1月19日 神戸市東灘区本山町中野 中野八幡神社 厄神祭
中野八幡神社の厄神祭は、おとうの行事の 1 つになっている。保久良神社から神官がやって来て祭典をあげる。
が厄除のお札を配ったり、広前にとんどをするのは、おとうの行事となっている。保久良神社の神主さんに頼んで 西宮市津門から巫女を呼んで神楽をあげてもらう。その巫女に神楽の流派のことを聞いて見たがはっきりとした回 答は貰えなかった。毎年来ている。
本殿で祭典があった後広庭で湯立をした。
釜は 2 ヶ。据えられて早くから薪を焚いていたが、湯立の始まる前に火をとんどの方に移し、釜の下は少しばか りの置火にする。
巫女は白の舞衣、白袴で本殿から鈴を持って庭に出るが、その鈴は行事中、傍の薪木の上に置く。湯笹 2 束、手 桶、塩、神酒、杓等はおとうの世話人が運ぶ。
釜の蓋をとって傍に置く。
湯の中に塩を撒く。
次に神酒を注ぐ。
木串の御幣を採って、木串のもとの方を湯に入れて、掻廻す。
次に小さな手桶を採って、柄杓で湯を汲んで入れる。桶は 2 ヶ。それぞれ別の釜から汲む。この湯桶は直ちにと うにんによって神前に供えられる。
湯襷をする。白の紐襷である。
湯釜の縁に八の字に置いた 2 ヶの湯笹を持って、それぞれの湯釜の前で湯煙を戴くように両手の湯笹を合せると 一と舞し両手の湯笹の先を同時に湯釜に沈めると、湯を掬いあげるように左右同様にあげて左右に撒く振りをする。
これを数回繰返し、次に左右交互に湯に浸して強く湯笹をはね上る。
以上の所作を始め神前に向って右側の釜にて、次に左側の釜にて行い、後再び右釜より左釜へ3度繰返す。
当人が桶(バケツ)に汲んである水を柄杓にて右釜より左釜へ残っている湯にさし加える。後再び同じ動作を 3 度 繰返して了る。
参詣人はこの湯しぶきに掛ると息災であるというので近く輪になって、掛るのを待っている。
湯立の始まる前に、とんどの薪代であるというのでお賽銭を、当人が集めて廻る。
湯立に使った湯笹の葉は、頭にかざすと頭痛がせぬという。また持って帰って牛馬に喰はせると病気をせぬとい うが今は牛馬を飼っている人は中野に1人もいない。
当人の1人が手桶に入れた小餅をお下りですと配って廻る。
とんどにあたっていた老婆の話を聞くともなく聞いた所によると昔は中野八幡神社には旧暦8月15日に月見祭と いって、この広前で月見をした。そのときは、この悪い急な坂道を中野のだんじりが若衆によって上まで曳いて上 った。また境内で素人仁輪加をやった。