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Baierun shuritsu toshokan zo Genji kokagami kaidai honkoku

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Academic year: 2021

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(1)Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). バイエルン州立図書館蔵『源氏小かゝみ』解題・翻刻 辻, 英子(Tsuji, Eiko) 慶應義塾大学国文学研究室 2008 三田國文 No.47 (2008. 6) ,p.78- 99 図削除 Departmental Bulletin Paper http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koar a_id=AN00296083-20080600-0078.

(2) バイ エル ン州 立 図 書 館 蔵. ﹃源 氏 小 かゝ み ﹄ 解 題 ・翻 刻. 英 子. あ る 上 質 の 鳥 の 子 。 冊 毎 に ﹁源 氏 目 録 巻 之 一 ( 二 ・=丁 四 ・. 紙 と も に金 箔 胡 蝶 装 。 料 紙 の 詞 書 部 分 は 金 泥 秋 草 地 文 の下 絵 の. 辻 成 稿 に あ た って は 、 二 〇 〇 五 年 九 月 、 バ イ エ ル ン州 立 図 書 館. 五)﹂ と 記 す 。 第 一冊 は 三 十 六 丁 、 絵 八 図 、 第 二 冊 は 四 十 六 丁 、. ( Od錯 ①﹁ 一 ω 魯 Φ ω鼠 讐ω じU一 σ一 一 。9 簿 ) 所 蔵 ﹃源 氏 小 か ﹀み ﹄ ( 五冊) の閲 覧 の機 会 を 得 、 二 〇 〇 七 年 十 一月 十 日 付 け で 翻 刻 掲 載 許 可. 一図 、 第 五 冊 は 四 十 六 丁 、 十 図 か ら 成 る 。 ﹁ 桐 壺 ﹂ か ら ﹁夢 の. 十 二図、第 三 冊は 三十七 丁、十 三 図、第 四冊 は四十 七 丁、絵 十. 密 ・豪 華 、 各 々 画 面 の上 部 と 下 部 を 金 霞 で 覆 い、 金 箔 を 置 く 。. う き は し ﹂ ま で の各 巻 末 に 挿 絵 一図 を 置 き 、 全 五 十 四 図 は 細. ( ︼ )け bd﹁凶 σq葺 ① O邑 碧ゲ) を は じ め 、 ベ テ ィ ー ナ ・ワ グ ナ i 氏 芝 鋤αq昌Φ﹁初 期 印 刷 本 部 門 課 長) お よ び ∪﹁●≦d店. を い た だ く に あ た っ て 、 同 図 書 館 の ブ リ ギ ッ テ ・ゲ ラ ー ス 氏. ( Uづ bd曾江8. 貯 鋤ω、 一 } '勾8 簿 ① ○ っ辞8 冨 ﹃ uu鋤げす、 ∪﹃・oり辞 甲. 全 五 冊 は薄 黄 の絹布 に包 み、黒 塗 り の木 箱 ( 縦 二 五 ・七 ×横 一. ひqp。口ひq-<巴Φ耳 冒. 9 鋤巳Φ 固 ωoび臼 、 Nプ磐 ひq 因g×三 氏 に 大 変 お 世 話 に な った 。 ま. 九 ・二糎 )入 り 、 蓋 中 央 に ﹁源 氏 小 鏡 ﹂ と 金 泥 で 記 す 。. あ ふ. 花 の. る 。 句 読 点 は な い。 第 一冊 は表 紙 見 返 し に続 く 一丁 表 に ﹁源 氏. 改行。 本文 中 の漢字 にはまま振 仮名 を傍 記し、 時 に濁点 も加 え. 本 文 は 一筆 、 一面 十 行 、 一行 一六 ∼ 二 〇 字 、 和 歌 は 二 字 下 げ. た 、 大 英 図 書 館 日 本 部 長 ヘイ ミ ッ シ ュ ・ト ッ ド 氏 ( 出帥巳 ωげ 日。& )、 宮 内 庁 書 陵 部 お よ び 早 稲 田 大 学 図 書 館 に は 関 連 図 書 の. 形 態 ・書 誌. 熟 覧 の機 会 を 得 た 。 こ こ に記 し て 厚 く お 礼 を 申 し あ げ る 。 一. ﹁五. 桐 つほ﹂ から. ﹁六. ( 各 冊同 様 ) と し 、 コ. 目録 巻 之 =. ひ ﹂ に 始 ま り ﹁十 四. う す 雲 ﹂ で終 わ る 。 巻 之 二 の 見 返 し に続. く 一丁 ( 表 ・裏 ) に 錯 簡 が あ る 。 一丁 裏 の 左 端 に表 紙 の 折 返 し. え ん﹂ ま でを記 す。第 二冊 ( 巻 之 二) は こ れ に 続 く. の冊 子 五 冊 。 所 蔵 番 号. 共 布 が 数 ミ リ は み出 て お り 、 す ぐ 後 に ﹁源 氏 目 録 巻 之 二﹂ と あ. OOα・﹄碧 ﹂ ら。 各 冊 と も 表 紙 は 、 濃 紺. 布 地 に標 、 金 、 緑 、 茶 色 で唐 草 に 幾 何 学 紋 様 の綾 。 表 紙 左 肩 に. る こ と か ら 、 こ れ は 装 丁 の際 に 生 じ た 綴 違 い と 見 ら れ る 。 第 三. 本 書 は 、 江 戸 時 代 の写 。 縦 二 一 二 ・四 ×横 一六 ・八 糎 。 綴 葉 装. 一 ( 二 ・三 ・四 ・五 ) ﹂ と あ る 。 見 返 し ・軸 付. ﹁源 氏 小 か ﹀ み. 繧 地 に金 泥 で霞 を引 く紙 題 籏 ( 縦 一六 ・八 ×横 三 ・二 糎 ) 、各々. 一78一.

(3) ( 巻 之 三 ) 冒 頭 は ﹁十 六. 藤 のう ら 葉 ﹂. 宇治. わ か な 上下﹂ か ら ﹁ 升 七. 乙 女 ﹂ か ら ﹁十 九. ま で、第 四 冊 ( 巻 之 四) は ﹁二 十. 冊. に ほ ふ 宮 かほる中将とも﹂ ま で 、 第 五 冊 ﹁源 氏 目 録 巻 之 五. 橋 姫 うはそく共いふ﹂ か ら ﹁十 夢 のう き は し 法の師と. もいふ﹂ ま で と な っ て い る 。 ﹃源 氏 小 鏡 ﹄ は 、 上 ・中 ・下 三 冊. 帖 ﹂ は 、 ﹁一. 夢. にほ. 桐 つ ほ ﹂ か ら ﹁十 四. 上下﹂ か ら ﹁升 七. 橋 姫 うはそく共いふ﹂ か ら ﹁十. わかな. で、 各 巻 頭 に 目 録 が あ り 、 上 巻 は ﹁一 う す 雲 ﹂ ま で 、 中 は ﹁十 五. 夢 の う き は し 法の. ふ 宮 かほる中将とも﹂、 下 は コ. 橋 姫 うはそく共いふ﹂ か ら ﹁十. 十 帖﹂ は コ. 館 蔵 本 ﹃源 氏 小 鏡 ﹄ と が 同 系 で あ る こ と に つ いて の 詳 細 は 、 こ. 先 にあ げ た 宮 内 庁 書 陵 部 蔵 本 ﹃小 か ﹀み ﹄ と 早 稲 田 大 学 図 書. 多 少 のず れ も あ る が 、 こ こ で は 触 れ な い。. の う き は し 法の師ともいふ﹂ ま で と な っ て い る 。 た だ し 本 文 に は. 師共いふ﹂ ま で と な って い る。 掲 出 に あ た って は 、 原 本 ど お り に. 奥 書 は な い。 付 帯 文 書 の 包 み 紙 に 、 ﹁ 源 氏 校合 奥 書筆 者 覚 ﹂. 写 した。. と あ り 、 内 書 に、. こ に は 省 略 す る 。 両 書 と も 絵 は な い。 一特 徴 と し て 、 三 書 と も. 一部. 校 合奥書. 源氏. る 。 た だ し 本 文 に は 各 々 校 合 が 可 能 な 範 囲 の出 入 り が あ る 。 バ. 歌 数 は = 二一 二首 、 いず れ も 同 歌 ・同 配 列 で あ る こ と が 挙 げ ら れ. ]( 損傷 ). 中 院内 大臣 通茂. イ エ ル ン 州 立 図 書 館 蔵 本 は 両 者 の混 態 を な し て お り 、 いず れ も. [. 直 接 の書 承 関 係 は な い と 考 え ら れ る 。 早 稲 田大 学 図 書 館 本 に は. 衛 字 ・錯 簡 が 多 い。 バ イ エ ル ン 州 立 図 書 館 本 の 本 文 は 早 稲 田 大. と あ る 。 右 の 二 つ は、 同 筆 。 損 傷 部 分 は 縦 五 ・五 ×横 ○ ・七. であ る 可 能 性 は低 く 、 購 入 時 に 別 書 の書 付 が 混 入 し た蓋 然 性 が. 糎 。 こ の校 合 者 名 は ﹃源 氏 小 か ﹀ み ﹄ 本 文 付 け 傍 注 ル ビ の筆 者. ﹃ 源 氏 小 鏡 ﹄ は 、 誤 脱 の 少 な い善 本. ﹃源 氏 小 か ・み﹂ の価 値 バイ エルン州立 図書館 本. 三. 学 図 書 館 本 本 文 に 傍 記 す る ﹁イ 本 ﹂ に近 い と考 え ら れ る 。. ﹃源 氏 小 か } み ﹂ の 類 本. 高 いとみら れる。 二. ( 改 訂本 系) に 属. と 見 ら れ る 。 書 写 年 代 に つ い て は 後 考 を 期 し た い。 ま た 、 宮 内. 本 書 は 、 伊 井 春 樹 氏 分 類 に よ る 第 二系 統 本. す る 。 な か で も 、 歌 数 ・本 文 ・蹟 文 を 同 じ く す る 点 で 、 伊 井 氏. 江戸初. 庁 書 陵 部 に は 藤 原 長 親 写 と さ れ る ﹃小 か ﹀み ﹄ の ほ か に、 同 人. ﹃ 源 氏小 鏡﹄ ( 鷹 麟 ①)前 鉄 、 室 町 末 期 写 は、 歌 の配. 置 に異 同 が あ る 。 そ の他 に絵 入 版 本 と し て は ﹃ 源 氏 小鏡 ﹄ ( ・。①①. る。同 じく. 期 写 、 が あ る 。 後 書 は 寄 合 語 を 有 す る も の の語 彙 は 大 き く 異 な. 写 と さ れ る ﹃け ん し の ち う 小 か ﹀ み ﹄ ( 一竃 山 8 ) 一冊. ﹃ 小 か ﹀み ﹄. 分類 同系統本 第 二類 に数 えら れる宮 内庁 書陵 部蔵. 桐 つほ せんさ. 早稲 田大学 図書 館 上﹄ は 、 =. およ び 同 系 統 第 三 類 、 伝 知 恩 院 良 純 親 王 筆 蔵 ﹃源 氏 小 鏡 ﹄ に 近 い。 ﹃ 小 か ﹀み. あ さ か ほ ﹂ ま で 、 巻 中 は 、 ﹁十 六 に ほ ふ 宮 かほる中将とも﹂ ま で、 ﹁巻 下 宇 治 十. い共 いふ へし﹂ か ら ﹁十 五 乙 女 ﹂ か ら ﹁升 七. 一79一.

