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運転者が車両にいない自律運転のためのドイツ法改正

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1 2021年9月17日(金)日本保険学会関東部会報告

東京海洋大学 金岡 京子

運転者が車両にいない自律運転のためのドイツ法改正―民事責任および保険の 観点からの検討

1.はじめに

現在日本においては、2022年度を目途に限定地域における遠隔監視のみの無人自動運転 移送サービスが開始される可能性があることを踏まえた交通ルールの在り方について、検 討を進められ1、また各地で様々な実証実験が行われている2。ロードマップ2020 年によれ ば、2021年に限定地域での無人自動運転移送の実現、2022年に限定地域での無人自動運転 配送サービスの実現、限定地域での遠隔監視のみの無人自動運転移動サービスの実現を目 標としている。遠隔監視の無人自動運転移動サービスは、特に公共交通の維持が困難な地方 部における移動手段の確保3、都市間をつなぐ駅周辺と住宅の間のラストマイルにおいて、

公共交通の利便性を向上するために利用することが期待されている4

遠隔監視のみの無人(車両の動的運転タスクをする人としての運転者が車両に搭乗して いない状態の)自動運転移動サービスを実現するためには、SAEの自動運転レベル4(シス テムが全ての動的運転タスクおよび作動継続が困難な場合への応答を限定地域において実 行する自動運転段階)の要件を備えた車両で運行することが求められ、かつ、遠隔監視をす る(動作指令者)主体(自然人か、法人事業者か)の資格要件、義務、責任、自動車保有者 との関係を明確に法律で定める必要がある。製造者の義務については、限定地域において、

無人自動運転移動サービスのために使用する車両の運行許可の際に製造者が負うべき義務 以外に、当該車両の運行に関する保有者および遠隔監視者への講習、説明等にかかる義務に ついても法整備する必要があると考えられる。

また、交通事故被害者保護のために、車両の技術要件、保有者の義務、技術監視をする者 の義務以外にも、無人自動運転中にどのようなデータを収集し、かつどのような方法で保存 し、そのデータを誰がいつまでアクセスすることができるかについても、法律で定める必要

1 官民ITS構想・ロードマップ これまでの取組と今後のITS構想の基本的あり方(2021 年6月15日)P31。

2 ロードマップ2020、81~86頁参照。

3 ロードマップ2020、14頁。

4 ロードマップ2020、15頁。

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2 がある5

さらに遠隔監視をする者の過失により交通事故が発生し、交通事故被害者に対する損害 賠償責任に対応する保険について検討する必要がある。その場合、遠隔監視をする者を自賠 責保険および任意自動車保険の被保険者とする制度設計が適しているか、また、現行の自賠 責保険の限度額を引き上げる必要があるか、といった課題もある。

そこで、本報告においては、限定地域での無人自動運転移送サービスに対応したドイツの 法改正(2021年7月27 日公布)において、特に民事責任と保険に関係する規定について 取り上げ、今後の日本における法整備の在り方について検討することとする。

2.法改正の目的、定義規定

(1)法改正の目的および立法経過

今回のドイツにおける法改正は、車両内に運転操作をする運転者がいない状態で、SAEレ ベル4に相当する自動運転システム(レベル5の自動運転システムは法改正の対象となっ ていない)により、適切に定められた運行領域において自律運転する車両の道路運行に係る 規定を道路交通法に新設すること、および運行車両の外部から車両の動作指令者(SAE 自 動運転レベル4による自動運転中に、システムによる動的運転タスク作動継続が困難な場 合への応答準備ができている使用者6)としての任務を果たす技術監視人を自動車責任義務 保険(自動車強制保険)の被保険者とするための義務保険法1条の改正である7

この法改正によって、ドイツでは、市町村での公共交通における様々な人の輸送、サービ スや世話の提供のための車両としての活用、郵便物や書類の配送、従業員のためのシャトル 輸送、医療機関、介護施設、および高齢者施設との間のシャトル運行等が可能になった。連 邦交通デジタルインフラ省によれば、法改正によって、限定区域での全自動無人シャトルバ ス、定められた路線で運行する全自動無人バス、二つの都市の中心区間を運行する無人交通、

交通渋滞時以外の無人タクシー、ラストマイル輸送、自動バレーパーキングのような二重モ ードの車両の使用を想定している8。連邦交通デジタルインフラ省は、レベル4の自律運転 車両が、定められた運行領域の公道で通常の運行をすることができるようにした世界で初 めての法律であり、今後の世界標準になることを目指しているようである。但し、この法律 は、国際レベルで調和された基準が制定されるまでの中間的解決と考えられており、今後制

