• Tidak ada hasil yang ditemukan

第 17 章 環境エンリッチメント (未監訳,編集途中)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "第 17 章 環境エンリッチメント (未監訳,編集途中)"

Copied!
14
0
0

Teks penuh

(1)

第 17 章 環境エンリッチメント (未監訳,編集途中)

ゾウの⾏動⽣物学、及び博物学上、エンリッチメントが 飼育下のゾウの環境を改善し、または⾼めるための⽅法で あることは明らかである。エンリッチメントは全てのゾウ の管理プログラムにとって不可⽋な要素に違いない。⾏動 する機会を増やす⽬的でなされてきた設備と飼育的な慣 習の変化の過程はとても精⼒的である。ゾウのエンリッチ メントはそれが継続中で創造的な過程を経ている場合、想 像⼒を⽣み出す肥沃な⼟壌である。それぞれの施設からの 役⽴つ基礎知識やアイデア、資料の提供があって、そこ⾃

体のエンリッチメントプログラムを始めることができる。

適切な社会的環境及び⾁体的環境はゾウの適切な広い レパートリーの⾏動や社会的な能⼒を発達させ、⾃分が環 境をコントロールしている感覚を得させ、ストレスや新し い事態に対処する能⼒を養う。

エンリッチメント計画はゾウの⾃然史の知識に裏打ち されるべきである。施設の設計とエンリッチメントプログ ラムの中で重要な鍵となるゾウの⽣物学的ないくつかの 特徴は;

 ゾウは⼤変⾼い社会性を持った動物である。全年齢の メスと性成熟前のオスから構成される⼥系集団である。

オスはもっと孤独な⽣活を送るが、ゆるやかな共同体 を形成し、他のオスやメス集団と、変化に富み、強⼒

な社会的関係を持っている。コミュニケーションは視 覚、触覚、発声、嗅覚という⼿段でなされる。

 ゾウは⽔や配偶者、陰/休息場、こすりつける樹、⾷

べ物など⽣命活動に必要な要素の拡散によって決めら れた⼤きななわばりを越えて放浪する。これらの要素 の状態やありかは季節によって規則正しく変化し、1 頭のゾウの⽣涯の中で年々予測することは難しい。ゾ ウは⾼い知性を⽰し、ゾウの集団はこれらの要素を効 果的に獲得するために歴史的な知識を⾝につけている。

 ゾウは様々なテクニックを擁していろいろな種類の⾷

べ物(89;Mckay 1973)を採⾷するためにとても⻑

い時間を費やす(1 ⽇の内 12〜14 時間;Mckay 1973)。

採⾷⾏動には草の茎をつかむ、汚れを落とすために根 こそぎにする、叩きつける、低⽊の枝をつかんで引っ

敷地の外で草を⾷べることは効果的なエンリッチメントの⽅法である。

(2)

⾳楽好きなゾウのために取り付けた⽊琴

いろいろな⾷材を⼊れて凍らせたアイスブロックはエンリッチメ ントである。

AZA ゾ ウ 飼 育 管 理 基 準 ( AZA Standards for Elephant Management and Care) 北⽶動物園

⽔族館協会(AZA)、2001 年 3 ⽉ 21 ⽇採択

「すべての加盟施設は所有するゾウについて環境エン リッチメントのプランを作成し、それを実施したこと を証明しなければならない。」

ゾウの敷地の中にバスケットボールをばらまくのもエンリッチメントである。

(3)

張る、樹の枝に届くために後⾜で⽴ち上がる、樹を押 し倒すなどが含まれる。

 野⽣のゾウでは、他にも環境によって形成されたと思 われる、泥浴び、急勾配の斜⾯を登る、泳ぐなどを含 む重要な⾏動が観察されている。

ゾウのエンリッチメントにおける優先性を明らかにす るために、ゾウの⾃然な⾏動についての知⾒は、飼育下で 実際にゾウがどんな⾏動をとるかという知識とまとめら れる。たとえば、多くのエンリッチメントのテクニックは ゾウが新しい事象に対して好奇⼼が旺盛でそれらを探求 し、学び、影響しあうという事実に基づいている。⾔うま でもないことだが、もし毎⽇決まった時間に繰り返される とすれば、それらは働かない。

