学校長会編 1999 新しい教育課程と学習活動Q & A 特殊教育(知的障害 教育) 東洋館出版社

3. 鈴村健治編 1996 教科学習を中心とした授業づくり 明治図書出版

○教科書指導書

1. 文部省 1992 こくご☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)小学部国語科教科書指導書‑ 東 京書籍

2. 文部省 1992 こくご☆☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)小学部国語科教科書指導書‑

慶應出版会

3. 文部省 1992 こくご☆☆☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)小学部国語科教科書指導書‑

慶應出版会

4. 文部省 1992 さんすう☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)小学部算数科教科書指導書‑

東京書籍

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5. 文部省 1992 さんすう☆☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)小学部算数科教科書指導書‑

慶應出版会

6. 文部省 1992 さんすう☆☆☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)小学部算数科教科書指導書

‑ 慶應出版会

7. 文部省 1995 おんがく指導書 ‑養護学校(知的障害教育)小学部音楽科教科書指導書‑ 東 京書籍

8. 文部省 1995 おんがく☆指導書(伴奏編) ‑養護学校(知的障害教育)小学部音楽科教科書指 導書‑ 東京書籍

9. 文部省 1995 おんがく☆☆指導書(伴奏編) ‑養護学校(知的障害教育)小学部音楽科教科書 指導書‑ 東京書籍

10. 文部省 1995 おんがく☆☆☆指導書(伴奏編) ‑養護学校(知的障害教育)小学部音楽科教科書 指導書‑ 東京書籍

11. 文部省 1993 国語☆☆☆☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)中学部国語科教科書指導書‑

慶應出版会

12. 文部省 1993 数学☆☆☆☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)中学部数学科教科書指導書‑

慶應出版会

13. 文部省 1993 音楽☆☆☆☆指導書 ‑養護学校(知的障害教育)中学部音楽科教科書指導書‑

東京書籍

14. 文部省 1996 音楽☆☆☆☆指導書(伴奏編) ‑養護学校(知的障害教育)中学部音楽科教科書指 導書‑ 東京書籍

※書名中「精神薄弱」を「知的障害」に改めたものであり,発行の時期によっては「精神薄弱」を用い ている。

○手引書

1. 文部省 1986 生活単元学習指導の手引 慶應出版会

2. 文部省 1987 知的障害教育における体育指導の手引 東洋館

3. 文部省 1991 知的障害教育における生活科指導の手引 東山書房

4. 文部省 1992 知的障害特殊学級教育課程編成の手引 海文堂

5. 文部省 1993 遊びの指導の手引 慶應出版会

6. 文部省 1994 日常生活の指導の手引(改訂版) 慶應出版会 7. 文部省 1995 作業学習指導の手引(改訂版) 東洋館

8. 文部省 1996 知的障害養護学校高等部の指導の手引 海文堂

9. 文部省 1975 養護・訓練指導事例集‑知的障害教育編‑ 慶應出版会

※書名中「精神薄弱」を「知的障害」に改めたものであり,発行の時期によっては「精神薄弱」を用い ている。

コ ラ ム

1.知的障害の定義

知的障害の定義を解説する際のポイントは,知的障害は単に知能の側面から定義されるのでは

(11)

をあらわしている用語であることを説明する。

2.教育的対応の基本

知的障害の特徴や学習上の特性から、次のような教育的対応を基本とすることが重要である。

①児童生徒の実態等に即した指導内容を選択・組織する

②児童生徒の実態等に即した規則的でまとまりのある学校生活が送れるよう指導する。

③社会生活能力の育成を教育の中心的な目標とし、身辺生活・社会生活に必要な知識、技能及 び態度が身に付くよう指導する

④職業教育を重視し、将来の生活に必要な基礎的な知識や技能を育てるように指導する

⑤生活に結び付いた実際的で具体的な活動を学習活動の中心にすえ、実際的な状況下で指導す る

⑥生活の課題に沿った多様な生活経験を通して、日々の生活の質が高まるように指導する

⑦教材教具等を児童生徒の興味関心の引くものにし、目的が達成しやすいように段階的な指導 を工夫するなどして、学習活動への意欲が育つよう指導する

⑧できる限り成功経験を多くするとともに、自発的・自主的活動を大切にし、主体的活動を助 長する

⑨児童生徒一人一人が集団の中で役割を得て、その活動を遂行できるよう工夫する。さらに、

発達の不均衡な面や障害への個別的な対応を徹底する 3.領域・教科をあわせた指導

領域・教科をあわせた指導には,以下の4つを代表的なものとしてあげることができる。

a 日常生活の指導 b 遊びの指導 c 生活単元学習 d 作業学習

4.知的障害教育における自立活動の特色

知的障害者を教育する養護学校に在籍する幼児児童生徒には,知的発達のレベルからみて,言 語,運動,情緒・行動などの面で,顕著な発達の遅れや特に配慮を必要とする様々な状態が知的 障害に随伴してみられる。このような,幼児児童生徒には,知的発達の遅れに応じた各教科等の 指導の他に,上記のような随伴してみられる顕著な発達の遅れや特に配慮を必要とする様々な状 態についての特別な配慮が必要であり,これを自立活動で指導することとなる。

学校教育法施行規則第73条の11第2項に基づいて,各教科,道徳,特別活動及び自立活動の全 部または一部について,合わせて授業を行う場合においても,自立活動について個別の指導計画 を作成し,指導の目標や指導内容を明記する必要がある。

また,自立活動の時間を設けて指導を行う場合には,個々の幼児児童生徒の障害の状態等を十 分考慮し,個別の指導計画に基づいて,個人あるいは小集団で指導を行うなど,効果的な指導を 進めるようにすることが大切である。

5.知的障害養護学校用教科書

文部省では、知的障害養護学校用教科書として、国語、算数・数学、音楽について、各小学部 用3冊、中学部用1冊を刊行している。

(12)

2.障害児の発達と学習の基礎

4 肢体不自由 単 元 名 ( )