(4) ωω。。) 明 暦 三 年 版. 三 冊 が あ る。 無 刊 記 の 絵 入 版 本 は 他 所 に も. => 2∪ωO=力田 ↓国Z. dZU. あ り、 これ ら との関係 も考 察 する必要 があ る。 こ こには続 いて. . . 一︾勺> Z一ωO=国. 巻 一の 翻 刻 を 掲 載 す る 。. (1 ) 国く鋤 囚菊﹀閃↓. 注. 目勾>U一 目一〇2国いい国 U勾dO囚国 >dQD U団幻 N国H↓ <○幻 一〇 Q①Q。. 、一Z ζ d ZO頃国2 閃﹁き NQ っ8冒Φ﹁<①二餌ひ q≦ 、 一 Φωσ①a 9 Ω≦じd= Qoε#ひ q費 二 ㊤。。① 四 三 頁 に ﹁旨 。。○国Z旨 囚○囚﹀○﹀ζ 一源 氏 小 鏡 ﹂ と し て 書 誌 を 載 せ 、末 尾 に 、 ﹁( ヰΦ§ 窪 oゴΦ 竃 律 ①=¢コひ q ︿oコ ζ 囚。。β ひq三 ) と 記 す。 (2 ) 中 院 通 茂 (一六 三 一- 一七 一〇 ) は江 戸 中 期 の公 家 、 歌 人 。 村 上. (一六 五 三) 四月 父 通純 の 死 に. (一六 三 一) 誕 生 。 慶 安 元 年 (一. 源氏 、 久 我 通 親 五 男 通 方 を 祖 とす る。 権 大 納 言 中 院 通 純 の 男 。 母 は 権 大 納 言 高 倉 永 慶 の女 。 寛 永 八年 六 四 八 ) 正 四 位 下 に叙 し 、 承 応 二年. よ り 家 督 を 相 続 し た 。 また 通 茂 は祖 父 通 村 お よび 父 通 純 か ら 和 歌 を 受 け 継 ぎ 、 そ の死 後 は後 水 尾 上 皇 よ り歌 学 を 学 び 、 寛 永 四年 五 月 上 皇 よ り 古 今 伝 授 を 受 け 、 長 く 宮 廷 歌 壇 の中 心 とな って活 躍 し た 。 宝 永 七 年 三 月 二十 一日 没 。 八十 歳 。 法 号 を 渓 雲 院 と い い、 京都 北 之 辺 (一五 五 六 - 一六 一. 町 の盧 山 寺 に葬 る。 な お 日 記 に ﹃中 院 通 茂 卿 記 ﹄、 歌 集 に ﹃老 塊 和 歌集 ﹄ が あ る 。 内 大 臣 従 一位 。 な お曽 祖 父 通 勝. 〇 ) が 室 町 末 期 に ま と めた ﹃源 氏 物 語 ﹄ の諸 注 釈 書 の大 成 ﹃眠 江 入 楚﹄ ( 慶 長 三 年 △ 五 九 八 ﹀ 成 立 ) が あ る (﹃国 史 大 辞 典 ﹄ ﹃公 卿 諸. つむ 花. 上 ﹂ の奥 書 に ﹁右 之 端 十 六 行 者. 四辻中将季賢朝 臣自筆/. 書 い て い る。 間 接 的 な 事 な が ら 、 石 山 寺 蔵 ﹃源 氏 物 語 絵 巻 ﹄ ﹁す ゑ. 平 成 十 一年. 二 一三 頁 、 二 六 七 頁 ) と み え る 季 賢 は、 ﹃源. 書 継 縣 主 西 池 杢 助 季 通 筆 ﹂ (拙 著 ﹃在 外 日本 絵 巻 の研 究 と 資 料 ﹄ 笠 間 書院. り 注 目 さ れ る 。 大 英 図 書 館 蔵 ﹃源 氏 物 語 詞 ﹄ の詞 書 は親 王 、 公 卿 等. 氏 物 語 詞 ﹄ ﹁す ﹀む し﹂ の段 に ﹁四辻 中 納 言 季 賢 卿 ﹂ (38 オ ) 筆 と あ. 五 十 四人 の筆 に成 り、 一七 世 紀 初 頭 か ら 中 頃 に か け て の ﹃源 氏 物. (一五 九 九 ∼ 一六 七 〇 )、 署 名 も 朱 印 も あ る。 如 慶 に は 他 に. 語 ﹄ 享 受 を め ぐ る 華 麗 な 文 化 を 余 す と ころ な く 伝 え て いる 。 絵 は 住 吉 如慶. 平成九年. 三 四 一頁 ) の作 品 も 伝 え る 。 こ のよ. ﹃源 氏 物 語 扇 面 画 帖 ﹄ (中 野 幸 一 ﹃源 氏 物 語 の享 受 資 料 - 資 料 と 発. う にみ て く る と 、 石 山 寺 お よ び ス ペ ンサ ー ・コ レク シ ョ ン に残 さ れ. 掘 1﹄武蔵野書院. て いる ﹃源 氏 物 語 ﹄ の原 像 は 複 数 の 手 にな る 寄 合 書 であ った 可 能 性. も考 え ら れ る 。 そ し て ﹃源 氏 物 語 詞 ﹄ お よ び そ の筆 者 の多 く を 共 有. す る松 井 文 庫 蔵 ﹃小 倉 山 荘 色 紙 和 寄 ﹄ 等 に つ い ては 、 近 著 にそ の詳. ﹃源 氏 物 語 詞 ﹄ 縦 二 三 ・三 ×横 二 〇 糎 の折 帖 仕 立 。 表 紙 は紺 地 に. 細 を報 告 す る が 、 以 下 に書 誌 の概 要 を 記 す 。. の縁 取 り を 施 す 中 央 題 籏 (縦 一七 ・五 ×横 五 ・○ 糎 ) に ﹁源 氏 物 語. 花 柄 の 金 欄 、 四 隅 を 胴 の透 か し 彫 の金 具 で止 め 、 褐 色 地 に 白 で 二重. で あ る 。 台 紙 は 厚 手 の鳥 の子 で 、 見 開 き の右 色 紙 に物 語 の 文 章 を 、. 詞 ﹂ と 記 す 。 見 返 し は 金 紙 に 銀 霞 を 引 き 、 金 銀 箔 を 置 く華 麗 な 装 了. 左 に そ れ に対 応 す る 画 を 貼 る 。 各 面 の詞 書 右 肩 に筆 者 名 を 記 す 萌 黄. て色 紙 様 の詞 書 料 紙 を 貼 る こ と か ら 、 熟 慮 し 編 纂 さ れ た も のと 推 定. 色 の 付 箋 は 、 全 一筆 で 五 十 四 名 の筆 者 名 を 記 す 。 付 箋 左 端 上 に重 ね. さ れ る 。 胴 金 具 を 四 隅 に打 つな ど 、 先 に挙 げ た 中 野 幸 一氏 の発 掘 資. 料 住 吉 如 慶 画 ﹃源 氏 物 語 扇 面 画 帖 ﹄ の実 物 は 未 見 であ る が 、 装 丁 は. 近 似 す る も の の よ う で、 同 じ 工 房 の製 作 によ る も の と推 定 さ れ る。. 平 成九年)が. 一六 頁 。. (一五 八 八 - 一六 五 三 ) も後 水 尾 天 皇 に ﹃源 氏. 武 蔵 野書 院. 家 系 図 ﹄)。 そ の 他 、 中 院 通 勝 筆 ﹃源 氏 物 語 絵 詞﹄ ( 中 野 幸 一 ﹃源 氏 あ り 、 通 勝 の男 通 村. 物 語 の享 受 資 料 ー 調 査 と発 掘 1 ﹄ 所 収. ( 中 ・下 ) 三 冊 。. 褐 色 地 に 金 泥 で小 花 を 描 く 中 央 題 簸. 谷 一8 。縦 二 四 ・三 ×横 一. 東京大学国語国文学会. (3 ) ﹁源 氏 小 鏡 伝 本 考 - 古 本 系 か ら 改訂 本 系 へー ﹂ ﹃国 語 と 国 文 学 ﹄ 昭. 七 ・三 上. (4 ) 第 二 系 統 本 第 二 類 に属 す。 書 函 番 号. 和 四十二年九月号. 古典 文 ①お ・罐 ω 平 成 十 二年 ) もあ る。. 物 語 ﹄ を 進 講 し た 。 ﹃中 院 通 村 詠 草 ﹄ 上 下 等 (高 梨 素 子 編 庫. な お 、 大 英 図 書 館 蔵 ﹃源 氏 物 語 詞 ﹄ (○刃﹂ 卜。。 。刈勺.即 くoコω一 ①σo一 α 旧 蔵 ) に、 中 院 大 納 言 道 茂 卿 は ﹁玉 か つら ﹂ (2 ー オ) の 段 の詞 書 を. :1.