残念ながら、ゾウの環境エンリッチメントに有効な情報 はほとんどない。⼀般的にゾウの環境エンリッチメントの テクニックは以下のようである:

1.適切な社会相互作⽤の機会を作る

野⽣の群れが持っている年齢構成や性⽐、群れの過去の 相互関係の歴史などといった複雑さを再現できる飼育下 の群れはほとんどない。特に繁殖による若い個体を得てい ない群れにおいては相互関係や社会関係を持つ活動にお いて重要な発⽣源を⽋いていることになる。適切な社会的 な群れのサイズや構成、繁殖やオスの数(時に複数)などを 熟慮した結果、社会性が複雑さを増すことはエンリッチメ ントの重要な側⾯であるとみなされるべきである。

2.ゾウの研究が新しくて有効な情報をもたらす中で与え られる情況は、その活動と環境を幾分か⽀配する選択をな す。

種特有の⽅式の囲いの範囲内での環境の複雑さは、結果 的に活動の機会を増やすことになる。泥や葉っぱくず、敷 き藁、草⽊、樹⽊などのものを⼊れること、餌を隠したり、

におわせることは、餌を探したり、探索する⾏動を引き出

すかもしれない。柵とランドスケーピングはプライバシー を守り、テリトリーを主張する⾏動を減少させ、逃げ道を 与えて、社会的な相互関係を改善させる可能性がある。構 造物は陰を作って微機構の中で選べるような微⼩な温度 変化を提供し、引っかいたり登ったりするような活動を助

⻑する。それらはまた他のゾウや慣習からの⽬隠しともな る。そのようにゾウには選択の機会が与えられている。も し暑すぎるときには⽇陰を探すか⽔浴びをすることがで きる;腹が減れば餌を探すことができる;驚いたらより安 全な場所に移動することができる。

3. 当⾯の課題、トレーナーが何を求められている かを学ぶことや、問題を解決すること

当⾯の課題は当然飼育下のゾウがその環境の中 でいくつかの状況をコントロールすることを学習できる ような境遇においてやることである。ハズバンダリートレ ーニング(馴致トレーニング)は学習の好例と定義され、

環境エンリッチメントの構成要素として考察することが できる(第 4 章 トレーニング p.21 参照)。

Hediger(1950、1969)はシンプルなトレーニングは 飼育下の動物にとっては退屈を紛らわす「作業療法」の⼀

種(娯楽や教育の⾏動を含む)であると固く信じていた。

彼の使う「トレーニング」という⾔葉は主に馴致ではない ことに関係した⾏動を指している;この種の⾏動を「しつ けられた⾏動」であると解釈していた。今⽇では両⽅のト レーニング(ノンハズバンドリーもハズバンドリートレー ニングも)エンリッチメントの⼀形態として認められてい る。トレーニングが動物をハンドラーと積極的にかかわら せ、⽇々の馴致⾏動をやりやすくするという知的レベルに 到達させるということは明らかである(Shepherdson、

1998)。エンリッチメントの他の構成要素としてトレーニ ングのプログラムはプランニング、査定、再評価を含むべ きであり、エンリッチメントが単純な⼀形態ではないと認 められるべきである。

(4)

ゾウの担当者はいろいろな種類のエンリッチメントを利⽤することができる。(左上)⽀柱にタイヤを吊るす。(右上)ゾウがボールで遊 んでいる。(右下)探索⾏動を引き出すように餌を⾼い位置の籠に⼊れている。(左下)洗⾞ブラシを鎖で吊るす。

(5)

ゾウに種特有の⽅法でシェルターを探したり、餌を⾷べ る、運動するなどの機会を与える。

Hughes と Duncan(1988)はそれらの⾏動が望ましい 結果(巣や餌のような)を獲得するために必要でない時で さえ、若⼲の欲求⾏動(巣を探したり、⾷料を探すなど)