5 保険会社等から自動車メーカー等に対する求償権行使の実効性確保に係る協力体制を構 築するため、車両の作動状態記録装置に記録されるデータ項目を踏まえて、検討すべき事 項を整理し、検討が進められている。以上、注1、8頁参照。

6 ロードマップ2020、25頁注9参照。

7 BT Drucksache 19/27439, S.15.

8 BMVI, Gesetz zum autonomen Fahren tritt in Kraft, Stand 27.07.2021, BMVI - Gesetz zum autonomen Fahren tritt in Kraft

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定される国際基準、自律運転分野における技術開発の進展状況、データ保護規定の統一等を 考慮し、この法律は、2023年が終わった段階で評価され(第1l条第1項)、その後必要な 改正が行われる予定である。

この法律の立法経過は次のとおりである。2021年 2月10日、参事官法案が閣議決定さ れ、2021年3月9日、連邦議会および連邦参議院に法案(BT Drucksache 19/27439)が提 出された。その後法案は、連邦議会交通デジタルインフラ委員会は、専門家への公聴会を経 て、2021年5月19日、修正法案(BT Drucksache19/29875)を可決した。修正法案は、

2021年5月20日、連邦衆議院、2021年5月28日、連邦参議院(BR Drucksache430/21)

で可決され、2021年7月28日に公布され、翌日の2021年7月28日に施行された。

この法律の意味での自律運転車両については、まだ国際規則上の定義がなく、ドイツにお ける現代的な自律運転自動車の開発およびその利用に係る需要の増大を正当に評価し、こ の法律は、公布日の翌日に施行されることになった9

(2)定義規定 1d条 定められた運行領域における自律運転機能を備えた車両

第1d 条は、SAE レベル4の自動運転システムによる無人の自律運転車両、限定運行領 域、技術監視人、最小限の危険状態についての定義規定である。

1 項においては、「限定運行領域において、運転する人なしで、自律的に運転任務を遂行 することができ、かつ、1e条2項の意味での技術装置を使用する車両」であると定義して いる。

2 項においては、この法律の意味での限定運行領域について、「1e条2項の要件を満た す自律運転機能を用いて車両を運行することが認められる、場所的および空間的に定めら れた公の道路空間」と定義している。原則的には公道での使用としており、事実上は公に使 用できる平地を想定している10。したがって、場所的な限定であるという意味では、日本に おける自動運行装置の走行環境条件とは異なる概念である。

3項は、自律運転機能を備えた車両の技術監視人について、「1e条2項8号に基づき、

運行中に当該車両を作動停止させることができ、かつ、1e条2項 4号および3項に基づ き、当該車両のために運転操作を許可できる自然人」と定義している。

技術監視人は、個別ケースにおいて、1e条2項8号および同条3項に基づき、車両の外 部から自律運転機能を備えた車両の運転操作を切断するか、または運転操作を切り替える 責任者としての役割を果たすことになる。本項では、自然人だけが技術監視人の役割を引き 受けることはできることについて明示的に定めており、内部組織が技術監視人の義務の認 知を侵害しないようにするために、この任務を組織に委託することは認められていない。ま た、技術監視人は常時車両を監視する必要はないが、車両側からの要求によって、必要であ

9 BT Drucksache 19/27439,S.32.

10 BT Drucksache 19/27439,S.20.

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るとき、車両の作動停止または運転操作の切替えを行う態勢になければならない。さらに技 術監視人の義務の認知が確保される場合、複数の車両について権限をもつことは、原則的に 排除されていない11

ドイツ法では、レベル4の無人自律運転車両の外部からの車両への動作指令者について は、その義務の認知を妨げられないために、自然人に限定しているが、今後日本において、

緊急時対応事業者である法人12自体が動作指令者となることを認めるか否かの判断をする にあたっての参考になると思われる。

4項は、車両の危険最小限の状態について定義している。この規定は、修正法案において、

危険最小限状態の具体化のための修正がなされた13。この法律の意味での危険最小限の状態 は、「自律運転機能を備えた車両が、交通状況を適切に注意し、車両の搭乗者、他の交通参 加者および第三者のために最大限可能な安全を保障するために、車両自らの指示または技 術監視人の指示により、可能な限り安全な場所で停車し、かつ、警報装置を作動する状態」

である。

3.民事責任に関係する主な規定

(1)1e条2項 自律運転機能を備えた車両の技術装置の要件

自律運転機能を備えた車両の技術装置の要件は、次の10項目であり、さらにその項目ご とにさらに具体的な定めがある。2項の要件が満たされた技術装置を備えていることが、自 律運転機能を備えた車両の運行許可要件(1e条1項)となっている。

自律運転機能を備えた車両は、具体的には、次の状態にある技術装置を使用できなければ ならない。

1.運転する人がハンドル操作することなく、また、技術監視人によって常時車両の運行 が監視されることなく、限定領域内での運行時に自律的に運転任務を果たす状態にあ ること、

