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~スーパーマーケット成城石井のV字回復と今後~

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2010 年度 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール

卒業論文

「こっそり繁盛させるための提案書」

〜スーパーマーケット成城石井の V 字回復と今後〜

A0742210 星野 亜由加 提出年月日 2011/01/15

(2)

目次

はじめに

第1章 スーパーマーケット業界 1.1 スーパーマーケットとは 1.2 業界構造と基本的な戦略

第2章 高級スーパー成城石井

2.1 成城石井の基本情報(社歴・規模・業界ポジション)

2.2 成城石井の戦略〜なぜ V 字回復を遂げたのか〜

2.3 成城石井の戦略からわかること

第3章 こっそり繁盛するための提案 3.1 若者顧客の性質を知る

3.1.1 素朴な疑問1:成城石井の顧客はコンビニと一緒?

3.1.2 素朴な疑問2:こだわる高齢者顧客は店員に質問をする。では若者は?

3.1.3 結論

3.2 新たなライバルを知る 3.2.1 KALDI COFFEE FARM 3.2.2 結論

3.3 まとめ

おわりに

参考文献

(3)

はじめに

不景気の波にのまれる日本の中で、V 字回復を遂げた会社があった。それが成城石井である。

ただでさえ時代の流行や景気に左右されやすいとされる小売業、しかも高級スーパーという一般 消費者のニーズ(低価格)からは程遠い分野に属するこの企業が、一体なぜ利益を伸ばせたのか。

今回はまずその成功要因を提示し、現状を把握する。そして成城石井が利益を上げ続けるために 必要な新たな課題を発見し、その解決策を提案していきたいと思う。

第1章 スーパーマーケット業界 1.1 スーパーマーケットとは

スーパーマーケットとは小売業の一つであり、総合スーパー・食品スーパーとに分けられる。

総合スーパーとは、食料品・衣料品・生活日用品・家具など3つ以上の製品部門で構成されてお り、それぞれの売上げ構成比が 50%未満であるものをさす。業界最大手のセブン&アイホールデ ィングスやイオングループなどが例にあげられる。一方食品スーパーとは食料品の売上げ構成比 が 50%を占めるものであり、今回論じていく成城石井がこれに属する。

1.2 業界構造と基本的な戦略

業界動向 SEARCH.com によればスーパーマーケット業界規模は平成 21 年 3 月 31 日段階で 21 兆 4,804 億円であり、同時期の売上高ランキングは以下の通りである。

1 位 セブン&アイホールディングス 5 兆 6,499 億円 2 位 イオン 4 兆 7,060 億円 3 位 イトーヨーカ堂 1 兆 6,775 億円 4 位 ユニー 1 兆 0,176 億円 5 位 ダイエー 9,649 億円

イトーヨーカ堂はセブン&アイホールディングスの連結子会社である事を考慮にいれると、ス ーパーマーケット業界はセブン&アイホールディングスとイオンの 2 本柱で成り立っているこ とがわかる。一般的にどの小売企業も「ナショナルブランド(以下 NB)に比べて利幅の大きな プライベートブランド(以下 PB)の設立」「独自のクレジットカードもしくは IC カードを普及 させることで割引やポイント還元を実施」「有名人を登場させたテレビ CM」といった戦略をとっ ている。上位 2 社は全国に展開しているが、4 位のユニーはドミナント出店であり特定地域に集 中して展開しているため、イトーヨーカ堂と大差ない規模だがあまり知名度はない。しかし、郊 外への大型ショッピングセンターの展開は、イオングループに引けをとらない動きをみせている。

ちなみに成城石井は 2009 年度小売業売上高ランキング(先のスーパーマーケット業界ランキ ングよりも広範なランキング)において 213 位である。(10/06/30 付日経 MJ)

(4)

第2章 高級スーパー成城石井

1章ではスーパーマーケット業界の主力となっている会社を挙げた。いずれも価格低下やポ イント還元などを中心に展開している。そして熾烈な価格競争を行った結果、不況にあえぐ多く の消費者の支持を得、業界の首位につけている。ところが今、価格低下を犠牲にしてまで商品の 品質へのこだわりを追及した小さなスーパーマーケットが、大手にはみられない業績の伸びをみ せたのである。それがスーパーマーケット成城石井である。

2.1 成城石井の基本情報(社歴・規模・業界ポジション)

<社歴>

1927 年 果物店として創業 1950 年 株式会社化

1976 年 スーパーマーケットとして営業開始 2004 年 レックスホールディングスの子会社化 2006 年 レックスホールディングスの 100%子会社化

24 時間営業の高品質ミニスーパーマーケット業態「SEIJOISHII Select」展開 2007 年 1 月、大久保恒夫氏社長就任(成城石井外部からの人材)