を実⾏する必要があるかもしれないという証拠を提⽰し た。多くの⾏動が刺激に誘発されることが明らかであるに も関わらず、種に特有な刺激がない中で⾏動を実⾏する為 のモチベーションがあるにせよないにせよ、Hughes と Duncan はそのような⾏動を、内から追い⽴てられて⾏う ようであると指摘している。これらの⾏動の発現を妨げる ことは欲求不満を引き起こし、ストレスの引き⾦につなが る可能性がある。課題を「要求」することは、これらの⾏

動の⼀つであるかもしれない。いくつかの施設は現在⽇々 かなりの時間をかけてゾウを歩かせる為に必要とされる 課題に取り組んでおり、また重いそりを引くというような 活動的な作業をさせるなどしている。柵の後ろからゾウを ハンドリングするためのテクニックは現時点ではより時 間的に限られているように⾒え、より注意を必要とする領 域である。しかし、展⽰場に積まれた⼟の⼭や、探し回る 作業など⾃発的な⾏動を引き起こすような状況を準備す ることで、いくつかの限定的な運動が提供されるだろう。

飼育下のゾウが餌を探すのに費やす時間は野⽣のゾウ のそれに⽐べると少ない。エンリッチメントで優先される べきは、カロリーの消費を増⼤させたり、餌の栄養バラン スを崩すことのないよう注意して、餌を探す時間と⾏動を 増⼤させることである。エンリッチメントは「ごちそう」

を供給するものではなく、ゾウの当たり前の餌をゾウにと って適切なやり⽅で与えるものだと理解されるべきであ る。⾷べ物に関連したエンリッチメントの⽬標は採餌時間 を延ばすことと⾷べ物を⼿に⼊れるためにたくさんチャ レンジするように仕向けることである。そのような努⼒の 結果、多くのゾウ特有の⾏動が引き出されている。推奨さ れる⾷べ物関連のエンリッチメントは以下のものを含ん でいる。

 通常の餌には含まれない新規の餌。様々な⾵味はゾウ にとって意外であり、多様性を与える。ゾウが好まな

い餌でさえ、刺激を与える。新しい⾷品が供給される 時には通常の餌の⼀部を取り替えるべきである。

 新鮮な若芽を与える。新芽や果実もしくは花の付いて いる⼤きな枝は採⾷⾏動を刺激し、⾷物繊維を増量す る。

 ⾷材を細かく切り、飼育場内のあちこちにばらまく。

このことでゾウが⾷べ物を探す時間が増える。

 餌を⼿に⼊れる為のチャレンジの機会を増やす道具 (パズルボックスやトリートログ)。これらの道具はゾ ウが採⾷に費やす時間を増やし、採⾷の為に認知能⼒

を使うように仕向ける。

適切な環境づくりはすべてのエンリッチメントの基本である。

(6)

尾で操作できる玩具を吊り下げている。

基本的なエンリッチメント

飼育者は⼀定の基準の環境エンリッチメントの機会を ゾウに与えることを求められる。この課題はハンドラーに とって当然の職務であり、彼らがそうできるように時間が 割りあてられるべきである。エンリッチメントプログラム は次にあげる項⽬で構成されるべきである。

1.エンリッチメントプランはゾウの⾃然史、個体史、展

⽰場の制約に基づいて開発されるべきである。エンリッ チメントプランの開始に先⽴ち、エンリッチメントの計 画と⽬標(すなわちどんな⾏動が奨励または抑⽌される か、1頭のゾウが1週間に何分くらい費やすべきか、ゾ ウたちが互いに⼲渉し合う時間の割合など)は数量化し て明確に確⽴されておかなければいけない。エンリッチ メントは、

