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夜 間中学 で学 ぶ高 齢帰 国者 の学 習環

境 と学習 支 援 につ いて の一考 察

一 学 習 ス トラ テ ジー の 視 点 か ら一

津花

知子

キ ー ワ ー ド 学 習 者 の 多 様 化 ・マ イ ノ リ テ イ の 学 習 者 ・夜 間 中 学 で 学 ぶ 高 齢 帰 国 者 ・学 習 支 援 ・学 習 ス トラ テ ジー O.は じ め に二

学 習 者 の 多 様 化 」 が 問 題 と され る よ う にな って 久 しい。 しか しな が ら、 現 在 、 学 習 者

に対 す る支援 が 十 分 に 多 様化 して い る とは言 い難 い 。特 に 、就 学 歴 の 少 な さに よ り母 語 の

識 字 に も問 題 を持 っ た 学 習者 や 、高 齢 学 習 者 な ど、学 習者 と して は マ イ ノ リテ ィの人 々 に

対 す る教 育 にっ い て の 研 究 は 、 そ れ ほ ど進 ん で い ない 。 も し真 に 「

学 習 者 の 多様 化 」 に応

え よ うとす る な ら、 た と え数 の 上 で は 少 数で あ っ て も、 そ れ らの学 習 者 を対 象 に研 究 を行

うこ とは意 義 が あ る と考 える 。 本 稿 で は 、 そ の よう な マ イ ノ リテ ィの 学 習 者 グ ルー プで あ

る 「

夜 間中 学 で 学 ぶ 高 齢 帰 国 者 」 の学 習環 境 を調 査 し、学 習 支援 に関 す る提 言 を試 み る。

1.研 究 の 背 景 と 目 的

1.で 夜 間 中 学 で学 ぷ 高 齢 帰 国 者 とは

○ ○ 中 学 校 夜 間学 級1、 通 称 「

夜 問 中 学 」/以 下 、夜 間 中 学)は 様 々 な 理 由 に よ り、9

年 の 義 務 教 育 を修 了 で き なか っ た 人 々 の ため の義 務 教 育機 関 で あ るが 、2002年9月

現 在 、

8都 府 県 ・

・に35校 あ る夜 問 中学 で学 ぶ 学 習者 の 約8割 が外 国 人 学 習 者 で あ る㌔ 学 校 に よ

り学 習 者 の特 徴 は異 な り、 全 体 的 な傾 向 と して は、 多国 籍 化 が進 んで い る もの の 、現 在 、

最 も多 い の が 中 国帰 国者 であ る(第48回

全 国夜 間 中学 校 研 究 大 会 事 務 局2002)。

中 国 帰 国 者 とは 、 第 二 次世 界 大 戦 後 、 中 国 に残 され た 日本 人 の う ち13歳 以 上 で あ った

中 国残 留婦 人」、 そ れ よ り下 だ った 「中 国残 留 孤 児 」、 そ の 配 偶 者 、2世 、3世 な どの 同伴

家 族 、呼 び寄 せ 家 族 を 全 て含 め た総 称 で あ る(池 上2002)。 学 習 者 の 多様 化 につ い て語 ら

れ る際 、 具 体 的 な学 習者 グ ル ー プ の例 と して、 必 ず とい っ て い い ほ ど 「中 国 帰 国者 」 が挙

げ ら れ るが 、 たい て い1つ の 学 習 者 グ ルー プ と して扱 わ れ 、 そ の 多様 性 に つ い て語 られ る

こ とは少 な く、小 林(1993)や

池 上(2002)な

ど、 実 際 に帰 国 者 支援 に関 わ って い る 人 々

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早 稲 田大 学 日本 語 教 育 研 究

が 、 わず か に触 れ て い る のみ で あ る。

本 稿 で は 、 こ の 中 同 帰 国 者 の う ち、50歳 以 上 を高 齢 帰 国者 とみ なす 。50代 を高 齢 とす

る に は語 弊 が あ るだ ろ うが 、何 歳 まで を中 高 年 、 何歳 か らを高 齢 者 と呼 ぶ か は定 義 が難 し

い こ と に よ り、50歳 以上 の 中 高 年 も含 め た帰 国 者 を、 合 わせ て高 齢 帰 国 者 と呼 ぶ こ とに

した。 そ して 「

夜 間 中 学 で学 ぶ高 齢 帰 国者 」 とは、 中 国 で の義 務 教 育 未 修 了 の 高齢 帰 国者

で 、 中 国 語 の 識 字 に問 題 を持 っ た 人 もい る。 つ ま り、本 研 究 の対 象 とす るの は 、 「中 国 で

義 務 教 育 未 修 了 の50歳 以 上 の 中 国帰 国者 」 で あ る。 参 考 の た め 、1人 だ け義 務 教 育 を 修

了 した 中 国 帰 国 者 を対 象 者 に加 え た が 、 以 下 、本 文 中で 「高 齢 帰 国 者 」 と言 う場 合 は 、

「中 国 で義 務 教 育 未 修 了 の50歳 以 上 の 中国 帰 国 者」 を指 す こ と と し、義 務 教 育 を修 了 して

い る 高 齢 帰 国者 は含 ま な い こ と とす る 。

1.2「 夜 間 中 学 で 学 ぶ 高 齢 帰 国 者 」 に 日 本 語 教 育 は必 要 か 「夜 間 中 学 で 学 ぶ 高 齢 帰 国 者 」 に 対 し 、 一 部 の 日 本 語 教 育 関 係 者 か ら は 、 「仕 事 を す る わ け で は な い し 、 そ ん な 年 で 無 理 し て 勉 強 す る 必 要 は な い だ ろ う.」、 「母 語 話 者 同 士 で 集 ま れ る の が 楽 し い か ら学 校 に 通 っ て い る の だ ろ う 。」 な ど と い う声 を 聞 き 、 調 査 者 自 身 も 本 研 究 を 行 う 意 味 が あ る の か 確 信 が 持 て ず に い た 。 そ こで まず 、 大 前 提 と して 、 高 齢 帰 国 者 に 日 本 語 教 育 は 必 要 な の か 、 彼 ら 自 身 は 支 援 を 求 め て い る の か に つ い て 、 調 査 を す る 必 要 が あ っ た 。 津 花(2003)で 、 実 際 に 現 場 の 教 師 と高 齢 帰 国 者 に イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た と こ ろ ・ 教 師 か ら は 、 日本 語 教 育 の 必 要 性 を 認 め た 上 で 、 夜 問 中 学 は 高 齢 帰 国 者 に と っ て ・ 「情 報 交 換 の 場 」、 「癒 し の 場 」、 「お 楽 しみ ク ラ ブ 」 な ど 、 日本 語 学 習 以 外 の 点 を 強 調 す る 声 が 目立 っ た 。 一 方 、 高 齢 帰 国 者 へ の イ ン タ ピ ュ ー で は 、 「日 本 語 の 授 業 が い ち ば ん 大 事 。 そ れ 以 外 の 授 業 は 必 要 な い 。」、 「で き れ ば5年 で も10年 で も(夜 間 中 学 に)い た い 。 そ れ は 日 本 語 の 学 習 の た め で あ り 、 他 の 要 因 は な い 。」、 「日 本 語 の 授 業 が 一 番 重 要 。 中 国 語 を 話 した い の な ら 、 わ ざ わ ざ 遠 く に 行 か な くて も 、 近 所 に た く さ ん 帰 国 者 が い る 。」 な ど 、 全 員 が 日 本 語 習 得 の 重 要 性 を 強 調 し た 。 こ の 結 果 か ら 、 一 部 の 高 齢 帰 国 者 は 、 一 部 の 教 育 関 係 者 が 考 え て い る 以 上 に 、 日 本 語 習 得 に 対 し、 強 い 意 欲 を持 っ て い る こ と が 明 ら か と な っ た ・ こ れ は 通 訳 を介 し た 調 査 で あ り 、 対 象 者 が 意 識 化 し て い な い 点 ま で 引 き 出 す こ と が で き な か っ た が 、 少 な く と も 、 高 齢 帰 国 者 に 対 す る 日 本 語 教 育 か らの 支 援 を 考 え る こ と は ・ 決 し て 無 駄 で は な い こ と が 明 ら か と な っ た 。 1.3本 研 究 の 目 的 と理 論 的 フ レ ー ム ワ ー ク 学 習 者 に 対 す る 支 援 方 法 を 考 え る た め に は 、 ま ず 、 学 習 者 の こ と を 知 ら な け れ ぱ な ら な い 。 も ち ろ ん 、 「夜 間 中 学 で 学 ぶ 高 齢 帰 国 者 」 と い っ て も 、 学 習 者 間 に は 位 相 が 見 ら れ 、 そ れ を1つ に ま と め て ス テ レ オ タ イ プ 化 す る こ と は 問 題 で あ る 。 し か し な が ら 、 高 齢 帰 国 者 に は 、 留 学 生 や ビ ジ ネ ス パ ー ソ ン 、 就 労 者 、 日本 人 の 配 偶 者 、 年 少 者 、 若 い 帰 国 者 な ど とは 明 ら か に 違 う 点 が あ る と考 え ら れ る た め 、 まず は 共 通 した 特 徴 や 問 題 を探 っ て い き た いo 本 研 究 は 、 高 齢 帰 国 者 の 日 本 語 学 習 に 対 す る 意 識 や 環 境 に つ い て ・ 学 習 ス ト ラ テ ジ ー の 視 点 か ら 分 析 す る 。 ネ ウ ス トプ ニ ー(1995)に よ れ ば 、 言 語 習 得 に は 、 教 師 監 督 下 の 「言