姿勢と運動の障害である肢体不自由の定義,原因,特性,指導上の配慮等 を理解する。ここでは 肢体不自由の多くをしめる脳性まひと筋ジストロフ

ィーをとりあげる。

講義 授 業 形 態

① 肢体不自由の定義

。 肢体不自由の定義を解説する

② 脳性まひの指導上の配慮

a 痙直型の指導上の配慮について説明する。

b アテトーゼ型の指導上の配慮について説明する。

c 失調型の指導上の配慮について説明する。

③ 筋ジストロフィーの指導上の配慮

a デュシェンヌ型の指導上の配慮について説明する。

b 福山型の指導上の配慮について説明する。

④ 身体部位によるまひの分類

四肢と体幹のどの部位にまひがあるかによって,肢体不自由が分類できること を説明する。

四肢まひ,片まひ,単まひ,三肢まひ

両まひ「上肢より下肢が著明」,重複片まひ「下肢より上肢が著明」,

対まひ「下肢のまひ」

⑤ 教育の場

肢体不自由養護学校,肢体不自由特殊学級および通級による指導の現状と役割 について解説する。また医療的な配慮事項についても説明する。

(13)

資 料 参考文献

○定義,特性など全体的な概説書

1. 福山幸夫他 1980 小児の運動障害−筋ジストロフィー症と脳性麻痺を中心に 医歯薬出版 2. Bobath,K. 寺沢幸一・梶浦一郎監訳 1973 脳性麻痺の運動障害 医歯薬出版

3. 五味重春編 1989 脳性麻痺 第2版 医歯薬出版

4. 林 邦雄・宮本茂雄編著 1983 講座「障害児の発達と教育」第3巻 発達と指導Ⅰ身体・運 動 学苑社

○指導法

1. Bleck,E.E. 1979 Orthopaedic management in cerebral palsy. Philadelphia:

W.B.Saunders.

2. Farber,S.D. 平山義人・鷲田孝保監訳 1987 多重感覚治療法:神経系のリハビリテーショ ン 協同医書出版

3. Hanson,M.J. and Harris,S.R. 藤田和弘監訳 1988 運動に遅れのある子どもの指導プロ グラム 日本文化科学社

4. Levitt,S. 高松鶴吉監訳 1981 脳性運動障害児の発達指導 パシフィックサプライ社 5. Scherzer,A.L. and Tscharnuter,I. 今川忠男訳 1988 脳性まひ児の早期治療 医学書院 6. Vojta,V. 富 雅男・深瀬 宏訳 1978 乳児の脳性運動障害 医歯薬出版

7. 大川嗣雄・陣内一保編 1991 こどものリハビリテーション 医学書院

8. 中尾 亨編 1982 小児のリハビリテーション 小児医学,15巻5号 医学書院 9. 坂本龍生編 1992 発達障害臨床学 学苑社

10. Levitt,S. 高松鶴吉監訳 1981 脳性運動障害児の発達指導 パシフィックサプライ社

○手引書

1. 文部省 1987 肢体不自由教育における養護・訓練の手引き 日本肢体不自由児協会 2. 文部省 1987 肢体不自由児の発達と指導 日本肢体不自由児協会

3. 文部省 1992 肢体不自由児のコミュニケーションの指導 日本肢体不自由児協会 4. 文部省 1994 肢体不自由児の養護・訓練の指導 日本肢体不自由児協会

コ ラ ム

1.肢体不自由の定義

肢体不自由とは,「四肢(上肢と下肢)と体幹(上半身と頸部)の姿勢運動機能障害」と定義されて いる。

2.肢体不自由の医学的背景

ここでは,脳性まひと筋ジストロフィーという2つの主要な医学的背景を説明する。

a 厚生省脳性麻痺研究班(1968)の脳性まひの定義

受胎から生後4週以内の新生児までの間に生じた,脳の非進行性病変に基づく,永続的な,

しかし変化しうる運動および姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発現する。進行性疾 患や一過性運動障害,または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する。

b 筋ジストロフィーの定義

代表的なものとして福山(1980)の定義がある。(参考文献参照)

(14)

2.障害児の発達と学習の基礎

5 病弱・身体虚弱 単 元 名 ( )

病弱・身体虚弱教育の対象児童生徒の実態と,主な病気について教育上の

配慮事項について理解を図る。

講義 授 業 形 態

① 定義

「病弱」「身体虚弱」の用語について,教育的な観点から解説する。

② 病気の種類の歴史的変遷

病弱教育対象児童生徒の病気の種類の変遷について図表等を用いて解説する。

③ 病弱児の特性と配慮事項について解説する。

a 心理・行動面の特性と配慮事項 b 教科学習上の特性と配慮事項

④ 配慮事項について解説する。

指導計画の作成について説明する。

a 基礎的・基本的事項の精選 b 指導方法の工夫

c 教材・教具の創意工夫と方法 d 病弱教育における評価の意義 e 医療機関との連携について

f 病気の種類や程度に応じた配慮事項

気管支喘息,心身症,腎臓疾患,筋ジストロフィー,肥満,骨・関節疾患,

小児がん,心臓疾患,てんかん

⑤ 教育の場

病弱養護学校,病弱・身体虚弱特殊学級及び通級による指導の現状と役割につ いて解説する。

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資 料

参考文献

1. 文部省 1996(平成8年) 「病弱教育の手引き〜教科指導編〜」 海文堂出版株式会社 2. 文部省 1993(平成5年) 「病弱教育における養護・訓練の手引き」 慶應出版会 3. 文部省 1985(昭和60年) 「病弱教育の手引き〜指導編〜」 慶應出版会

4. 文部省 1981(昭和56年) 「病弱教育の手引き〜病理・健康編〜」 慶應出版会

5. 文部省 1987(昭和62年) 「病弱児指導事例集〜実技を伴う教科の指導〜」 ぎょうせい 6. 文部省 1979(昭和54年) 「病弱児指導事例集〜各教科の指導〜」 東山書房

7. 山本昌邦編著 1988 病気の子どもの理解と援助 慶應義塾大学出版会

8. 全国病弱虚弱教育研究連盟編集 1990 日本病弱教育史 日本病弱教育史研究委員会 9. 横田雅史 1996 病気療養児の教育 小児科臨床vol.49 日本小児医事出版社