 ゾウの⾏動レベルをあげる。

 彼らがその環境とどのように関わるかを選択できるよ うにする。

 彼らの知的能⼒を刺激する。

 種特有の⾏動を引きだし、常同⾏動、攻撃⾏動、⾷糞 などの望ましくない⾏動を減らす。

 知性と⾝体能⼒を駆使するように仕向けることでゾウ

の総合的な幸福度をあげる。

 群れの⼀員として群れ⽣活をする種で⾒られる採餌や 社会的な結びつき、問題解決などの典型的な⾏動につ いての学習経験を⾼める。

2.エンリッチメント活動と認定された⼀連のものは維持 されるべきである。ゾウの健康と安全のためにはどの⾏

動も施設の管理者と獣医によってゾウに最初に供給さ れる前に認められていなければならない。

3.エンリッチメント活動のスケジュールを前もって⽴て ることがエンリッチメントを毎⽇のルーティーンの⼀

部にし、展⽰の間もそのアイテムをローテーションさせ るための最善の⽅法である。このことは必要なアイテム を獲得する計画を可能にするか、または展⽰もしくは囲 う場所を前もって準備することを可能にする。熟慮され たスケジュールのローテーションを前もって作ること と、良い記録をとり続けることは、新しく効果的なエン リッチメントを増加させるだろう。

4.ゾウの飼育⽅法を⾊々な⾓度から⾒たときに優先され るべきことは、ゾウ、飼育者、観客の健康と安全である べきである。新しいエンリッチメントのアイテムを最初 に与える時はその安全性と効果をよく観察することが とても重要である。

(7)

5.判定シートは全てのエンリッチメントの実践の記録を とる際に使⽤すべきである。記録を保持していることは エンリッチメントが⽬的の⾏動にかなっているのか、も しくはどうすればもっと効果的なものに変えることが できるのかを決定する時に役に⽴つ。また、ゾウのエン リッチメントを評価している施設の間でのコミュニケ ーションを促進するのにも役⽴つ。新しいエンリッチメ ントを最初にゾウが経験する時は、予め決められた多く の時間を観察に費やすべきである。ゾウの反応、積極的 か消極的か、その⾏動に費やされた時間、もしくは要求 された⾏動が促進されたかを記録すべきである。ゾウが 興味を持っている多くの時間の記録をとるために1⽇を 通じての観察が要求されるべきである。

6.ゾウがエンリッチメントを体験してからしばらくの間 は効果的であったとしても、ゾウはそのアイテムに短期 間で慣れてしまう傾向にあるため、エンリッチメントが

⾏われてからそれが効果的であるか判断できるだけの 期間にさらした後に、再評価をすることもまた重要であ る。エンリッチメントの評価はゾウの⽣活を「豊かに」

することにおいてその⾏動が本当に成功しているかど うかで決定される。評価は継続中のプロセスであるべき である。ゾウはそのアイテムや⾏動に慣れてしまうので、

その物体をいつ動かしたか、または何回興味を⽰したか を知ることが重要である。もし、ゾウがあるエンリッチ メント⾏動にもはや全く興味を⽰さなくなった時は、そ の⾏動を⼀定期間スケジュールからはずし、後⽇再導⼊

するべきである。与えたエンリッチメントや、その効果 を記録するのにカレンダーは優れた⽅法であり、展⽰中 にゾウの興味を保ちつつローテーションを回すアイテ ムを⼿配する前に予定を組むためにもすばらしい⽅法 である。

エンリッチメントプログラムの作り⽅

1.ハンドラーはその⾏動がゾウの望むものであり、

最終⽬的のリストができるものにするべきである。

2.エンリッチメントとして現在認められているもの 全てについてリストを作る。

3.新たなエンリッチメントのアイデアは、いくつか のエンリッチメントの実践や、新たなアイデア、ま たは現在他の動物で使⽤されているアイテムのリス トを作成することで関連付けられる。

4.業務の詳細の組織化

ゾウ、スタッフ、あるいは観客に関わる安全問題の評 価について管理者と話し合う。図を⽤いながら

エンリッチメント装置をもっと美的で満⾜できるよ うに作ること、公衆の教育の機会に役⽴つように するための提案について⾏政関係の⼈と議論する。

5.エンリッチメントのスケジュールを⽤いるとき、

予め週か⽉単位のエンリッチメントを計画する。こ のことはゾウのスタッフの⼿間を省き、またその活 動が⽇々の作業の⼀部になることを確実にするだろ う。

6.ゾウに対し活動が⾏われた全ての時においてそれ が⽬標の⾏動を促進したかどうかを記録するのに、

エンリッチメント評価シートを⽤いる。

7.全てのスケジュールシートとそれぞれのゾウの個 体やグループについての評価を含むエンリッチメン トノートを作る。そのノートによって、ある活動が もう使⽤されたものであるか、それらは有効かどう かということを素早く参照できるようになる。

