第3学年1組 算数科学習指導案
指導者 C.K 1 単元名 はしたの大きさの表し方を考えよう~分数を使って
2 単元について
(1)単元観
本単元は,学習指導要領の以下の内容に該当する。
児童は、第2学年の「分数」の学習で具体的操作を通して、1/2、1/4、1/8などの簡単な分数につ いて学習している。また、3学年の「小数」の学習で、単位量に満たないはしたの量を、小数を用い て表すことを学習している。
本単元は、今までの学習を踏まえて、分数の意味を拡張し、分数を用いれば任意の単位を作るこ とができることを学習する。これは、分数の良さである反面、困難に感じる点でもある。
人数や個数などの分離量の大きさは整数だけであらわせるが、長さや体積などの連続量の大きさ は、整数だけでは表すことができない。このはしたの量を数値化することの必要性を理解する点に おいては、小数と同様である。
次の4点について学習を進める。 (1)等分した部分の大きさを基準量と対比して分数で表す
(2)等分した部分の大きさを基準量と対比して分数で表す (3)分数を数として理解する (4)
1より大きい場合でも分数表示できることを理解する
分数は、まず「等分」することから意識させていく。わり算、小数の学習などでも等分すること の素地的活動をしてきている。ここでは、基準量を何等分するかを意識させるようにするために、
折る、切る、重ねるなどの活動を入れる。そして、連続量の場合、単位量に満たないはしたが出る ことがある。単位量を等分してわり切れるようにする。また、単位がついている分数については、
具体的な大きさを表している数としてとらえることができることを理解させる。そして、1より大 きい場合でも分数表示できることを理解させる。
また、分数のもつ多面性に留意する必要がある。多くの見方ができるのであるが、3学年では、
3つの見方を学習する。 (ア)3等分したものの2こ分の大きさを表す。 (イ)2/3mや2/3L のように、測定したときの量の大きさを表す。 (ウ)1を3等分したものを単位とし、その2倍 の大きさを表す の3つである。
第3学年 A 数と計算
(6)分数の意味や表し方について理解できるようにする。
ア 等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに分数を用いること。また、分 数の表し方についてしること。
イ 分数は、単位分数のいくつ分かで表せることを知ること。
ウ 簡単な場合について、分数の加法及び減法の意味について理解し、計算の仕方を考えるこ と。
また、分数指導は、小数・整数と関連づけて行う。関連づけることで相違点が見えてくる。分数 の特徴は、単位量を任意に等分し、新たな任意の単位を作ることができる。これを理解させるため に、分数は端数部分をとらえたり表したりするのに便利であること、分数も整数や小数と同様に数 としての性格を持つこと、に着目させる。
(2)単元の系統
3 児童の実態
(1) 児童の実態調査(3年1組 29名)
あ ては まる
どち ら かと いえ ば あ ては まる
どち ら かと いえ ば あ ては まら な い
あ ては まら な い
① 算数の学習は好きですか。 15人
(52%)
10人
(34%)
2人
(7%)
2人
(7%)
② 算数の学習は楽しいですか。 19人
(66%)
6人
(20%)
2人
(7%)
2人
(7%)
③ 算数の時間に手を挙げて発表できますか。 16人
(55%)
5人
(17%)
4人
(14%)
4人
(14%)
④ 算数の時間に手を挙げて発表したいです か。
18人
(62%)
4人
(14%)
2人
(7%)
5人
(17%)
7
10 長方形と正方形
・色紙を等分すること
16 分数
・1/2、1/4 などの簡単な分 数
11 小数
・単位量に満たない端数部分 の大きさを小数を用いて表 すこと(小数第1位)
・小数の加法計算とその筆算
14 分数
・単位量に満たない端数部分 の大きさを分数を用いて表 すこと
・「分数」「分母」「分子」の意味
・「1/10の位」の用語
・同分母分数の加減計算
10 小数のしくみ
・小数の意味の拡張(1/100の 位、1/1000の 位)
・小数の加減計算とその筆算
13 分数
・単位量に満たない端数部分 の大きさを分数を用いて表 すこと
・「真分数」「仮分数」「帯分数」
の意味
・帯分数を含む同分母分数の 加減計算
⑤ 算数の問題のとき方がわからないときは,
あきらめずいろいろな方法を考える。
20人
(69%)
5人
(17%)
2人
(7%)
2人
(7%)