10. 横田雅史 2000 アレルギー疾患と教育 アレルギー疾患の患者教育とコメディカルの参画 医薬ジャーナル社

参考ビデオ

1. 「ひとりひとりの力をのばす〜病弱養護学校の教育編〜」

2. 「社会参加・自立をめざして〜病弱養護学校の教育編〜」

3. 「心身障害児の理解のために〜病弱・身体虚弱の子供の理解と指導編〜」

4. 「生きる力をはぐくむ 個に応じた指導〜病弱養護学校の養護・訓練編〜」

※参考ビデオについての照会先:全国特殊教育推進連盟

東京都千代田区霞が関3‑2‑3 電話03‑3502‑8758

コ ラ ム

1.病弱,身体虚弱の用語について

「病弱」は,一般に,学校教育の立場から,病気が長期にわたっているもの,又は長期にわたる 見込みのもので,その間医療又は生活規制の必要なものをいう。

「身体虚弱」は,その概念が時代によって変わってきているが,近年は原因がはっきりしないが 病気にかかりやすいもの,湿疹などのアレルギー症状を繰り返すもの,頭痛や腹痛などいろいろ な不定の症状を訴えるものが増えている。

(16)

2.障害児の発達と学習の基礎

6 言語障害 単 元 名 ( )

言語障害について,その種類を知るとともに,言語障害児の指導について の基礎的な知識を得る。

講義 授 業 形 態

① 定義

「言語障害」の定義と,その種類について解説する。

a 構音障害 b 吃音

c 言語発達の遅れ d 音声障害 e 失語 等

(他の障害,例えば,脳性まひや聴覚障害,自閉症等に伴う言語障害の問題がある ことも簡単に説明する)

② 言語障害児の特性

言語障害児は,ことばの問題だけではなく,例えば,対人関係の形成等の課題 を生じることがあることを説明する。

③ 指導上の留意点

言語障害児の指導上の留意点について,前述した言語障害の種類や言語障害児 の実態等から説明する。その際,言語障害全般にかかわることを説明すると同時 に,上記言語障害の種類のいくつかを取り上げて説明する。

④ 教育の場

言語障害特殊学級及び通級による指導(通級指導教室)の現状と役割について解 説する。

(17)

資 料 参考文献

○ 言語障害の定義

1. 聴覚・言語障害児教育関係教官連絡会議編 谷 俊治・小村欣司・吉岡博英 編集代表 1989 言語障害児教育 日本文化科学社

2. 小村欣司 1981 障害児の保健概論:教師と父母のために 慶応通信

○ 言語障害児の特性

1. 聴覚・言語障害児教育関係教官連絡会議編 谷 俊治・小村欣司・吉岡博英 編集代表 1989 言語障害児教育 日本文化科学社

2. 小村欣司 1981 障害児の保健概論:教師と父母のために 慶応通信

○ 指導上の留意点

1. 内山喜久雄監修 小林重雄・加藤哲文編著 1995 言語障害 黎明書房 2. 小林重雄監修 山本淳一・加藤哲文編著 1997 応用行動分析学入門 学苑社 3. 林 邦雄・細村迪夫・柚木 馥 1991 障害児教育総論 コレール社

4. 日本言語療法士協会編 1992 言語聴覚療法 臨床マニュアル 協同医書出版社 5. 茂木俊彦監修 中川信子編 1998 ことばの不自由な子どもたち 大月書店 6. 日本言語療法士協会編 1998 言語聴覚士の仕事 朱鷺書房

7. 笹沼澄子監修 大石敬子編 1998 子どものコミュニケーション障害 大修館書店 8. 笹沼澄子監修 伊藤元信編 1998 成人のコミュニケーション障害 大修館書店

コ ラ ム 1.構音障害とは

構音障害とは,発音に何らかの誤りがあることを言い,そのタイプには,

①置換・・・ある音を他の音に置き換えること

②省略・・・本来発音されるべき音が欠落すること

③歪み・・・ある音にかわって言語体系にない音が構音されること

④付加・・・語中にない音を付け加えること

等がある。この障害は種々の原因によって起こる現象であり,器質的構音障害と機能的構音障害 に分けられている。

2.吃音とは

非流暢性における症状の一つである。Van Riper(1978)は,「吃音はことばの流れが,音や音節 の繰り返しや伸延によって,また構音の配置の異常,欠落などによって妨げられてしまい,悪戦 苦闘するもの」だとしている。

吃音は,繰り返し,引き延ばし,言い直しなどの言語障害のみならず,顔面・姿勢の異常や頭 部,体幹,四肢の随伴運動などの身体症状や,吃音に対する自覚やしゃべる場面への不安等の情 緒反応や回避行動などの心理・行動面での症状を呈する場面がある。

3.対人関係と言語障害

ことばは他者との間で交わされることが多いものであり,このことばに障害がある場合,他者 との相互作用を円滑に行うことができないことが想定される。

ことばに障害がある子どもの場合,言語表出が適切にできないことが続くと,常に欲求不満の 状態におかれ,そこに生じる不安を解消する過程において,攻撃行動や退行的行動様式をとる傾 向になることが考えられる。

さらに子どもの話し方がいわゆる普通の状態とは異なっているように聞き手や話し手自身が意 識すると,このことによって,子どもの社会的関係がくずれ,それがさらに子どものことばに好 ましくない影響を与えるようになる。

(18)

2.障害児の発達と学習の基礎

7 情緒障害 単 元 名 ( )

情緒障害の定義,その種類を理解する。また,自閉症について教育の基礎

的な知識を得る。

講義 授 業 形 態

① 情緒障害の定義

情緒障害の定義について解説する。その際,我が国では,自閉症及び自閉的傾 向については,情緒障害教育で指導していることに注意する。

② 心理的な情緒障害 a 不登校

b かん黙

c 神経性習癖等(チック等)等

③ 自閉症−脳機能障害 a 定義について解説する b 診断基準と特徴

DSM‑Ⅳ「アメリカ精神医学会の診断基準」について説明する c 自閉症の特徴

知覚,認知,言語,コミュニケーション等について説明する。

d 自閉症と知能

④ 自閉症児の指導

自閉症児の指導について,そのいくつかを説明し,理解を深める

⑤ 教育の場

知的障害養護学校,情緒障害特殊学級及び通級による指導(通級指導教室)の指 導内容について解説する。

(19)