8.エンリッチメントサインは 1 頭に対して⾏うエン リッチメントを緻密に描写し、それをゾウという範 囲を超えて与えられるべきである。これはなぜ領域 内で⾃然的でないアイテムが⽤いられ、あるいは彼 らがエンリッチメントを⾒つける⼿助けになるかを 説明する。

エンリッチメント オプション

次にあげることは、北⽶全⼟の動物園から集まったエン リッチメントのアイデアである。わずかな想像⼒と実⾏⼒

があれば可能性は果てしなく広がるとすれば、このリスト は完全なものではない。ゾウの⼤きさと⼒の強さのために すぐに壊されずに済むエンリッチメントアイテムを⾒つ けることは困難に違いない。必ずしも「天然」材料でなく ても野⽣におけるのと同様の⾏動を引き出すことが可能 である。

(8)

歩くことは運動とエンリッチメントの優れた⽅法である。

⾷関連のエンリッチメント

⾷と関連付けたエンリッチメントは探し回る⾏動を促 進し、運動を刺激するという前提がある。ゾウは野⽣で餌 を探すのと同じような⾏動でアイテムを⾒つけるための

⽅法を探し、⼯夫するに違いない。

 展⽰場の周りに動物が⾒つけられるように⼩さい⾷べ 物を隠す。

 段ボール箱の中に⾷べ物を置く。

 Jungle Balls®(ジャングルボール)または Boomer Balls®(ブーマーボール)の横に⽳を開け中に⾷べ物 を⼊れる。

 給餌器として横に⽳を開けた 55 ガロンのドラム⽸を つるす。

 ⼤量の⽔に果物と野菜を⼊れて凍らせ、氷の塊を作る。

半分に切った 55 ガロンのドラム⽸もしくは空き⽸を 容器として使う。吊り下げるために鎖をつけておくの も良い。

 探索を開始させるために展⽰場の周囲にピーナッツバ ターをちょっとつけておく。

 展⽰場の砂の中に⼈参やピーナツ、その他の⾷べ物ア イテムを埋める。

 壁に両端をあけた状態で塩ビ管(ゾウの⿐サイズ)を 埋め込む。ゾウが「掃除」しないと取り出せないよう に、その内部に丸ごとのりんごなどの⾷べ物アイテム を⼊れる。

 丸太製の給餌器を作る。

ごちそうを吊るされている乾草のバスケットに隠すことでゾウ にそれを獲得させるために少し難しい動きをさせる。

ゾウは絵描きを楽しんでいるようであり、⼈々は出来上がった 作品を味わう。

におい

においを使う⽬的は嗅覚を刺激することである。ゾウの 囲いのあちこちに違うにおいをスプレーもしくは散布し、

ゾウがくまなく歩き回るようにする。これはゾウが気に⼊

った場所でとどまってしまう傾向のある広い囲いにおい て特に効果的である。多くのにおいがゾウで試され、以下 のものに対して⼤きく反応した。

 オールスパイス

(9)

 シナモン

 ナツメグ

 クローブ

 コリアンダー

 チリペッパー

 パプリカ

 アニス

 バニラ

 他の動物の尿や糞(寄⽣⾍の⼼配のない)