2010 年 9 月、原昭彦氏社長就任(成城石井内部から抜擢された人材)

レックスホールディングスが成城石井売却を他企業に打診

<規模(2009 年 12 月段階)>

売上高 :433 億円

経常利益 :28 億 7,000 万円

店舗数 :東京(39)神奈川(15)埼玉(4)千葉(2)栃木・茨城(1)愛知・静岡(7)大阪・兵庫・奈良・

京都(9) 関東を中心とした店舗展開 主要子会社:有限会社成城石井セントラルキッチン

<業界ポジション>

スーパーマーケット業界の中ではいわゆる「高級スーパー」と位置づけられている。つまり低価 格を望む多くの消費者を顧客とせず「価格より質」を意識した少数の顧客層から支持されている。

顧客層が重なる同業者としては、クイーンズ伊勢丹・紀ノ国屋・明治屋ストアーなどがあげられ る。

2.2 成城石井の戦略〜なぜ V 字回復を遂げたのか〜

まずは 2004 年から 2008 年にかけての成城石井の売上高と経常利益を確認する。(資料 A)

資料 A 成城石井の売上高と経常利益(日経ビジネスオンライン)

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2006 年 12 月期に最悪のものとなった経常利益が、2007 年、2008 年と急激に成長しているこ とが見て取れる。また、2.1 で挙げた 2009 年 12 月期段階の規模(経常利益:28 億 7000 万円)

と併せて見ても上昇を続けていることがわかる。2009 年には経常利益率は8%にまで及んだ

(10/08/30 日経 MJ)。一体この会社に何が起きたのだろうか。しかしこの現象を成城石井に限っ て起きたものと決め付けるのはまだ早い。2006 年に何か小売業全体にとって追い風となる出来 事があったのかもしれない。そこで、総合スーパー大手のイオンと比較をした。

資料 B イオン営業収益 資料 C イオン経常利益

(資料 B,C 共にイオンホームページより)

資料 B によれば売上高(営業収益)は 2006 年から 2009 年にかけて上昇している。しかし資料

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C の経常利益を見ると 2007 年にやや回復したもののその後 2009 年まで下がり続けている。さら に、最大手のセブン&アイホールディングスとも比較をしてみたが(資料 D,E)、売上高・経常 利益ともにこちらも 2006 年から 2009 年にかけての劇的な上向きの変化はみられない。

資料 D セブン&アイ HD 営業収益 資料 E セブン&アイ HD 経常利益

営業収益

0 1000000 2000000 3000000 4000000 5000000 6000000 7000000

2006 2007 2008 2009 2010

経常利益

0 50000 100000 150000 200000 250000 300000

2006 2007 2008 2009 2010

(単位は百万、資料D,E共にセブン&アイHD決算短信より作成)

(ここで本来ならば、顧客層の類似している紀ノ国屋や明治屋ストアーの売上高・経常利益とも 比較したいところだが、2 社とも会計文書が公開されていないため出来なかった。ただし、明治 屋ストアーを運営する明治屋商事については 2006 年から 2009 年の時期は経営不振だったことが 明らかである。*1

以上のことから、成城石井の V 字回復は小売業全体に好影響をもたらす何らかの外的変化によ るものではなく、成城石井内部からの内的変化によるものと考える。

内的変化として最も目立つものが 2007 年 1 月の大久保恒夫氏社長就任である。そこで大久保 氏の指揮の下、成城石井はどのような戦略を行っていったのか調査したところ、4つの戦略が挙 がった。

①更なる高品質の追求・PB に力を入れる

まず PB と聞くと普通は「商品をより安く顧客に提供する」ためのものを意味する。しかし成 城石井の PB は全く逆であり「より良い品質の商品を顧客に提供する」ためのものなのである。

例えばミツカン NB「味ぽん」は 360ml で 300 円であるのに対し、成城石井 PB「高知県北川村の ゆずぽんず」は 300ml で 550 円と約 2.2 倍である。また、キリンビバレッジ輸入販売の「トロピ カーナ(果汁 100%)」は 1ℓで 229 円であるのに対し、成城石井 PB「川中島白桃 100%ジュース」

は 1ℓで 790 円と、約 3.4 倍である。しかしこれほど差があるにもかかわらず店舗では PB とメー カーの NB を並べて販売しており、それでもなお売上を伸ばしている。

