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[4]汚染物質の拡散と多国間の協調

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[4]汚染物質の拡散と多国間の協調

      担当者  足利  池田  中西  廣江

汚 染 物 質 の 拡 散 に 関 わ る 環 境 問 題 の 解 決 に あ た っ て は 多 国 間 の 協 調 が 必 要 で あ る 。 一 方 的 な貿易制限はかえって非効率である。

・汚染物質の拡散の例…越境汚染(酸性雨など)、地球温暖化、オゾン層破壊

<多国間協調による多角的解決にあたって考慮すべき2つの問題>

効果の問題  地球全体の効率を考え、防止費用の安くつく国ほど多額の負担をする。

公平の問題  各国の貢献度が汚染物質の排出量また費用の負担能力に釣り合わない。

<森林の濫伐と地球温暖化問題の例>

広大な熱帯雨林を有する国がある。この国は、熱帯雨林を伐採し、国民は生活している。

CO2の削減のためには、どうすれば効果的か?

①他国の一方的な措置(木材の輸出入制限)

⇒原木の輸出規制は、産業構造を非効率な方向へ向かわせ木材伐採をかえって増加させる。

また、発展途上国の伐採は多くの場合焼畑形式であり、根本的な解決でなく効果的でない。

⇒森林保全にあたってきわめて僅かな影響しか及ぼさない。

「広大な熱帯雨林を有する国は世界に無料で炭素吸収サービスを行っている」と捉える。

⇒サービスの対価としてその国に補償を行うことで、森林保全のインセンティブを与える。

⇒木材輸出国は森林保全に政策の方向転換を行うことができる。

多角的貿易協定における貿易措置

始めから協調を拒絶する場合の4つの理由 1.科学的な証拠が不十分

2.優先順位が低い

3.責任の分担について意見の不一致 4.フリーライダーになる

→  しかし実際は参加国を集めることは難しいことではないのはなぜか

・  全ての国が実際に活動することは必ずしも必要ない

・  政治問題を起こしかねない

(2)

協調の促進

  →  プラスの方向か、マイナスの方向のインセンティブを作り出す 各国の自主的な協調が望めないとき

→  プラスのインセンティブを与えることが最良の手

プラスのインセンティブの例

・  対外援助の増加

・  債務の軽減化

・  貿易障壁の無差別的な削減

・  技術の移転

・  財政援助

マイナスのインセンティブの例

・  環境問題に無関係な輸出品に対して罰則を与える貿易政策   →  経済摩擦により、今後の政府間協調の可能性が低くなる

  →  不参加国や脱退国に対して、環境問題に無関係な輸出品に対して差別的な貿易 政策をとるという規定が環境協定の中にはない

環境協定の中の貿易規制の目的

・  協定の内容の裏をかくような非締約国と締約国との間の貿易を防止

・  環境問題に直接関係する非締約国の製品を不利に扱う副次的効果

→  締約国の環境政策へのフリーライドを防止するために非締約国に対する貿易規制 マイナスのインセンティブとの違い:環境問題に直接関係する製品にのみ適用

※ ただし環境協定に全世界の国が加盟しないと貿易条項は差別的なものとなる

(3)

【5】保護政策と環境 農業と環境

<全体の流れ>

多くの国で環境に悪い保護政策がとられている。農業政策もそのひとつ。

        →貿易自由化により、一挙に「所得の増加」と「環境の改善」をめざす。

<所得の問題>

現在の食糧生産政策には歪みがある

  ・先進国…高めに設定された生産者価格、各種補助金   ・発展途上国…低めに設定された生産者価格、課税

  →先進国が手厚い保護政策をやめ、市場を開放することで、農業生産の部分的シフト が起こる.

  →両グループで所得の増加   

⇒自由化により「所得の増加」が起こる

<環境の問題>

  化学肥料と殺虫剤の使用量

  一般的に生産者価格と使用量は強い相関(ex、農産物価格が高い国→化学肥料使用量 が多い)

  →国内の保護が化学肥料使用量を増加させる。

⇒現在の先進国における農業保護政策・・・環境劣化の大きな原因   

先進国から発展途上国への農業生産の移動→森林消失?

  発展途上国で農産物価格上昇により、農耕地を求めて開拓がすすむ。

→森林消失の原因になりうるのでは。→自由化を行うのは環境によくない?

      

生産量増加は同じ土地をより効率的に使うことで起こる事がわかっている     思われているほど大きな問題ではない。  

<まとめ>

高所得国の農業保護政策をやめ、自由化を行うと・・・

  ⅰ)世界的により少ない肥料で食糧生産     食品と自然界の残留農薬量減少

(4)

  ⅱ)森林消失率に対して最悪でも最も緩やかな影響しか与えない   ・・・etc   →農産物の貿易自由化が、世界の環境基準を大きく向上させる

環境政策と貿易政策の相互作用

・各種制約による影響

国内産業「同じ土俵」保護を求める   戦略的に操作する可能性

・不適切な政策に対する政治的緩助

(例)厳しい環境規制に従うことを余儀なくされた企業

→政府が公平な環境政策をとることを条件に環境対策

→正しい環境政策がとられない   環境によい政策≠産業的に公平な政策

・環境政策のジレンマ

  大きな出費が必要な環境政策をとり、その対象となる企業が対策を支援する場合   将来、企業への保護的な政策がとられやすい

  〈短期的〉環境によい  〈中、長期的〉環境の悪化

・GATTルールのために環境政策が実現不可能なとき

→GATTルールは環境によくないという印象がもたれる

しかし好ましくはない政策の合法化のためにGATTルールを改正すると、各国が正し い国内環境政策を採用するインセンティブが奪われる。

〈まとめ〉

・国際貿易上の各種制約は環境にマイナスである。

・GATT ルール(自由貿易)を遵守することで、無差別な国内環境政策を遂行することが できる。それが環境問題の解決に望ましい。

参考文献;「地球環境と成長」  ケアンクロス著、東洋経済新報社、1992年      「自由貿易と環境保護」  金堅敏著  風行社  1999年

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