⑥ 算数のじゅぎょうで問題をとくとき,もっとか んたんにとく方ほうはないか、考える。
13人
(45%)
10人
(35%)
3人
(10%)
3人
(10%)
⑦ 算数のじゅぎょうで問題のとき方や考え方 がわかるように,ノートに書いている。
19人
(66%)
6人
(20%)
2人
(7%)
2人
(7%)
プレテストの結果より
① 正方形の1/2に色が塗ってあるものを選ぶ問題 正答 94%
② 全体の何分の1であるかの問題 ❶ 1/4 正答 82% ❷ 1/8 正答 69% ❸ 1/2(円)正 答 69%
③ 0.3m 0.7m 0.5Lを塗る問題(既習でないもの) 正答 72% 76% 69%
④ 1/3L 3/4mを塗る問題(既習でないもの) 正答 76% 73%
(2)実態の考察
本学級の児童は、なににでも意欲的に取り組む雰囲気を持っている。学習においても、
アンートの結果より
クラスの85%の児童が算数の学習が好き、算数の学習が楽しいということが①よりわかる。ま た、⑤より、80%以上の児童がわからなくてもあきらめずにいろいろな方法を考えていることが わかる。⑥より、簡単に解くということに関しては、あまり定着していない。⑦より、自分の考え をなんとかしてノートに表そうとしている様子がわかる。また、各項目で「あてはまらない」「どち らかといえばあてはまらない」と答えている児童が数人いるが、それぞれの項目で違う児童である。
プレテストの結果より、1/2 に関しては①にあるように、もとの形が正方形である場合において はほぼ理解している。しかし、②の❸からわかるように、もとの形が円になってしまうと正答率が 落ちる。「もとの形を2等分にする」ということの考え方が定着していない児童がいることが分か る。また、②より分母が変わると正答率が下がることより、分母の数字の意味についての理解もは っきりしていないところがあると思われる。
(3)指導観
児童の実態から考えると、もとになる基準量の形が変わってしまうと、わからなくなってしまう 児童がいる。また、分母が2でない分数についても正答率が下がる。また、分数が単位がつくと数 となるところが混乱するところである。
そこで,本単元では、もとになる基準量はなにか、基準量を何等分しているか、について常に着 目させていきたい。本時では液量を扱う。前時までは長さ(テープのようなもの)について学習し てきているので、基準量が長さから液量に変わっていることを学習の最初ではっきりさせ、まとめ では、長さでも液量でも同じ考え方ができる、ということを確認したい。さらに、他の基準量でも 同じように考えられるのではないかと考える素地を身に付けさせたい。
また、液量を扱う。平面的な図だけでなく、実際にL升に液体を入れる様子を見せ、興味を持た せることと、平面的な図を見たときに、実際の様子が思い浮かぶようにしたい。そして、何等分し ているかに着目させるために、等分のしるしのないL升と、しるしあるL升を用意する。また、小 数を学習しているので、問題の題材となる2/5Lは0.4Lとも表せる。今回は分数で表すことを はっきりさせて学習を進める。
全体的に子どもたちの思考が混乱しがちな内容であるので、なにが大事なのかをその都度はっき りさせながら学習を進めたい。
4 単元の目標
○分数の用いると、整数で表せない等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表せるよ さに気づき、生活や学習に用いようとする。(関心・意欲・態度)
○分数は都合に応じて単位量をn等分した1こ分を単位としていることをとらえ、分数の表し方 や分数の加減計算の仕方を考え、表現することができる。(数学的な考え方)
○等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを分数を用いて表すことができる。(技能)
○分数が用いられる場合や分数の表し方について知り、分数の意味や分数の加法及び減法の意味 について理解する。(知識・理解)
○端数部分を表す数として、小数と分数があることを知り、1/10の位までの小数と分母が10の 分数の関係について理解する。(知識・理解)
5 指導計画(11時間扱い)
過 程
時
配 主な学習内容 評価規準〈観点・方法〉
第一 次( 4)
1
・1mを3等分した1こ分の大きさ を分数で1/3mと表すことを理解 する。
・1mのテープを3等分した1こ分の長さ は、小数では表せないことに気づき、分数 の表し方を基に考えようとしている。<関・
ノート>
・1mを3等分した1こ分の長さを1mの
