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通信による保険の越境取引に関する規制の在り方

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2015年6月13日 日本保険学会関西部会報告レジュメ

通信による保険の越境取引に関する規制の在り方

京都産業大学 吉澤卓哉 [email protected]

1.はじめに

( 1 ) 昨 今 の 状 況

① 電気通信技術の著しい発展と価格低下

② 保険の通信販売に関する消費者の違和感喪失

( 2 ) 通 信 に よ る 越 境 取 引 (cross-border supply) と 問 題 状 況

(ア)海外保険者→(アクセス)→日本の保険契約者

(イ)日本の保険契約者→(アクセス)→海外の保険者

(ウ)保険者(所在地不明)→(アクセス)→日本の保険契約者

(エ)日本の保険契約者→(アクセス)→保険者(所在地不明)

国際取引であることを日本国内の保険契約者が認識しないまま保険募集や保険契約締結 が行われ、監督当局の許可を受けないまま海外直接付保(外国保険者の立場からは、海外 直接引受)がなされてしまう惧れのある状況になりつつある。

( 3 ) 報 告 内 容

① 問題提起(次述2)

まず、保険の通信による越境取引に関して、保険業法はいかなる規制が設けているか、

そして、当該規制が近い将来に予想される上述の問題状況に適切に対応できるか否かを 確認する。その結果、適切な対応が困難であることが判明するので、立法論として、い かなる制度を採用すべきかを検討する。

② 検 討

先進国における保険の通信越境取引に関する規制状況の概観(後述3) 隣接業界である証券分野の規制状況の概観(後述4)

③ 提言(後述5)と結論(後述6)

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2.日本の規制内容と問題点

( 1 ) 外 国 保 険 会 社 免 許 を 受 け た 場 合 の 海 外 直 接 付 保 規 制

「外国保険業者」は、日本に「支店等」を設けて、外国保険会社免許を受ければ、外国 保険会社免許に係る「保険業」を、「当該支店等において」行うことができる(法185条1 項)。

ところで、日本・外国間の通信による越境取引は、保険業法においては、日本における

「保険業」であるとは考えられていない。そのため、当該「外国保険業者」の日本国外の 本支店(特に、当該「外国保険業者」の本店)が、日本所在保険契約者との通信越境取引 で、海外から直接引受をしても日本の免許制には抵触しない。

けれども、外国保険会社免許を受けた「外国保険業者」を規制対象とする海外直接付保 規制が別に存在するので、通信越境取引による海外直接引受への当該規制の適否を検討す る必要がある。この海外直接付保規制は、日本所在財産等に係る保険契約を、原則として、

「日本国内において」締結することを義務づけている(法185条6項、則115条)。ちなみに、

外国保険者が支店免許を受けた場合には、現地支店での引受を優先すべきであり、海外直 接引受を禁止するという考え方は「キュミュル禁止原則」(non-cumul rule)と呼ばれてい る。

( 2 ) 外 国 保 険 会 社 免 許 を 受 け て い な い 場 合 の 海 外 直 接 付 保 規 制

外国保険会社免許を受けていない「外国保険業者」が、日本所在の保険契約者と通信越 境取引を行うことは、日本において「保険業」を行うことには該当しないので、免許制に は抵触しない。

けれども、海外直接付保規制が別途用意されているので、外国保険会社免許を受けてい ない「外国保険業者」が日本所在財産等に係る保険契約を海外直接引受することは、原則 として禁止されている(法186条1項)。ただし、内国保険会社または外国保険会社免許を 受けた「外国保険業者」と同等または有利な条件で保険契約を容易に締結できない場合に は、保険契約者が監督当局の許可を受けたうえで、保険契約の締結を行えば、海外直接引 受が可能である(法186条2項、1項)。

( 3 ) 保 険 の 越 境 取 引 を め ぐ る 環 境 変 化

3.先進国の規制の概要

次頁の一覧表を参照。

( 1 ) フ ラ ン ス

( 2 ) ド イ ツ

( 3 ) 英 国

(3)

