東北学院中学校・高等学校国際交流委員会「国際交流便り」 2012(平成24) 年10月号
B r i d g e s
【海外研修を終えて】
ホームページ等を通してお知らせし て参りましたが、第29回夏期海外研 修に参加してきた生徒が、無事帰国致 しました。
以下に、参加した生徒15名ひとり ひとりから聞いた感想を一部紹介致し ます。
学院のこの研修だからこそで きた経験がたくさんあった。素 敵なホストファミリーとの出 会い、現地の人たちとの交流を 通した色々な活動、現地の普通 の家庭の日常生活、普通は体験 することのできない教会キャ ンプ、新しい友達との出会い、
市街研修などどれも貴重な経 験で全て忘れることのできな い最高の思い出となった。
アメリカでは街で見ず知らず の人と挨拶をしたり、話したり することが普通に行われてい た。今の日本ではありえないこ とだがとても良い文化だと思 った。
海外研修へ行けてとてもよか ったと思う。ホストファミリー や彼らの知り合いと出会えた こと、感謝の気持ち、英語とい う異国語の難しさ、自分の行動 の責任の重さなど、たくさんの ことを多くの人から学ぶこと ができた。
英語力はもちろんだが、文化や 人の温かさなど言葉では言い 表せないくらい勉強になった。
それを通して感じたことはも っといろいろな国に行きたい ということだ。
自分から相手に積極的に話し かけることで相手とコミュニ ケーションをとることができ る。当たり前のことのようだが 難しかった。自分から動くのと 相手が動くのを待っていると では全然違う。自分から動くこ との大切さを学んだ。
アメリカの人の優しさを感じ ることができた。まだ英語を学 び始めて3年程度で大して話
せるわけでもないのに、積極的 に 話 し か け て き て く れ た り 色々な場所へ連れて行ってく れたりとコミュニケーション を図ってくれたので、緊張もす ぐにほぐれたし、とても親しみ やすいという印象を受けた。
ホストファミリーは僕を家族 のように受け入れてくれてた くさんのところに連れて行っ てくれた。それが一番の思い出 だった。
始めてホストファミリーに会 った時、とても優しく挨拶して くれて不安は吹き飛んだ。英会 話の授業も楽しかったし、バー ベキューランチやスポーツ交 流など、どれも楽しい思い出と なった。
自分が思っていたより英語が 通じ、話し合うことができた。
だが同時に聞き取る力と単語 力がないことがわかった。ホス トファミリーとの別れの日は とても悲しかった。たった10 日間だけだったがとても内容 が濃いホームステイだった。私 は、私のホストファミリーに出 会えて本当に良かった。今でも 手紙を送り合っている。これか らも関係を続けたい。
ほぼ同年齢の人達と、協力して がんばるゲームをしたりキャ ンプファイヤーでとても盛り 上がったりして、良い関係にな れてとても良かった。お別れの 時、たくさん子どもたちと写真 を撮り、バスが動き出す前から 手を振ってくれてとても感動 した。
様々な自然に触れ合ったこと でスケールの大きさと植物の すごさや川などの流れの速さ など日本では得ることのでき ない貴重な体験をさせてもら った。キャンプファイヤーでは 現地の子供達と触れ合うこと もでき、流れ星を見ることもで きた。
ポートランドはホームステイ
の場所とはまた違っていて、店 もたくさんありとにかく広か った。本屋が図書館の隣にあり 驚いた。日本の漫画があった。
レストランではおいしい料理 を食べたが、量が多くて大変だ った。
英語が通じなく大変だった時 はすごく悔しかった。英語をも っと勉強し、外国の人達と普通 にコミュニケーションが取れ るよう努力し、外国に関心をも っと持ち、外国の人々と積極的 に交流したいと思った。
語彙があれば多少文法がおか しくても会話できた。今後の目 標は「語彙を増やす」ことだ。
研修では本当に貴重な体験が できてとても感謝している。
自分はネイティブのように発 音しているつもりでも全く伝 わらなかったり、授業で扱うよ うな簡単な文法も、いざ話そう とすると緊張して話せなかっ たりということがあった。情け なく感じたが、もっと英語の学 習に努めようという気持ちが 高まった。
【留学体験記】
今年度、海外留学を経験し学院に 戻ってきた生徒が3名おります。
以下に、その体験記を載せます。
◎姫野(滉) 君(高校2年)
留学と聞いて自分には無縁なこ とだと思っていませんか。私はそん な人にこそ留学をして欲しいです。
語学・考え方・スポーツ、目的は何 であれ結果としてかけがえのない モノを得られるのは確かです。
私は1年間、カナダのケベック州 に留学していました。そこはフラン ス語圏なのですが、英語以外の外国 語なんてかじっていませんでした から初めの数カ月は苦労しました。
フランス語圏を選んだのは将来こ の言語を活用して職をやりたいか らです。私の場合は語学留学という
ことでしたが結果的に得たモノは それ以上でした。
初めから文化に慣れ何の苦もな く生活できるなんてことはありま せんでした。食生活はパン・パス タ・芋中心の「ザ・洋食」で毎日レ ストランにいるような気分で早く 慣れることができましたが、語学に 関しては慣れるのに4ヶ月、会話が できるようになるのに6ヶ月かか りました。それまでの期間は不安な 時もありました。