(5) ( 縦 = 二 ・五 ×三 ・ 一) に、 ﹁小 か ン み﹂ と 記 す 。 薄 桃 色 の 付 箋 に (? ー 一四 二 九 )南 北朝 ・室 町 時 代 前 期 の 公 卿 、 歌 人 。 贈 太 政 大 臣. ﹁源氏 小鏡 隣 雲 散 人 明 魏 の筆 に な れ り ﹂ と 記 す 。 俗 名 、 花 山 院 長 親. ( 北 朝 永 和 元 、 = 二七. 師 賢 の孫 、内 大 臣家 賢 の 子 。 父祖 の 志 を つ い で南 朝 にあ って、 後 村 (北朝 永 徳 元 、 = 二八 一) に右 近 衛 大 将. 上 ・長 慶 ・後 亀 山 三 天 皇 に勤 仕 。 天 授 元 年 ( 北 朝 康 応 元 、 = 二八 九 ) に内 大 臣 に任 ぜ ら れ. 五 ) に左 衛 門 督 、 弘和 元年 と あ り、 元 中 六 年 た 。南 北 両朝 の 合 一の 行 わ れ た 明 徳 三 年 (= 二九 二) ご ろ出 家 し 、 禅宗 法 燈 派 に 帰 依 し 、 孤 峯 覚 明 の弟 子 の聖 徒 明 麟 に つ い て、 子晋 明 魏 と称 し 、 ま た 耕 雲 と 号 し た 。 こ と に国 文 学 ・歌 道 の学 芸 に よ って. へ. 冨 \・。自 ㎝\マω) 三 冊 で 、 ( 上 ・中 ・下 ). (一四 二九 ) 七 月 十 日 八 十 余 歳 を も って 病 没 し た 。. 室 町将 軍 足利 義 持 に 厚 遇 さ れ て 安 穏 な 後 半 生 を 京 都 に送 り、 永 享 元 年. は 、 ﹁下 ﹂ の末 尾 に ﹁伝 知 恩 院 良 純 親 王 筆 ﹂ と 記 す 付 箋 が あ る。 本. (5) ﹃源 氏 小 鏡 ﹄ (函 号. (一六 〇 三 -. 書 は、 伊 井 春 樹 氏 の 分 類 に よ る と 、 第 二 系 統 本 (改 訂 本 系 ) の第 三 類 に 当 た る。 ﹃国 史 大 辞 典 ﹄ に よ る と 、 良 純 入 道 親 王. 六 九) は江 戸 時 代 前 期 の皇 族 。 知 恩 院 初 代 の門 跡 。 俗 諄 直 輔 。 幼 称 八宮 。 後 陽 成 天皇 の第 八皇 子 と し て慶 長 八 年 (一六 〇 三 ) 十 二月 十 七 日誕 生 。 母 は権 大 納 言 庭 田 重 具 の 女 典 侍 具 子 。 同 十 二年 知 恩 院 初. り、 つい で元 和 元年. (一六 一五 ) 六 月 徳 川 家 康 の猶 子 とな り 、 同 五. 代 門 跡 に治 定 さ れ、 同 年 十 一月 入 室 、 同 十 九 年 十 二月 親 王 宣 下 が あ. (一六 四 三 ) 十 一月 十 一甲 斐 国 天 目 山 に 配 流 さ. 年 九 月 十 七 日 知 恩院 の満 誉 尊 照 を 戒 師 と し て 得 度 し た 。 法 譲 良 純 。 こ の後 寛 永 二十 年. れ、 つい で甲 府 近 郊 の 興 因寺 そ の 他 で 蟄 居 の生 活 を 送 った 。 和泉書 院. 二〇〇 五 年. 健 氏 が提 示 さ れ た第 二系 統 (改 訂 本 系 ) 神 戸 親 和 女 子大 学. 本 ( 無 刊 記 整 版 ) (﹃源 氏 小 鏡 ﹄ 諸 本 集 成. (6 ) 岩 坪. 二 一三∼ 二 八 八 頁 ) の 歌 は 同 配 列 で あ る が 、 歌 数 は全 = 二七 首 で 、 次 の 四首 が加 わ る 。. ( 桐壺 ). 3あ ら き風 ふ せ き し か け のか れ し よ り こは き かう へそ し つ心 な き 21う き身 よ に や か て き え な は た つね ても く さ の はら を は と は し と. 一. や おも ふ ( 花宴) 30 いせしまや しほひのかたにあ さりても いふかひなき はわか身な. ら にて. ( 須磨 ). りけり ( 須磨 ) 31うきめ かるいせを のあ まをおもひやれもしほたる てふすま のう. (岩 坪 氏 は. ・此 かた ﹀か へには へ付 へし ( 9裏) ( ﹁つけ へき 事﹂第 一系 統. な お、 バイ エルン州立図書館本、宮内庁書 陵部、神戸親和 女子大 学本 には、他書 にはなく共通 する語 に次掲 の例があ る。. におはし まし てよ のえけ. 京都大学本、 ﹁ 方違あり﹂宮内庁書陵部本等 ) ・御 心 れ いな ら す さ ま く. (23表 ). ﹁稜 気 力 ﹂ と 傍 注 す る 。 他 書 に は 、 ﹁さ は き﹂ ト ア ル) に て. バ イ エル ン州 立 図書 館 蔵 ﹁源 氏 小 か ・ み ﹂ 詞書 源氏目 録巻 之 一. も みち の賀. 若む らさ き. 井 夕 かほ 井 す ゑ つむ花. 井う つせみ. せん さ い共 いふ へし 三. は ﹀き木. 桐 つほ. 四. 花 のえん. 二. 五. ーオ. ( 遊 び紙 ) ー ウ. 一81一.