2.運転に適用される交通法規に自律的に対応し、かつ次に掲げる事故回避のシステムを 常時使用できる状態にあること14

a)損害回避および損害軽減がなされる

b)様々な法益のいずれかが不可避的に損害を被る場合、法益の意義を考慮し、人命の保 護が最優先される

c) いずれかの人命が不可避的に危機にさらされている場合、人的特性による重みづけ

11 BT Drucksache 19/27439,S.20.

12 ロードマップ2020、138頁図48参照。

13 BT Drucksache19/29875,S.14.

14 運転に適用される交通法規が同じ効力で適用されることを明らかにするための法案修 正。BT Drucksache19/29875,S.14.

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5 をしない

2号の交通法規を遵守する義務は、運転者が車両に存在する高度及び完全自動運転に関す る1a条2項1文2号で定められた義務と同様である。b)、c)の規定は、自動運転倫理委 員会の指針が反映された定めである15

3. 運転の継続が道路交通法違反をすることによってのみ可能である場合、危険最小限 の状態で自律的に車両を運行する状態にあること

4.第3号の場合、自律的に技術監視人に対し、

a)運転の継続のために可能な運転操作を提案し、

b)技術監視人が提案された運転操作の許可を決定できるために、状況判断のためのデ ータを提供する状態にあること

5.技術監視人によって設定された運転操作が、交通に参加する人または交通に参加して いない人を危険にさらす可能性がある場合、技術監視人によって設定された運転操作 を慎重に検討し、かつその運転操作を実行せず、車両を自律的に危険最小限の状態にす ること

5号は、交通参加者または交通に参加していない人を危険にさらす可能性がある場合、技 術装置は、技術監視人によって許可された運転操作のいずれかを単純に実行することが許 されず、危険最小限の状態にしなければならないことを定めている16

6.技術監視機能の侵害を遅滞なく通知する状態にあること

7.システムの限界を認識し、かつ、システムの限界に達したとき、自律運転機能の作動 を害する技術上の障害が発生したとき、または定められた運行領域の限界に達したと き、自律的に車両を危険最小限にする状態にあること17

システムの限界については、法律上統一的な定義をせず、定められた運行領域でシステム の限界が設定されることが重要であり、原則的には製造者ごとに異なる可能性がある自律 運転機能を備えた車両の性能の限界を意味するものである18

8.技術監視人または車両の搭乗者(乗客、修正法案によって追加された)によって、い

15 BT Drucksache 19/27439,S.22.

16 BT Drucksache 19/27439,S.22.

17 1d 条 4 項の修正による必然的な変更の結果として文の最後を削除した修正。BT Drucksache19/29875,S.14.

18 BT Drucksache 19/27439,S.23.

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つでも作動を停止させ、かつ、作動停止をした場合、自律的に車両を危険最小限にする 状態にあること

8号は、少なくとも自律運転機能が人によって作動停止可能であることを求めるウィーン 道路交通条約に対応している19。修正法案によって、車両の搭乗者が作動停止をすることも できる規定に改められた。

9.技術監視人に対し、代替運転操作に任意に切り替えること、十分な時間的余裕をもっ て自律運転を停止することを要求していること、および自律運転機能の状態について の警告を視覚的、聴覚的またはその他の認識可能な方法で示す状態にあること

技術装置が9号の要件を備えていることは、技術監視人が、1f条2項に定める義務を履 行できるために必要である20

10.特に技術監視人のために、十分安定しており、正式に認可されていない介入から守ら れた無線通信を確保し、かつ、この無線通信が遮断され、または不法に介入されたとき、

車両を自律的に危険最小限にする状態にあること

10 号は自律運転機能の安全な作動が可能である程度に無線通信の接続ができなくなった とき、また無線通信に不正アクセスがあったとき、車両の安全を考慮し、車両を危険最小限 の状態にする技術装置であることを求めている。

(2)1e条3項 その他の侵害がある場合の技術装置と技術監視人の対応

本項は、「技術装置が自律的に運転任務を遂行することができないその他の侵害があると き、次に掲げる場合、第2項第1号ないし第4号の要件を満たすものとする。

1.技術装置が、技術監視人による代替運転操作が設定され得る状態を確保している場合 であって、

2.第 1 号の技術監視人による代替運転操作が技術装置自体によって行われる場合であ り、かつ

3.技術装置が、十分な時間的余裕をもって、視覚的、聴覚的、もしくはその他の近く可 能な方法によって、技術監視人に対し、運転操作を設定することを要求する状態にある 場合」