資 料

参考文献

○ 情緒障害の教育

1. 全国情緒障害教育研究会編 1983 新版 情緒障害児の教育 上・下 日本文化科学社 2. 寺山千代子 1991 自閉症と情緒障害教育 コレール社

3. E.ショプラー他編 伊藤英夫監訳 1996 幼児期の自閉症:発達と診断および指導法 学苑社 4. 石井武士編著 1999 障害児教育の基礎と展開 コレール社 (第10章)

5. American Psychiatric Association 1994 Quick reference to the diagnostic criteria from DSM‑IV. 高橋三郎・大野 裕・染矢俊幸訳 1995 DSM‑IV 精神疾患の分類と診断の手引 医学書院

○ 心理的な情緒障害

1. 高野清純・稲村 博 1982 情緒障害事典 岩崎学術出版 2. 石部元雄 1979 改訂障害児教育一般原理 福村出版

3. 林 邦雄・細村迪夫・柚木 馥 1991 障害児教育総論 コレール社 4. 曻地三郎監修 1990 新教育心理学 ナカニシヤ出版

○ 自閉症,その指導

1. ローナ・ウィング 久保紘章訳 1998 自閉症スペクトラム 東京書籍

2. 高木俊郎他編 1997‑1999 自閉症と発達障害研究の進歩 Vol.1‑3 日本文化科学社 3. 文部省 1970 情緒障害指導事例集−自閉症を中心として− 慶應大学出版会 4. 寺山千代子・林 邦雄・蔭山英順編集 1993 自閉症・学習障害に迫る コレール社

5. ゲイリー・メジボフ他編著 1990 自閉症の療育者 : TEACCHプログラムの教育研修 神奈川 県児童医療福祉財団

6. 栗田 広 1998 改訂版 広汎性発達障害 全国心身障害児福祉財団 7. 太田昌孝他編 1992 自閉症治療の到達点 日本文化科学社

8. 小林重雄監修 1997 応用行動分析学入門 学苑社

コ ラ ム

1.情緒障害の定義

情緒障害については,様々な定義ある。ここでは,それらのうちのいくつかを紹介する。

①「情緒障害 emotional disturbance」 この言葉は,上記の英語の訳で,正式には1961年児 童福祉法の一部改正によって・・中略・・用いられたのが最初であろう。しかし 「disturbanc, e」を「障害」とするには問題があった 「disturbance」は一時的な回復可能な「みだれ」で,。 恒久的な欠損ではないが 「障害」はときに欠損の意味に使われるからである。emotionとは,, 喜び・怒り・悲しみ等の感情であるから「情緒障害」とは,感情的な乱れ・もつれ・あつれき,

ないしはそれに起因する行動異常をいう 「内山喜久雄監修。 1974 児童臨床心理学事典 岩崎

(20)

学術出版より一部引用」

②「情緒障害 emotional disturbance」 心因性の情緒不安ないしは不満からきた行動障害の こと。脳の器質的障害による行動障害をとくに二次的情緒障害ということがある 「石部元雄他。 編著 1981 心身障害辞典 福村出版より一部引用」

④ 情緒障害は,従来から主として人間関係の軋轢による感情的,情緒的なもつれによるもの と,脳の器質障害や機能障害により起こってくるものとに分けられていた ・・中略・・このこ。 とから,情緒障害の定義は,行動と情緒面での症状の現れ方で定義するか,あるいは原因と症状

。 ,

の現れ方とを考慮した折衷的な立場で定義されている ・・中略・・我が国の情緒障害教育では 自閉もその対象としてきた経緯もあるので ・・中略・・現在,情緒障害特殊学級のうち,小学, 校の中に設置される学級の多くは,自閉の児童を中心としており ・・中略・・我が国の特殊教, 育において対象とする情緒障害とは,以上のように理解されており,そのタイプは,おおよそ二 つに分けられる。第1のタイプは,発達障害に包括される障害であり,自閉が代表的な障害であ る。第2のタイプは,心理的要因の関与が大きいといわれている様々な形の社会的適応の困難を 総称する情緒障害で,かん黙,習癖の異常(チック,常同行動等),登校拒否がある 「文部省初。 等中等教育局特殊教育課 平成7年 就学指導資料より一部引用」

2.自閉症の診断基準と特徴

アメリカ精神医学会が制定したDSM‑Ⅳ(1994)では 「幼児期、小児期または青年期に発症する、 障害」の中に特異的発達障害(学習能力障害など)や崩壊性行動障害(注意欠陥・多動障害)と 並んで広汎性発達障害(自閉性障害など)として、自閉症を記述している。DSM‑Ⅳでは、自閉症 の原因に関する記述はなく臨床的な症状のみで自閉症の診断基準を作成している(表3参照)。ハ ッペ(Happe,F.)は、これらの特徴を行動レベルでは3つの障害に分けられると考えている。すな わち(1)対人関係、(2)コミュニケーション、(3)想像力の障害である。さらに、これらの3つの障 害は相互に関連しあっていると考えられている。

表3 DSM‑Ⅳの自閉症の診断基準(American Psychiatric Association,1994より作製)

(1)生後30カ月未満の発症

(2)他者に対する反応性の全般的な欠如(自閉症)

(3)言語発達における粗大な欠陥

(4)会話が存在する場合には、反響言語等の特異な会話のパターン (5)周囲の状況に対する奇異な反応

(6)精神分裂病におけるような妄想、幻覚、連合弛緩、滅裂が存在しない事

American Psychiatric Association 1994 Quick Reference to the Diagnostic Criteria from DSM‑Ⅳ. American Psychiatric Association,Washigton,D.C..