 雌や雄のにおい及び疑似餌

 新鮮なハーブ

天然のアイテム

新芽や新しい丸太、ピートモスや⼟、ルートボール(根 鉢)、そして砂は⾃然な調べる⾏動を呼び起こす。新芽は

⾷べられ、丸太からはがされた⽊の⽪は⾷べられ、他の物 は掘ったり⼟浴びをする機会を与える。これらはすべてゾ ウが野性下で⾒せる⾏動である。

遊具や巧みに扱えるアイテム

ゾウがそれで遊んだり、巧みに扱うことのできる物質を 与えることは運動神経を発達させ知性を刺激するために

⼤変重要である。

 チェーンに通したタイヤ

 55 ガロンのドラム⽸を吊るす

 体をこすりつけられるように、2本の樹か柱の間に引 っかけた消防ホース

 ⼤きなブーマーボールかジャングルボール、ボーリン グのボール、⼜はからになったビールの⼩樽を展⽰場 に置く。

 ⼤きな段ボール紙のロールや3フィートの⻑さの⽪

つき⾻を展⽰場に置くこともできる。

 両端にふたをした⻑さ8フィートの塩ビ管の中に砂 利や鉄の⼩⽚をつけて細⼯した鎖を⼊れて頑丈な鎖

とシャックルで壁にくくりつける。

 展⽰場に雪だるまを作る。

飼育

 ⽇々のルーティーンを変える

 夜収容せずに展⽰場で⼀晩過ごさせる

 寝室と展⽰場を⾏き来⾃由にする

 ⽇中数回給餌する

展⽰場の変更

 展⽰場や寝室の「家具」をアレンジし直す。

 植物を⼊れる、低⽊、樹⽊を⼊れる。

 倒⽊を⼊れる。

聴⼒

・別種の動物の鳴き声を使う

・別の施設のゾウの鳴き声を使う

・⽣息地での声を使う

社会構造

・新しい個体を⼊れる

・社会グループにいくつかの変化を加える、そして

・展⽰場で同居できる種を作る

トレーニング

・ゾウを展⽰場から出たり⼊ったりさせる

・新しい受診⾏動を訓練する

・新しい状況に対するゾウの感受性を鈍らせる

・合図によってゾウの⾃然な⾏動を⽰すように訓練する

・⾃在する⾃然な⾏動を修正する

(10)

適切な⾁体環境はゾウ特有の⾏動を促進させうる。

消⽕ホースは⽔を噴射する操作といった知覚的チャレンジをゾ ウに提供する。

エンリッチメントの Web サイト www.enrichment.org

www.zooregon.org/cards/Enrichment/enrich.htm www.enrich.org/aazk

www.enrichmentonline.org

www.folsom.ca.us/zoo/games/html

www.tamu.edu/ethology/Concepts/DT_AS.htm www.animalenrichment.org

www.animaltraining.org

www.animalwelfare.com/Lab_animals/biblio/enric h.htm

www.well.com/user/abs/dbs/eesb www.humbolt1.com/aak/n7.htm www.wwwebspace.co.uk/

www.lazoo.org/elephants/b-e.html www.wolfpark.org/Links_enrichment.html

www.birminghamzoo.com/sorty/past/dec/001216 .html

監訳者注:⼀部のサイトはアクセスできない。URL が変 更されたか、ページが削除されたかは不明である。

(11)

フォートワーズ動物園のエンリッチメント要請書

名前/関係: ⽇付:

課:

種:

エンリッチメントの場: 展⽰場内 展⽰場外 エンリッチメントについての説明(すべての必要な物質、安全関連など)

エンリッチメントの⽬標(正当な根拠、固定観念の説明)

必要とされたアイテム: 購⼊品 建設されたもの 費⽤の⾒積もり: $0〜20 $21〜50 $51〜100 $100 を超える スタッフが費やす時間: 取り付け 建設

スタッフが使⽤できる参考資料

なし チェックシート ⾏動観察

事務所のみ記⼊

取り付け⼯事費⽤の⾒積もり:

認可(必要ならばコメントを添える) ⽇付 保護⽣物学者

管理者 獣医/栄養⼠

(いるならば) 保護と科学の監督

承認 未承認 ⽇付

ディズニーアニマルキングダムのエンリッチメント評価

飼育者は直接的証拠(エンリッチメントに対するゾウの反応が観察できる)と/または間接的証拠(飼育者はゾウの反 応を直接観察できないが、ゾウが供給されたエンリッチメントと関係を持つと期待できる)についての評価を求められ る。直接的・間接的証拠はどちらも Likert の基準により 5 段階で得点付けされる。評価ツールはまだ認可されてはい ないが、エンリッチメントの影響を計画的に評価するための重要な最初の⼀歩として代表されるだろう。