19 BT Drucksache 19/27439,S.23.

20 BT Drucksache 19/27439,S.23.

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3項が想定する状況は、その状況のために自律運転機能の特別な要件は存在せず、その状 況においてすでに車両は安全な停止状態にあるが、個別ケースにおけるその車両の特別な 事情により、特定の運転操作の許可に関する決定ができない状況である。たとえば、信号機 の故障により赤信号のままであるときに、赤信号を無視して通過すること、あるいは、技術 監視人がその運転操作を許可した後で、道路わきの停留場でない場所で乗客を降車させる ために、危険最小限の状態に達するための遅い速度で、次のある一時停止用の張り出し部分 までさらに走行すること等である。短期間発生し、かつ短期間で解消した障害は 3 項に含 まれない21

(3)1f条 保有者、技術監視人、製造者の義務

第1f条は、自律運転機能を備えた車両を運行する際の関係者の義務として、第1項で保 有者の義務、第2項で技術監視人の義務、第3項で製造者の義務を定めている。

「第 1 項 自律運転機能を備えた車両の保有者は、交通安全および自動車と環境の共存を 遵守する義務を負い、そのために必要な安全対策を講じなければならない。

保有者は、

1.自律運転機能に必要なシステムの定期的整備を確保しなければならず、

2.運転以外のその他の交通規則を遵守するための安全対策を講じなければならず、かつ 3.技術監視人の任務が履行されることを保証しなければならない。

第2項 自律運転機能を有する車両の技術監視人は、次のすべての義務を負う。

1.技術監視人に対し、車両のシステムから視覚的、聴覚的、またはその他の認知可能な 方法で、代替的運転操作が示され、車両のシステムから提供されたデータによって、

技術監視人がその状況を判断することができ、かつ、代替的運転操作の実行により、

交通安全が害されない場合、直ちに、第1e条第2項第4号および第3項による代替 的運転操作を評価し、車両を代替的運転操作に切り替える義務

2.運転システムによって視覚的、聴覚的またはその他の知覚可能な方法で自律運転シス テムの切断が求められたとき、直ちに、自律運転システムを遅滞なく切断する義務 3.車両の機能状態についての技術装置の警報を評価し、必要な場合は、交通安全のため

に必要な措置を行う義務、および

4.車両を危険最小限の状態にする場合、遅滞なく自動車の乗客(搭乗者)と連絡をとり、

交通安全のために必要な措置を行う義務

第3項 自律運転システムを備えた車両の製造者は、次に掲げるすべての義務を負う。

1.連邦自動車庁および権限のある役所に対し、車両の開発および運行時期について、車

21 BT Drucksache 19/27439,S.24.

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両の電気的および電子的構造ならびに車両に関係する電気的および電子的構造が攻 撃から守られていることを証明しなければならない。

2.車両のリスク判断を行わなければならず、かつ、連邦自動車庁および権限ある役所に 対し、どのようにリスク判断が行われたかについて証明し、かつリスク判断の枠組み において設定された危険から車両の決定的に重要な要素が保護されていることを証 明しなければならない。

3.自律運転のために十分に安全な通信であることを証明しなければならない。

4.すべての車両のためにシステム説明書および運行ハンドブックを作成し、かつ連邦自 動車庁に対し、さらには運行ハンドブックにおいて、車両が第3項との関連において も第1e 条第2項の要件を満たしていることを義務として説明しなければならない。

5.車両の運行に関与する人に、特に運転機能および任務の認知を考慮して、技術的な機 能の方法を技術監視人に伝える講習をしなければならない。

6.製造者が車両または車両の電気的構造または電子的構造もしくは自動車に関係する 電気的構造または電子的構造の不具合を認識した場合、直ちに、特に、車両の通信に 不正アクセスがあったことを認識した場合、直ちに、このことを遅滞なく連邦自動車 庁および連邦法または州法によって権限を与えられた役所、もしくは連邦が管理す る連邦遠距離道路においては、社会基盤会社設立法の意味での私法人の会社に通知 し、必要な措置を開始しなければならない。」

本項の義務の詳細については、第1j条に基づき制定される法規命令によって定められる ことになる。保有者は、1項に掲げる高度の義務を負っており、「運転操縦以外の交通規則」

としては、タイヤに関する規則、停車中の車両の安全性に関する規則、人の輸送に関する規 則、貨物に関する規則、安全ベルトに関する規則等がある。保有者は、自ら技術監視人にな ることもあるが、他人にその任務を委任することができる。修正前の1項3号は、保有者 が「技術監視人の任務を果たさなければならない」となっていたが、「技術監視人の任務が 果たされることを保証しなければならない」という規定に修正された。保有者は、他人に技 術監視人の任務を委任した場合、通常の場合において任務を履行する際に起こり得る受任 者の過失による損害賠償責任を負うことになる22