(6) あ つし く なやまし事いき も た え つ ﹀苦 し き 事. ゐのちよくし 御心さしなり さ て大内 を出給 ひし おり御門 御な ごり おし ま. お た き の さ ほ う 加猟甜㈱燥嚇敏貿か き り の つ か ひ 旺施う. せ給 ひてさ まく. 一 桐壷. の名 な り し け い し や と申 は桐 つほ の事 也. 3オ. いかまほ しき は いのち なりけ り. か きり とて わか る ンみち のかなし き に. 是 は か う ゐ の か き り の寄 そ か し 御 心 の ま ︾. か う ゐ 一の人 な ん と の 御 む す め に て は な し. な ら は き さ き のく ら ゐ に も な さ ま し と お. 又 よ のそしり を おほし てう せて のち さ. ほ し め し た り し か と か た への そ ね み と も. へま い り 給 ひ し そ か し 御 門 こ と の外 に と. 父 は 大 納 言 に て失 に し ひ と の 子 な り 御 か た. 桐 つほ と い ふ 巻 の 事 大 内 の う ち に 有 御 殿. 此 き り つほ に 光 け ん し の御 母 さ ふ ら は せ 給 ふ. に し て 物 も 申 や ら さ り し か寄 に. の こ と の た ま へと も た え く. さ て こ そ き り つほ の か う ゐ と 申 け れ 此. 2オ. ち名 た か き 聞 え あ り て御 宮 つ か へに内. き め か せ 給 へは か た へ の女 御 か う ゐ み や す 所. かう ゐ の 母 も お な し く 内 に さ ふら は せ. な り か く て秋 に も な り ぬ か の う せ にし. う の 所 へち よ く し を た て ﹀三 位 の く ら. や す か ら す あ さ 夕 み や つ か へに 付 て も. 給 し か 若 宮 御 い み の ほ と な れ は つれ た て. かみや ひと ﹀ころ いてき させ給 ふ おなし. そ ね み給 ふ さ る 程 に此 か う ゐ の御 腹 に わ. 人 の心 を の み う こ か し 恨 を お ふ つも り. ま つり て さ と に す み 給 ふ 風 の わ き た ち て. ゐを を く ら せ 給 ふ か き り の御 つ か ひ こ れ. に や 有 け ん 此 宮 三 に な り 給 ふ 夏 の比. 3ウ. 御 母 かう ゐかく れ給 ふや まひ かきり なれ は. へゆ け い の み や う ふ と い ふ 女 房 を 御 つか ひ. 物 あ は れ な る 夕 く れ に内 よ り か の 御 さ と. 露 を きそ ふる. 雲 の 上 人 倣納硫焙. や へむ く ら. 浅 ち ふのや と. す ﹀む し. み や き の ︾小 萩. 虫 のねし けき. と に も つく へし そ の ほ と の こ と は に. に つか は せ 給 ふ な き 人 の あ と な れ は ふ る さ. 大内 のう ち にて人 のかく れ給 ふ事な きな. ほとそ れよ り下 らう のかう ゐ たちま て. 2ウ. れ は 御 い と ま 申 て さ と へ出 さ せ 給 ふ せ め て御 心 さ し の せ つな れ は て く る ま の せ ん し を 給 は り て 出 給 ふ此 車 い み し き く は. るさ れさ りしを あま りな る御 心さ しな. し よ く の 事 な れ は お ほ ろ け の人 に は ゆ. りそ の折 の ことは. 一82一.

(7) こ れ ら は か う ゐ の さ と に て の事 な れ は な き 人 の や と な と い ふ 事 あ ら は つけ さ せ 給 ふ へ. 4オ 躬跡縁御備動. あ け ま さ り 榔甑乱のしやうを. さ の末 械か鰍旅蝋館禰似囎嬉疑鵬んし付給ふ. け ん し の き み十 二 に てけ ん ふ く 其 日 み. な も と の氏 を 給 は り て た ﹀人 と な り 給 ひ い は. いれ の 大 臣 の む す め に み か と は か ら ひ に て あ. ゆ るひ かるけ んし 是な りか のけ んふく の日 ひき. み や の御 こ と を よ み 給 ひ候 御 寄. し 御 門 よ り の 御 ふ み に かう ゐ の 母 の も と へ若. み や き の ﹀露 ふ き む す ふ 風 のを と に. は せ た て ま つり や か て そ の夜 か の 大 臣 の. ごはき かも とを おも ひ こそやれ と よ み 給 ひ し な り 籾 こ の御 つ か ひ 帰 り け. も と へお は し ま す こ れ を あ ふ ひ の 上 と は つ. く 物 を と り いた し つ か ひ た り し. も と ゆ い の こ き む ら さ き と いふ 事 は 宮 な と. 見. る を く り 物 に かう ゐ の 残 し を か れ た る て うと. そ れ に よ せ た る 事 な り 又 あ ふ ひ の 上 の父. ら く み に て も と ゆ いを と る 事. の 御 け ん ふ く の お り こ む ら さ き と い ふ糸 の ひ 4ウ. な りかう ゐ の母あ ら き風 ふせ きし かけ の か れ し よ り こ は き か う へそ し つ心 な き 人 な と つく へし か の か う ゐ の人 に そ ね ま. に つく へし 又 此 巻 に か ﹀や く 日 の宮 と 申 人 は. る こ れ ら は か う ふ り は つも と ゆ い な と いふ 事. お や な と い ふ事 侍 る そ の 心 に や と お ほ え た. し 給 に こ と ふ ゑ の ね に も 雲 井 を ひ ﹀か. 藤 つほ の き さ き の 事 な り け ん し の ま ﹀. 大 臣 ひ き いれ に 参 り 給 ふ ふ け な ん と に ゑ ほ し. す な に 事 にも 人 に は こ と な り そ の 比. れ て う せ し 人 な れ は そ の こ ﹀ う ね も 有 へし. かう ら いより は かせわ たり た るに此宮 を. れ て の ち 御 門 お ほ し め し な け か せ給 ひ. 母 な り この后 はけ んし の御 は ﹀かう ゐかく. 源 氏 七 の 御 と し よ り 御 文 は し めあ り か く も ん. さ う せ ら る か の は か せ 此 宮 の 御 か た ち の光 か ﹀. もあ く るをし らす と おほし めしく るれ は. く おほし めし あし た におき させ給 ひ て. て御 心な くさ ます年 月 ふれ ともわ すれ かた. や き う つく し く お は し け る に め て ﹀ひ か る き. 七 年 鮒ん廿その. 5オ. み と つけた てま つりし より 此け んしを 光 源氏 と いふな りそ のほ と のこと は 四 つか. 御 と の ゐもな し雲 の上 もな みた にくれ て. むな しき御 床 も さひし く思 めし て. 文 つく る 読助乳伍る. 盃 の つ いて 莇鵬. か のは かせあ ひし と ころ こうろ くは んなり い. ごき むら さき. か た への女 房 た ち の 御 つほ ね も す さ ま し く. 初 も とゆ ひ. ま の 四 つか な り け ん し う ゐ か う ふ り と い ふ こ と. 5ウ. 6オ. 一83一.

(8) 天 上 人 参 り てく ま な き す き 物 と も な れ は. か の君と むま のか みとう式 部 と い ひし. 源 氏 の御 こ し う と あ ふ ひ の 上 の 御 あ に な り. さ めにや其 ころとう の中将 と聞 え し は. にめ いにて おはし ます 四 のみや御 かた ち. 物 か た り 申 つゐ て に 人 の し な を わ か ち よ. 6ウ. すくれ て聞 え名 たかく おはし ます 姫君. しあ しを さた めき これを あ まよ のしな さ. な と な け か せ 給 ふ ほ と に み か と の御 た め. を か し つき 御 母 き さ き な と の い み し く. に. 聞 え さ せ 給 ふ を な いし の す け と の と い ひ. し女房 き こえ出 し参 ら せ給 ふやう く. な て し こ擬湧紛卿将の. 籾 御 も の い み あ き し か は さ と へ出 さ せ た ま. は んとす る にふた かる方 にてわ うし御. い ゑ 人 の いよ の 介 と い ひ し か も と へお は し. て か た ︾か へあ り か の家 のあ る し よ ろ こ ひ. し は かき. 8ウ. 付 へし. す ︾し き か け な と. か し こ ま る 此 か た ﹀ か へ に は へ付 へし やり み つ. 9オ. 文 は か せ の む す め 批伽魁熔り. 御 心 も な く さ ま せ給 ひ て 御 心 む か し の かう. 二 のま ち 的孔鋤帆り. た めと いふそ の時 の ことは. ひるま すく せ. き く のや と 伽鰍初肋み. 此 巻 にと う の中 将 の 物 か た り に 玉 か つら の. てを おり て. こ れ ら は物 か た り と こ ﹀う え へし 勝触以 物かたり. ゐ にな す ら へ給 ふ け ん し を ひ か る 君 と 申 せ. 7オ. は 此 姫 宮 か ﹀や く や う に お は し ま せ は か ﹀や く 日 の宮 と よ の 人 申 け り 御 つ ほ ね は 藤 つほ な り こ の宮 を け ん し お さ な く よ り お ほ. 内 侍 の か み の事 を な て し こ と か た り 出 し. け な く 御 心 に し め た て ま つ り て つゐ に. た り 母 は 夕 か ほ の上 そ か し 物 か た り に な. に参 り給 ひて御 子 一人 出 き給 ふ. て し こと い ふ事 あ ら は 玉 か つら と 心 得 へし. れは せ いゐんと申 せし は此御 事 なり 又桐 つほ の御 門 と け ん し の 父 御 門 を 申 事 此. へは せ ぬ 事 と は お も ふ へ から す む か し の上. 択 こ の か た た か へ四 月 也 節 分 な ら て は か た ﹀ か. し のひく. つほ の 御 門 と 申 な り た と へた て ま つ る 御. 7ウ 8オ. ら う は 四 季 に か た ﹀か へと いふ 事 有 し 也. 巻 よ り見え給 ふ主 上 にてま しま せは桐. 箒木. ︹ 絵 一︺. 心 え へし. か と は ゑ ん き の御 事 と み え た り よ く. く. ニ. 此 巻 に あ ま 夜 の物 か た り と いふ 事 は け ん し. のなく. の君 御 物 いみ に て 御 か た ﹀か へ に大 内 の と の ゐ と こ ろ に お は し ま す 御 つれ く. 一84一.