3

( 4 )米 国 ① 規制の概要 ② ニューヨーク州の規制 ③ サープラスライン規制

4.証券分野における越境取引規制の概要

( 1 ) 海 外 の 規 制 動 向

ターゲット・アプローチ(targeting approach)

( 2 ) 日 本 の 規 制 動 向

金融商品取引法登録の例外としての越境取引。ただし、勧誘を行わないことが要件

【表:通信越境取引の可否】

類型 国・州

通信越境取引の 国内(州内)保険業

該当性

通信越境取引(*)の可否 免許

外国保険者 [支店設置義務]

無免許 外国保険者

1 日本 フランス

非該当=免許不要

(仏は不明)

不可(キュミュル禁 止)

[支店設置義務]

原則不可

(海外直接付保規制 あり。ただし、国内付 保不能なら可)

1 ドイツ 非該当=免許不要

不可(キュミュル禁 止)

[支店設置義務]

(海外直接付保規制 なし)

2 米国諸州

NY州?

該当=免許要

(州内居住者との通信越 境取引は州内保険業に該 当する)

(州内保険業として 行う)

[支店設置義務な し]

不可(免許制違反。

サープラスラインも 州内の保険仲立人を 介する必要あり)

3 英 国

NY州?

該当=免許要

(通信越境取引が国内

(州内)保険業に該当す ることがある)

(国内(州内)保険 業として行う)

[支店設置義務な し]

不可(免許制違反)

非該当=免許不要(通 信越境取引が国内(州内)

保険業に該当しないこと がある)

(キュミュル禁止な し)

(海外直接付保規制 なし)

参考 証券規制

(日本)

該当=登録要

(証券募集等が自国居住 者をターゲットとする場 合)

可 不可(登録制違反)

非該当=登録不要(証 券募集等が自国居住者を ターゲットとしない場 合)

(キュミュル禁止原 則の考え方がない?)

(海外直接引受規制 概念がない?)

(*)本表で通信越境取引とは、国内(州内)居住者と海外(域外・州外)保険者との間で、

通信のみを用いて行われる元受保険取引(MAT保険を除く)のことである。

(本表は筆者作成)

(4)

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5.検 討

( 1 ) 通 信 越 境 取 引 に 関 す る 規 制 枠 組 み

今日においては保険業に関して免許制を採用するのが一般的であるが(本稿で取り上げ た日本、フランス、ドイツ、英国、米国諸州においても、全て免許制が採用されている)、

各国における通信越境取引に関する規制の枠組みは、通信越境取引を免許制の対象とする か否かで大きく異なっている。

( 2 ) 無 免 許 外 国 保 険 者 へ の 付 保 を 認 め る 根 拠 ・ 意 義 免許制の規制目的:保険契約者保護

海外直接付保規制の規制目的:保険契約者保護や、免許保険会社との権衡維持、日本市場 の攪乱防止、日本の保険事業の健全な発達

日本の保険監督が及ばない無免許外国保険者への付保は基本的には禁止すべき 例外的に、無免許外国保険者への付保を容認できる可能性のある事態や状況

① 自発的アクセス

② 国内に存在しない先進的な保険商品へのアクセス確保

③ 国内で販売されない通常の保険商品による保険カバーの確保

( 3 ) 日 本 に お け る 通 信 越 境 取 引 の 根 拠 ・ 意 義

① 自発的アクセス

② 先進的な保険商品へのアクセス確保

③ 通常の保険商品による保険カバーの確保

以上からすると、無免許外国保険者との通信越境取引を例外的に容認する可能性のある 事態や状況は、現在の日本においては基本的に存在しないと考えられる。したがって、無 免許外国保険者との通信越境取引を認めるべきではないことになる(せいぜい、一部の大 企業等についてのみ、通信越境取引を認める選択肢があり得る程度である)。

( 4 ) 通 信 越 境 取 引 規 制 の 在 り 方

① 海 外 直 接 付 保 規 制 に よ る 規 制 を 維 持 す る 方 策

② 免 許 制 の 適 用 範 囲 拡 大 に よ り 対 応 す る 方 策

6.結 論

Referensi

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