2項の技術監視人の義務は、運転に関する義務とそれ以外の義務とに分かれている。技術 監視人の運転に関係する義務は、1e条2項4号、3項、1e条2項1文8号による運転操 作の許可および車両の自律運転機能の切断である。自律運転機能を備えた車両が、自律的に 運転任務を果たすことができ、かつ、代替的運転操作を提案することができるという、運転 任務を害される状況にあるとき、技術監視人はこの代替的運転操作を評価し、許可しなけれ ばならない。さらに抽象的に適用される規則に違反する車両の運転操作の提案を具体的状

22 BT Drucksache 19/27439,S.25.

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況において適切であるとして許可する任務もある。たとえば対向車線を横切って事故車を 迂回すること等がこれに該当する。

技術監視人は、自律運行中の車両を常に監視する義務を負わないが、自律運転機能を備え た車両の運行を停止させるか、または運転操作を許可する場合、適切な装置によって認識し、

その認識に応じて、その判断のために注意することができなければならない。さらに、技術 監視人は、車両自体の機能状態に関する自律運転機能の警報を評価し、この警報に対応する ことができなければならない。その限りにおいて、自律運転機能を備えた車両が技術監視人 に対し適切な方法で外部通信システムを通して、技術監視人が当該行為を行わなければな らないことを警報することが、1e条2項の技術装置によって保障されなければならない。

運転に関係する以外の技術監視人の義務は、車両が危険最小限の状態になり、交通安全の ために必要不可欠な措置が行われるとき、車両の搭乗者(乗客)と連絡を取る義務である。

乗客は遅滞なく当該状況について情報提供され、かつ、どのような行動をすべきか、または できるかについて、技術監視人から説明されなければならない。特に警告点滅装置が作動し、

必要な場合、技術監視人は、警察消防への非常通報を行い、他の交通参加者または安全任務 を担う役所および組織に所属する者と連絡をとらなければならない23

3項により、製造者は、1e条2項1文(自律運転機能を備えた車両の技術装置)で定め られた要件を遵守していることについて、連邦車両庁に対し、および各車両の運行ハンドブ ックにおいて、法的義務として説明しなければならない。車両のシステム説明書は、組み込 まれた部品およびシステムが、法律上の要件に合致していることを保証しなければならな い。自律運転機能を備えた車両の運行許可を与えるために満たすべき法規命令によって詳 細に定められることになる技術基準以外に、製造者の説明は必要不可欠である。製造者は、

たとえば更なる開発によって従来の基準と同じ解決をするが、まだ標準化されておらず、規 則化されていない、組み込まれた技術装置および部品の合法性を保証しなければならない。

さらに製造者は、自律運転機能を備えた車両のために、運行に関与する人のために、特に 運転機能と技術監視人の任務の認知における技術的機能方法を伝える講習をしなければな らない。そのほかに、製造者は、製造者の一般的製品監視義務の枠組みの中で、その製造者 の車両の認識された操作について、遅滞なく連邦自動車庁および州法によって権限を与え られた役所に報告し、たとえばリコールをする等、必要な措置を講じなければならない24

(4)第1g条データの処理

第1g条は、第1項1文において保有者が自律運転機能を備えた車両を運行する際に保存

する義務を負うデータの種類、同項 2 文において保有者が、連邦自動車庁等の要求に応じ て保存データを引き渡す義務、第2項において、第 1項第1文に掲げられたデータを保存

23 BT Drucksache 19/27439,S.25-26.

24 BT Drucksache 19/27439,S.26.

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しなければならない場面、第 3 項においてデータ保存を実際にできるように車両を製造す る等の製造者の義務、第 4 項において、車両の安全運行のために連邦自動車庁が保有者か ら提供を求めることができるデータの種類、第 5 項において、連邦自動車庁が保有者から 提供を受けたデータを匿名加工して、道路交通のデジタル化、自動化、ネットワーク化につ いて研究し、または事故調査をする大学などの研究機関や行政機関にアクセスを認める権 限、第 6 項において限定運行領域の適切性の検査および監視のために、限定領域の許可権 限を与えられた役所に保有者からデータ引渡しを求める権限、第 7 項において、交通事故 被害者の保有者に対する保存データ開示請求権について、次の通り定めている。