(9) いよ の す け か 家 の や り 水 せ ん す いな と お も し ろ か り し ゆ へ に心 得 お は し て か た ﹀か へあ り. 9ウ. の 京 極 川 な り か た ︾ か へ に つく へし 此 物. かた り にな てし こと玉 か つらを かた り. ま の か み か 物 か た り に は わ か か よ ふ女 房 の. も と へわ か と も た ち の や う な る 人 か よ ひ け. 出 す 事 と う の中 将 の 物 か た り な り む. る を も し ら す 大 内 よ り 出 け る に此 う へ人. き 掬 あ る し の い よ のす け は 君 の お は し. の ひ て女 と も の ね た る 所 へお は し て立 き ﹀. 車 に の り て ゆ く と い ふ を い つく そ と. ます御 かた に御 と のゐし たる にけん しし. し た ま へは ね た る と こ ろ い と ち か く て わ か. お も ふ に我 ゆ く 所 な り 浅 ま し と お も ふ に こ の. 1ー オ. 御 う へを そ い ひ け る し つ ま る ほ と に し の. お と こ 笛 を ふ き て そ ︾の か せ は 内 よ り わ こ. むを ひく こ のやと にき くも みち なと. ひ 入 て と か く の給 ふ に を ん な お も ひ か け す. か す な ら ぬ ふ せ や に お ふ る な のう さ に. へき 人 に は あ ら ね と も お や も な く て見 あ つ. 又 と う の中 将 の な て し こ と か た り 給. か せ給 へと こ の き ん た ち に申 た り し な り. され はす きた はめ らん をん な に心を ﹀. と よ み た り そ れ よ り 此 女 の も と へゆ か す. つれ な き 人 を ひ き や と め け る. こと のね も月 もえ なら ぬや とな から. あり け るに. おも ひて. 10 オ. あ る に も あ ら す き ゆ る は ﹀き ﹀ と よ み し ゆ へ に こ そ 此 巻 を は ンき ﹀と は いひけれ此人 は わかし なな とも おも ひあ かり. か ふ 人 も な け れ は お も ひ の ほ か に かく て ゐ た. ひ し 母 夕 か ほ のう へに し の ひ く. た る 人 に て い よ の す け な と か つま と な る. る こ ﹀う ね を ひ け し て よ み し な り さ て. ひ て いとあ さから さり し におさ あき 人さ へ. にかよ. 1ー ウ. と か く い ひ て ほ の か に あ ふ そ の ま ﹀に て し は. け ん し は御 心 つく し. 立 よ り 給 ひ し か と も つゐ に 又 も あ ひ. 出 き て こ の よ 一と も お も は さ り し に う る は し. く た て ま つら す い よ く. く 恨 み な ん と も せ す う ち な み た く み て姫. りあ る とき とう の君 おは した る にさかし. いふと き ﹀てかす かな る家 にかく れて ゐた. き 北 の方 の か た よ り を そ ろ し き こ と を 10 ウ. に おもひ給 ひけ ると かやす ゑ のよま ても わ す れ さ せ 給 は て いよ のす け し ﹀ て の ち. き み の御 こ と を. あ ま に な り た り し を む か へ給 ひ て 二. よ のすけか家 は なか かは わたり なり今. 条 院 のひか し のた いにす ませら れき い. 一85一.

(10) 山 か つのかき ほあ るとも おり く あ はれ はかけ よな てし この露. に 12 オ. と よ み て そ の ﹀ち 程 な く ゆ き か く れ た り と かたり出 し てもな みたく み たり此 人そ かし夕 かほの巻 にけ んし にあ ひて な にかし の ゐんに てし にきな てし こは 玉 か つら な り 十 七 の巻 に見 え た り 又 し き ふ か物 か た り は は か せ の む す め のも と へか. 14 オ. なり. かんよ う. に有. は ﹀き ﹀. はこれ なりく はし くは. ︹ 絵 二︺. 空 蝉 は・き木のならひ. 13 ウ. か た ﹀か への時 い よ の す け か 女 を 御 ら ん し て あ. 此 巻 を う つ せ み と い ふ こ と は ﹀き 木 の 巻 の. り て い か にし て い ひ よ ら ま し と お ほ し め し. て ま つら す む な し く か へり 給 ふ猶 御 心 に か ﹀. く と よ ろ こ ふ さ れ と も そ の夜 も 女 は あ ひ た. か も と へお は し ま す あ る し は や り 水 の め いほ. や り み つ おも し ろ し と て に は か に 又 か れ. かすわ すれ ぬこ とに おほし めし て かの家 の. い ひ か は し て あ は す い か に と ン へは こ く ね つ. 12 ウ. よ ひし にある ときゆ きた れは物 こし に. のさ うやく ふく してく さき によ り てあ は す と い へり 六 月 の か ら ひ る と い ふ 物 に や 此 かあ さま しくく さし お にとこそ む か ひ ゐ た ら め と お も ひ て か へり し な り し き. さ 、か に の ふ る ま ひ し る き 夕 く れ に. ふ か歌 に. て か の 女 の お と ﹀ いま た 十 二 三 は か り の わ ら は. に て あ ね のも と に あ り し を め し 出 し て. や か て 天 上 さ せ て我 御 い ゑ 人 に な し て い. こ の こ き み を つれ さ せ 給 て 一車 に め し て. す け ゐ な か へ下 り て 人 す く な く な る お り. き み を 御 つか ひ に て御 ふ み あ り 其 後 いよ の. 此 わ ら は にく は し く い ひ し ら せ給 ひ て こ の こ. と を し み ふ か く し給 ふ 人 そ の 御 心 を し ら す しき. あ ふ こ と の よ を し へた て ぬ中 な ら は. と よ め り 女 の返 し に. ひ る ま す く せ と いふ か あ や な き. 13 オ. ひる まもな にか まは ゆから まし. し く む つか し く 世 中. と よ め り そ の ま ︾ゆ か す ま め く 人 はかく はた こはく. か た り し よ り いと ﹀け ん し は く ま な き 御. か の な か ﹀は へわ た り 給 ふ み な 人 は 此 お さ な き. の おもふ やうな ら ぬとこ ろをう ち みたれ て. 心 い て き さ せ給 ふ と か や ひ る ま す く せ と. 14 ウ. 一86一.

