基礎物理演習 2 第 2 回 (2005 年 10 月 24 日 )
1
(1)この電場にさからって電荷qを点Aから点Bに移動させるのに必要な仕事を電 位差∆V で表すと
W =−q B
A
E·dr =q∆V
∴ ∆V =W/q= 100/0.2 = 500 (V).
(2) 仕事を計算すると W =−q
E·dr =−q(aEx+bEy+cEz) =−q(100 + 400−1000) = 500q (J).
2
(1) 対称性から電場はz成分だけをもつ。線素はRdφとかけるから、クーロンの 法則より
dEz = Rλdφ 4π0(R2 +z2)
√ z
R2+z2
∴ Ez = λRz 4π0(R2 +z2)
2π
0 dφ= λ
20 · Rz (R2+z2)3/2.
(2)対称性から電場はz成分だけを持つことが分かる。また、円板の面要素はdS =
rdφdrとかけるから、微小電荷によるポテンシャルは次式のようにかける。
dΦ = 1
4π0 · √σdS
r2+z2 = σ
4π0 · √rdrdφ r2 +z2
∴ Φ = σ 4π0
2π
0 dφ
a
0
√ rdr
r2+z2 = σ 20[√
r2+z2]a0
= σ
20[√
z2+a2−√
z2] = σ 20[√
z2+a2− |z|].
電場は以下のように求められる。
Ez =−∂Φ
∂z =
−2σ0
√ z
a2+z2 −1
(z >0のとき)
−2σ0
√ z
a2+z2 + 1
(z <0のとき)
1
3
(1) 半径r、長さ∆lのz軸方向に沿った微小円筒にガウスの法則を適用すればよ い。電荷分布の対称性から電場は円柱座標におけるr成分だけをもつ。従って
SE(r)dS =E(r)×2πr∆l, 1 0
V
ρdV = λ∆l 0
∴ E(r) = λ
2π0r.
(2)板電荷を挟んだ、断面積∆Sの微小円筒に対してガウスの法則を適用する。電 荷分布の対称性から電場はz成分だけであることがわかっているので、円筒の側 面部分の面積分は計算しなくてよい。したがって、
2∆SEz = ∆Sσ
0 ∴Ez = σ 20. 一方、問題[2](2)の結果においてa→ ∞とすると
Ez = lim
a→∞ = σ 20
z
|z| − √ z a2+z2
= σ 20 · z
|z|
∴ Ez =
2σ0 (z > 0のとき)
−2σ0 (z < 0のとき) (3) 問題(2)の結果と電場の重ね合わせの原理を用いる。
Ez =
−2σ0 +2σ0 = 0 (z > dのとき)
2σ0 +2σ0 = σ0 (0< z < dのとき) +2σ0 − 2σ0 = 0 (z <0のとき)
4 前回配布した問題の解答
(1) 原点を中心にして長さ2a、線密度λの線電荷がx軸上に置かれている。
(a) y軸上の電場を求めよ。
(略解)対称性から電場はy成分のみ。微小線電荷λdxによる電場はクーロンの法 則から次式のようにかける。
dEy = λdx
4π0 · y (x2+y2)3/2
x=ytanθの置き換えをおこなうとdx =y(1 + tan2θ)dθ =y/cos2θdθ,
2
(x2+y2)3/2 =y3(1 + tan2θ)3/2 =y3/cos3θとなる。図から Ey = λy
4π0
a
−a
dx
(x2+y2)3/2 = λ 4π0y
θA
−θA
cosθdθ
= λ
4π0y(sinθA−sin (−θA)) = λ
2π0ysinθA
∴ Ey = aλ 2π0y
a2+y2.
∵ sinθA= a a2+y2
(b) この線電荷が無限に長い場合(a→ ∞)、y軸上での電場を求めよ。
(略解)問題(a)の結果に対して、a → ∞を行うか、またはθA =π/2を代入すれ ばよい。結果は、次式のようになる。
Ey = λ 2π0y
(c) 裏面の図1のように2本の無限に長い線電荷を平行に並べて置いたとき、y軸 上の任意の電場を求めよ。
(略解)問題(b)の結果と、電場の重ね合わせの原理を用いる。
y= 0にある線電荷によるy軸上の電場: Eλ = λ 2π0y y=d上にある線電荷によるy軸上の電場: E−λ = −λ
2π0(y−d)
∴ Ey = 2πλ0
1
y − y−d1 .
(2) xy平面上に半径bの円板に半径aの穴を開けたドーナツ状の板電荷がある (b > a)。電荷の面密度をσとして、z軸上の電場を求めよ。
(略解)半径aの円板電荷による電場の式(問題[2](2)参照)と、電場の重ね合わせ の原理を用いる。
Ez =Eb−Ea= σz 20
√ 1
a2+z2 − √ 1 b2+z2
.
3