また、PB だけではなく、一般的なスーパーには置いてないような無名メーカーによる良質な 商品の発見にも力を注いでいる。世界や日本各地を回るバイヤーの数を 2 倍に増やし、扱ってい

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るワインやオリーブオイルの 90%はオリジナル商品(独自に契約している商品)でチョコレート は約 50%がオリジナル商品となっている。(2010/08/30 日経 MJ)

成城石井の顧客は高品質志向の高齢者であることが世間一般に知られているが、やはりそのイ メージ通り、低価格よりも品質を求める人々に主な狙いを定めている。ただ、近年の動向として 駅中店や都心のオフィスビル付近への出店、ネット通販事業の推進などを考えると、高齢者のみ にターゲットを定めているわけではないようだ。

②イチニッパー戦略につながる社員力の充実

高品質とはいえやはりそれなりに高価格となる商品は、ただ並べるだけでは売れない。そこで まずは会社全体として売り込んでいきたい 128 品目を本部から各店舗に知らせる(イチニッパー という名称はこの品目数からきている)。そして各店舗の社員たちは、その品目を念頭に置きな がらそれぞれが独自に持つアイディアと知識を活用して、POP 広告を作り上げたり、接客をした り、自由に売り場面積を作成する。その結果、かつてはそれら 128 品目の売上構成比は全体の 6.5%にすぎないものであったが導入からわずか 9 ヶ月で 20%超えの比率を占めるようになった。

(「慶應 MCC 夕学五十講」感想アーカイブより)

まず 128 品目とは、生鮮、グロッサリー、酒類などから構成される 8 部門のそれぞれから、粗利 が高くて特に売れているものを 10 品目、それなりに売れてかつアピールポイントがあるものを 6 品目選んだものである。つまり 16 8 で 128 品目だ(社員インタビューより)。これを聞いた 時、とても当たり前なことだと思ってしまった。つまりよく売れるものを重点的に売り込むので ある。

ではなぜ他の経営不振のスーパーマーケットはそんな当たり前の事ができないのだろうか。そ れは売り込み方が違うからである。

一般のスーパーでは店員は商品の性質について知らないし、顧客も特に期待はしていない。売 り込みポイントは価格の安さだからだ。しかし価格の安さは他の競合スーパーも売り込みポイン トであり、結局、売り込みポイントになっていないのである。なにより、価格の安さは値札を見 ればわかるので顧客は自分の目で複数店舗を比較でき、店員とのコミュニケーションチャンスは あまりない。

一方成城石井は、顧客から品質やこだわりを求められている。売り込みのポイントは品質であ る。特徴的な商品をセレクト販売しているからこそ、商品についてのアピールポイントがたくさ んある。品質は見てわかるものではないので、実際食べたらどうなのか、他の代替品とどう違う のか、どういう食べ方がいいのか、といった疑問を顧客は店員に投げかける。その投げかけは会 話の場合もあるしそうでない場合もある。会話でない場合の例は、先に述べた店舗ごとに異なる 商品 POP などだ。このように、顧客とのコミュニケーションチャンスが一般のスーパーよりも多 い分、より売り込めるのである。また、この売り込みをするためにも、会社側は社内教育や自主 学習奨励制度によって、社員に知識を深めさせている。

ところでこのコミュニケーションについて店舗を調査しているうちに妙なことに気がついた。

(8)

店員は自ら顧客に声をかけることはあまりしていない(勿論「いらっしゃいませ」などの顧客全 体にむけた声かけはしていたが)、ということである。聞かれればそれに答える。しかし自ら顧 客に声をかけ、自分の知識を活用して商品を勧めることはしていない。この消極的(商品を勧め る時)な積極性(商品について学ぶ時)が成功の鍵なのであろうか。それについては第 3 章で検 証していきたいと思う。

③駅中・駅近出店増加に見られる、ターゲットの拡大

成城石井は金銭的余裕のある高齢者をターゲットとしている印象だが、そうではなく会社員や 学生をも視野に入れているようだ。というのも、①の末尾に少し触れたが、新ターゲットが利用 するような都心の駅中店舗やネット販売商品の拡大などを積極的に行っているからである。とい うわけで、駅中店舗の効果を探るべく、以下の資料 F のようなアンケートを 20 代から 30 代の若 者に回答してもらった。なお、回答者の性質については資料 G をご覧いただきたい。

資料 F 成城石井を利用したきっかけは何か (複数回答)