エンリッチメントにおける Rating の基準

直接的証拠(飼育者が観察し、どの程度ゾウがエンリッチメントと関わり合いを持つか測ったもの) 1=ゾウが逃げる/エンリッチメントと離れる

2=ゾウがエンリッチメントを無視する

3=ゾウが関⼼を向ける/注⽬する、しかしエンリッチメントと⾁体的接触はしない 4=ゾウがたくさん接触する(においをかぐ/エンリッチメントを舐める)

5=ゾウが相当または繰り返しエンリッチメントに接触する

(12)

間接的証拠(飼育者は観察できない) 1=関わり合いをもった証拠がない 3=関わった証拠がそこそこある 5=明らかな関わり合いの証拠がある

エンリッチメントの評価は疑問を⽣む:エンリッチメント計画は要求された⽬標を達成したか?飼育者のエンリッチ メントに対する評価は調査されうる傾向にある。そのデータは時間を超えてゾウのエンリッチメントアイテムに対する 反応において情報を与え、またしばしば最適の影響をもたらすような提案を可能にする。

エンリッチメントが意図されていた⽬標を達成したかどうかの Rating の評価 1=反応がない、⽬標の⾏動を達成しなかった

2=ゾウに反応があった、しかし⽬標の⾏動を達成しなかった 3=いくつか反応が あり、いくつかの⽬標の⾏動を達成した 4=そこそこ反応があり、そこそこの数の⽬標の⾏動を達成した 5=強い反応があり、多くの⽬標の⾏動を促進した

エンリッチメントの実施における評価 種:ゾウの名前:

エンリッチメントの⽇付:初めてその活動が⾏われたのは?

エンリッチメントの説明

エンリッチメントに対する最初の反応(15 分間の観察の後)

1.全てのゾウがエンリッチメントに対し似たような反応をしたか? はい いいえ 2.エンリッチメントに対して良くない反応はあったか? はい いいえ 説明:

3.エンリッチメントにたいしゾウはどれくらいの時間反応を⾒せたか?

エンリッチメントによって提⽰されたゾウの動きを描写しなさい:

ゾウがまたエンリッチメントを使⽤したか

1 時間後 はい いいえ 2 時間後 はい いいえ 3 時間後 はい いいえ 4 時間後 はい いいえ 1 ⽇を通じたエンリッチメント活動の観察について:

将来の使⽤の推奨:

仕上げ:

⽇付:

(13)

フォートワース動物園 飼育係チェックリスト-ゾウ⽤

アイテム:

⽇付: 天気: _展⽰場内 _展⽰場外

このシートの使⽤説明は次ページ参照。

時間 動物

移動 採⾷ 探査⾏動 社会⾏動 攻撃⾏動 熊癖 休息 視界の外 その他 接触 / 操作

使⽤の間接的 最初

コメント Groucho

Rasha Kimbo Blue Angel Groucho Rasha Kimbo Blue Angel Groucho Rasha Kimbo Blue Angel Groucho Rasha Kimbo Blue Angel Groucho Rasha Kimbo Blue Angel Groucho Rasha Kimbo Blue Angel 午前合計 Groucho 午後合計 Groucho 午前合計 Rasha 午後合計 Rasha 午前合計 Kimbo 午後合計 Kimbo 午前合計 Babe 午後合計 Babe 午前合計 Blue 午後合計 Blue 午前合計 Angel 午後合計 Angel

(14)

フォートワース動物園におけるゾウの飼育係チェックリストの使い⽅南

観察を⾏うとき、飼育者はゾウに気づかれるのを避けるため、また彼らの⾏動に悪影響を与えないように最⼤限の努

⼒をすべきである。

観察の間は飼育者はグループ(あるいは個体)を通して⾒、そしてそれぞれのゾウが⾏動を⽰せばすぐにそれを明らか にすべきである。

ゾウの観察において

a.ある⾏動は展⽰場内のそれぞれのゾウについてボーダーラインの左側にチェックする。

b.エンリッチメントを⾏うとき、飼育者は最後の観察期間からのエンリッチメントアイテムによる接触または接触の 証拠が起った、あるいは起こっていたように思われるかを明らかにする。