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一 一

  吋⑳ 一 尭と

学一 に一 の一1

語 教 育 」 と 、 学 習 者 監 督 下 の 「言 語 学 習 」 と 、 監 督 者 が 特 定 で き な い 「自 然 習 得 」 が あ る 。 そ の 中 で も 習 得 に 欠 か せ な い の が 学 習 者 監 督 下 の 学 習 ス トラ テ ジ ー で あ る ・ そ こ で 、 高 齢 帰 国 者 の 日 本 語 習 得 を 考 え る に あ た り 、 彼 ら が 現 時 点 で どの よ う な 学 習 ス ト ラ テ ジ ー を 使 用 して い る か 調 べ る 。 「学 習 ス ト ラ テ ジ ー 」 に は 様 々 な 定 義 が あ り 、 研 究 者 に よ っ て 解 釈 も 異 な る が 、 本 稿 で は 、 学 習 者 が 使 用 す る ス トラ テ ジ ー を 、 効 果 的 か 否 か に 関 わ ら ず 、 全 て 「学 習 ス ト ラ テ ジ ー 」 と す る。 学 習 ス トラ テ ジ ー の 分 類 は 、 オ ッ ク ス フ ォ ー ド(1994)の ス ト ラ テ ジ ー シ ス テ ム を 使 用 す る が 、 ス トラ テ ジ ー シ ス テ ム に 対 す る ネ ウ ス トプ ニ ー(19951999〉 、 浜 田 〔2001〉、 宮 崎(2003〉 ら の 批 判 を 反 映 させ 、 提 出 順 序 を 問 接 ス トラ テ ジ ー か ら と し 、 重 複 の 多 い 認 知 ス トラ テ ジ ー と記 憶 ス ト ラ テ ジ ー を ひ と つ に 扱 う 。 各 ス トラ テ ジ ー に は 、 さ ら に 下 位 項 目 が あ る が 、 本 研 究 で は 、 特 に 下 記 の 点 に 注 目 し 、 分 析 を 行 っ た 。 問 接 ス トラ テ ジ ー 社 会 的 ス ト ラ テ ジ ー 情 意 ス ト ラ テ ジ ー メ タ 認 知 ス ト ラ テ ジ ー 人 的 ネ ッ ト ワ ー ク に 詳主 目 。 さ ら に 、 人 的 ネ ッ ト ワ ー ク を 、 「い つ も 」 会 っ て い る 人 が 形 成 す る 「グ ル ー プ ネ ッ ト ワ ー ク 」 と 具 体 的 な 場 所 と 時 問 で 行 わ れ る 「行 動 ネ ッ トワ ー ク 」 〔ネ ウ ス トプ ニ ー ユ999〉 と に 分 規 「自 分 の 不 安 を 軽 く す る 、 自 分 を 勇 気 づ け る 、 自 分 の 感 情 を き ち ん と 把 握 す る 」(オ ッ ク ス フ ォ ー ド1994)に 注 口 。 本 調 査 で は 、 情 .巻ス ト ラ テ ジ ー と は 逆 に 、 轡 得 の 妨 げ と な る と 考 え ら れ る 否 定 的 な 感 情 、 不 寛 容 な 態 度 、 受 動 的 な 意 識 に つ い て も 考 察 す る 。 「言 語 学 習 の た め に 計 画 を 立 て る」 に 注 目。 Inl接 ス ト ラ テ ジ ー 補 償 ス トラ テ ジ ー 認 知/記 憶 ス ト ラ テ ジ ー :身 振 り手 振 り 、 母 語 の 使 用 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 回 避 に 注 目 。 .呑 語 学 習 に 直 接 的 に 閃 わ る ス ト ラ テ ジ ー に 全 て 注 目 。 尚 、 本 研 究 は 、 過 去 の 学 習 ス トラ テ ジ ー 研 究 の 主 流 で あ っ た 「goodlanguageleamer」 (RubinI975〉 の 研 究 で は な い た め 、 優 秀 な 言 語 学 習 者 が 、 ど の よ う な ス ト ラ テ ジ ー を使 用 し て い た か に は 注 目 し な い 。 逆 に 、 就 学 歴 の 少 な い 高 齢 帰 国 者 の 中 で も 、 特 に 、 識 字 に 問 題 を 持 ち 、 習 得 の 遅 れ て い る 学 習 者 を 念 頭 に 置 き 、 彼 ら に も使 用 で き る 効 果 的 な 学 習 ス トラ テ ジ ー は ど の よ う な もの か 、 自 分 だ け で は 無 理 で も 他 か ら の援 助 が あ れ ば 使 用 で き る 学 習 ス ト ラ テ ジ ー に つ い て 考 察 した い 。 2.調 査