    女  男  合計 

自分の好きな有名人が成城石井の製品を利用していた 

0  0  0 

家族が成城石井を利用していた 

4  1  5 

ご近所さんから勧められて 

1  0  1 

家や最寄り駅近くに成城石井ができた 

6  3  9 

自力で成城石井の存在を調べた 

1  1  2 

その他 

4  1  5 

合計 

16  6  22 

資料 G アンケート回答者 <年齢内訳> アンケート回答者 <職業内訳

    女  男  合計 

16‐20 歳  0  0  0 

21‐25 歳  9  4  13 

26‐30 歳  2  0  2 

31‐35 歳  1  0  1 

36‐40 歳  2  0  2 

合計  14  4  18 

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自分の家や最寄り駅近くに成城石井が出来た

ことが利用のきっかけとなったと答えた人々は 18 人中 9 人と、半数を占めた。確かに駅中出店 の拡大は新ターゲット獲得に効果があったといえる。若者が割高なコンビニを利用するのは“移 動コスト”がないためだが、それと全く同じ理由で若者を引き寄せたのだろう。

また、駅中・駅近出店の他に若者へとターゲットを拡大させた成城石井の動きとして、かつて 同数だった和菓子と洋菓子の生産量を変化させたことだ。現在和菓子はほとんど生産されていな い。(工場見学による情報)つまり高齢者の好む商品の生産数が減らされているのだ。この状況 から考えるに成城石井は、ターゲット拡大というよりは、高齢者から働き盛りの中年と若者と学 生へとシフトチェンジをしていったと考えられる。

④会社も取引先も小規模だからこそイノベーションの良し悪しをすぐ判断、すぐ導入

成城石井は 2007 年に「流通BMS」という新たな情報システムを実用化した。このシステム を用いることで、より正確な発注、ロスの削減、最新の売れ行き情報の本部への伝達による欠品 状態の減少を実現させることができたのである。このことは顧客のニーズへの迅速な対応へと繋 がり、売上げの上昇に貢献した。

ではなぜ「小規模だからこそ」なのか。それは単純に、全店舗にシステムを普及させることに 時間がかからないからである。そして新システムが有用であるかそうでないかの成果を迅速に知 ることができるからである。失敗だったとしてもすぐにその失敗に気付けるので臆することなく イノベーションに飛びつけるのだ。また、取引先の小規模さも重要だ。取引先には零細企業が多 く、情報システム化が進んでいないところも多かったため、専用ソフトを開発することですぐ導 入することができたからだ。既になんらかの情報システムがあった場合、規格の違いなどから情 報伝達がうまくいかず、普及は遅れただろう。

また、成城石井の成果を見て大手は 2009 年に流通 BMS を導入しはじめたが、同年 10 月には、

成城石井は流通 BMS よりもさらに画期的なシステムである「ユニゲージ」を稼動させている。こ れにより、今までは容量の問題で 2 日しか保存できなかった店舗ごとの時間帯別売上データや 3 ヶ月しか保存できなかった店舗別の単品売上データが無限に保存できるようになった(日経ビジ ネスオンライン)。より細かな商品の売れ行き傾向を分析できるようになったため、今後も売れ 筋商品の見極めがより正確になることだろう。

2.3 成城石井の戦略からわかること

成城石井は「高級志向の顧客だけを追及せず」、「しかし安売りをしたわけではなく」、「優れた 情報技術によって少ない顧客のニーズをより正確に汲み取った」。つまり、従来の顧客である「頭 数は少ないが客単価の高い品質志向の富裕層」に加えて、新たに「客単価は少ないが頭数の多い 一般層」を顧客として得ることに成功したのである。大手や他の多くの中小スーパーが行う価格 競争に勝つ事で業界首位を狙うのではなく、自社の強みである商品へのこだわりや社員のアドバ

    女  男  合計 

学生  6  2  8 

会社員  3  2  5 

公務員  2  0  2 

主婦  1  0  1 

パート・アルバイト  2  0  2 

合計  14  4  18 

(10)

イザーとしての能力をひたすら強化し、そのために、価格の高さやこだわりの品を多く陳列する ことによる店内通路の狭さなどの弱点にはある程度目を瞑った。まさに成城石井はスーパーマー ケット業界のブルー・オーシャン*2を開拓したと言える。大勢の顧客の支持を得るためにはやは り価格競争をするべきだろうが、それでは大手との差別化が図れなくなるばかりか、企業規模か らいって大勢の顧客の求める価格まで全商品を引き下げられるとは思えない。こだわりの商品を 扱うことをやめず、あくまでも小規模ながらに利益を上げ続ける「こっそり繁盛」を継続し、じ わじわと業績を上げ、安定した地位を築いていくことが今の成城石井の目標となるだろう。

