English Track ~~ 多摩大学英語ホームゼミナールの目指すもの
多摩大学は「現代の志塾」というミッションの下、ゼミナールを核とする少人数教育に 力を入れ、社会での問題解決能力を身につけて、志を持って夢を実現する学生の輩出を目 指している。学生たちは、その志の実現のために、4年間のうちの3年間、プレゼミナール を含めれば大学生活全体を通して、という大きな比重で、ホームゼミナールで必要な素養 と能力を身に付けていく。
多摩大学経営情報学部に入学した学生にとって、経営や情報に関係する分野のゼミナー ルに参加することが自然な流れであろう。ゼミを中核に据える経営情報学部において、2年 生から卒業時まで、一つしか履修できないホームゼミナールで英語のゼミを選ぶ、という ことは言うなれば少々変わった選択である。その意味で、英語ホームゼミナールである
English Track は、特殊な位置づけを持ったゼミナールであると言うことができる。
学生の中には英語を学びたい意欲が強くあっても、その特殊性に不安や違和感を持つ者 も多いと思われる。彼らの立場からすれば、「英語を専攻しているわけでもないのに、数あ るゼミのなかからEnglish Trackを選び、3年間、しかもゼミで英語を学ぶ必要があるだろ うか。ホームゼミナールで専門科目を学び、英語を続けて学びたければ通常の英語科目を 取ったほうがいい。」ということになるであろうし、外部から見れば、「経営情報学部で、
英語のゼミというのは変な感じだ。いったいそこで何を学んできたのだろうか。」という印 象を受ける。
しかしながら、1年生の必修英語科目 English Expression 終了後、冒頭で書いた多摩 大学のミッション実現のため英語の勉強を卒業時まで続けたいと思う学生自体は少なから ずいるであろう。また、問題解決能力と志の実現に、英語力が果たす大きな役割と可能性 を考えるならば、経営情報学部独自の英語ゼミで英語力を磨くという、多摩大学ならでは の斬新的なコンセプトの科目設定がむしろあってもいいのではないかと思われる。ただし それは、経営や情報に関連のあるビジネス英語を学ぶ、というような凡庸な形に終わるべ きではなく、学生に対して「ビジネスの場での問題解決を図れ、将来の自らの志の実現に 深く関われるような、ゼミでなければ達成不可能な英語力を身に付ける」という新しい付 加価値を提供できるものでなければならない。
そのために、English Track は以下の考え方を元に設立運営されている。
① ビジネスの現場での問題解決、プロジェクト実行、目標達成のための能力(=現場力)
と英語力との相乗効果的な統合を重視する。
==どちらが主でどちらが副、ということではなく、両者を効果的に統合して学ぶこ とによって、一方が他方の理解を深め、一方が他方の力を増幅するような授業を
構築する。
② そのために、教員は、実務経験、言い換えればビジネスの場でのリアルな経験を持ち、
現場力を身に付けたビジネスパーソンと、英語教育を専門とする英語教員とがペア、
もしくはグループを作ってゼミを行う。
③ テキストの中の理論や解説だけを学ぶことに終わらず、教室で、英語を用いる種々の ビジネスの場面を再現して、その中で学生に問題解決を伴うプロジェクトを遂行させ ることによって、何かを実現するために英語を用いるということがどういうことであ るのかを教員学生一体となって体感する。
④
☆自分の考えを発信し相手の言うことを正しく理解する
☆人前で積極的に話すことにより自信をつける
☆魅力的な、ちょっと人を引き付けるスピーチをするための話題集めをする
ために、授業内で全員がかならず、教員が指定したトピックもしくは自由トピックで英語 スピーチを行う。
⑤ 授業時間以外に、学生が教員に自由に質問ができ、教員がより柔軟に学生のサポート ができる事前学習時間を設ける。通常のゼミの時間では、主としてビジネス現場を体 験する方にフォーカスをあて、事前学習時間では英語学習のフォローに力を入れて学 習の効率化を図る。