本調 査 は都 内 にあ るX中 学 夜 間学 級 に通 う学 習 者 へ の1年 問 の参 与 観 察 と、半 構 造 化 イ

ン タ ビュ ー に よ り行 った 。

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早 稲 田大 学 日本 語 教 育 研 究 2.1調 査 対 象 者 以 下 に 調 査 対 象 者 を 表 に ま と め る 。 表2,1調 査 対 象 者(高 齢 帰i上渚) 年 齢 性 別 身分 帰 国/来 口 年 月 冶住地 同 居 人 孕歴 中国 で の職 業 中 学 を 知 つ た経 緯 口本 語 学習 歴 AGD 54 男 母が残 留婦人 1997年 1月 練罵区 妻 小 学 4年 肛業 人 か ら 聞 い た 区 の教 室4,5回 湘僧 57 女 ハ`ω の 妻 伺士 同士 夫 小学 2年 農 業 伺上 局上 8ω 58 男 1置 1995年 10月 繍 馬屠 妻 41学 4年 ≠ 農 叢 ≠ で調べた 所 沢 填4ケ 月/漕 袋 艸8ケ 月 B(¥¥ A 55 女 B(H) の 妻 同 上 同上 夫 な し 農業 同 上。 た だ し病 気 で 休 み が ち C(H) 65 男 C(W) の 夫 1鱒8年 1D月 八 王子 妻 小学 5年 農業 所 沢 脅4ケ.月 COV) 59 女 1世 同 上 同 上 夫 小 学 6{r 農業 同L 0 58 男 妻の母 が憂留 婦λ 2000年 3月 纈房区 妻 小学 6年 眉叢 入 か ら瑚 い た な し ζ教 師 の話 でば ゼ σ でぱ なか った ノ ε 52 女 夫の母 力塀 留 婦凶 200'年 4月 練馬区 夫 小学 3年 半 魚飯売 伺上 な し F 34 男 母 が1 世 2σ02年 3月 町 出市 母 II学 2年 販売業 母 か ら聞い た 長春 ★4ケ 月 G 59 女 1置 1995年 編 馬屠 1入 中学 '享 掌侵箏 務 λか ら爾 い た 独学1.5年/暫 台 々 4ケ 月/池 袋 料8ケ 月 Fω 62 女 1酋rF の 母ノ 2000年 6β 町田市 息子 中 師 `短 メr 祖 当ノ 4・学礎 国語教 師 '伺士 長春沖4ケ 月/所 沢 畔 ケ月/帰 国 番 河 1燗 本語学授2校 各 1年 H=夫W=妻Ml母 *所 沢;所 沢 に あ る 中 国 帰 国 者定 着促 進 セ ン ター ☆ 仙 台:仙 台 に あ っ た 中 国 帰 国 者定 着促 進 セ ンタ ー 舶 池 袋:池 袋 に あ った 中国 帰 国 者 自 立研 修 セ ン ター ★葺 春=長 春 に あ っ た帰 国 者 セ ン ター 〔正 式 名称 不 胴) 表2,1のA(H)か らFま で の9名 が 参 与 観 察 の 対 象 者 、 斜 体 太 字 で 書 か れ た も の が イ ン タ ビ ュ ー 協 力 者 の6名 で あ る 。 イ ン タ ビ ュ ー は 、 参 与 観 察 を 行 っ た ク ラ ス のA(W)、B(H)、 D、E4名 と 、 夜 間 中 学 に 入 学 し て3年 目 の 通 常 学 級 の 学 習 者G、Fの 母 親F(M)に 行 っ た 。 家 族 構 成 は 、 独 り暮 ら し のG、 親 子 で 暮 らすF、F(M〉 以 外 、 全 員 配 偶 者 と2人 二暮ら し 。B・ C、D夫 妻 とF(M)は 子 供 世 帯 が 近 く に 住 ん で お り、 よ く行 き来 が あ る と の こ と で あ っ た 。 生 活 環 境 は 、Fを 除 き全 員 無 職 で 、 生 活 保 護 受 給 者 で あ っ た 。 2.2調 査 方 法 調 査 は 参 与 観 察 と 半 構 造 化 イ ン タ ビ ュ ー に よ り 行 っ た 。 参 与 観 察 は2002年4月 か ら 2003年3月 ま で 約1年 間 、 日 本 語 の 授 業 見 学 の 他 、 体 育 や 給 食 、 体 育 祭 ・ 遠 足 ・ 卒 業 式 な ど の 行 事 に も参 加 し た 。 イ ン タ ビ ュ ー は2002年9月 か ら11月 の 間 に 行 っ た 。 質 問 内 容 は 、 大 き く、 ネ ッ トワ ー

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夜 問 中学 で 学 ぶ 高齢 帰 国 者 の 学 習 環 境 と学 習 支援 につ い てσ)一考 察 ク 、 敦 室 外 の 日 本 語 使 用 環 境 、 学 習 に 対 す る 意 識 、 学 習 方 法 に 関 して で あ っ た 。FIM)の み 日 本 語 で 行 い 、 そ れ 以 外 の 対 象 者 は 、 日本 語 で の 受 け 答 え が 難 しか っ た た め 、 調 査 者 と 同 じ研 究 室 に 所 属 す る 中 国 人 留 学 生(湖 南 省 出 身)に 通 訳 を 依 頼 し た 。 彼 女 の 話 に よ れ ぱ 、 方 言 の 問 題 を 別 に し て 、A(W〉 、B(H)、D、Eは 、 中 国 語 で の 質 問 の 内 容 を 理 解 す る の が 困 難 で 、 具 体 的 な 例 や 易 しい 言 葉 に 言 い 換 え な い と 意 味 が 通 じ な か っ た と の こ と で あ る 。 特 に 、A(W)は 、 「背 景 」 「語 法[文 法]」 「信 、自、[情報]」 と い っ た 抽 象 名 詞 が 伝 わ ら な か っ た と い う 報 告 が あ る ・ 一 方 、Gは 中 学 入 学3年 目 で 、 サ バ イ バ ル 的 な 日 本 語 は 習 得 し て い た 。 母 語 の 識 字 に つ い て は 、 自 己 評 価 で 答 え て も ら っ た と こ ろ 、A(W)、B(H)、Eが 書 く の に 自 信 が な い 、D、G、F(M)は 何 も 問 題 な い と 答 え た 。 習 得 は 観 察 に よ り、 進 ん で い る 順 か ら F(M)、G、D、B(H〉 、E、A(W)で あ っ た. 3.結 果 と考 察 3,1社 会 的 ス トラ テ ジ ー か ら の 結 果 と 考 察 以 下 に 述 べ る 理 由 に よ り、対 象 者 の ネ ッ トワ ー ク は 全 体 的 に 狭 くて 浅 い こ とが わ か っ た 。 グ ル ー ブ ネ ッ ト ワ ー ク に つ い て は 、 国 費 で 帰 国 し 、 サ バ イ バ ル レ ベ ル の 日 本 語 を 習 得 して い たGやF(M)に は 当 時 知1,合 っ た 、Dに は 日 中 友 好 協 会 の 会 長 や 隣 人 の 友 人 が い た 。 ま た 、Dに は 妻 の 友 人 、Gに は 娘 の 友 人 や 同 僚 と の ネ ッ ト ワ ー ク 、Bに は 孫 の 担 任 と の 弱 い ネ ッ トワ ー ク が あ っ た が 、A(W)、B〔H)、Eは 「友 達 は い な い 」 と 回 答 し、 隣 人 と あ い さ つ 程 度 の 非 常 に 弱 い ネ ッ トワ ー ク しか な い こ と が わ か っ た 。 し か し 、 日 本 人 と の 交 際 を希 望 す る か 質 問 し た と こ ろ 、 全 員 が 希 望 す る と 回 答 し 、 言 葉 の 壁 が1番 大 き な 障 害 で 、 中 国 語 が で き る 友 人 を 希 望 し て い る こ と が わ か っ た 。 地 域 の 日本 語 教 室 や ボ ラ ン テ ィ ア に よ る交 流 会 な ど に 閏 し て 聞 い た と こ ろ 、GとF(M)以 外 は 、 そ の よ う な 団 体 が 存 在 す る 事 も知 ら な い と 答 え た 。F(M〉 は 「知 っ て い る が 在 住 市 に は な い 」 と 答 え た が 、 調 べ て み る とF(M) の 在 住 市 に も存 在 す る こ と が わ か り 、 高 齢 帰 国 者 が 全 般 的 に 情 報 か ら疎 外 さ れ て い る こ と が 見 え て き た 。 夜 間 中 学 以 外 の 行 動 ネ ッ ト ワ ー ク は 主 に 、 買 物 、 病 院 、 市/区 役 所 、 入 管 、 法 務 省 、 電 話 、 道 に 迷 う 場 面 に 分 類 さ れ る こ とが わ か っ た が 、 通 常 の 買 物 に つ い て は 全 員 「日本 語 は 必 要 な い 」 と 答 え 、 病 院 もGとF(M)以 外 は 、 中 国 語 の 通 じ る 病 院 に 行 く と い う こ と で あ っ た 。A(W〉 とEに 関 し て は 、 日 常 生 活 に お い て 、 通 訳 や 家 族 に 頼 り、 日 本 語 を 使 用 す る 場 面 は 皆 無 で あ っ た 。 ネ ッ トワ ー ク が 狭 い の は 日本 の 高 齢 者 に も 言 え る こ と か も しれ な い が 、 今 回 の 対 象 者 の 場 合 、 経 済 的 な 問 題 も 大 き い こ と が わ か っ た 。 文 化 庁 が 、 平 成13年 に 行 っ た 地 域 の 日 本 語 教 室 に 通 う 外 国 人 を 対 象 に し た 全 国 規 模 の 調 査(野 山2002〉 に よ れ ば 、 「日常 生 活 で 日 本 語 が 必 要 な 場 面 」(上 位6項 目)は 、 ① あ い さ つ を す る 、 ② 場 所(道 順)を 聞 く 、 ③ 食 料 品 を 買 う 、 ④ 食 堂 で 注 文 を す る 、 ⑤ 日本 人 に 電 話 をす る 、 ⑥ 世 間 話 を す る で あ る が 、 本 調 査 で は ② が2件(G、F(M)〉 、 ① ⑥ が あ っ た の み で あ っ た 。 こ れ ら は 本 調 査 の 対 象 者 の 行 動 範 囲 の せ ま さ が 原 因 で あ り、 変 化 す る 可 能 性 も あ る が 、 ④ の 「食 堂 で 注 文 を す る 」 に 関 して は 、恐 ら く今 後 も必 要 が な い も の と 思 わ れ る 。 そ の 理 由 は 、全 員 、 生 活 保 護 を受 け 、 ぎ り ぎ り の 生 活 を し て お り、 外 食 は 全 く とい っ て い い ほ ど し な い か ら で あ る 。 ま た 、 同 様