「第1g条 データの加工

第 1 項 自律運転機能を備えた車両の保有者は、車両の運行の際に次のデータを保存する 義務を負う。

1.車両登録ナンバー 2.位置データ

3.自律運転機能の使用ならびに自律運転機能の作動および切断の数および時間 4.代替的運転操作を許可した数および時間

5.ソフトウェアの状態に係るデータを含むシステム監視データ 6.環境条件および天候条件

7.たとえば伝送状態および使用できる帯域幅のようなネットワークパラメータ 8.作動されかつ切断された受動および能動安全システムの名前、この安全システムの状

態に係るデータ、ならびにその安全システムを作動させた機関 9.直進および横切り時の車両の加速

10.速度

11.照明技術装置の状態

12.自律運転機能を備えた車両の圧力供給 13.外部から車両に送信された命令および情報

次に掲げる事項に関し、第1文のデータが必要である場合、保有者は、連邦自動車庁およ び連邦法または州法によって権限を与えられた役所に対し、もしくは連邦が管理する連邦 遠距離道路においては、社会基盤会社設立法の意味での私法人の会社に対し、要求に応じて、

第1文のデータを引き渡す義務を負う。

1.連邦自動車庁に関して、第4項および第5項に基づく任務遂行のため

2.連邦法または州法によって権限を与えられた役所、もしくは連邦が管理する連邦遠距 離道路においては、社会基盤会社設立法の意味での私法人の会社に関して第 6 項に基づく 任務遂行のため

第2項 第1項のデータは、次の事由に該当する場合、保存されなければならない。

(11)

11 1.技術監視人が介入したとき

2.衝突の場面のとき、特に事故および事故になりそうな場面のとき 3.予定外の車線変更または退避のとき

4.運行過程において障害が発生したとき

第3項 自律運転機能を備えた車両の製造者は、保有者が第1項および第2項のデータの 保存を実際にできるように車両を製造しなければならない。製造者は、保有者に対し、正確、

明瞭かつ簡潔な言葉で、自律運転機能で車両を運行する際に処理された私生活領域のデー タおよび加工データの格納の可能性について情報提供しなければならない。これに関係す る車両のソフトウェアは、自律運転機能で収集されたデータの保存および引き渡し方法の 選択の可能性を考慮に入れ、保有者が当該格納をできるようにしなければならない。

第 4 項 連邦自動車庁は、自律運転機能を備えた車両の安全な運行の監視のために必要で ある場合、次に掲げるデータを保有者から徴収し、保存し、かつ使用する権限を有する。

1.第1項のデータ

2.技術監視人として配置された人の指名ならびにその者の専門資格の証明

保有者が連邦データ保護法26条により、技術監視人として自らその業務を行う場合、連 邦データ保護法26条が適用される。そのデータが第1文の目的のためにもはや必要でなく なったとき、遅くとも、当該車両の運行の保存から3年を経過したとき、連邦自動車庁はそ のデータを遅滞なく消去しなければならない。

第5項 第1k条の意味での車両(国防、警察、消防、救急車両等)でない場合、連邦自動 車庁は、交通に関係する公共の福祉、特に道路交通におけるデジタル化、自動化、ネットワ ーク化の分野における科学的研究目的のため、ならびに道路交通における事故調査の目的 のために、第1項との関連で第4項第1号に基づき、保有者から徴収した個人が特定され ないデータを次の機関にアクセスさせる権限を有する。

1.専門大学および総合大学 2.大学以外の研究機関

3.研究、開発、交通計画または都市計画の任務がある連邦、州、市町村の役所

第 1文に掲げられた機関は、そのデータを第1文に掲げられた目的のためにのみ使用す ることが認められる。第4項第2文は、準用される。一般的なデータ引渡しに係る法規は、

抵触することなく適用される。

第 6 項 限定運行領域の許可のために連邦法または州法に基づき権限を与えられた役所、

もしくは連邦が管理する連邦遠距離道路においては、社会基盤会社設立法の意味での私法 人の会社は、自律運転機能を備えた車両の運行のために定められた運行領域が適切である

(12)

12

か否かを検査し、監視するために必要であるとき、特にそのときどきの許可の要件が満たさ れており、かつその要件に関係する条件が順守されているか否かを検査し、監視するために 必要であるとき、次に掲げるデータを保有者から聴取し、保存し、使用する権限を有する。

1.第1項のデータ

2.技術監視人として配置された人の指名ならびにその者の専門資格の証明

そのデータが第 1 文の目的のためにもはや必要でなくなったとき、遅くとも、当該車両 の運行の保存から 3 年を経過したとき、定められた運行領域の許可のために連邦法または 州法に基づき権限を与えられた役所、もしくは連邦が管理する連邦遠距離道路においては、