「木舩憲幸 1999 コミュニケーションの障害児心理学 深田博巳編著 1コミュニケーション 心理学 北大路書房 第12章より一部引用」

(21)

対人関係・想像力・コミュニケーションの つの障害の関連」

3.自閉症における「 3

コミュニケーションは、簡単に言えば情報の伝達である。しかし、生きた人間同士の生き生き とした情緒に裏打ちされた対人関係が存在して 「伝えたい、 」、「伝えて欲しい」という情緒・感 情が合ってこそ、豊かなコミュニケーションが成立するはずである。そのためには、相手の感情 についての想像力が必要となる。自閉症児は、DSM‑Ⅳ(1994)に述べられている様に 「他者に対、 する反応性の全般的な欠如」が見られる。特定の物等に強い関心を持ったり、特定の音に過敏と も言える反応を示すが、周囲の人々からの働きかけに対する反応が乏しく、また、自分から周囲 の人々へ働きかけることも少ない。視線を合わせる事も少ないし、感情・情緒的な対人反応も少 ない。例えば、ロブランド(Loveland,K.A.)によれば、低機能自閉症児は、情緒がはっきりと言 語化されない場合「例えば、私は怒っている」には、ある人がしゃべった内容からその人がどの 様に感じていたかを推測することが困難である。これに対して高機能自閉症児は、相手の感情を 把握する際に言語情報よりも非言語情報を当てにする傾向がある。 この様な対人関係・情緒に かんする想像力の障害が自閉症児の示すコミュニケーション障害の根底にあると考えられる。ま た、フリース(Frith,U.)は自閉症児の示すコミュニケーションの特徴として、自分の意図を伝え ようとする時に言語を用いることに問題があると述べている。自閉症児は、自分が置かれた場面 で何が適切であるかを判断することや相手の精神的状態を想像することが困難であり、そのため にコミュニケーションに失敗しやすい 「木舩憲幸。 1999 コミュニケーションの障害児心理学

深田博巳編著 1コミュニケーション心理学 北大路書房 第12章より一部引用」

4.自閉症と知能

自閉症児のIQについての諸研究をみると,多くの自閉症児には知的発達の遅滞があり,遅滞の 程度は重度から軽度に至るまで広域に広がっている。その一方で,非常に高いIQを示す自閉症児 もいる(高機能自閉症児)。このように,自閉症と知的障害の関係については,これからの研究に 待つ部分が大きい。

(22)

2.障害児の発達と学習の基礎

8 重度・重複障害 単 元 名 ( )

重度・重複障害児の特性と発達,及びその教育上の諸課題について理解す

る。

講義 授 業 形 態

① 重度・重複障害と関連用語の定義

a 重度・重複障害の定義について説明する。

「 」 。

文部省 特殊教育の改善に関する調査研究会義 の定義に基づいて説明する b 重症心身障害児の定義について説明する。

昭和38年7月26日施行の児童福祉法の中の重症心身障害児施設に関する規定に 基づいて説明する。

c 重複障害児について説明する。

重複障害児とは「障害が二つ以上ある子ども」であることを説明する。

② 平成11年3月告示の盲学校,聾学校及び養護学校の学習指導要領における「障 害の重度・重複化への対応」に関する内容を説明する。

a 養護・訓練から自立活動へ

・名称変更:「養護・訓練」→「自立活動」

・内容の見直し

・個別の指導計画

b 教育課程の編成に関する「重複障害者等に関する特例」

c 高等部の訪問教育に係る規定の整備

③ 重度・重複障害の教育の内容と方法 a 実態把握の方法

b 課題設定の観点 c 指導上の配慮事項

④ 重度・重複障害の教育の場

盲学校,聾学校及び養護学校の重度・重複障害教育の現状と課題について解説 する。

子どもの関係者の協力が得られれば,具体的な臨床像を把握できるよう,ビデ

オをみせるか,施設(訪問学級)の見学を行うのが望ましい。

(23)

資 料 参考文献

○ 重度・重複障害の定義

1. 文部省特殊教育の改善に関する調査研究会 1975 重度・重複障害児に関する学校教育の在 り方について

2. 江草安彦監修 1998 重症心身障害療育マニュアル 医歯薬出版株式会社

○重度・重複障害の指導

1. 文部省 1983 重複障害児指導事例集 東洋館出版社

2. 文部省 1970 重複障害教育の手びき−盲聾児・盲知的障害児・聾知的障害児− 東洋館 出版社

※ 書名中「精薄」を「知的障害」に改めてある。

3. 文部省 1999 平成11年 盲学校,聾学校および養護学校 教育要領・学習指導要領 4. 木舩憲幸 1999 重複障害 石井武士編著 障害児教育の基礎と展開 コレール社 第11章

<以下,特に障害が重い事例に対する配慮としての関連資料>

7. 特殊教育学研究(日本特殊教育学会)

8. 日本重症心身障害学会誌(日本重症心身障害学会) 9. 小児の精神と神経(日本小児精神神経学会) 10. 脳と発達(日本小児神経学会)

11. 参考ビデオ

「重症児とともに〜重症心身障害児(者)の医療と介護〜」

第1巻 介護の基本 第2巻 摂食と呼吸

第3巻 救急蘇生・生活の充実

製作・著作/社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会 ビデオ制作委員会 重度・重複障害の教育の場

1. 日本特殊教育学会第37回大会準備委員会企画シンポジウム6 重度・重複障害児(者)の指導

・援助の実際と今後の展望 日本特殊教育学会第37回大会発表論文集S22〜S25,特殊教育学 研究第37巻5号掲載予定

2. 日本特殊教育学会第37回大会準備委員会企画シンポジウム10 訪問教育の今日的課題 障害 の重度・重複化とニーズの多様化に対応し得る訪問教育の在り方 特殊教育学研究第37巻5 号掲載予定