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早 稲 田大 学 「1本詰 教 育研 究 の 理 由 か ら 、 地 域 の ボ ラ ンテ ィ ア に よ る 支 援 に 、 どの よ う な も の を 望 む か 、 と い う 質 問 で も 、 選 択 肢 に な か っ た に も関 わ らず 、 「〔交 通 費 の か か ら な い)近 い 所 」 を 希 望 し た 回 答 が 複 数 あ り 、 経 済 事 情 が ネ ッ ト ワ ー ク に 大 き く反 映 さ れ て い る こ と が 伺 え た 。 以 上 に よ り、 高 齢 帰 国 者 の 行 動 範 囲 が せ ま く な っ て し ま う の は 、 あ る 程 度 や む を え ず 、 こ れ ら の 事 情 を 考 慮 す る こ と な く、 「日 本 語 を 習 得 し た け れ ば 、 ネ ッ トワ ー ク を広 げ る べ き だ 」 と は い え な い 。 そ こで 、 最 も 身 近 な 隣 人 と の 交 際 を 重 視 す る べ き だ と 考 え る 。 隣 人 と の 交 際 が 可 能 に な れ ば 、 そ れ が 日本 語 習 得 の 具 体 的 な 目標 と な り 、 学 習 意 欲 に つ な が る 可 能 性 が あ る 。家 族 の ネ ッ トワ ー ク が あ る 場 合 は 、 そ れ を 利 用 す べ き で あ る 。 遠 藤(2003) の 報 告 で も 、 子 供 が 幼 稚 園 に 入 園 し 、 幼 稚 園 との ネ ッ ト ワ ー ク が 出 て き た 配 偶 者 の 話 が あ る 。 社 会 的 ス ト ラ テ ジ ー か ら見 た 支 援 の 可 能 性 と して は 、 支 援 者 が 高 齢 帰 国 者 の ネ ッ トワ ー ク を 広 げ る 橋 渡 し を す る こ と が 考 え ら れ る 。 馬 場(1998)で は 、 帰 国 者 セ ン タ ー を 退 所 し た 主 に2世 を対 象 と し て 、 在 住 地 に 近 い ボ ラ ン テ ィ ア 日本 語 教 室 を 紹 介 して い る が 、 高 齢 帰 国 者 の 場 合 、 情 報 を 与 え る だ け で は 、 自 分 か ら 行 動 す る こ と は 難 しい だ ろ う。 そ こ で ・ 高 齢 帰 国 者 と ネ ッ ト ワ ー ク の 仲 介 を す る 第 三 者 が い る こ と が 望 ま し い と 考 え る 。 藤 田 〔2002〉 で は 「メ デ ィ エ ー タ 」、 原 田(2003)で は 「コ ネ ク タ ー 」 と 呼 ば れ る 仲 介 者 の 重 要 性 が 指 摘 さ れ て い る が 、 こ の よ う な 仲 介 者 が 高 齢 帰 国 者 に と っ て は 特 に 必 要 だ と 考 え る 。 し か し 、 こ れ は 実 際 に は な か な か 難 しい 。 よ り実 行 可 能 な もの と して 、 夜 間 中 学 の 授 業 に 、 社 会 的 ス トラ テ ジ ー が 使 用 で き る よ う な場 面 を作 り出 す こ と が で き な い だ ろ う か 。 例 え ば 、 原 田(2003)の 堤 言 に も あ る が 、外 部 か ら 人 を 呼 ん で 、 自 然 な イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 場 面 を 増 や し た り 、 昼 間 部 の 学 生 と交 流 し た り(こ れ に つ い て は 一 部 の 夜 間 中 学 で は 既 に 実 行 さ れ て い る 。〉 授 業 の 中 で 、 積 極 的 に 実 際 場 面 を 作 り出 し て い く工 夫 が 求 め ら れ る 。 た だ し 、 ほ と ん ど 日 本 語 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が と れ な い 高 齢 帰 国 者 に フ リー トー ク な ど 表3.1人 的 ネ ッ ト ワ ー ク A(、め B(H) D E G F(M) ク ラ ス メ ー ト ○ o O o O

帰国者

O o O ○ 回 答 な し 近 所 の 人 ▲ ● ● ● グ ル ー ブ ネ ッ ト ワ ー ク 口本 人 友 人 ○ ● ● 家 族 の 関 係 者 ▲ ●

保証人

O

宗教 関係

● 夜 間 中学 ● ● ● ● ● 中 国 語 の ボ ラ ンテ ィ ア ● 行 動 ネ ッ ト ワ ー ク 市1区 役 所 O ○ ● ● ● 入 管 、法 務 省 ●

病 院

O o ○ ○ ● ● ●=目 本 語 を使 用す る ○=日 本 語 は 使 用 しな い が接 触 が あ る ▲:目 本 語 を使 用 す るが 少 な い 一F

(7)

夜一

で学一

帰国者の学習環…

についての…1

喪3.2日 本 語が で きず に 困 っ た事 例 A(w〉 ・定 期 売 り場 が わ か らず 、 目本 語がわか る友人に つ きそっても らった。 ・9月1日 か ら10月1日 ま で の 定期 が 欲 しか った の に、 うま く説 明 で きず 、30日 ま で の もの しか 売 って も ら えな か っ た・ 〔注:こ れ は1目 か ら1日 ま で が1ヶ 月 だ と考 え て い たA〔W)の 誤 解 。 通 訳 の 説 明 で 誤解 が 解 け る。〉 ・歯 医者 で抜 か れ た くな い歯 を抜 かれ た。 ・中 国に 一 時 帰 国 して い る間 の 電気 代 を高 く請 求 され た が 、説明がで きないので、 日木 語 の で き る友 人 に 交渉 して も らっ た 。 ・電 車 を待 っ て3列 で 並 ん で い た の に押 され た 。文句 を言 いたか ったが何 と言っていい のか わ か らな か っ た 。 B(H) ・妻 の具 合 が 急 に 悪 く な った が 、救 急 車 が 呼 べ な くて 、 中国 語 がで き る以 前 の 指 導 員 に 電 話 を した 。 ・台 風 の 時 、学校か ら休校の知 らせ があったが 、何 を言 っているのかわか らなかった。 区役 所 で 話 が通 じな か った が 、職 員 が逓 訳 を探 して き て くれ た。 ・孫 の学 校 の 先 生 との や りと り。 筆 談 で してい る。 D 役 所 の担 当者 に言 い た い こ とが 言 え な い。 E ・ア パー トの 電気 が 切 れ た が 大 家 さん に 何 と言 え ば いい の か わ か らな か った 、(そ の 話 を 聞 い た本 調 査 の通 訳 が 伝 え る こ と を 日本 語 で 書 い て 解 決 した 。) G ・心臓 に問 題 が ある と い われ 、大 きい病院 を紹介 され て行 ったとき、医者の話が速 くて 何 を言 って い るの か わ か らな か っ た。 た ま た ま台 湾 人 の 医 者 が い て 対 応 して くれ た。 ・階 下 の酔 っ た住 入 か ら、 うるさいと苦情 を言われ けんか にな り、区役所の通訳に対応 して 宅)らっ た。 F(M) (来 目当初)区 役 所 の あ る職 員 に は 自分 の 口本 語 が通 じ、 あ る職 員 に は通 じず 、 日本 人 同 士 が 口本 語 を通 訳 し合 った り して 大 変 だ っ た.(し か し、 そ のお か げ で職 員 に 顔 を 覚 え て も らえ た。) は 難 し く、 逆 に 自 信 を な く さ せ た り、 ス ト レ ス を 与 え て し ま う可 能 性 も あ る の で 、 実 行 の 際 に は 注 意 が 必 要 で あ る 。 こ れ に 関 して は 、 帰 国 者 セ ン タ ー で 行 っ て い る 交 流 実 習 が 参 考 に な る(池 上2002〉 。 以 上 の よ う に 、 ネ ッ ト ワー ク に 関 し て は 、 高 齢 帰 国 者 に 自 力 で 広 げ る こ と は 求 め ら れ な い の で 、 支 援 者 、 こ の 場 合 は 、 夜 間 中 学 の 担 当 教 員 が 、 積 極 的 に学 校 外 の 日 本 人 と接 す る チ ャ ン ス を 作 る べ き だ ろ う。 そ し て 、 そ こ か ら新 た な 「支 援 ネ ッ ト ワ ー ク 」(内 海 ・吉 野1998)が 生 ま れ て く る こ と を 期 待 し た い 。 3,2情 意 ス トラ テ ジ ー か ら の 結 果 と考 察 調 査 か ら 、 全 員 、 日 本 語 を 学 ぶ こ と 自 体 に は 肯 定 的 な 態 度 で あ っ た が 、 意 識 的 に 「不 安 を 軽 くす る 」、 「勇 気 づ け る 」、 「感 情 を 把 握 す る 」 と い っ た 情 意 ス トラ テ ジ ー を 使 用 し て い る 態 度 は ほ と ん ど 見 ら れ な か っ た 。 反 対 に 否 定 的 な 意 識 と し て は 、 「覚 え ら れ な い 」 (A(W)、B〔H)、D、E、G〉 とい う記 憶 力 の 問 題 が 最 も大 き く、 「ば か 」(A(W))と 自分 を卑 下 す る 発 言 も あ っ た 。 こ れ に つ い て は 教 師 か ら も 「高 齢 学 習 者 は 自 分 を 貢 め る 傾 向 が あ る 」 と報 告 が あ っ た ・ 全 体 的 に 、 学 習 に は 肯 定 的 だ が 、 自 分 の 能 力 を 低 く見 、 「先 生 か ら言 わ れ た 通1)に や りた い 」(A(W)、D)、 テ キ ス トの 通 り に 話 せ ば い い(B(H))な ど 、 教 師 管 理 を 望 む 受 動 的 な 態 度 が 見 ら れ た 。 こ れ は 自 律 学 習 の 視 点 か ら 見 る と い い こ と で は な い 。 し か し な が ら 、 学 習 経 験 に乏 し い 学 習 者 に 「自 信 を持 て 」、 「能 動 的 に な れ 」、 と言 っ て も 不 可 能 で あ ろ う。 今 回 の 対 象 者 に 対 し て は 、 感 情 の コ ン ト ロ ー ル は む し ろ 教 師 の 責 任 で あ る と 考 え る 。 夜 問 中 学 の 担 当 者 は