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第3章 こっそり繁盛するための提案

この章ではあくまでもわが道をゆく成城石井が、新しいターゲットである若者に対してどの ような販売戦略をとればよいのかを考える。

そのためにまず、成功要因2つ目の「社員の商品知識力」と、3つ目の「駅中などへの出店を 積極的に行う点」についての 2 点に注目することによって若者顧客の性質を把握する。

そしてブルー・オーシャンにいることに安心せず、次なるライバルの存在を知る。

若者顧客の性質と、次なる競合の性質を把握することで、主にどのような若者顧客に対して重 点的に販売促進をすればこっそり繁盛に効果的であるかを提案していこうと思う。

3.1 若者顧客の性質を知る

3.1.1 素朴な疑問その1:成城石井の若者顧客はコンビニ顧客と一緒?

さて、第 2 章において成城石井の成功要因を提示してきたが、いまひとつ釈然としないものが ある。それは、こだわりの商品を扱う成城石井が若者に利用されるようになったきっかけのうち 最も多くの票を得たのは「移動コストが低くなった」ことだった(これについては第2章の 2.2.

③で明らかにした)ということである。和菓子より洋菓子の方が需要の大きいことや、実際に駅 中店舗などでは若者が多く見られることから、確かに若者から支持され始めているだろうが、コ ンビニと同じきっかけとは、先が思いやられる。ちなみに成城石井を利用したことのある若者に インタビューをしていた時も「え?成城石井ってコンビニじゃなかったの?」という(少なくと も私にとっては)驚きの質問を受けたことは忘れもしない。しかし、「きっかけ」が移動コスト 軽減であっても、「普段買うもの」を改めて質問すればコンビニとは違うということがわかるか もしれない。

そこで普段買うものについて先ほどのアンケートと同じ回答者(資料 G)にアンケートをとっ た。(資料 H)

資料 H 成城石井では何を購入するか(複数回答)

    女  男  合計 

洋菓子・和菓子・スナック菓子  9  1  10 

パン  7  2  9 

惣菜  5  1  6 

生ハムやチーズなどの輸入食材  5  2  7 

酒  2  1  3 

ソフトドリンク  5  1  6 

調味料・ドレッシング  3  1  4 

(12)

乾物・缶詰  3  1  4 

野菜・果物・魚・肉などの生鮮食材  0  0  0 

その他  1  0  1 

合計  40  10  50 

これを見る限りでは、残念ながら買うものについてはコンビニでもよく買われるようなものに 票が集中した。(輸入食材が 3 番目に多く購入されている点ではコンビニとは違うが。)また、食 品スーパーといえば野菜・果物・肉・魚が必ずあるものだが、成城石井は店舗によっては(特に 駅中店舗などでは)生鮮を扱っていないので、この少人数アンケートでは生鮮食材の購入者はゼ ロという結果になってしまった。

しかし成城石井で買い物をすることによって、移動コスト以外の価値を若者には実感しても らわないことには、せっかくの商品開発も新ターゲットにはあまり意味のないことになってしま う。

また、単に移動コストだけで顧客と売上が増えるわけではないことは、他でもなくコンビニ業界 の低迷によって明らかである*3。そこで、今度は利用の「きっかけ」ではなく利用の「目的」に ついて聞いてみることにした。(資料 I)

資料 I 成城石井を利用する目的はなにか(複数回答)

   

女  男  合計 

価格より品質を重視しているので、日常的な食材調達として利用。  4  0  4  特別な日(パーティーや記念日など)の時に限って食材調達に利用。  8  3  11  置いてあるものは皆おいしいと思うので、誰かへ贈り物をする時に利用。  1  1  2  成城石井にしかないものがあって、それを求めて買いに行く。  5  2  7  買わなくても見て回るだけで楽しいので特に目的はなくなんとなく足を運んでみる。  7  1  8 

その他  3  0  3 

合計  28  7  35 

これを見ると、「特別な日のための食材調達」、「買わなくても 目的はなくともなんとなく足 を運んでみる」、「成城石井にしかないもの 買いに行く」の順に票を得ていることから、こだわ りを持って利用している人や、コンビニではありえないような、何か商品に興味を持った上での 来店をしていることが確認できた。つまり、若者の傍に店舗を持ってくることできっかけを作っ た後、ただのコンビニとして見られるのではなく商品に魅力を感じてもらうことに成功している のだ。

よって、答えは「成城石井の若者顧客は、コンビニ顧客と一緒ではない」。

3.1.2 素朴な疑問その2:こだわる高齢者顧客は店員に質問をする。では若者は?

