私たちは神奈川大学人間科学部の吉澤ゼミの学生です。吉澤先生は去年神奈川大学に赴任されたので、私たちが神奈川大学で最初のゼミ生です。そのため、ゼミに先輩がおらず、最初はゼミという授業で何を行うか、卒業論文がどのようなもので、どれだけ大変なものなのかなど分からないことが多数ありました。吉澤先生にはそんな不安を払拭するように、ゼミについて教えていただいたので、今は不安もなく自分たちが知りたいことについて考えることが出来ています。今回は、私たちのゼミの活動について紹介します。吉澤ゼミでは錯覚や色彩など視覚系について学ぶことが出来ます。
まず、私たちは一年をかけて『感覚知覚心理学(朝倉書店,菊池正編)』及び,『色覚のメカニズム―色を見る仕組み(朝倉書店,内川恵二著)』という視覚や色の見え方について学びました。1人約1章分を自分で要約し他のゼミ生に説明しまし た。内容はとても難しく、今まで全然知らなかった知識が多く、発表者は内容を理解することにまず苦戦しました。また、数学が出てくることも多く、3年以上数学から離れていた私にとって忘れていることも多く、数学を理解し説明することに苦戦しました。数学以外でも、知らない知識をそのまま言葉にしても聞いている人たちは理解することが出来ないため、知識がない人たちが理解しやすいように言葉をかみ砕いて説明するには準備の時間を多く必要としました。自分で本を読み理解することが出来なかったときに間違えた捉え方をして発表しても、吉澤先生は否定することなく、優しく間違ったところを正してくれました。また、説明し足りない部分、内容が難しい部分があった場合、吉澤先生が丁寧に、ゼミ生が理解できるまで何度も説明をしてくれました。そのため、ゼミ生みんな十分に理解することが出来ました。去年学んだことは他の授業や、今後の卒業研究を行う 際に生かされてくると思います。 また、去年は
温泉でゼミ合宿を行いました(写真1)。この合宿 8月に1泊2日で栃木県の鬼怒川
神奈川大学人間科学部吉澤ゼミ
人間科学部 人間科学科
3年
久能 汐音
写真1:ゼミ合宿で宿泊した鬼怒川温泉のホテルのロビー 19
での一番の目的は、「とりっくあーとぴあ日光」に行き錯覚について体験しながら学ぶことでした。「とりっくあーとぴあ日光」では様々な種類の絵があり(写真2)、触ったり写真を撮ったりして、錯覚について体験しながら学ぶことが出来ました(写真3)。その後、宿に戻りみんなで「とりっくあーとぴあ日光」で感じたことや錯覚についてみんなで話し合い、錯覚が起こる原理を知ることが出来ました。ほかの人の意見を聞くことで、どのように考えたかを知ることができ、自分の興味や意見を強く持つことが出来ました。また、いつもは週に一度のゼミでしか会わないゼミ生と2日間一緒にいることでたくさん交流を持つことができ仲が 深まったように思います。 次に、今年から来年にかけて行う卒業研究についてです。去年の夏、各自やりたい事や知りたい事柄についてレポートを執筆しました。今回の研究では、そのレポートに沿って研究を行う人や、新しく研究を考え行う人もいます。自分のやりたいこと、実験内容までも自分で考えたり、卒業論文を執筆するということは初めてなので不安が多いですが、先生やゼミ生と意見を交換しながら、約1年間研究を行っていきたいと思います。ここで研究テーマの幾つかについて紹介します。・奥行知覚メカニズムにおける認知的影響・環境に対する感性に及ぼす色の影響・色の選好性に関する心理物理学的研究・日本の食べ物の視覚的尤もらしさに及ぼす色の影響に関する心理物理学的研究
最後に、初めてゼミを受けたときの感想を述べます。当初は今後どんなことをするかわからず不安が多かったです。私は緊張しやすいので人前で話すことや自分の意見を言うことがすごく苦手でした。
しかし、約1年半吉澤先生のゼミの授業を受け、人前で発言することに自信を持つことができ、苦手意識がなくなってきました。これもどんな意見を話しても否定せず、受け入れてくれるゼミ生と先生のおかげだと思います。これからの1年半も悩んだり苦しんだりすると思いますが、みんなで支えあいながら頑張っていきたいです。
写真2:「とりっくあーとぴあ日光」内の展示物
写真3:「とりっくあーとぴあ日光」内の展示物を体験
20 学科活動・ゼミ活動