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早 稲 田大 学 日本 語教 育 研究 表3.3学 習 に対 す る 意 畝 AGV) B(H〉 P E G Fl劫 学 習に対す る肯 日本 語 の長 業 口木 語 の掻 業 一 番 好 き な の 口木 語 の授 業 口本 語 の授 業 口本誌 が 大好 定 的な態度 が 一 番 大 事 。 は 楽 し い 。 は 口木 語の授 業 が 一 番 楽 し い 。 が 一 番 重 要 。 き 。 ・早 く 口木 語 を (暗 記 し て 琵 〔暗 記 し て 発 時問 が たて ば ・速 足 な どの 献 母 国の君葉 だか 勉 強 し て 、 口 表 す る活 動1幻 .表 す る活動 は1 よ くな る可 能性 外活動 は実際 場 ら一生懸 命勉強 本人 と会話 した 集 中 で き る。 発 話 の テ ヤ ン も あ る。 面で 臼本語が 覚 す る 。 いP λo く晴 記 し て 発 え られ るか らい ・せ っ か く学 校 表 す る活 動は) に 来 る チ ヤ ン ス 位方 な く暗 記 し もで き た し 、 お て話す のは いい 金 も 出 し て い 練習の チャ ンス ただ いて いるか ら.一 生 懸 命 勉 強 し た い 。 絶 対 休 ま な い 。 習 得の妨 げ とな ・覚 え られ な い 授 業は 難 し く ・記 憶 力 の 褒 え 日 本 言15は全 て 動詞 の 変化 が ・助 詞 が難 しい 。 る 感 情.態 度 、 ・「ば か 』 な い が 、 記 憶 力 ・先 生 に よ っ て 難 し い 。 覚え きれ な い。 濁 音と清 音の ,o識 小 学 技2年 生 に問題 が ある. 「Oへ 行 く 』 で ・記 憶 力 が 思 い。 学校 の 復習 は 区 別 が 雌 しい 。 まで しか 行って 単 語が 覚え ら あ っ た り 「Oに あ ま り し な い, ない か ら字 の読 れ な い。 行 く 」 だ っ た り して も覚 えられ み書 き もちゃん 発音 に 自信 が して 統 一 して い な い 。 こ れ か ら と で き な い. ない か ら他の 人 な い の が 困 る。 口本 に住 むの だ (活 動 に つ い に 声 をか1ナ る 自 ・文 法 は助詞 ま か ら 、助 詞 ま で て1な ん でもい 信が ない。木 に で き っち り勉強 きっ ち り正 しい い。 先生 に言わ 向か って練 者す した い.そ うで 日本語 を学 びた れた とお りにや る こ と も。 発 音 な い と.日 本 人 い9 る. した ら笑われ そ に 変に思 われた 宿題 は 多け れ ・宿 題 は あ っ た 『 つo り、 マ ナ ー が な ば 多 い ほ ど い ほ う が い い、 テキ ス トの 通 いと思われ て し い 。 り1二 話 せ ば い ま う 。 い。 自 由 に 話 し 意 志 を 強 く たい とい う無 持 持 っ て 、先 生 か ちは あ るが.今 ら言われ た こと は 先 生 の 話 を は 覚え るよ うに い るい ろ聞 きた して い る。 いo 宿題 はあ った ほ うが い い。 口 分 には 時間ガあ り,宿 題 が あ つ た ほ うが強 制的 に 勉強 でき るか -b. 既 に 、 学 習 者 を リ ラ ッ ク ス さ せ る よ う 「安 心 感 を 与 え る よ う笑 顔 を絶 や さ な い 」、 「ず っ と へ らへ ら 、 に こ に こ す る 」、 「難 しい と恐 ろ しい 気 持 ち を持 た せ な い よ う に 」 な ど 配 慮 して い た が 、 そ れ に 加 え て 能 力 の 限 界 以 上 の も の を 教 え な い とい う こ と も大 切 で 、 成 功 体 験 が 自 信 に つ な が る よ う な 活 動 が 必 要 で あ る 。 こ れ に つ い て 、 教 師 の 意 識 レベ ル で は 既 に 「教 え す ぎ な い 」 と い う 共 通 認 識 が 見 ら れ た が 、 こ れ を 感 覚 的 な も の で は な く 、 き ち ん と整 理 し 体 系 的 な 形 に し て い く必 要 が あ る だ ろ う 。 ま た 、 「宿 題 は あ っ た ほ う が い い 」(A(W)、D、G)と い う 回 答 は 、 受 動 的 な 態 度 と い う 点 で は 否 定 的 に 捉 え ら れ る が 、 見 方 を 変 え れ ば 、 学 習 意 欲 と も考 え ら れ る 。 学 習 者 が 中 学 を 卒 業 し て 自 立 す る た め の 訓 練 を 宿 題 に よ っ て 行 う こ と は で き な い だ ろ う か ・ た だ し、 そ の 宿 題 は 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン活 動 に 結 び つ く よ う な も の で な くて は な ら な い 。 3.3メ タ 認 知 ス トラ テ ジ ー か らの 結 果 と 考 察 本 調 査 の 結 果 で は 、 全 員 が 教 室 外 で も慧 識 的 な 学 習 を行 っ て い た.特 に 、 最 も習 得 が 進 '■