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とで明らかに違う点があることに気付いた。

<相違点>

1.高齢者は商品の前で棚を流し見しているかと思えば、迷いなく商品を買い物かごに次々と入 れる。一体どうやってそれを消費するのだ、と思うほどに買う。特に路面店舗でのお正月は、

顧客が皆本当に大量に購入するので、レジがなかなか回らず、店内まるまる一週使って 50 代から 70 代くらいの顧客によるレジ待ち行列が出来上がる程だった。一方駅中店舗や駅近 店舗に多くみられる若者は、買い物かごすら持たず、じぃっと棚を見ている。じぃっと見続 けた後に最終的に買うのは1、2種類の商品だ。

2.商品について店員に質問するのはほとんど高齢者であり、若者は質問しない。

まず今回、先ほどのアンケートに答えた若者(資料 G の人々)に限った話ではあるが、彼らの 半分はコンビニ感覚で成城石井を利用する。そこで、彼らも理由は違くとも高齢者同様価格はさ ほど重要視していないという前提を置く。

さて、相違点1に注目すると、まるで高齢者がこだわりなく商品を買っているかのようであり、

若者はじっくりと吟味してこだわっているような印象を受ける。しかし相違点2を見ると、商品 の性質について積極的に質問するのは高齢者であり、彼らの方がやはりこだわりを持っていると 思える。そこで先ほどからの若者顧客 18 人に以下のような質問をした(資料 J)。

資料 J 成城石井の店員に何か商品知識を求めるような質問をしたことはあるか

    女  男  合計 

はい  0  1  1 

いいえ  13  3  16 

回答無し  1  0  1 

合計  14  4  18 

この結果で素朴な疑問2の答えは明らかである。「若者は質問をしない」。

ちなみになぜ質問しないのか自由に記入してもらったところ、以下のようになった(資料 K)。

資料 K 質問をしない理由について (自由記入のまとめ)

1. そこまで商品にこだわっていないから。(9 人)

2. 聞いたところでどうせわからないだろうと最初から決め付けているから。(1 人)

所詮バイトに聞いても無駄だと思うから。(1 人)

3. ある程度何を買うか決めてから来るので聞く必要は特にない。(3 人)

(14)

買うものは大体いつも同じだから別に聞く必要はない。(1 人)

4. いつも店員は忙しそうなので、聞きたいことはあってもその作業を中断させてまで聞 こうとは思わないから。(1 人)

回答1から順に考察していこう。一瞬素朴な疑問その1が覆されたかと思ったが、落ち着いて 整理してみる。先の資料 F では成城石井の利用きっかけはコンビニ感覚が半数であった。もちろ ん、資料 F は複数回答なのでコンビニ感覚であったと同時に別のきっかけがあったのかもしれな いのだが。そして質問を“きっかけ”から“目的”に変えたところ資料 I では一応成城石井の商 品に対するこだわりもしくは興味が見てとれた。今こうしてはっきりと 9 名から「こだわりはな い」と言われてしまった。つまり「コンビニ顧客とは一緒ではないがこだわりもない。ただ興味 はある。」ということだ。ここで成城石井を利用する若者にはこだわり派以外の顧客がいること がわかった。

さて、次の回答の検証に移る。2 つ目の意見を述べたのは少数派である品質にこだわる若者た ちだ。彼らの意見によって、品質重視の若者に対する接客のあり方にヒントを得た。2.2.②の文 末において「消極的(商品を勧める時)な積極性(商品について学ぶ時)が成功の鍵なのであろ うか。」と述べたが、それは顧客がかなり自発的に質問を繰り出す高齢者の場合のみだった。自 分自身が接客のアルバイトをやっていて感じることだが、高齢者には(成城石井の顧客に関わら ず)“所詮バイト”という諦めの意識はない。店の人間なら知っていて当然だろう、という一種 の信頼と期待もしくは、義務を店員に課している。一方若者は、今回の回答によって気付いたが、

何か聞きたいことがあっても、“どうせ”や“所詮”といった、諦めや軽蔑もしくは無気力さに よって質問を店員に投げかけない。つまり、最初から店員の能力を過小評価する(残念ながら本 当に店員が無知である場合もあるだろうが)若者には、消極的な接客では意味がないということ だ。

次に3つ目の回答だが、これは成城石井に目的を持って来ているのでなんらかのこだわりがあ るものとみなす。こだわりを持って店に来ているとはいえ、既に知っている商品を買いに来るの だから確かに説明は不要である。