(11) 人 は かりき た るとおも ひされ は源氏 は御 車 の. へに て のぞ き 給 う か し こ に は ま ﹀む す. 内 に か く れ て 人 し つま り て か の こ き み を し る. 15 オ. 露 の か こ と を な に ﹀か け ま し. ほ の め かす 風 に つけ て も し た お き の. 御返し. の人 を は し た お き と も 軒 は の お き と も つ. 御返事 にした おきと よ みたり し程 に こ. な か は は 露 に う へも れ に け り. 一くる ま. かひま み. め の に し の御 か た と い ふ そ こ う ち て ゐ た る 碁. く へし 心 な ら ぬ 事 に も た ﹀ 一夜 の こ と に. し き程. 道 たとく. も つけ へし おな し こ と な る へし 籾 御 心 さ. ゆ ふや み. そ のほと のこ とは. 十 とを. 人 にし む. う つせ み の身 を か へて け り 木 のも と に. 籾 そ のあ し た の御 ふ み あ り. と り て 帰 る き ぬ雛蜷物. か へり 給 ふ こ の こ と は. し の人 ぬきをき たり しき ぬを とり て. 四十 よ そ. こ きみ. 三十 みそ. 碁 う ち は て ﹀ かそ へた る 心 な り さ て 碁 う ち は て も ろ と も に ふ す を御 覧 し て し つ. さ て こ そ う つせ み と は 名 つ け け れ こ れ ら は. 16 ウ. み な 夏 の事 な り う つせ み に は い か にも 人 た か へ. な を 人 か ら のな つ か し き か な. かく れ ぬこれ はおなし と ころ にね つるむす. 17 オ. め のかく る ンとおほし めした れ はこれ をは. 17 ウ. 聞 えし はせん はう と てとうく う にて か. 此 巻 夕 か ほ と いふ 事 は 六 条 の み や す 所 と. ゆ ふ か ほ鮒ゆ礎、の. ︹絵 三 ︺. 一夜 の ち き り な と ひ き あ は せ て つく へし. 人 のおも はん とおほ して かたら はせ給 ひし. ま た ﹀ ひ の か た ﹀か へな と も こ れ ゆ へそ と. め に あ ひ給 ひ て お こ か ま し か る へけ れ は あ. き ぬは かり残 したり心 なら す このむす. の こ し を き て かく れ ぬ せ み の も ぬ け の こ と く. ね ら れ ね は い と と く き ﹀し り て す へり. ま る程 にし の ひ いら せ給 ふ に か の女 は と け て. 15 ウ. こ れ は 此 お り の こ と は に つく へし に し の き み. こ︾ つ. 升 はた. と も し ひ 款ほ甥かなる. 16 オ. いと や ん 事 な く て お は し ま し き こ. く れ給 ひし みやす と ころ六条 あ たり に. かと もも とより御 心 さしあら さ れは又 ともあ ひ 給 は す そ の後 一よ の情 に 軒 は の お き と む. れ は 桐 つほ の御 門 の 御 弟 に て お は し ま. す は す は の御 寄 あ り ほ のか にものき は のおきと むす はす は. 一87一.

(12) ほ のく. 見 つる花 のゆふ かほ. い か に も 夕 か ほ に 人 た か へわ ろ く は あ る ま し. しき とうく う にて かくれ給 ひし かは い とあ へな く お ほ し め し て 姫 宮 の お. お も ひ た て ま つる し は く. あ や し く おも ひ な か ら あ さ か ら す か よ ひ. 中将 のかた りし なて しこ の母 にや と. せ てと きく. 19 ウ. 20 オ. か ほ の う へと い ふ か く て け ん し の め の と の こ. さ て こ そ 夕 か ほ の巻 と は い ふ 女 房 を は ゆ ふ 18 オ. はし ます をもう ち のみ この ことく おほ し め し け り 此 み や す 所 へけ ん し 忍 ひ つ >. 五 条 な る 所 に ゆ ふ か ほ の さ き か ﹀り た る. 給 ふ ほ と に秋 に も な り ぬ 八 月 十 五 日 あ か つ. 案内 さ. こ い ゑ あ り内 に女 房 と も あ ま た よ し あ. き にな に か し の ゐ ん へ い さ な ひ 給 ふ 其. お はし まし ぬこ れとう の. り てすめ るすき かけ 見え てけ り是. 夜 は かの小家 にと ンまり給 ふ にとな. れ み つに お ほ せ つけ て よ く く. そ は ﹀き ﹀ の巻 に と う の中 将 の か た. り の い ゑ に め さ ま し て き ﹀し ら す か. か よ ひ給 ふ 道. り し此姫 君 のは ﹀のかく れ てゐた る. ま い り 給 ふ お ほ け な き こ と ﹀よ の 人 も. と ころな りあ るゆ ふくれ にれ いの六条 あ. み た け さ う し 興"防いし ひ ら た つ物 故砺肋の. ほと のこと は. た は ら いた き 物 か た り な と す る そ の 18 ウ. た り のし の ひあ り き に 御 車 を た て ︾. か ら う す の を と となりぬ か つ く. 夕 か ほ の は な の白 く 咲 てあ る を な に の 花 そ と 縛鑓韓禰儲比門より是 に を き て. こ れ ら 夕 か ほ の 小 家 に つけ さ せ 給 ふ へし. ま いら せ よ と て は な を 折 て 白 き あ ふ き の いた く かう は し き を た て ま つる. さ ても み た け さ う し に み ろ く し そ ん. と お か む を き か せ 給 ひ て ち や う せ い殿 の. そ のほ との ことは. は ね を か は し え た を な ら へし ち き り. こ か し た る と い ふ は 齢う騨し. 白 きあ ふき. も ひ き か へて み ろ く の 世 を ね か ひ て 五 十. そ ら め紳粥琵琢硫やまり た そ か れ 時. 六 おく 七 千 万 歳 と お ほ し め し け る に や. 小 いゑ. こん よも ふか きちき りた か ふな. う は そ く か を こ な ふ み ち を し る へに て. ひかき. す き か け 叉仇蛇鵬夕かほに. き り か け た つ物 汐鍛 雌駁糖のや り と く ち うちま ねく. お き な か つな と ち き ら せ 給 ひ し に十. 19 オ. よ りて こそそ れか とも見 め たそ かれ に. 択 けんし の御寄. ...

(13) あ は れ な る 籾 十 五 日 の あ か つき ひ と つ. 六 日 の よ な か に し に給 ひし そ ま こ と に. か へし う こ ん と い ひ し 女 は う のり そ ひ. ほれ出 てめもあ や なり この車 に かの つ. う はむし ろ にをし つ﹀みて出 せは かみ こ. て ゆ く 心 のう ち お も ひ や る も か な し さ. 車 に て な に か し の ゐ ん へ いさ な は せ. れ は き よ み つな と いふ こ と も 人 つけ た. り と も 難 す へか ら す さ て け ん し あ ま り. 20 ウ. あ へな く あ さ ま し く お ほ し て こ れ み つ. い か ﹀と の 給 へは. 給 ふ し の ﹀め の ほ の か な る に露 の ひ か り や. ゆ ふ露 に ひ も と く 花 は 玉 ほ こ の. を めしく し て清水 ま ておは してな き. た よ り に見 え し え に こ そ 有 け れ 御 か へし. か ら を 御 ら ん し て いと ﹀お も ひ ま さ り 給 ひ し. れ はわ かく れな ゐの御 そ のま ﹀きたり. か う ち か は し 給 ひ し ま ﹀と り い た し た. な と ﹀ い ひ か は し て十 六 日 一日 は か の な に. み 入 せ 給 ひ て か へら せ 給 ひ て や か て御 心 れ. し 面 影 いか な ら ん よ に か わ す る へき と し つ. ひ か り あ り と み し 夕 か ほ の う は露 は. かし の院 のあ れた るに おきふし かた ら ひ. 22 ウ. た そ か れ 時 のそ ら め な り け り. てく らし給 ふ そ のこと は. におはし まし てよ の. え け にて秋 のす ゑ にそを こたり給 ひ. いなら すさ まく. し ま こと にこと はりな り かの右近 を は. 2ー オ. おな しく るま. しり め. 水 く さ にむ も る ﹀池. し の ︾め いさなひしあかつき つゆ のひかり. い み の す く る ま ﹀ に め し よ せ て つほ. あ れたる やと. ねな とし て いとねん ごろ には こくま せ. 藻 噂、のゐんの. つ る う ち 訪 筋 す。、ん. は つせ にてゆ きあ ひて六条 のゐん へ. 女 と い ふ こ れ な り 後 に 玉 か つら の 君 に. 給 ひ て つ か は せ給 ふ ふ く ら か に色 く ろ き. と り の か ら こ ゑ 敏恕⑰蝉肋硫㎞へ た え い り ぬ れ は いひやる かたな し. と なり しな りこれ らも 心え. け ん し 御 太 刀 を ぬ き て 持 給 ふ物 のあ し を と ひし く. わ た し た て ま つり て此 御 か た に さ ふ ら. し き物 に. ひし なり けん しもは かく おほ し て め し つか ひ. て つけ さ せ 給 ふ へし 択 い か に せ ん と て こ. 2ー ウ. れ み つをめし て おほせあ はせ てき よ み つ に こ れ み つ か し る 人 の有 か た へむ な し き か ら を と り いた し て や る な き か ら を. 22 オ. 一89一.