社会基盤会社設立法の意味での私法人の会社は、そのデータを遅滞なく消去しなければな らない。

第7項 第1項ないし第6項にかかわらず、第三者は、保有者に対し、第1項および第2 項に基づき保存されたデータが、第7条第 1項(保有者の民事責任)に定められた事故と の関係で法的請求権を主張し、行使し、または防御するために必要であって、かつ自律運転 機能を備えた当該車両が関与している場合、第1項および第 2項に基づき保存されたデー タの開示を求めることができる。第三者は、そのデータが法的請求権の主張のためにもはや 必要でなくなったとき直ちに、遅くとも、その主張、行使、または防御のためにデータが集 められた、請求権の時効消滅のときまでに、遅滞なくそのデータを消去しなければならない。

第三者によるこのデータの使用は、第1文に掲げられた目的のためにのみ認められる。」

民事責任との関係で着目すべき規定は、第1 項および第2項による保存データの種類、

第3項による製造者の義務、第5項の事故調査のための機関に対する匿名加工情報の提供、

および修正法案によって追加された第 7 項の交通事故被害者のデータ開示請求権であると 考えられる。3項の法案修正によって、自律運転機能を備えた車両の製造者は、保有者が実 際に第 1項および第2項のデータを保存できるように車両を製造する義務を負うこととな った。またデータの保存および引き渡し方法の選択の可能性を考慮して、保有者がデータを 格納できるように、製造者はデータ保存に関係するソフトウェアを作成する義務を負うこ とになった。車両に保存された自律運転中の第1項および第 2項のデータを保有者がどの ように保存し、そのデータにアクセスし、関係当局および交通事故被害者へ提供できること は、交通事故被害者保護、交通事故原因究明のために非常に重要であり、今回の法改正によ って、ドイツはこの課題解決に向けて前進したと評価することができる。

(5)保有者の民事責任の追加に係る改正

第1l条2項は、第8条1号において、同一の軌道上を最高時速20キロ以下で運転する 車両の保有者については第 7 条の無過失責任の規定が適用されないが、今回の改正によっ て、1d条1項及び 2項の意味での自律運転機能を備えた自律運行車両の保有者について

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は、上記に該当する場合であっても、第7条の無過失責任を負うことに改められた。

また、12条の保有者の無過失責任限度額についても、1a条に定められた、車両内に人の 運転者がいる高度および完全自動運転システムを備えた車両の運行中の事故の場合と同様 に、倍額に引き上げることとされたが、高度および完全自動運転機能を備えた車両の運行に 比べ、1e条の自律運転機能を備えた車両の運行が大きな損害を生じさせるとは評価されず、

同一の金額とされた25

(6)技術監視人の自動車保険加入義務

今回の改正によって、直近では 2017 年 2 月 6 日の命令第 1 章によって改正された

(BGBl.IS.147)、1965年4月5日の義務保険法(BGBl.IS.213)第1条に次の文が追加す された。

「道路交通法第 1d条の意味での自律運転機能を備えた車両の保有者は、第 1 文に基づ き、技術監視人のためにも責任義務保険契約を締結し、維持する義務を負う。」

技術監視人は、技術監視の際に、責めに帰すべき義務違反によって、他人に損害を与えた とき、他の交通事故の場合と同様に損害賠償請求される可能性があるため、この改正によっ て、保有者は、自己自身、車両の所有者、運転者のためだけでなく、技術監視人のためにも 責任義務保険契約を締結し、維持する法律上の義務を負うこととなった26

4.民事責任に関係する法案に対する保険業界の見解

ドイツ保険協会は、2021年2月1日の参事官草案作成段階で意見書を公表し、自律運転 について独自の法的基礎が与えられること、交通事故被害者救済の観点から、従来の民事責 任制度が自律運転にも適用されること、義務保険法 1 条に技術監視人を追加したこと、最 高速度20キロまでで設計された自律運転機能を備えた車両に、保有者の無過失責任の根拠 となる運行危険が拡大されたことには賛成であるが、技術監視人の規定、データ処理に係る 法案については、さらに明確に規定すべき課題が残されていることを指摘している27

ドイツ保険協会は、技術監視人と保有者との関係(技術監視人は保有者の履行補助者であ るか、業務補助者であるか)における問題点、技術監視人の代替的運転操作についての自律

25 BT Drucksache 19/27439,S.31.

26 BT Drucksache 19/27439,S.32.

27 GDV, Stellungnahme zum Entwurf eines Gesetzes zur Änderung

straßenverkehrsrechtlicher Vorschriften(Gesetz zum autonomen Fahren) sowie zur Verordnung zur Genehmigung und zum Betrieb von Kraftfahrzeugen mit autonomer Fahrfunktion in festgelegten Betriebsbereichen(Autonome-Fahrzeuge-Genehmigungs- und Betriebs-Verordnung), Berlin, dem 01,02,2021, S.2-3

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運転システムからの提案に係る問題点(技術監視人は、車両の自律運転システムから代替的 運転操作の提案がなくても、自らの判断で代替的運転操作を行うことができるかという問 題)、技術監視人の協力者の資格と範囲、車両でのデータ保存方法の問題点、交通事故被害 者のデータアクセス権限等、見直すべき規定について意見を述べている。