最後に 4 つ目の回答については、月に 1〜3 回の頻度で来店する女性の意見である。ちなみに 頻度についてもアンケートを実施している(資料 L)。彼女の場合、聞きたいことが聞けないま までいるにも関わらず常連となっている。たった一人の意見なので何も確信的なことはいえない が、もし彼女のような存在が多くいるとするならば、やはり店員は自己の持てる商品知識を積極 的に利用し、大切な常連顧客の不満を軽減していくことが重要である。

資料 L 成城石井をどの位の頻度で利用するか( 購買せず、見るだけでも可)

    女  男  合計 

毎日  0  0  0 

1 週間に 1〜3 回  1  1  2 

(15)

1 ヶ月に 1〜3 回  4  1  5 

1 ヶ月に 1 回  1  1  2 

3 ヶ月に1,2回  3  1  4 

半年に 1,2 回  1  0  1 

1 年に 1 回  3  0  3 

その他  1  0  1 

合計  14  4  18 

3.1.3 結論

以上を踏まえると現在の若者顧客の種類は、以下のようになった。

・ メディアで頻繁に特集を組まれ、出店数を増やしている今「自力で成城石井を見つけ出 した」と主張する成城石井オタクが 2 名。

・ 質問したいけど店員さんが馬鹿だから質問できないのだよ、というこだわり派天邪鬼が 2 名。

・ 品質にこだわりはないがなぜか来店してしまう興味津々派が 9 名。

・ 質問する必要がないこだわり派が 4 名。

・ 従順なファンが 1 名。

(なお人数は少なくとも○人はいるという意味である。)

3.2 新たなライバルを知る

さて、以上より成城石井ユーザーは従順なファンを除き、ロジャーズの「イノベーションの 普及」に書かれている“イノベーター”の性質を全てではないがそれぞれが部分的に持っている

*4。新たな情報を自ら収集するコスモポライトな人やとりあえず新しいものに興味を持つ人、回 りがいくら価格に走ろうと我関せず、品質を求める人だ。

そんな彼らに、成城石井以外にちょっとこだわったものを置いているな、と感じる店はどこか を自由に記入してもらった(資料 M)。

資料 M 成城石井以外にこだわり商品をおいていると思う店 (自由記入のまとめ)

1. KALDI 3 人

2. 明治屋 2 人・紀ノ国屋 2 人 3. DEAN & DELUCA 1人

4. PLAZA(旧・SONY PLAZA) 1人

明治屋と紀ノ国屋については、同じ高級スーパーマーケットで扱う食品の製品種類(生鮮、乳 製品、乾物、酒といった意味での種類)も同じであるし、以前から競合として周囲から認識され ているのはわかっていたが、KALDI と DEAN&DELUCA はスーパーではないし、PLAZA に至っては食

(16)

品よりも雑貨の方を多く揃える雑貨屋である。ちなみに PLAZA と答えた女性にはアンケートする 際なぜ PLAZA なのかを聞くチャンスがあったので聞いてみたところ、「自分用のお菓子にはソニ プラで買って、自分以外用のお菓子は成城石井で買うから」ということらしい。

それでは成城石井に似ていると思われている企業について最も多く票を得た KALDI について 類似点と相違点を提示し、成城石井は KALDI とどのような向き合い方をすればいいのかを考える。

3.2.1 KALDI COFFEE FARM(以下カルディ)

<企業ドメイン>

こだわりのオリジナル珈琲豆、輸入食材、ワインにチーズなど、世界中から集めた食材が所狭 しと並ぶ店内はまさに「路地裏の宝探し」 (株式会社キャメル珈琲ホームページより)

<類似点>

・輸入商品を多く扱っている。

・店内がとにかく狭い。

・PB は安いわけではない。

<相違点>

・土台は珈琲豆店

・成城石井以上にとにかく狭い店内。

・必ず入店すると店員が試飲用の珈琲を配る。それを飲みながら店内をまったりと見る。

・生鮮は置いていない。

・惣菜は置いていない。

・マスコットキャラクターがおり、それに因んだマグカップやノートを売っている。

・店内ミュージックは、お正月やクリスマスなどのシーズンソングがある時期以外は基本的に 南米を意識した軽快なラテン音楽(ボサノバやサンバなど)が流れている。(珈琲店だけあ って)