「三分の一」といい、「1/3m」と書くこと を理解している。<知・ノート>
1
・分数の大きさは、単位分数の何こ 分で表すことを理解する。
・2/3mは、1mを三等分した2こ分の長さで あることを理解している。<知・ノート>
1( 本 時)
・「分数」「分母」「分子」の用語の意 味を知り、液量についても、端数 部分の大きさを分数で表せること を理解する。
・1Lを等分し、それを何こか集めた大きさ を、分数を用いて表すことができる。<技・
ノート>・ノート
・分数、分母、分子の意味を理解している。
<知・ノート>
1
・算数的活動を通して、当分するこ とや、単位分数の何こ分で大きさ を表すことの理解を深める。
・学習内容に適切に活用して、活動に取り組 もうとしている。<関・観察>
第 二次
( 4)
1
・数直線に表された分数を読み取 り、分数の大きさの表し方や大小 について理解する。
・数直線に表された分数の大きさを読み取り ことができる。<技・ノート>
・5/5 は1と等しい大きさであることを理解 している。<知・ノート>
1
・単位分数の何こ分という表し方を 基に、単位量を超える大きさも分 数で表せることを理解する。
・整数や小数と同じように、単位の何こ分と して分数をとらえられることを考え、説明 している。<考・発表>
・単位量を超える大きさでも分数で表せるこ とを理解している。<知・ノート>
1
・3/4mと、もとの長さの3/4の違い について理解する。
・もとの長さに着目し、3/4mともとの長さの 3/4の違いをとらえ、説明している。<考・
発表>
1
・分母が10の分数と1/10の位まで の小数の関係について理解する。
・数直線上に表された 1/10 を単位とした分 数について、その大きさや小数との関係を 理解している。<知・ノート>
第三 次( 2)
1
・分数の加法及び減法の計算の仕方 について理解し、それらの計算が できる。
・単位分数の何こ分で考えると、整数と同じ ように分数の加減計算ができることを式や 図を用いて考え、説明したりまとめたりし ている。<考・ノート、発表>
・分数の加法計算の仕方を理解している。<
知・ノート>
1
まと め( 1
)
1
・学習内容の定着を確認し、理解を 確実にする。
・基本的な学習内容を身に付けている。<知・
ノート>
6 本時の指導(3/11)
(1)目標
○もとの液量を何等分しているかに興味を持ち、分数で表そうとする。(関心・意欲・態度)
○1Lを等分し、それを何こか集めた大きさを、分数を用いて表すことができる。(技能)
(2)展開
時配 学習活動と内容 指導・支援(○)と評価(◎) 資料 3 1 「頭のたいそう」をする
・グループごとに~
○既習内容の復習をし、算数の学習 への頭の切り替えをする。
1 2 前時までの学習を振り返る。
・もとの大きさ ・もとの長さ ・何等分 ・△/□と表す
○キーワード「もとの大きさ・もと の長さ」「何等分しているか」を前 時までの掲示物で確認する。
○「□等分したものの△個分」を分 数で△/□と表すことができるこ とを確認する。
前自までの 掲示物
3 3 学習のめあてをつかむ。
○前時の学習は「長さ」であり、「本 時は「量」であることを
○1Lより少ないことに着目させ る。
○最初は目盛りのはっきりしないL 升に入れ、次にめもりのしるしの あるL升に入れ、何等分になって いるかに着目させる。
水の入った L升 色水
L升2種 色水
3 4 見通しを持つ
・もとのかさはいくつか ・何等分
5 5 自力解決をする。
・もとのかさは、1L
・5等分している ・1めもりは、1/5 ・1/5が2こ分 ↓ だから、2/5
○1めもりが何Lであるか考えさせ る。
○机間指導を通して、もとのかさは なにか、何等分しているかに気づ けてない児童にはヒントカードを 用意する。
◎問題の水のかさを分数で表すこと ができているか。。(ノート)
ワークシー ト
ヒントカー ド
2 6 考えを友だちに伝える
・隣の友だちに自分の考え方を伝 える。
◎自分の考えを伝えようとしてい る。(観察)
5 7 発表をする
3 8 本時のまとめをする。
20 9 適用問題に取り組む P50
△
5△
6水のかさは何Lでしょうか。分数で表しましょう。
水のかさも、長さと同じように、1Lを何等分したかさの何こ分と みれば分数で表すことができる。
(3) 板書計画
○
学○
見○
考水のかさは何Lでしょうか。
分数で表しましょう。
・もとのかさはいくつか
・何等分
○
ま○
れ△
5△
6水のかさも、長さと同じように、1Lを何等分したかさの何 こ分とみれば分数で表すことができる。