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高齢者のコンビニエンスストア利用とその社会的意義

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Academic year: 2025

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卒業論文

高齢者のコンビニエンスストア利用とその社会的意義

2013 年度入学

九州大学 文学部 人文学科 人間科学コース 社会学・地域福祉社会学専門分野

2017 年 1 月提出

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要 約

本論文は、コンビニエンスストアのもつ社会的意義を明らかにすることを目的としている。

第 1 章では筆者が、コンビニエンスストアが地域の高齢者にとって社会的機能を有してい ると考えるに至った背景について述べている。筆者の利用するコンビニエンスストアは、商 店街の中に位置し、高齢者と店員が会話している場面が度々見られる。

そこで、コンビニエンスストアが高齢者にとって地域のつながりを維持する機能を有して いるのではないかと疑問を抱いたことがこの研究を始めたきっかけである。

第 2 章では、都市化による日本社会の問題点、コンビニエンスストアに関する現状と先行 研究をまとめている。

まず、コンビニエンスストアが広がっていった背景として、都市化する日本社会について 都市社会学の視点から述べている。日本が土着型社会から流動化社会に移行するに伴い、コ ミュニティは衰退した。それに伴って都市高齢者が増加し、高齢者の社会的孤立や孤独死が 問題視され始めた。また、世帯構造が核家族化し、それまで若者を主な利用客としていたコ ンビニエンスストアが、増加する中高年客を今後の主客ととらえサービスを変化させ始めて いる。

次にコンビニエンスストアの歴史と問題点を簡単にまとめている。コンビニエンスストア は、商店街と大型ディスカウント店とが対立していた時代に日本に開店したという歴史を持 ち、商店街を内側から破壊するものとして論じられてきた。

第 3 章では、コンビニエンスストアのオーナー・店員・高齢客を対象に行ったインタビュ ー調査の分析を行っている。

まず、調査対象の店舗(筆者の利用するコンビニエンスストア)と、その周辺地域につい てまとめている。店舗の周辺地域である H 商店街は、かつては学生街として栄え、中小の商 店が軒を連ねた商店街であった。しかし、現在はキャンパス移転に伴い、飲食店や商店が激 減している。歩行に時間がかかる高齢者は近くの商店が減ったことで、買い物先に困ってい る状況である。

そうした中で、インタビュー調査の結果、高齢者の生活の中で買い物は生活必需品の獲得 だけでなく、精神的な効果ももたらしていることが明らかになった。また、足の悪い高齢者 がコンビニエンスストアを買い物先として頼っている状況であり、コンビニエンスストアへ の日常的な買い物が、外出し健康を維持する機会となっている。また、高齢者にとってコン ビニエンスストアでの気軽な買い物や店員との会話は気分転換となり、外出中に地域の人々 と関わりを持つことにつながっている。しかし、店員は仕事中で忙しく、「仲良くなる」ほど 距離は縮められないという。また、オーナーと店員のインタビューからも高齢客とコミュニ ケーションを取ることについては受動的であることが明らかになった。コンビニエンススト アは、店側が意図しない形で高齢者に頼られ、日々の会話の相手にさえなっている。また商 店街の中に位置する当コンビニエンスストアは、商店街で働く人々を支え、また知人同士が 出会うコミュニケーションの場になっていることが明らかになった。

第 4 章ではコンビニエンスストアがもつ社会的意義をまとめている。

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コンビニエンスストアは、商店街が衰退する中で都市高齢者に買い物先として頼られ日々 の外出の機会となっていること、それによって地域の人々との小さなかかわりが生まれ気分 転換や安心感をもたらしていることがわかった。その点で流動的な都市に暮らす高齢者の生 活を広い意味で支えており、社会的意義をもっているといえる。さらに商店街の中で、他の 商店を壊す存在としてではなく、地域の人々を支え出会いのきっかけを作る存在になってい る。

しかし、このように都市高齢者の生活が成り立っているように見える中で、深い人間的な かかわりを持てる相手が少なく、孤独や孤立に苦悩する都市高齢者もいることは事実である。

本来、便利な都市生活を可能にする「専門処理」システムであるコンビニエンスストアに、

高齢者の見守りなど社会的な機能を付与しようとする社会の流れがある。たしかに地域の狭 い地域を商圏とし、地縁がはたらきやすいコンビニエンスストアに地域コミュニティの拠点 としての機能を求めることは合理的である。しかし便利さを追求してきたコンビニエンスス トアに社会的な機能を付与していくばかりでは、社会的孤立という問題に対しては対症療法 にしかならない恐れがある。

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目次

1 研究の背景

2 コンビニエンスストアの歴史的展開と評価 2-1 都市における社会的孤立と孤独死問題

2-2 地域コミュニティの再評価とコンビニエンスストアの変化 2-3 コンパクトシティ

2-4. 日本におけるコンビニエンスストアの展開 2-5 コンビニエンスストアは地域を壊すのか 2-6 これまでの先行研究をふまえて

3 H 地区コンビニエンスストアにおける社会的交流の実態 3-1. 調査対象の店舗と周辺地域

3-2. 高齢者のコンビニエンスストア利用状況

3-3. コンビニエンスストアがもつ社会的機能

3-4. 商店街の中のコンビニエンスストア

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4 結論 コンビニエンスストアがもつ社会的機能の展望

謝 辞

参考文献・URL

付録 インタビューデータ

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