コ ラ ム

1.重度・重複障害の定義

文部省「特殊教育の改善に関する調査研究会義」が,1975年3月31日答申した「重度・重複障 害児に関する学校教育の在り方について」には、重度・重複障害児についての規定がある。それ によると,重度・重複障害児とは,(1)学校教育法施行令第22条の2に規定する障害(盲、聾、精 神薄弱、肢体不自由、病弱)を二つ以上あわせ有する者、(2)発達的側面からみて、精神発達の遅 れが著しく、ほとんど言語を持たず、自他の意思の交換および環境への適応が著しく困難であっ て、日常生活において常時介護を必要とする程度の者、(3)行動的側面からみて、破壊的行動、

多動傾向、異常な習慣、自傷行為、自閉症、その他の問題行動が著しく、常時介護を必要とする 程度の者、となっている。

2.重症心身障害児とは

1963年7月26日施行の児童福祉法では,重症心身障害児施設について以下のように規定してい る 「重症心身障害児施設は、重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童を入所。 させて ・・・ 。この規定に従えば,重症心身障害児とは 「重度の知的障害と重度の肢体不自、 」 , 由が重複している子ども」と言うことができる。

3.重複障害児について

(24)

「重度・重複障害児」という用語は法令では使用されていない。一方,盲学校,聾学校及び養 護学校の学習指導要領においては 「当該学校に就学することとなった心身の障害以外に他の心, 身の障害を併せ有する児童又は生徒」を「重複障害者」としている。これは,文部省「特殊教育 の改善に関する調査研究会義」の「重度・重複障害児に関する学校教育の在り方について」にお ける(1)に相当するといえる。

4.障害の重度・重複化への対応 a 養護・訓練から自立活動へ

・名称変更:「養護・訓練」→「自立活動」

「養護・訓練」から「自立活動」に名称が変更され,自立を目指した主体的な活動を一層推進 する趣旨が明記された。

・内容の見直し

コミュニケーションや運動・動作の基本的技能に関する指導等が充実されるよう改善され た。

・個別の指導計画

個々の児童又は生徒の障害の状態や発達段階等の明確な把握に基づき,指導の目標及び指 導内容を明確にし,個別の指導計画を作成するよう規定された。

b 教育課程の編成に関する「重複障害者等に関する特例」

教育課程の編成に際し,種々の特例を設けることで,生徒一人一人の実態に応じた適切な教 育課程を編成することができるようになった(詳細は平成11年度版学習指導要領を参照 。) c 高等部の訪問教育に係る規定の整備

義務教育段階に引き続き高等部で教育を行うことは,社会参加・自立のための資質の育成に 大きな意義があることから,重複障害者等に関する特例として訪問教育を規定することで,高 等部における訪問教育が平成11年度版学習指導要領で明確に位置付けられた。

5.重度・重複障害の教育の内容と方法 a 実態把握の方法

①生育歴,②病歴や障害の状況,③治療・相談の経過,④指導及び訓練の経過,⑤日常生活

, ( ) ( )。

の実態 ⑥その他 保護者からの主訴 の6つの観点から実態把握を行う 詳細は文献1参照 子どもは日々成長しているので,絶えず見直しを図り,得られた事実を整理しながら次の指導 への手掛かりを得ていくことを繰り返す必要がある。

b 課題設定の観点

①心身の健康の維持と増進の課題 ②発達の初期的な段階での指導課題 ③より自己統制 調, , ( 整)された行動へ進める課題,④基本的な学習課題,⑤より高次の表現活動を育てる課題,⑥

( )。 ,

日常生活の自立を図る課題の6つの観点から課題を設定する 詳細は文献1を参照 その際 対象となる子どもの一人一人の障害の状況と発達の状態に応じて個別の教育課題が用意される 必要がある。

c 指導上の配慮事項

既存の限られた指導理論や指導技術にのみ依存して,これに当てはめて子どもを指導してい くことは望ましくない。子どもの障害の実態と発達の状況に併せて指導課題を選定するよう配 慮が必要である。その際,子どもの実態把握が重要であり,家庭や関連機関との密接な連絡を 取り合いながら,ゆっくりと継続した指導体制を整えて取り組むことを心がけることが大切で ある。

指導の実際では,知的発達だけ,姿勢運動の発達だけというように,子どもの単一の障害に のみ目を向けてはならない。ひとつの領域の指導が他の能力や発達に与える影響を常に考慮し ながら指導を展開する必要がある。また,ひとつの領域の指導において,別の障害がどのよう な影響を与えるか考慮する必要がある。

重複障害をもつ子どもの教育に当たっては,あらかじめ設定された目標に基づいて教育して も効果があがらないことがある。この場合,①設定した目標が妥当ではない,②目標達成のた

。 , ,

めの指導の方法が妥当ではないといった原因が考えられる しかし 両条件を満たしていても

(25)

り返し,訓練を強制し,成長を性急に期待するような教育では十分な効果を期待できず,①子 どもの状態に適当な目標を設定し,②子どもにあった方法を考え,③ある程度ゆっくりと構え て成長を見守る必要がある。

特に障害が重い事例に対する配慮として,指導者が思う以上に子どもにとって課題が負担に

, 。 , ,

なる場合があるため 健康上の配慮が十分に必要である 特に障害が重い事例では 呼吸管理 経管栄養,抗痙剤服用といった医療的管理が常時必要な場合がある。

6.重度・重複障害児の教育の場

重度・重複障害児も医療の進歩に伴い,重度化の一途をたどっている。そのようななか,施設 に入所する児童又は生徒も多く,院内学級や,施設に隣接する養護学校で教育が行われることも 増えてきた。また一方では,在宅児も増えており,益々訪問教育の重要性が増している。

他方,指導を行う教員の資質,すなわち障害に基づく種々の困難を改善・克服するための指導 に関する専門性に加え,障害の重度・重複化に対応できる総合性,多様な障害に関する専門的な 相談に対応できる専門性・総合性などが益々求められるようになってきている。

(26)

3.特殊教育の基礎

1 特殊教育制度概論 単 元 名 ( )