* 例えば、もしゾウが⽵の餌箱を与えられ、その間中観察し、彼/彼⼥が展⽰場を⾏き来しながら餌箱みも夢中になっ ているならば、観察者はボーダーラインの左側の“移動”と、また右側の“接触・操作”にチェックをする。

* もし最後の観察からエンリッチメントアイテムが何らかの⽅法で動かされた、あるいは操作されたようであるのに、

観察している間はゾウがアイテムに接触を持たないとき、チェックマークを“使⽤の間接的証拠”欄に⼊れる。

c.エンリッチメントが⾏われなかったとき、データシートの左側の⾏動のみを⽤いるべきである。

d.もしその⾏動がデータシートに載っていなければ、観察者は“その他”にチェックを⼊れ、データシート右側のコメ ント欄にその⾏動を描写する。

Referensi

Dokumen terkait

第一章 現代世界の中のサウディアラビア 小杉 泰 1.はじめに サウディアラビアは世界最大の石油輸出国であり、世界と日本の経済にとってきわめ て重要な国である。その一方で、同国は世界的にも珍しいイスラーム国家の形態を持ち、 国王が「2聖都の守護者」としてイスラーム世界の盟主を任ずる、きわめてユニークな 国である。同国を理解することは、必ずしも容易ではない。

環境と付着藻類種組成の関係 理学部 3 回生生物系 伊藤 公一 背景 事前に行われた班別調査では、付着藻類の種構成はサンプルによって大きく異なってい た。河川環境は日射量、流速、深度など極めて多様である。また、岩石表面においても付 着藻類の形成するマットの上層と下層とでは異なる環境となると考えられる。サンプルに

購入して困る可能性があるのは, ARM系の CPUを利用している, Windows 10や Android おそ らくタブレット型で PCの様にもなるやつ,一部のSurfaceなどと, ChromeBook Google Chrome をOSとする PC基本的にタブレット+キーボードの形です.. オンラインで双方向型講義を受講する必要がある場合は,マイク,

データベースサーバとしてこのサーバを構築したが, このサーバは第5章で記述している Web サーバと同一の PC である. 4.2 データベース内部構成 本研究では大教室 FEIS ホール,32A 教室を対象にシス テムを構築している.そのためデータベースの種類とし ては表3にある通り3つある. またそのデータベース内にあるテーブルは表4に示す 通りである.

びつかないことであろう。しかし、蛇足になるが、現在の多くのサブサハラ・アフリカ諸 国は、生産性の低い農業から食料を調達し、都会のインフォーマル・セクターに雇用機会を 依存して生存しているのが現状であると言っても誇張ではなかろう。すなわち、非常に伝 統的な生産活動によって支えられているとも言えよう。民主主義も「個人」が基本ではなく、

1 はじめに 日本国内の野生ランとして代表的なエビネ Calanthe discolor Lindl.(エビネ 属ラン科エビネ)は、かつては里地・里山や丘陵地の雑木林(落葉広葉樹林)で 普通に見られる種であったが、園芸用の採集、森林の伐採、土地造成などにより 個体数が減少している。 さらに、本種は、自然環境調査や環境アセスメントなどにおける重要な植物の

第5章 日本と環境 亀山 康子 はじめに 地球上に初めて存在して以来、人類は、他の生物には類を見ない急激な速度で高度な文 明を築き上げた。私たちの今日の日常生活は、この高度な文明に支えられている。そして、 この高度な文明を築き維持するために、私たちは地球上の多様な資源を大量に利用してき

GATT の立場と争点 〜GATT報告書の内容をめぐって〜 zGATT の立場 ① 環境保護のための一方的な貿易措置は とるべきでない ➁ 環境保護が保護貿易の隠れ蓑にならな いようにする zGATT の主張 〜自由貿易と環境保護は両立する〜... 環境保護を目的とした貿易措置の種類 z国内の環境問題に起因 ・自国の環境保全を目的