(14) し 人な り. 23 オ. 24 オ. ゆ へ雲 か く れ 給 ひ し こ と は け ん し 十 七 の. 御 とし わら はや みを して北 山 にたう と. き ひ し り有 と て め し け れ と も 京 へは. 出 ぬ事 に てま いらす さら はと て北山 へ. おはし ます か のひし りか ちし た て. め ると ころ有 な に事 にか とお ほし. なれ は立出 て. て の ぞ か せ 給 へは か の ひ め 君 の う は は 此. 庭 かし こを のぞ き御ら ん すれ は女房 のす. と よ み 給 ひ し ゆ へに な り わ か む ら さ き. お こ り お と し た る ひし り の 御 て し そ. 御 かち にま いり給 ふ つれく. と はわかく おさ なき 心な り これは けん し. 手 に つみ て い つ し か も み ん む ら さ き の. ま ﹀は ﹀の藤 ろ ほ の宮 を お さ な く よ り. う つ のあ ね な り こ のう は 君 心 な や み 給 ふ. ま し け る に姫 君 を も つれ て お は し ま. 程 に祈 りな とせ んと てこ の山 に おはし. し たる を のぞき て御ら ん しは し. 人 のかすを御 ら んす るも我 此御 心や なく. にあ ら ぬ世 中 も う ら め し く お ほ し め す. 25 オ. 夕 く れ のかす み. さ む と お も ひ し ゆ へな り な す ら ひた. こし は かき. 心 の や み 眺る払の山とも. め させ給 ふそ のこと は. わ ら は や み お. 、 り. に此 む ら さ き の上 は 此 藤 つほ に は 御 め い. か いま み. わ か く さ むらさきのうへの事. 山 のはな また さか り. 25 ウ. し ゆ へ に物 の ゆ か り を は む ら さ き の 草 の. いぬき. にておはし ませ はさ うなく にさせ給 ひ. ゆ か り な と い ふ事 な れ は よ そ へ て よ み. ま つの と ほ そ. みや ま おろし. く さむ しろ. た つ の 一こ ゑ. 人のな. 藤 さ く ら に つく る つほ. たき のを と. す ﹀め の こ. 給 ひ し ゆ へ此 巻 を は わ か む ら さ き と か. た ひね のぞ て. う しろ の山. け りこと さら此巻 おもし ろく作 り た. ふ と は 付 さ せ 給 へり さ て も こ の 君 を 御 覧. り と て こ そ式 部 の 君 は む ら さ き し き 24 ウ. 心 にかけ て いかにし て かとや るかた なく. ね に か よ ひ け る 野 への わ か く さ. ま つり た れ は お こ ら せ 給 は す な を の こ. 23 ウ. り おそ ろし とて其 日 とま り給 ひ て. き. こ の巻 わ か む ら さ き と い ふ 事 む ら さ き の. 紫象. う への お さ な か り し を よ み 給 ひ し 寄 け ん し. 絵 し 初 て な か き 世 の と も と な る こ の人. 、. 一90一. 四 若蓼 〕.

(15) や りみ つ. くら はま たさ かり とは いひたれ 又北 山. さ て こ そ 京 の花 は さ か り す き て 山 の さ. た に のそこ まてほ. りも とむ る御 も てなし のさ かなな り. にす ﹀ め と い ふ こ と つく る こ と こ れ は む ら. さ き のう へす ﹀ め の子 を か ひ 給 ひ し を い ぬ. お と ろ く 測航勧硫杣織叔 %オ. ひしとりもおとろくとなり. や ま のとり. き と いひし わら は にかし たり しを むら. み や の 御 む す め 藤 つ ほ の き さ き に は 御 め い也. 此 む ら さ き のう へは せ ん て い の 御 こ の兵 部 卿 の. にけ つ る す ︾め の 子 を か ら す な と や 取. もあ り と人 いふ ともあ ら かふ へからす か の. 君御 ら んしそ め てけり から す と いふ事. 御 す か た の い と う つく し か り し を 源 氏 の. さ き の上 いた く お し み て な き 給 ひし. は な ち か き おさなき人のてすさひ. 此北方 は北 山 におは しま すむ らさ き の. 是 は北 山 に て の 事 は か り な り. う への う は の 御 む す め な り お さ な き よ. にそそた てられ て おはし まし ける. り御 は ﹀にはを くれ て かのう はき み. 嬬侮訂也此 巻 に く さ の む し ろ や り 水 いも. の 一こ ゑ と い ふ は 又 腓縦噸紙卿総謎聡齢髄彫蹴君. つら ん と少 納 言 の め の と い ひ し な り た つ. お ほしめ して かのそ う つにと ひた てま. て か の御 か た み に も 見 た て ま つら ん と. て ま つり て わ か御 ま ︾ に か し つき た て. し ん の事 な り こ れ な ら す い も ゐ と は. と 申 さ れ た る な り いも ゐ と は 御 し や う. みむし ろも こな た にこそ まう け侍 らめ. し を よ ひ た て ま つり た ま ふ 時 く さ の. ゐ な と ﹀ い ふ 事 是 は そ う つ の は う へけ ん. な り択 こ の姫 君 の う つく し き 御 か た ち 26 ウ. つ り給 ふ う は 君 と も い ひ よ り な と し て. か た り と い ふ 事 あ り と い ふ 共 あ ら か ふ へか. し や う し ん の 事 な り 又 き た や ま に物. を のぞき て いかにし て かこれ を取 た. つ ゐ にそ の年 の 九 月 の 比 う は 君 に. ら す御 心ま きら はし に人 々立出 てと ころ. 28 オ. をく れて京 の殿 に かす かなる すま ゐ に て お は し ま す を と り た て ま つら せ. とも の人 々ふし の山 な にかし のた けす ま. く. た り 其 時 あ か し の上 の 御 こ と を も き ﹀. あ か し の 物 か た り を め い し よ な れ は 申 いた し. 御 ら ん す る に も いと お も し ろ け れ は 御. 給 ひ て 二条 の ゐ ん の に し の た い に わ た. 27 オ. し た て ま つり も て な し か し つき 給 ふ 姫 君 十 の御 と し な り か の わ ら は や み し て 北 山 へお は し ま せ し こ ろ は 三 月 茄 日 な り. 27 ウ. 一91一.

(16) そ め給 ひ し そ か し 又 む ら さ き の上 二条. た て ま つり 給 へり い と お も ひ の ほ か に お. 参 り か よ ふ 人 な れ は み ち し る へし て 見 せ. か し け に お は し け り こ の御 か た ち色 し ろ. の ゐ ん へむ か へた ま ひ し あ し た ひ い ろ の. お は し け り 見 そ め た て ま つり け ん し. く はな た かく さきあ かく さう の ことく に. く やし く おほし け れとも 此す かた をは. 28 ウ. き ぬ を き た ま へり と い ふ 事 の あ り こ れ は 九 月 に 御 う は 君 に を く れ て十 月 に 源. 我 なら て はたれ か見 た てま つらん と. 氏 の と り た て ま つ り 給 へは いま た御 う は の御 ふ く の中 な れ と も わ さ と 其 あ し. か た く いた は し く お ほ し て 後 に は か た く. あ は れ に お ほ さ る ﹀人 の御 ほ と い ひ す て. のかす に いれ て二条 のゐん ひかし のた い. つり た る か と お ほ ゆ こ れ を は ひ し な り と い ふ な り かく て 御 心 さ し な か ら ふ か た. た はかり ひ いろ のき ぬをき せた てま. な く て け ん し 五 十 三 む ら さ き のう へ四 十. にすま せ聞 え給 ふけ んし. と よ み給 ひ し な り く れ な ゐ は 花 の す ゑ. す ゑ つ む花 を そ て に ふ れ け ん. な つか し き 色 と も な し に な に ンこ の. 五 に て か く れ 給 ふ け ん し 雲 か く れ給 ひ し も こ の な け き ゆ へな り 雲 か く れ と. 29 オ. は御 とん せ いの事な り升 五 の巻 に 見え たり. ゆ へに す ゑ つむ と い ふ 此 君 さ む き お り. あ かき物 な りす ゑを つみてと るな りこ の. 此 巻 す ゑ つむ 花 と い ふ 事 ひ た ち の 君 と. て あ ふ ひ の 上 の あ に の と う の中 将 も 心. たる人 こ れなり 此君 を心 にく ﹀おもひ. ことし こ と にふれ てお かしき かは きぬ き. 29 ウ. 申 ふるき宮 おはし まし きう せ給 ひし. かけ て源氏 のおはし ます を見 あら はさ. ︹ 絵五︺. 御 あ と に姫 君 一人 の こ り て お は し き い と. に は 御 か ほ にあ か き こ の み を つけ た る. かす かな る御 すま ゐ にてな かめす こし. む と て あ と に つき て ゆ き て つ ゐ に. わかむらさきのならひ. 給 ひ け り け ん し 聞 つた へさ せ 給 ふ て ゆ か し. ひ か へて と う の中 将. 見 あ ら は し て そ の か た に 源 氏 の 御 そ てを. 末 摘花. にけんし の御 め のと少将 のみやう ふと て. も ろ と も に 大 内 山 は い て つれ と. く おほし めし て尋 たて ま つり給 ひけ る. 内 にさ ふら ひける か此宮 にした しく. 30 オ. 30 ウ. 3ー オ. 一92一.