我が国の特殊教育の制度,関係法令,学習指導要領,教育課程の編成等に

ついての理解を図る。

講義 授 業 形 態

① 盲学校,聾学校及び養護学校・特殊学級・通級による指導

a 盲学校,聾学校及び養護学校について解説する。

(a) 盲学校,聾学校及び養護学校について説明する。

(b) 訪問指導について説明する。

(c) 盲学校,聾学校及び養護学校の学校の種類,学校数,在籍児童生徒数,

教員数について各年度の最も新しいデータで説明する。

(文部省初等中等教育局編の特殊教育資料等を利用する) b 特殊学級について解説する。

(a) 特殊学級について説明する。

(b) 特殊学級の種類,学級数,在籍児童生徒数について各年度の最も新しい データで説明する。

(文部省初等中等教育局編の特殊教育資料等を利用する) c 通級による指導について解説する。

(a) 通級による指導について説明する。

(b) 通級による指導を受けている児童生徒数について各年度の最も新しいデ ータ及びその推移について説明する。なお,言語障害特殊学級や情緒障害 特殊学級の対象児童生徒数の変化と比較して説明することも大切である。

(文部省初等中等教育局編の特殊教育資料等を利用する)

② 関係法令について

教育の目的については,特殊教育が幼稚園,小学校,中学校及び高等学校に 準じていることから変わるものではないことを説明する。

就学事務手続きについては,学校教育法施行令第22条の3及び教育上特別な取 扱いを要する児童・生徒の教育措置について(昭和53年文初特309号)を参考にする ことを説明する。

③ 平成11年度に告示された学習指導要領について a 学習指導要領とは,について説明する。

全国どこにいても一定の教育水準の教育が受けられるようにするため,学校 がカリキュラムを編成する基準として定められたもの。

b 改訂のねらいについて説明する。

基本的なねらい:ゆとりの中で一人一人の子どもたちに[生きる力]を育成 すること。

c 盲学校,聾学校及び養護学校の学習指導要領の改訂のポイント (a) 障害の重度・重複化への対応

(b) 早期からの適切な対応 (c) 職業的な自立の推進 (d) 交流教育の充実

④ 盲学校,聾学校及び養護学校の学習指導要領の移行措置

新しい学習指導要領の趣旨をできるだけ早く生かすよう平成12年度から,小 学部,中学部及び高等部について移行措置を実施することについて説明する。

⑤教育課程の編成

教育課程の編成については,盲学校,聾学校及び養護学校の小・中学部学習指 導要領の第1章 第2節 教育課程の編成 にしたがって説明する。

説明のポイントは,解説書などを参考とする。

3.特殊教育の基礎,(2)から(6)を参照すること

(27)

資 料

参考文献

1. 文部省 1999 平成11年 盲学校,聾学校及び養護学校 幼稚部教育要領 小学部・中学部 学習指導要領 高等部学習指導要領 大蔵省印刷局

2. 文部省 1999 平成11年 リーフレット「生きる力をはぐくむために」 文部省初等中等教育局 特殊教育課

3. 文部省 1999 平成11年 リーフレット「新しい学習指導要領で学校は変わります。」 文部省 初等中等教育局中学校課教育課程企画室

4. 特殊教育研究会 1997 通級による指導の手引 解説とQ&A 第一法規

5. 全国特殊学級設置学校長会 新訂特殊学級・通級指導教室設置校の学校経営Q&A100 第一 法規

6. 文部省 1999 特色ある教育活動の展開のための実践事例集〜「総合的な学習の時間」の学習 活動の展開〜 教育出版

7. 文部省 1999 特殊教育資料(平成10年度) 文部省初等中等教育局特殊教育課

コ ラ ム

1.盲学校,聾学校及び養護学校

視覚障害児を対象とする盲学校,聴覚障害児を対象とする聾学校,また知的障害児,肢体不自 由児又は病弱・身体虚弱児を対象とする学校として,それぞれ知的障害養護学校,肢体不自由養 護学校及び病弱養護学校が設けられている。

盲学校,聾学校及び養護学校においては,その幼稚部,小学部,中学部及び高等部において,

それぞれ幼稚園,小学校,中学校及び高等学校に準ずる教育を行うとともに,併せて障害に基づ く種々の困難を改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養うことを目的として 教育が行われている。

2.訪問教育

障害のため通学して教育を受けることが困難な児童又は生徒に対して,可能な限り教育を受け る機会を提供する趣旨から,養護学校等から教員を家庭や病院等に派遣して指導を行ういわゆる 訪問教育が行われている。

(28)

3.特殊学級

特殊学級は,特殊教育諸学校に比べ障害の程度が軽く,しかも通常の学級における指導では十 分な成果をあげることが難しい児童生徒を対象とし,小・中学校に必要に応じて設けられる特別 に編制された学級である。その種類としては,弱視,難聴,知的障害,肢体不自由,病弱・身体 虚弱,言語障害,情緒障害がある。

4.通級による指導

通級による指導とは,小・中学校の通常の学級に在籍している軽度の障害がある児童生徒に対 して,各教科等の指導の大部分は通常の学級で行いつつ,障害に応じた特別の指導を特別の指導 の場(いわゆる通級指導教室)で行う特殊教育の一形態である。

5.平成10年9月の中央教育審議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」

上記の答申において,国から都道府県等に対する指導助言の在り方の見直しや学校の自主性・

自律性の確立について種々の提言が行われている。平成12年4月からは,就学に関する事務が国 の機関委任事務から都道府県及び市町村教育委員会の自治事務に代わること等を踏まえ,地方分 権の推進の観点から就学指導の在り方について検討される。

6.平成11年3月告示の学習指導要領について

○改訂の4つのねらい

1.豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成します。

2.自ら学び,自ら考える力を育成します。

3.ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす 教育を充実します。

4.各学校が創意工夫を生かして特色ある教育,特色ある学校づくりを進めます。

7.平成11年3月告示の盲学校,聾学校及び養護学校の学習指導要領の改訂のポイント a 障害の重度・重複化への対応

・養護・訓練の名称変更:「養護・訓練」→「自立活動」

・内容の見直し

・個別の指導計画

・高等部の訪問教育に係る規定の整備 b 早期からの適切な対応

・幼稚部において,3歳未満の乳幼児を含む教育相談

・地域の相談のセンターとしての役割

・重複障害幼児の指導計画作成上の留意事項 c 職業的な自立の推進

・知的障害養護学校の高等部に「情報」,「流通・サービス」を,また,中学部及び高等部に

(29)