そんな時助けてくれたのが家族 と学校の友達です。彼らは自分の考 えを明確に持っていて、こちらが少 しでも話しかけると会話が止むこ とはありません。なのでわからない 事を聞くとわかるまでゆっくり説 明してくれますし、自分の意見を絶 えず言ってくるので聞いてるだけ でも十分語学力向上に繋がりまし た。困っている時、自分が少し行動 を起こせば周りも協力してくれま す。大事なのは行動力とそのための ほんの少しの勇気だということを 学びました。
留学といってもだれもが同じこ とを経験し同じものを得るわけで はありません。一人一人の留学があ り、それらは自分次第で大変良い経 験になります。悪い経験になりはし ないと私は思います。たとえ1年間 文化に慣れることができず苦の生 活だったとしてもそこから学べる こともあると思うからです。
少しでも留学しようか迷ってい るならば行くことをお勧めします。
得たものにより世界観が一転する かもしれません。
◎鈴木(敦) 君(高校2年)
僕は昨年の夏休みから一年間デ ンマークのヘルシンゲルで過ごし ていました。
留学当初は、言葉が通じない、友 人もいないなどそれまでの日本の 生活では考えられないような生活 が待っていました。幸いホストファ ミリーは日本に理解があり、ホーム シックになることはありませんで したし、学校、地域のスポーツチー ムや語学学校など課外活動を始め てからは拙い言語だった僕にも親 切に接してくれる友人ができたり と恵まれた一年だったように思い ます。
当たり前ですが、デンマークでの 生活は日本と全くといっていいほ ど違います。学校の授業はすべてパ ソコンを使い、毎週のように学校で パーティーがあり、毎日のように豚 肉を食べていました。他にもたくさ んの新しい体験をすることができ ました。
今、あらためて僕の一年間の留学 体験を思い返すと、辛い出来事が多 くを占めていたように思います。し かし決して辛いことだけではあり ません。日本を今までとは異なった 視点から見ることが出来る広い視 野、そして留学先以外の異文化への 関心、そして友人や新しい家族など 多くの大切なものを得ることがで きました。
留学に興味のある方、英語や留学 先の言語なんかは最初できなくて も全く構わないと思います。ただし 自分の意志を積極的に周りに伝え ることがとても大切です。
◎田中(風) 君(高校3年)
異国の地で生活したこの 10 カ月 は、何をしても中途半端な自分にや り遂げたという満足感と達成感を、
そして様々な体験は塞ぎ込みがち だった自分の世界に対する視野を 大きく広げてくれました。辛い時や 悩んだ時もありましたが、それらは 留学したからこそ学べたものだっ たと今確信をしています。
日本からアメリカへ。日本を発ち ロサンゼルスで飛行機を乗り換え る時、僕は時間を間違え国内線の飛 行機を逃がしてしまいました。深夜 のロサンゼルスの空港のロビーで 一人次の飛行機を待っている時、初 めて自分は何も知らない国に一人 で踏み入り、孤独だと思いました。
不安が高まり、来なければよかった、
帰りたい、とも正直思いました。
無事到着しましたが、次の日に面 談に来たカウンセラーJenie Lee さ んとも上手く自分の言いたいこと を英語にすることが出来ず、何度も What did you mean? Can you say that again? と繰り返され、すっか り自分の英語に対する自信を失っ てしまいました。ホストファミリー との会話も弾まず大変な思いをし ました。
以前アメリカへの留学生だった 父が僕に何度も言っていたのが“英
語は何かをきっかけに突然ぐんと 話せるようになる。そのきっかけを 見つけることが大切だ”ということ でした。
僕にとってそのきっかけが野球 でした。部活でチームに所属するこ とで必然的にチームメイトとコミ ュニケーションを取ったり、試合中 に声を掛け合ったりと、絶えず英語 を話す環境に入り浸ることが出来 ました。試合中の会話は、頭のなか で英語から日本語、日本語から英語 へと変換している暇などなく、常に 英語で物事を考える良い訓練にな りました。
英語をペラペラ喋れるようにな るには、語彙や英語の勉強ができる 能力ももちろん大切ですが、一番大 切なのは日本語を頭の中から排除 することだったと、僕は身を持って 体感しました。
僕がこの留学でこれだけたくさ んの経験が出来たのは、家族、ホス トファミリー、カウンセラー、友人、
そしてWYSすべてに恵まれてい たからだと思っています。
皆さんのおかげで僕は何一つ迷 うことなく、この留学を素晴らしい ものにして終えられたと思ってい ます。有難うございました。
(WYS教育交流日本協会HPより)
【第30回海外研修のご案内】
第30回海外研修の実施要領が まとまりました。詳細については、
本日の奨学会で配布されるプリン トをご覧ください。
初めての海外体験になる生徒・保 護者の方にとってはいろいろ心配 な点もあるかと思います。どうぞお 気兼ねなく、国際交流委員までお問 い合わせください。
【英会話教室予定】
10月22・29日、11月5・12日、
12月3・10・17日 (各月曜日)
・基本的に毎週月曜日に行っていま す(祝日や試験前を除く)。英会話 講師のケヴィン先生と国際交流委 員の先生が指導にあたります。なお、
海外研修に申し込みをした生徒は 毎週参加することになっています。