―1―
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―7―
―8―
―9―
―10―
―11―
―12―
―13―
問題番号 ︵配点︶ 設問 解答番号 正解
Ⅰ ︵ 75点︶ 問 1 1 ④
2 ①
3 ②
4 ④
5 ④
問 2 6 ⑤
7 ②
問 3 8 ②
問 4 9 ③
10 ②
問 5 11 ③
問 6 12 ①
問 7 13 ①
問 8 14 ⑤
問 9 15 ④
問 10 16 ④
Ⅱ ︵ 75点︶ 問 1 17 ②
18 ②
19 ③
20 ②
21 ②
問 2 22 ③
問 3 23 ①
24 ②
25 ④
問 4 26 ③
問 5 27 ③
問 6 28 ②
問 7 29 ③
問 8 30 ⑤
問 9 31 ④
問 10 32 ②
解答
Ⅰ
高橋久仁子﹃食べもの情報ウソ・ホント﹄︵講談社ブルーバックス︶からの出題です︒
﹁フードファディズム﹂という考え方を紹介し︑栄養学の見地から食べることと健康の関 わりについて述べています︒部分にとらわれず文章全体を読むことが大切です︒
問1︻漢字問題︼︵解答番号は1から5︶
本文中で使われた漢字を最初に示し以下①から⑤の漢字を示しておきます︒︵ ︶内 は正答率︵%︶を示します︒
1 硬貨 ①更迭 ②綱領 ③公序 ④生硬 ⑤荒涼 ︵ 17 %︶
2 微生物 ①軽微 ②語尾 ③備蓄 ④酸鼻 ⑤美酒 ︵ 79 %︶
3 損ねる ①尊大 ②損壊 ③寒村 ④存立 ⑤曾孫 ︵ 87 %︶
4 排斥 ①積年 ②昔日 ③接戦 ④斥候 ⑤折衝 ︵ 24 %︶
5 加担 ①坦懐 ②剛胆 ③端然 ④担保 ⑤淡︵端︶麗 ︵ 58 %︶
問2︻漢字の用法と熟語の成り立ちを問う問題︼︵解答番号は6・7︶
経口の﹁経﹂は﹁通る︒通過する﹂の意︑過剰の﹁過﹂は﹁程度をこえる﹂の意で用 いられています︒
問3︻ことばの意味を問う問題︼︵解答番号は8︶
﹁あおる﹂は﹁煽る﹂と書くことに思い至れば︑正解できるはずの問題です︒正答率 は6割程度でした︒
問4︻空欄補充 副詞の用法を問う問題︼︵解答番号は9・ 10 ︶
空欄ウは﹁万能薬のようにうわさし﹂︑空欄エは﹁超える﹂にかかる語を選べば正解 できます︒
問5︻空欄補充 文脈把握を試した問題︼︵解答番号は 11 ︶
本文八行目の﹁これとは別に︑体の外部から内部に強制的に物質を送り込む方法が注 射です﹂と対応しています︒傍線部だけでなく全体を丁寧に読むことが大切です︒
問6︻文脈把握と第一節の内容理解に関する問題︼︵解答番号は 12︶
傍線部の直後の一文︑﹁砂や硬貨など︑飲み込んだ異物も時間がたてば肛門から出て くることがそれを物語っています﹂がヒントになります︒さらに第一段落の内容をうけ て︑それをまとめていることに気付く必要があります︒③と誤答した受験生が大半でし た︒﹁消化吸収してしまった場合でも﹂の部分が誤りです︒筆者は﹁吸収しない仕組み がある﹂と述べています︒選択肢を丁寧に読むことが肝要です︒
問7︻文脈把握と第二節の内容理解に関する問題︼︵解答番号は 13︶
講評
傍線部Bの直前の一文を承けています︒正解は①ですが︑④と誤答した受験生が目立 ちました︒
問8︻全体的な文脈の把握問題︼︵解答番号は 14︶
最後の段落の﹁栄養は単独で〜忘れてはなりません﹂と対応していることに気付けば 正答できます︒設問の傍線部付近だけを見て解答せず︑文章全体を丁寧に読むことが必 要です︒正答率は 33%でした︒
問9︻空欄補充 第二節の内容理解に関する問題︼︵解答番号は 15 ︶
第二節では︑フードファディズム︵食べ物信仰︶の定義を示した後︑﹁場合によって は効果がないだけでなく体に悪い影響をおよぼす場合もある﹂と述べ︑その具体例をあ げています︒したがって正解は④﹁食べ物信仰の落とし穴﹂です︒この文章は栄養学の 見地から述べたものですが︑筆者は現在の風潮に批判的な立場にあることを考えれば︑