・入り口で珈琲の試飲を行っているだけあって、店の外まで珈琲のいい香りが常に漂っている。

・顧客層としては若い女性が多い。高齢者とくに男性の高齢者は滅多にいない。

・店内の印象としては成城石井に比べて“おしゃれ”“隠れ家的”な感じがする

このようにみてみると、相違点の方が圧倒的に多くあげられる。カルディの顧客に若い女 性が多いことと、今回の成城石井アンケートも若い女性が多かったことから、成城石井同様 こだわっていると思う店としてカルディが挙げられたのだろう。そして、圧倒的に成城石井 よりも若者(特に女性)ウケしそうな要素ばかりが相違点として挙げられることから、以下 のような結論に達した。

3.2.2 結論

「成城石井の若者顧客はカルディの顧客としても当てはまる。しかしカルディの若者顧客が 成城石井の若者顧客となることはあまりない。」

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さらにこの結論を裏づけるのが、「mixi コミュニティ」である。mixi コミュニティとは、あ る店や話題や有名人などについて、共感を持った人々が参加する mixi 上の集いのことである。

コミュニティのページに飛ぶと、“メンバーの参加コミュニティ”というものが閲覧でき、

さらに参加メンバーが、その閲覧場所に挙げられた他のコミュニティに一体どれだけ参加して いるのかがわかるのである。

まず「成城石井コミュニティ」ページに飛び、そこで“メンバーの参加コミュニティ”を見 る。すると、成城石井コミュニティに参加するメンバーたちは、同時に「カルディコミュニテ ィ」・「DEAN&DELUCA コミュニティ」・「ソニープラザコミュニティ」にも参加していることがわ かった。また、成城石井コミュニティメンバーは「カルディコミュニティ」にもっとも多く属 しており、2 番目に「DEAN&DELUCA コミュニティ」、5 番目に「ソニープラザコミュニティ」と いう結果であった。

一方、「カルディコミュニティ」ページに飛び、同様に“メンバー参加コミュニティ”を見 る。するとそこには悲しいことに「成城石井コミュニティ」は表示されないのである。また一 応「DEAN&DELUCA」から見た“メンバー参加コミュニティ”にも「ソニープラザコミュニティ」

から見た“メンバー参加コミュニティ”にも「成城石井コミュニティ」は表示されない。つま り、カルディや DEAN&DELUCA や PLAZA 利用者の中に、成城石井利用者は少ないということを意 味しているということだ。

3.3 まとめ

成城石井の若者顧客は変人である。そして成城石井の新たなライバルから若者顧客を招くこ とは少々難しい。ということは、今いる若者顧客をいかに引き止めるかが重要になってくるのだ が、そのためにまずは、従順な若者顧客が遠慮なく質問しやすいような環境を整えること。そし て店員を蔑むこだわり派天邪鬼の誤解を解くこと。この 2 点に注力すべきだ。間違っても、他社 の真似をしようとしてはいけない。なぜならばしつこいようだが、若者顧客は変人だからだ。そ れに、もしもカルディの真似をしようものならば、若者顧客だけでなくこれまでの大御所顧客ま でもが去っていくだろう。それゆえあくまでこっそりと、今までどおりの高齢者顧客と新たに加 わった変人若者顧客を丁寧に接客していくことが大事なのだ。

おわりに

今回の調査によって、成城石井がただの高級スーパーマーケットではないということがわかっ たと同時に、顧客もただの顧客ではないという恐ろしくも面白い事実を知ることができた。

今後の成城石井を微力ながらも左右する当事者として、愉快な顧客との対決を楽しみに待と うと思う。

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<注>

1)2010/08/02日本経済新聞:経営不振が続いていた明治屋の卸部門を切り離し、三菱商事と

明治屋の共同出資で2005年に設立したのが明治屋商事。その後も不採算取引やコスト削減に時 間を費やしながら経常赤字が続き、単独での生き残りは難しいと見られてきた。明治屋商事は1 0年3月期に経常黒字に転換。経営統合を検討する土壌がようやく整った。

2)W・チ ャ ン・キ ム 、レ ネ・モ ボ ル ニ ュ 『 ブ ル ー・オ ー シ ャ ン 戦 略 ― 競 争 の な い 世 界 を 創 造 す る ― 』 ラ ン ダ ム ハ ウ ス 講 談 社,2005

3)2010/11/15 号日経ビジネス 特集 コンビニ決戦

4)エベレット・ロジャーズ 『イノベーションの普及』翔泳社,2007:;pp232

<参考文献>

Albert O. Hirschman , ”Exit, Voice, and Loyalty” Harvard University Press,1970

エベレット・ロジャーズ 『イノベーションの普及』翔泳社,2007 ジェフリー・ムーア 『キャズム』翔泳社,2002

水元 均 『スーパーマーケットのブルーオーシャン戦略』商業界,2009

Referensi

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