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夜 間 巾学 で 学 ぶ ア、寄齢 帰 国.者の 学 習 環境 と学 習 支援 に つ い て の 一 考 察 ん で い たF(M)か ら は 朝4時 、5時 に 起 床 し学 習 を 始 め る とい う 報 告 が あ り 、 た だ 単 に 他 の 対 象 者 よ り も 学 歴 が 高 く 、 長 年 教 職 に 従 事 し て い た と い う だ け で な く 、 学 習 の 自 己 管 理 が う ま く行 え て い た こ と も大 き な 要 因 で あ る こ と が わ か っ た 。 彼 女 に 言 わ せ れ ば 、 他 の 学 習 者 は 「文 化 基 礎 が 足 り な い 。」 「努 力 が 足 り な い 。 一 生 懸 命 じ ゃ な い.」 と い う こ とで あ っ た が 、 他 の 対 象 者 もF(M)ほ ど で は な い が 、 自 分 な り の 努 力 は し て い る こ と が イ ン タ ビ ュ ー か ら 伝 わ っ て き た。 た だ し、 そ の 方 法 に は バ ラ エ テ ィが な く、 テ キ ス ト(全 員 〉 と テ レ ビ(子 供 向 け の 番 組 を 見 るA(W)、 教 育 テ レ ビ で 中 国 語 講 座 を 見 るB(H〉 、 字 幕 で 単 語 を 覚 え るG)に 偏 っ て い た 、 遠 藤(2003)の 調 査 に よ れ ば 、 対 象 と な っ た5人 の 既 婚 女 性 の 物 的 ネ ッ ト ワ ー ク の 活 用 に は 主 な も の に 、 「辞 書 を 活 用 す る 」、 「漫 画 を 読 む 」、1子 供 の 本 を 読 む 」、 「実 用 書 を 読 む 」 な ど 、 「読 む 」 も の の 活 用 が あ げ ら れ て い る が 、 本 調 査 の 対 象 者 の 場 合 、 テ キ ス ト以 外 に 読 ま れ て い る も の は 、 ほ と ん ど な く 、 「広 報 を 見 る 」(B(H))、 「『赤 旗 』 を 購 読 」(D〉 以 外 、 中 国 語 で 書 か れ た 雑 誌 や 本 な ど も読 ま れ て い な い こ と か ら 、 こ れ は 識 字 の 問 題 も 影 響 して い る と 判 断 さ れ る 。 ま た 、 辞 書 を 利 用 し て い た の はF〔M〉 の み で あ っ た ・ 辞 書 が 利 用 で き な い と い う の は 、 自 律 学 習 を 行 う 上 で 大 き な 障 害 に な る と 考 え ら れ る 。 し か し 、 外 国 人 力 士 の 日 本 語 習 得 に つ い て 研 究 し た 宮 崎(2001)に よ れ ば 、 対 象 と な っ た 外 国 人 力 士 は辞 書 を 利 用 せ ず に 日 本 語 を 習 得 し た とい う報 告 が あ る 。 し た が っ て 、辞 書 が な け れ ば 、外 国 語 学 習 は で き な い と い う わ け で は な い ・外 国 人 力 士 の 場 合 は 、 豊 富 な ネ ッ トワ ー ク が あ り、 わ か ら な い 言 葉 を 教 え て も ら っ た り、 番 付 表 な ど か ら漢 字 を 習 得 し た 事 例 が あ げ ら れ て い る が 、 高 齢 帰 国 者 の 場 合 に も 、 「人 に 聞 く」 と い う ス トラ テ ジ ー な ら 使 え る は ず で あ る 。 秋 元 ・坂 本(2002)は 「援 助 ス トラ テ ジ ー 」 を 利 用 し て 、 学 習 者 同 士 で 「実 生 活 で 見 聞 き し た 語 彙 を 教 え あ う グ ル ー プ ワ ー ク 」 を 行 っ た が 、 高 齢 帰 国 者 の 場 合 に も 、 実 生 活 の 中 で 覚 え た 単 語 や 、 知 り た い 単 語 を 書 き と め る こ と を課 題 と し 、 後 か ら学 校 で 教 え あ っ た1)、 教 師 に 聞 く と い う こ と が で き る の で は な い だ ろ うか 。 ま た 、Gか ら 、 テ レ ビ の 字 幕 で 語 彙 を習 得 す る と い う報 告 が あ っ た が 、 こ れ も高 齢 帰 国 者 に 適 した 学 習 法 だ と い え る だ ろ う ・ そ し て 今 回 の 調 査 で はF(M)以 外 、 行 っ て い な か っ た の だ が 、 教 材 用 テ ー プ を 活 用 す る こ と も可 能 で あ る と考 え る ・ た だ し、 市 販 の もの が レ ベ ル に 合 わ な け れ ば 、 支 援 者 が 自 作 す る こ と も 考 え ら れ る ・ 一 般 的 に 日本 語 の 教 材 用 テ キ 夫3,4学 習 計 両 に ゆ』す る メ タ認 知 ス ト ラ テ ジ ー A(恥 B(H) D E G F(M) 頻 度(テ レ ヒは 毎 日2、3時 問 不 定期(週3、4 毎 目 、2時 問 く 毎 日 、2時 間 く 決 まつてい ない 毎 日朝4、5日¥ 除 く) 回} ら い らい か ら8時 ま で 。 夜 数時 間 学習 方法 ・学 校 の テ キ ス ・学 校 の テ キ ス ・宇 校 の テ キ ス ・字 榛 の テ キ ス ・娘 が 使 用 し て ・テ キ ス トを 読 トで復 習 トで 復 習 、 トで 復 習 。 トで 復 習 、 い たテ キス トで む 。 ・教 育 テ レ ビで 中国 語版 の 日 中国 で購入 し i医更名,片 仮 勉 強 、 電 中の 中 ・教 材 テ ー ブ を 子供 向けの 口本 本 語テキ ス トを た テキス トを 名 を 書 く練 習 。 で 見 る 、 よ く聞 く◎ 語 爵 組 を 見 る。 便 って磁 語 を覚 便 っ て い る、 ・テ レ ビか ら 殖 敬歩 しなが ら え る。 語 を覚 え る。 単 語 帳 を 見 る。 ・単 語 帳 を1γ崖 。 ・電 車 の 中 で 単 ・教 育 テ レ ビ の 語 を覚 え る。 中 国語講 座を 見 ・青 板 を 読 む る, ・物 に ラ ベ ル を 貼 る。

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早稲 田大 学 日本 語 教 育 研 究 表3.5目 本 語 貿 得 に 閃 わ る 物 的 ネ ッ トワ ー ク

AGV)

B(H) 1) E G F(M) 学 校 で使 用 して い る 教材 ○ O O O O O 学 校 で使 用 して い る以 外 の教 材 O ○ ○ o o 教 材 用 テー プ ○