保有者と技術監視人との関係については、修正法案1f条1項3号の保有者の義務が、「技 術監視人の任務を果たす」義務から、「技術監視人の任務が履行されることを保証する義務」

に改められたことによって、保有者が過失によりその保証義務に違反し、第三者に損害を与 えた場合、その損害賠償責任を負うことになると解することができる。

ドイツ保険協会は、技術監視人がシステムから提案された代替的運転操作を許可するだ けでなく、技術監視人がシステムから提案を受けなくても自らの判断で代替的運転操作を 行う場合、具体的な交通状況を適切かつ正確に評価するための技術監視人の能力に限界が あることを考慮する必要があると述べている28。改正道路交通法1f条2項の技術監視人の 義務は、システムから代替的運転操作が提案されたときに限定され、1e条3項において、

車両のシステムが自律的に運転任務を果たすことができない状況になったとき(信号機が 故障して赤信号の状態にあるため、赤信号中であっても車両を走行させる必要がある場合 等)、車両の技術装置から技術監視人に対し、技術監視人が決めた代替的運転操作を設定す ることを要求できると定めることによって、この問題の解決を図ったものと考えられる。

またドイツ保険協会は、自律運転機能を備えた車両による交通事故の被害者も、交通事故 原因(技術上の欠陥によるものであるか、技術監視人の過失によるものであるか)、交通事 故経緯(他の交通参加者の過失が事故および損害の発生に寄与しているか否か)を解析する ために、自律運転中に車両に保存されたデータにアクセスできることが必要であり、保有者 が高度および完全自動運転中のデータを交通事故被害者に提供できることを定める 63a 条 3項と同様の規定を定めるべきであるという意見を述べている29。さらに 1g条5項により 匿名加工したデータへのアクセスを認められる機関として、事故調査機関も含めるべきで あることを述べている30

上記のドイツ保険協会の意見は、法案1g条5項において「道路交通における事故調査目 的のため」に大学以外の機関に匿名加工データをアクセスさせる連邦自動車庁の権限が定 められたこと、および修正法案において1g条に 7 項が補充されたことによって解決され たものと考えられる。

5. 今後の課題

ドイツ道路交通法1e 条 2 項に定められた自律運転機能を備えた車両の技術装置の要件

28 GDV, Stellungnahme, S.3-4.

29 GDV, Stellungnahme, S.7.

30 GDV, Stellungnahme, S.9-10.

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は、今後日本において、限定地域での無人自動運転移送サービスに対応した道路運送車両法 改正を行う際に、国際基準の制定状況を踏まえたうえで、SAEレベル4の自動運転段階に 対応する「自律運行装置」の要件と類似の規定になる可能性があると考えられる。

ドイツでは技術監視人は、自律運転機能による車両の運転を停止させることができる自 然人に限ることとされ、技術監視人には運転操作と運転操作以外に関係する義務が課せら れている。また自律運転機能が代替的運転操作の提案をできない例外的場合を除き、技術監 視人は、自律運転機能から提案された代替的運転操作を設定するか否かを判断することに なる。日本において技術監視人の任務、資格、義務等を道路交通法等で定める場合、自律運 行装置の技術的要件との関係において、ドイツと同様の規定とすべきか否かを検討する必 要があると思われる。また、ドイツのように、技術監視人を自然人に限るとすべきか否かに ついても、実証実験で明らかになった技術監視人の業務実態および道路交通に係る国際条 約の改正状況を踏まえ、慎重に判断すべきであろう。

また、技術監視人、または法人が技術監視人になることが認められた場合は、その法人に おいて技術監視人業務を行う資格を有する自然人を自動車保険の被保険者に含めることに よって、交通事故被害者救済の実効性ある解決策になるか否かについても、今後検討すべき 課題になるであろう。民事責任との関係では、技術監視人の過失による事故に該当する事例 を検討し、自動車保険以外の保険において、技術監視人の過失による損害賠償責任を担保す る保険設計が可能であるか、またその保険が被害者救済のためにより有効であるか否かに ついても検討する必要がある。

限定地域でのSAEレベル4の段階の自律運転機能を備えた車両で無人自動運転移送中 に収集されるデータの種類、運行供用者が車両または外部にデータを安全に保存できるこ とを確保する方法、保存データのアクセス権限の範囲、利活用方法等に係る規律については、

交通事故被害者保護および交通事故原因究明の観点から、ドイツの規定を参照して検討す ることが可能であると考えられる。

本報告は、JSPS科研費18K01332の助成を受けた研究成果の一部である。

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