(17) けを とされ てはな のかたは ら の深山 木 と. て 御 か ほ の に ほ ひ にけ を さ る れ は 左 大 将. そ 見え し かさし のも みち いたく ちり すき. いる かた見せ ぬ いさよ ひの月 二 月 十 六 日 の事 な り 此 姫 君 き ん の こ と を. た ち て御 ま へ の き く お り て か さ し か へ. 32 オ. さ しか ゆるきく. かほ の にほ ひ. ゆふ は へ. か ら 人 の袖 ふ る こ と は と を け れ と. と よ み て た て ま つり 給 ふ 御 返 事 に. 袖 う ち ふ り し こ ﹀う し り き や. 物 お も ふ にた ち ま ふ へく も あ ら ぬ 身 の. て御 ふみあ り. た を も 御 ら ん し つら ん と お ほ し て し の ひ. 藤 つ ほ の み や へけ ん し よ り 我 ま ひ の す か. れ ら を 引 あ は せ つけ 給 ふ へし そ の夜. り た ち ゐ に つけ て と い ふ 寄 あ ら は こ. 楽 は せ い か いは な り あ を う み の な み と か け. 木 たか きもみ ち. あ しふ み. さむ きほ となり そ のこと は. わ ひ人 春 の い さ よ ひ も ろ と も に 出 し 大. ひ き 給 ひし な り あ れ た る や と の ち き り. 3ー ウ. 給 ふ ゆ ふ は への す か た か ︾や き て そ ﹀う. へし. つく へし と う の中 将 に は ま こ と な し す. 内 山 は つく へし か は き ぬ す ゑ つむ 花 に. ゑ つむ には. つく. や うを. しき. くや. 見 をと りし て. 32 ウ. 紅葉賀. ︹ 絵 六︺ 四. 此 巻 も み ち の か と い ふ 事 桐 つほ の御 門 そ の比 の ゐ む の御 か を つ と め 給 ふ に こ ろ は 十 月 な れ は も み ち を も て な し に て御 かあ り さ. とあ りし なり から人 の袖 ふる こと はた うやう. 34 オ. き ひ の け い し や う う ゐ の ま ひを よ そ へけ. た ち ゐ に つけ て あ は れ と は み き. むあ りてんし やう人 宮 たちも そ のきり やう. る に や 籾 此 巻 に藤 つ ほ の御 は ら に御. ても みち のかと いふ紅葉 のし た にてれ いし. たる はまひ給 ふそ のす かたけ んし のせ い. 子う まれ給 ふ これ はま こと はけん し の. 御 子 にておは しけ れ共御 門 これ とはし ろ. か いは を ま ひ給 ふ に し く は な し う つく し. 33 オ. き 事 た と へん か た な し か た て に は御 こ し う と と う の 中 将 ま ひ給 ふ け ん し には. 33 ウ. 一93一.

(18) に て と う く う に 立 給 ふ十 一に て御 位 に. とし たり しな り. らお とし し てのち ま てのわ ら ひくさ. 五. あ る事. 付 へか らす. 紅葉 には. し るす. 36ウ 花宴. ︹ 絵 七︺. な れは. 此巻 に. し めさす たく ひな き御 おほ え にて五. つ か せ 給 ふ 御 治 世 十 八年 な り こ れ ぞ 冷. つゆ け さ ま さ る. 泉院 と聞 ゆ この こと は な てし こ む か し む す へる 契 り. 34 ウ. こ の世 の中 是 は 此 巻 に候 へは と て紅 葉 な と に は 付 へ か ら す 此 巻 に有 こ と は な れ は し る す. の す け と い ひ て 其 こ ろ年 五 十 七 八 の. 又 此 巻 に け ん し う ち の女 房 け ん な い し. 人 な り け ん し は 十 九 に な り 給 ふ か の女 房 にた はふれ給 ふ其 ことは. 36 オ. の つき のとし の春大 内 に花見 あ り南. 此 巻 は な の え ん と い ふ 事 は か の紅 葉 の賀. あ ふき. 殿 のさくら さ かり に花 のも と にて御あ そ. た ﹀す み て あ つま や う た ひ て う そ ふ. お は し ま す 御 と の ﹀か た さ ま を け ん し. す こしは れた るな こり に内侍 と ころ の. おほ しめし 出 させ給 ひ てそ の ころとう. な り其後 去 年 のも みち のか のま ひを. う く ひ す さ へ つる と い ふ 題 を 給 は り し. け ん し の御 こ し う と の と う の 中 将 は 春 の. ち け に いた る ま て 詩 を 作 り 給 ふ中 に も. ひ あ り題 を 給 は り て宮 た ち 公 卿 殿 上 人. き 給 ふ に此 け ん 内 侍 のす け ひ は 上 手 に. くう朱 雀院 なり けん し には御 あ にせ ち. う ん め い て ん 是等は. おや のおや. あ つま や う た ふ. ひ は の ね 此 ないしひわひく 雨 の な こ り 35 オ. て か ひ し ら へて 居 た り し 所 へ立 よ り 給. に せ め さ せ 給 へは け ん し も た ち て ま ひ. ゆ ふ立. ひ て物 い ひ か は し 給 ふ 籾 う ち の か た 御 け つ. ひは. り く し は て ︾こ れ を 御 ら ん し て わ ら. ま ひ し か お も し ろ さ に 御 そ か つ け給 ふ 是. 給 ふ とう の中将 た ちてり う くわ ゑんを 35 ウ. は せ給 ふ内 侍 の も と によ る お は し た る 時 とう の中将 きあ ひてけ んし の君を そ. 37 オ. 一94一.

(19) こ さ ︾ か は ら に風 も こ そ ふ け. い つれ そ と 露 の や と り を わ か む ま に. とよめ り これら は こ ︾にてよ みし寄 の言. れ は後 の よ の た め し な と ︾ い ふ 事 有 へし. 葉 あ ふ き を は し る し に と て と り か へし な り. 後 代 のれ いと な り ぬ へし と い ひ あ へり さ. 花 に も ま ひ は く る し か る ま し さ て そ の夜. に か す め る空 の 月 を 水 に う つ し た り. 内 侍 の か み のあ ふ き は さ く ら の 三 え か さ ね. 心 え て つく へし 立 よ り し 三 の く ち な. け ん し さ り ぬ へき 隙 も や と れ い の藤ろ. り き 給 ふ ほ と に こ う き 殿 の 三 のく ち に. ほ の あ た り を し の ひ う か ﹀ひ た ﹀す み あ 37 ウ. た ち 給 ふ 内 よ り わ か き 女 房 の こ ゑ のな へ. の え ん の ま き に は か のあ ふ き の 事 名 句. を あ ら し な と い ふ こ と は よ か る へし 此 花. に あ ひ し こ と 聞 え て御 門 か く れ さ せ給 ひ. て の こ ゑ に は あ ら て お ほ ろ月 夜 に し. て と う く う の御 よ に な り 給 ふ ま ﹀は ︾. にてあ る へし比 は 二月升 日さ てし のひく. 人 ゆ へそ か し す ま の わ か れ の う か り し は. こ う き て ん のあ し き さ き 心 の ま ﹀に 御. い と おも し ろ く お ほ し て い ひ よ り て 此. 此 女 房 は と う く う の 御 母 こう き て ん の. あ ふ き かたみの事. ︹ 絵八︺. 40 オ. けれ. まし. に ておはし. 御 と た に いは れ す な い し の か み. ま へな か す 籾 こ そ 六 の君 も つゐ に 女. と のこと なれ は九 の巻 にけ んしを す. 女 御 の御 いも う と 六 の 君 と て と う. く物 そ なき とな かめし程 にけん し. 38 オ. 世 を と り を こ な ひ て も と よ り にく し. 三 のくち. お ほ ろ月 夜. 露 のやとり. 38 ウ. 3 9オ. ( 本研究 は平成 20年度科学 研究費 補助金 による). 39 ウ. く う に参 り 給 は ん と て も て な さ れ し か 此 花 のえ ん の ま ひ御 ら ん の為 に 内 へま いり 給 ひ て と ﹀ま り給 ひ た る へし. く さ のは ら. て 心 得 給 ひし そ の 程 の こ と は. あ か つき 御 さ と よ り の御 む か ひ の 人 々 に. を さ ︾は ら. う き 身 よ にや か て き え な は た つね て も. な いし のかみ. くさ のはらを は とは しとや おも ふ けん し. 一95一.

(20) 継 %.

(21) 繹. 絵四 一97.

(22) 絵五. 絵六 98.

(23) 絵七. 99.

(24)

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