辞書

o 一 般 図 書 ・紅 誌 新 聞 ・広 報 ○ O テ レ ビ Q O ○ ○ O

ス トは 、 日本 語 しか 入 って い な い が 、 高齢 帰 国 者 に は 、一 部 の外 国語 教 材 に あ る よ うに 、

外 国 語 の 直 後 に母 語 訳 がつ い て い る もの が 望 ま しい だ ろ う。調 査 か ら対 象 者 は覚 え る こ と

につ い て、 「

繰 り返 し書 く」 とい う方 法 を と っ て い た 。 単 純 に 「

繰 り返 す」 とい う こ とが

実 行 可 能 な 方 法 で あ る な らば、 繰 り返 し 「

書 く」 よ りも 「聞 く」 ほ うが負 担 も少 な く、 中

国 語 訳 が 入 って い れ ば 、意 味が わか らず に聞 く こ と も ない 。 そ れ に実 際 の イ ン ター ア ク シ

ョン に欠 か せ な い 聴 解 力 も養 う こ とが で きる の で は な い だ ろ うか。

以 上 の 学 習 方 法 の 効 果 に つい て は実 証研 究 を行 っ て み な け れ ば わか らな いが 、 こ こで い

え るの は、 高 齢帰 国 者 の学 習 方 法 にバ ラエ テ ィが な い理 由 は 、学 習 経験 が 少 な い こ とにあ

る とい う こ とで あ る 。 識字 に問 題 が あ る に して も、 高齢 帰 国 者 に可 能 な学 習 方 法 は、 様 々

あ る。 まず は学 習 を支 援す る側 が 複 数 の 学 習 方 法 を高 齢 帰 国 者 に体 験 して も らい、 その 上

で 、 高 齢 帰 国 者 が 自分 にあ っ た学 習 方 法 を選択 で きる よ うに す るべ きで あ る。 自律 学 習 を

意 識 した ス トラ テ ジー 訓練 を教 室 の 中 で行 っ て い く必 要 が あ る だ ろ う・

3,4補 償 ス トラ テ ジ ー か ら の 結 果 と 考 察 識 字 に そ れ ほ ど 問 題 が な いB〔H)、D、G、F(M〉 の 場 合 に は 、 筆 談 を よ く利 用 して い た 。 そ れ 以 外 で は 、 中 国 語 に コ ー ド ス イ ッ チ ン グ し た り 、 始 め か ら 回 避 し て い る こ とが わ か っ た 。 宮 崎 〔2003:19)は 、 補 償 ス ト ラ テ ジ ー は 「適 切 な 調 整 ス トラ テ ジ ー が 選 択 で き な い 場 合 の 緊 急 避 難 的 問 題 解 決 法 」 で は な い か と 問 題 提 起 し、 「根 本 的 な イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 問 題 を 解 決 せ ず 、 問 題 を 不 完 全 な ま ま残 し て し ま う 可 能 性 が あ る」 と否 定 的 に 見 る 。 し か し な が ら 高 齢 帰 国 者 の 場 合 、 高 い レ ベ ル で の 言 語 習 得 は 不 可 能 で あ り、 目標 は 言 語 を 習 得 す る こ と そ の も の よ り も 、 日本 で 生 き る 力 を 習 得 す る こ と で あ る と い え る。 帰 国 者 セ ン タ ー で は 、 学 習 者 に コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ス ト ラ テ ジ ー に つ い て 伝 え 、 そ の 意 識 化 を は か る の を 目 的 に 、 ジ ェ ス チ ャ ー 、 筆 記 、 絵 な ど 、 様 々 な 手 段 を駆 使 して な ん と か 意 思 の 疎 通 を は か る 「日 本 語 面 接 」 と い う 活 動 を 行 っ て い る(池 上2002)。 高 齢 帰 国 者 と同 様 に 、 識 字 や 記 憶 力 に 問 題 を持 っ た 高 齢 の イ ン ド シ ナ 難 民 に 教 え て い る 国 際 救 援 セ ン タ ー の 藤 野 ・ 内 藤(2002)で も 、 日 本 語 教 育 を 広 く コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン教 育 と捉 え た具 体 的 な 実 践 報 告 が さ れ て お り、 非 常 に 興 味 深 い 。 こ の よ う に 、 特 に 言 語 能 力 の 限 界 を 克 服 で き な い 高 齢 帰 国 者 の 場 合 に は 補 償 ス トラ テ ジ ー は 避 け る よ り も 、 む し ろ 積 極 的 に 利 用 す るべ き だ と考 え る 。 日 本 語 を 回 避 し て も 、 日 本 社 会 を 回 避 し、 「引 き こ も り」 に な ら な い よ う 、 ほ ん の 少 "

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夜一 で籾高齢一

… 境と学  一 一1

表3.6認 知 ■ 記 憶 ス ト ラ テ ジー A6恥 B(Hl L) E G F(M) 学技で 勉強 したこ 単語 帳 を開い て テ キ ス トのll置語 を 平 仮 名 、 片 仮 名 電 車の 中で テキ ・テ キ ス トを 読 む 。 と を書 く。 黙 って 見ながら啓 .見 な が ら書 く。 を書 く練 習 をす ス トを 見 る、 教村用 テー プ を く α る ゆ 暗 記す る ときは 鞭 り返 し聞 く。 ・単 語 帳 を 見て 声 ・暗 記 す るた め に 、声 には出 さず 害い 電市 の中 で賦語 に 出 し て 覚 え る 。 黙 っτ操 り返 し書 て 黙 読 す る. を 寛 え る。 く 。 ・物 に ラベ ル を 貼 る 。 しで も 彼 ら の 世 界 が広 が る よ う言 葉 を超 え た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 訓 練 が 必 要 だ ろ う。 3.5認 知/記 憶 ス トラ テ ジ ー か ら の 結 果 と 考 察 対 象 者 が 利 用 し て い た 認 知/記 憶 ス ト ラ テ ジ ー は 、 黙 っ て 繰 り 返 し 書 く(A(W)、B(H〉 、 D、E、G)、 黙 っ て 読 む(G、F(M〉)、 と い う の が ほ と ん ど で あ っ た 。 複 数 の 教 師 か ら は 、 「学 習 経 験 の 少 な い 高 齢 帰 国 者 達 は 書 く と 勉 強 し た 気 に な る 、 達 成 感 に つ な が る 」 と い う 指 摘 が あ っ た 。 オ ッ ク ス フ ォ ー ド(19941188)は 、 「教 師 が 学 習 者 の 古 い ス ト ラ テ ジ ー は 役 に 立 た な い と考 え て も、 新 しい ス トラ テ ジー を 徐 々 に 無 理 な く導 入 す る こ と が 大 切 で あ る 。 決 し て 学 習 者 の 「安 全 で 、 使 い な れ た 毛 布 」 を取 っ て し ま っ て は な ら な い 。」 と 言 う 。 高 齢 帰 国 者 の 場 合 、 効 率 だ け で な く 、 「成 功 経 験 」 や 「達 成 感 」 が 大 切 な の で 、 書 い た り 読 ん だ り し て 満 足 感 が 得 ら れ る な ら 、そ れ は 一 つ の 方 法 と し て 認 め ら れ るべ き だ ろ う 。 し か し な が ら 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 をつ け よ う と思 っ た 時 、 黙 っ て 書 い た り、 黙 っ て 読 む だ け で は 不 十 分 で あ る 。 浜 田(2001:184)は 「学 習 者 が あ る 特 定 の ス トラ テ ジ ー (例 え ば 文 法 中 心 の ス ト ラ テ ジ ー)を 用 い て い る 場 合 、 そ れ は 学 習 者 自 身 の 志 向 に よ る と い う よ り学 習 環 境 に 起 因 して い る(例 え ば コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン練 習 の 環 境 が 不 足 し て い る 〉 可 能 性 も あ る 。」 と 指 摘 す る ・ 本 研 究 の 対 象 者 に は 、 実 際 の 日 本 語 使 用 環 境 が 限 定 的 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た が 、 教 室 内 で 「コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 練 習 の 環 境 」 を 作 り出 す こ と は 十 分 に 可 能 で あ る 。 授 業 担 当 者 は そ の 環 境 作 り に 配 慮 す る と共 に 、 学 習 者 に 新 しい ス ト ラ テ ジ ー を 提 示 し て い く必 要 が あ る だ ろ う。 4.ま と め