③﹁栄養﹂⑤﹁商売﹂⑥﹁機能﹂では表題として不十分です︒正答率は 36%でした︒
問 10︻筆者の定義を理解し︑文章全体の内容把握を併せて問う問題︼︵解答番号は 16︶
イ・ウ・エが本文でフードファディズムの例として紹介されているものにあたりま す︒落ち着いて選択肢を一つ一つ検討すれば︑正解にたどり着きます︒
Ⅱ
岡田英弘﹃歴史とはなにか﹄︵文春新書・平成二年刊︶のはじめの部分から出題しまし た︒約4000字ほどの分量です︒大学での勉学のためには︑この程度の長さのものは楽 に読めなければいけません︒長い文章をきちんと筋道を追って読むことが必要です︒カン で読むような勉強は役に立ちません︒
問1︻漢字問題︼︵解答番号は 17から 21︶
本文中で使われた漢字を最初に示し以下①から⑤の漢字を示しておきます︒︵ ︶内 は正答率︵%︶を示します︒
17
漠然 ①束縛 ②広漠 ③幕府 ④呪縛 ⑤起爆 ︵ 93 %︶
18
周期 ①収束 ②周縁 ③有終 ④監修 ⑤去就 ︵ 87 %︶
19
普遍 ①変哲 ②偏狭 ③遍在 ④片言 ⑤編年 ︵ 35 %︶
20
協定 ①恭順 ②妥協 ③胸襟 ④教条 ⑤競合 ︵ 40 %︶
21
高揚 ①中庸 ②揚力 ③容量 ④陽動 ⑤要害 ︵ 45 %︶
問2︻文脈上でのことばの意味を問う問題︼︵解答番号は 22︶
空欄補充のように見えますが︑意味問題の変形と考えるべきです︒﹁なぞらえる﹂と いう語の正しい意味をも問うています︒
問3︻文と文のつながりを考えさせる問題︼︵解答番号は 23から 25︶
基本的な接続詞の使い方の問題です︒Ⅰは同格︒Ⅲは逆接︒Ⅴは例示︒
問4︻筆者の意図を理解して内容把握ができているかどうかを問う問題︼︵解答番号は 26︶
少し前の文で︑筆者が﹁空間と時間が共通なところで起こった事件についても︑それ を語る人が︑どういう生涯を送ってきたかによって︑まったく違った認識を持つ﹂と 言っている部分に着目すべきです︒ここでは筆者は自分の﹁歴史についての見方﹂に反 する立場を取り上げているのですから︑同じ﹁認識﹂を持つことが大事であることに気 がつく必要があります︒一部分のみを見ては正解にたどり着きません︒ここはかなり難 問で︑正答率は 31%でした︒
問5︻前後の段落の内容を把握しているかを問う問題︼︵解答番号は 27︶
前段落の﹁目安がない﹂を﹁絶対﹂と読み取ることができれば正解にたどり着きま す︒空欄Ⅴの後の段落には﹁絶対的時間﹂も出てきます︒
問6︻段落の内容全体を把握して筆者の定義を理解しているか︼︵解答番号は 28︶
自分の思いこみや一般的な用法で勝手に﹁歴史﹂を定義してはいけません︒筆者は
﹁人間のいないところ﹂に歴史はないと言っています︒筆者の定義に従って解答する姿 勢が大切です︒正答率は 52%でした︒
問7︻前後の文脈把握と理解に関する問題︼︵解答番号は 29︶
この次の段落とのつながりを理解できているか︑そこでの筆者の説明がヒントです︒
問8︻全体の要旨を具体例と関連づけられるかを問う問題︼︵解答番号は 30︶
筆者は文化の中での﹁約束﹂ごととしての文明の意味を意図しています︒
問9・問 10︻全体的な文脈の把握問題︼︵解答番号は 31・ 32︶
たんなる空所補充ではありません︒部分にこだわってはいけません︒全体を良く読ん でください︒問9の正答率は 24%でした︒選択肢②﹁人間は歴史を創造してきた﹂③
﹁歴史は超越的視点から語られるべきだ﹂を選んだ受験生が大半でした︒本文8ページ の終わりから2行目で﹁一個人が直接体験できる範囲を超え﹂と括弧つきで強調してい ることから安易に﹁超越的視点﹂に結びつけたようです︒問 10についても同様の傾向が 指摘できます︒部分にとらわれて︑もっともらしい選択肢に飛びつくことがないよう注 意すべきです︒