「外国語」を選択教科として新設

・盲学校や聾学校の専門教科・科目について,科目構成の大綱化と内容の範囲の明確化 d 交流教育の充実

・幼稚園,小学校,中学校,高等学校の学習指導要領等に交流教育について新たに明記さ れた

8.平成11年3月告示の学習指導要領に関する移行措置

新しい学習指導要領の趣旨をできるだけ早く生かすよう平成12年度から,小学部,中学部及び 高等部について移行措置を実施する。

a 総則,道徳及び特別活動については,基本的に新学習指導要領による b 各学校の判断で総合的な学習の時間を設ける

c 盲学校,聾学校,肢体不自由養護学校及び病弱養護学校の各教科等については,小・中

・高等学校の移行措置に準じて取り扱う(国語,生活,音楽等)

d 知的障害養護学校の各教科(情報,流通サービス以外)については,新学習指導要領による e 自立活動については,新学習指導要領による

(30)

3.特殊教育の基礎

2 就学指導 単 元 名 ( )

特殊教育の場として,盲学校,聾学校,養護学校,特殊学級及び通級によ

。 , ,

る指導がある 就学指導は 子どもがこれらのいずれで教育を受けることが 子どもの成長に最もよいかを判断する。この就学指導の意義と実際を理解す る。

講義 授 業 形 態

① 就学指導の目的について解説する。

「障害児が適切な場で教育を受けることができるようにすること」であることを 説明する。

② 就学指導の基準及び関連法令について解説する。

就学指導の基準や関係法令について説明する。

a 盲学校,聾学校及び養護学校や特殊学級に関する規定

「学校教育法,71条から76条」

b 盲学校,聾学校及び養護学校での教育の対象となる児童生徒の障害の程度

「学校教育法施行令22条の3」

c 「教育上特別な取扱いを要する児童生徒の教育措置について」

1978 文部省初等中等教育局長通達,文初特309号

③ 就学指導の流れについて解説する。

就学指導の法令に基づいた流れを説明する。

・学齢簿の作成−市町村教育委員会「学校教育法施行令,2条」

「学校教育法施行規則,31条」

・就学時健康診断−市町村教育委員会 「学校保健法施行令,1条」

・都道府県教育委員会への盲者等の通知 「学校教育法施行令,11条」

同時に保護者への入学期日,学校の通知 「学校教育法施行令,

5条1項及び14条1項」

3.特殊教育の基礎,(3)教育の場とその実際,等を参照すること

(31)

資 料 参考文献

○ 就学指導の基準と関係法令 1. 文部省 1998 我が国の特殊教育

○ 学校教育法71条及び学習指導要領についての解説

1. 木舩憲幸 1999 コミュニケーションの障害心理学 深田博巳編著 コミュニケーション 心理学 北大路書房 (第12章)

○ 就学指導の基準と関係法令についての解説

1. 石井武士編著 1999 障害児教育の基礎と展開 コレール社 第1章 障害児教育

2. 山下 勲編 1991 精神発達遅滞児の心理と指導 北大路書房 第11章 適正就学,統合・

交流教育

3. 加藤安雄 1994 特殊教育の適正就学ハンドブック 慶応通信

コ ラ ム

1.学校教育法第71条から第76条

学校教育法では,第6章(第71条−第76条)で特殊教育について規定している。以下に,それら を記載する。

第6章 特殊教育

〔盲学校・聾学校・養護学校の目的〕

第71条

盲学校,聾学校又は養護学校は,それぞれ盲者(強度の弱視者を含む。以下同じ。),聾者(強 度の難聴者を含む。以下同じ。)又は知的障害者,肢体不自由者若しくは病弱者(身体虚弱者を含 む。以下同じ。)に対して,幼稚園,小学校,中学校又は高等学校に準ずる教育を施し,あわせ てその欠陥を補うために,必要な知識技能を授けることを目的とする。

第71条の2

前条の盲者,聾者又は知的障害者,肢体不自由者若しくは病弱者の心身の故障の程度は,政令 で,これを定める。

〔盲学校・聾学校・養護学校の部〕

第72条

盲学校,聾学校及び養護学校には,小学部及び中学部を置かなければならない。ただし,特別 の必要のある場合においては,その一のみを置くことができる。

(2) 盲学校,聾学校及び養護学校には,小学部及び中学部のほか,幼稚部又は高等部を置くこ とができ,また,特別の必要のある場合においては,前項の規定にかかわらず,小学部及び中 学部を置かないで幼稚部又は高等部のみを置くことができる。

〔盲学校・聾学校・養護学校の教科・教科用図書〕

第73条

盲学校,聾学校及び養護学校の小学部及び中学部の教科,高等部の学科及び教科又は幼稚部の 保育内容は,小学校,中学校,高等学校又は幼稚園に準じて,監督庁が,これを定める。

〔盲学校・聾学校・養護学校の寄宿舎の設置義務〕

第73条の2

盲学校,聾学校及び養護学校には,寄宿舎を設けなければならない。ただし,特別の事情のあ るときは,これを設けないことができる。

〔盲学校・聾学校・養護学校の寮母を設ける義務〕

第73条の3

寄宿舎を設ける盲学校,聾学校及び養護学校には,寮母を置かなければならない。

(2) 寮母は,寄宿舎における児童,生徒又は幼児の養育に従事する。

〔盲学校・聾学校・養護学校の設置義務〕

第74条

都道府県は,その区域内にある学齢児童及び学齢生徒のうち,盲者,聾者又は知的障害者,肢 体不自由者若しくは病弱者で,その心身の故障が,第71条の2の政令で定める程度のものを就学 させるに必要な盲学校,聾学校又は養護学校を設置しなければならない。

Gambar

図1 移動中の身体の傾きに対する介助
図2 不整地での移動
図3 急な坂を下りる
図4 段を上る
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Referensi

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