1月7日 神戸市垂水区名谷町中山 転法輪寺 鬼追
真言寺、檀家のうち37~43才のもののうちから鬼がでる。3人、太郎、次郎、ばゝ 太郎、赤褌、鉞を持つ。
次郎、白褌、槌を持つ、角のある面。
ばゝ 青衣、面に眼穴なし、鉾を持つ。鬼の縫ぐるみは3人とも上から藤蔓でしばる。
子鬼 4人、藤蔓の皮でつくったシャグマを冠る。このシャグマには幣紙を垂らす。シャグマを冠って前方が見 えてはいけないという。樹皮つきの樫の棒を持って真直に床を打ちつゝ、2人交互に向合って踊る。
囃子 太鼓1人 貝2人
修正会読経のとき仏壇の前に鬼面3ヶを飾る。鬼になるものは本堂の右袖にある3方は壁で窓はなく、縁に続く1 方は木の扉で出来た真暗な部屋で、中央の炉に焚火をして、する。鬼部屋という。
まづ子鬼4人が出て踊る。
次に子鬼は退いて、太郎、次郎、ばゝの順に出る。太郎と、次郎とはそれぞれ左手に 1 本づゝ松明を持つ。太郎 と次郎とは堂内を一と巡りし、ついで、すれ違ってその位置を替り右側の縁から堂縁伝いに左側の縁へ回る。ばゝ は鉾を持ってその間堂内の中央仏壇の前に立っている。最後に左側縁から、裏溜りへ退く。この子鬼、3匹の鬼の交 替登場を1回として、全部で9回踊る。毎回とも、あまり暴れない。4回目にはばゝを始め太郎、次郎が仏前に飾っ てあったハナ(紙の造花を樒に紙縒で所々結んだもの)をとって、堂縁から下の参詣人に小枝を折って撒く。
第5、6、7回の3回は餅割をする。このときの鬼の出順は、
第5回目次郎、太郎、ばゝ。
第6回目太郎、次郎、ばゝ。
第7回目太郎、ばゝ、次郎。
の順であるが、堂内でその順で 3 匹が並び、中央にいるものが、自分の持物で仏前に供えてある鏡餅を打ち、左右 のものは松明で鏡餅を打つのである。3回やっているうちに鏡餅は松明の屑炭で黒くなってしまう。
第8回目は、第1回~第3回のときと同じ踊り
第9回目は逆の踊りといって、鬼は左側の毎回の出口から入って来て、逆の踊り方をして、鬼部屋へ帰って行く。
そのあとで改めて鬼が皆出て来て堂縁から餅まきをする。
松明は割竹を藤蔓で括って束にしたものであるが踊り 1 回ごとに堂縁で火を叩き消して、参詣人に配る。参詣人 はその割竹 2 本づゝを頒けて、お寺から頂く。牛王の御符を挟み、鬼からもらったハナをその先に結びつけ、くづ れないように藤蔓でしばる。
これを春まで家の内に収っておいて春苗代に立てる。