4.1学

習 支 援 の方 向性

本 調査 の結 果 か ら、 夜 問中学 に通 う一 部 の 高 齢 帰 国 者 は 、 日本 語 習 得 に対 して 強 い 希 望

を持 ち な が ら も、彼 らが 持 っ て い る条 件 、環 境 は言 語 学 習 に恵 まれ た もの で はな く、宮 崎

(20012003)が

指 摘 す る よ うな学 習 者 自 身 が 学 習 を管理 し、 自 らの工 夫 や 努 力 に よっ て 成

長 して い け る可 能 性 は非 常 に小 さい こ とが 明 らか にな った 。

浜 田(2001)は

、学 習 者 中心 主 義 で 、 学 習 の失 敗 を全 て 学 習者 の 責 任 とす るの は 、教 師

の責 任 の放 棄 を意 昧 し危 険で は ない か、 と危 倶 して い るが 、 高 齢 帰 国 者 の 場 合 は特 に 、 支

援 側 の役 割 が 大 きい と考 える。 確 か に、 「

高 齢」、 「

就 学 歴 の少 な さ」、 「

狭 い ネ ッ トワ ー ク」

な どの条 件 の下 、教 室 で 学習 す る だ けで 日本 語 が 高 い レベ ル で 習 得 で き る こ とは あ りえ な

い が 、 限 界 を知 っ た上 で 彼 らに よ りふ さわ しい支 援 を行 う必 要 が あ るだ ろ う・

とは い え、彼 らが い つ まで も夜 間 中 学 に在 籍 で きる わ け で は な い 。中 学 を卒 業 した 後 は、

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早 稲 田 大 学 日木 語教 育 研究 学 習 者 と し て も生 沽 者 と し て も 自 立 す る こ と が 求 め ら れ る 。 も ち ろ ん 、 彼 ら は 夜 間 中 学 に 入 学 す る 以 前 か ら、 既 に 日 本 で 自 立 し た 生 活 を 送 っ て は い た が 、 ほ と ん ど 家 に 引 き こ も っ た 生 活 を し て い た と い う 。 卒 業 後 は 入 学 前 よ り少 しで も 精 神 的 に 生 活 が 豊 か に な っ て い る こ と が 望 ま れ る 。 し た が っ て 、 夜 間 中 学 で 行 うべ き学 習 支 援 は 、 日 本 語 を 教 え る 以 上 に 、 勉 強 の 仕 方 や 、 実 生 活 で の 問 題 解 決 の 仕 方 な ど 、 根 本 的 な と こ ろ か ら教 え る こ とが 求 め ら れ る の で は な い だ ろ う か 。 本 調 査 か ら 、 高 齢 帰 国 者 は 学 習 ス トラ テ ジ ー を 十 分 に 活 用 で き て い な い とい う以 前 に 、 ど の よ う な 学 習 方 法 が あ る の か 知 ら な い 、 あ る い は1人 で 実 践 す る の は 難 し い こ と が 見 え て き た 。 し た が っ て 、 支 援 者 側 が 効 果 的 だ と思 わ れ る ス トラ テ ジ ー を提 示 し 、 自 律 学 習 の 訓 練 を 行 う こ とが 必 要 で あ る 。 学 習 ス トラ テ ジ ー の トレ ー ニ ン グ に つ い て の 先 行 研 究 は い くつ か あ る が 、 そ れ ら は 、 も と も と学 習 に 対 す る レ デ ィ ネ ス の あ る 学 習 者 を 対 象 と し て い る た め 、 本 研 究 の 対 象 者 に は 応 用 で き な い 。 そ こ で 「学 習 ス ト ラ テ ジ ー の 意 識 化 が 学 習 者 に と っ て`快'と 感 じ ら れ る よ う な 工 夫 」(斉 藤 ・田 中19991179)を 支 援 者 側 が 考 え る 必 要 力ごあ る だ ろ うD 4,2ど の よ う な 日本 語 教 育 を め ざ す の か そ れ で は 内 容 的 に は ど の よ う な 日本 語 を 扱 っ て い くべ き な の か 。 現 場 で は 、 学 習 者 の 二 一 ズ 分 析 の 必 要1生 を 訴 え て い る が(第48回 全 国 夜 間 中 学 校 研 究 大 会 事 務 局2002) 、 高 齢 帰 国 者 の 二 一 ズ と は 何 で あ る の か 。 今 回 の 調 査 か ら 、 ど う して も 日本 語 が 必 要 な 場 面 と い う の は 非 常 に 少 な い こ とが わ か っ た 。 不 測 の 事 態 に 困 難 を 感 じ た 事 例 が あ っ た が 、 ほ と ん ど は 第 三 者 の 助 け に よ り解 決 し て い た 。 非 日常 的 な ト ラ ブ ル を 対 処 す る と い う の は 、 日本 語 能 力 で も か な り高 度 な も の が 求 め ら れ る ・ し た が っ て 、 助 け を 求 め た り 、 拒 否 す る た め の 最 低 限 の 意 思 表 示 が で き る 日 本 語 は 必 要 だ が 、 複 雑 な 状 況 に 対 応 で き る た め の 日本 語 を 教 え る よ り は 、 む し ろ 困 っ た 時 に 助 け を 求 め ら れ る 友 人 な り、 支 援 者 な り の ネ ッ トワ ー ク を 持 つ こ と の ほ う が 重 要 で あ ろ う 。 あ る い は 他 人 の 力 を 借 りた く な い と き は 市 販 さ れ て い る 場 面 シ ラ バ ス の テ キ ス トを 片 手 に 自 分 の 要 求 を 訴 え る こ と が で き る だ ろ う。そ う な る と 、 進 学 す る わ け で は な い 、 仕 事 を す る わ け で も な い 高 齢 帰 国 者 の 学 習 二 一 ズ と は 何 か 。 一 般 的 に 日 常 会 話 と言 わ れ て い る も の だ け 教 え て い れ ば い い の だ ろ う か 。 こ れ に 対 し 、 細 川(2002:2)で は 、 「学 習 者 の 二 一 ズ を 優 先 させ な け れ ば な ら な い と い う 思 い 込 み が 先 行 し、 そ の 結 果 、 い つ の ま に か 学 習 者 の 側 に 立 っ て こ と ば を 考 え る こ と と 、 学 習 者 二 一 ズ ヘ の 対 応 の 問 題 と が 混 同 さ れ て し ま い 、 学 習 者 の 二 一 ズ に し た が っ て 、 教 材 の 記 述 を 覚 え さ せ る と い う奇 妙 な 風 土 が 形 成 さ れ て き ま し た ・」 と 指 摘 す る ・ そ し て 、 教 室 の 担 当 者 の 役 割 は 「教 室 と い う空 問 に お い て 学 習 者 自 身 に ど の よ う に し て 本 人 の 「言 い た い こ と」 を 表 現 させ る か 」(細 川2002二3)で あ る と言 う 。 縫 部(2001)は 、 外 国 語 学 習 の 到 達 目標 は 、 マ ズ ロ ー 〔1971〉 の 欲 求 階 層 説 で 言 わ れ て い る 最 も 高 次 の 「自 己 実 現 」 で あ る と 言 う 。 そ の た め に 、 外 か ら与 え ら れ 充 足 す る 「外 発 的 動 機 づ け 」 で は な く 、 外 国 語 学 習 そ の もの に 興 味 や 意 欲 を 持 て る 「内 発 的 動 機 づ け 」 を 高 め る 必 要 が あ る と訴 え 、 教 室 活 動 を 「人 問 化 」 す るべ き だ と主 張 す る 。 以 上 の 理 論 は 、 全 て の 学 習 者 に あ て は ま る も の で あ る が 、 実 際 に は 進 学 や ビ ジ ネ ス と い っ た 目 的 や 、 学 校 の 決 め ら れ た カ リ キ ュ ラ ム の た め に 制 約 を 受 け る こ とが 多 い 。 し か し、

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夜 問 中 学 で 学 ぶ 高 齢 帰 国 者 の学 習 環 境 と学 習 支援 につ い て の一・考 察 そ の よ う な 制 約 が 一 切 な い 高 齢 帰 国 者 に と っ て 、 「自 己 実 現 の た め の 日 本 語 教 育 」 こ そ 、 正 に 彼 ら に ふ さ わ し い 日本 語 教 育 で あ り 、 表 面 的 な 二 一 ズ に 応 え る よ り も ず っ と 重 要 で あ る と 考 え る 。 夜 問 中 学 に は 、 現 場 の 教 師 が 指 摘 す る よ う に 、 「楽 し さ 」 や 「癒 し」 の 機 能 も あ る だ ろ う が 、 日本 語 教 育 そ の も の を 「楽 し さ」 や 「癒 し」 に つ な が る 活 動 に 変 え て い く こ と が 望 ま し い だ ろ う。 4.3課 題 夜 問 中 学 で 学 ぶ 高 齢 帰 国 者 へ の 提 言 と し て 、 「学 習 者 の 意 識 を 変 え る こ とが 重 要 」、 「学 習 ス トラ テ ジ ー ・ ト レ ー ニ ン グ が 必 要 」、 「大 切 な の は 学 習 者 の 言 い た い こ と を 引 き 出 す こ と」 な ど と い う の は た や す い 。 し か し な が ら 、 現 場 で は既 に そ の 、点 に気 が つ い て い る 教 師 も お り 、 求 め ら れ て い る の は さ ら に 具 体 的 な 提 言 で あ る.調 査 者 自 身 は 、 高 齢 帰 国 者 へ の 教 授 経 験 が な く 、 参 与 観 察 と イ ン タ ビ ュ ー だ け で 、 こ れ 以 上 の 意 見 を 述 べ る に は 限 界 を 感 じ た.理 想 論 は い く ら で も語 れ る が そ れ が 机 上 の 空 論 で 実 行 不 可 能 で あ っ て は な ら な い 。 ゆ え に 、 今 回 の 調 査 に よ っ て 明 ら か に な っ た 点 、 ま た 調 査 を通 して 感 じた こ と を実 践 の 場 に お い て 検 証 し 、 よ り具 体 的 な 提 案 と し て ま とめ る こ と を今 後 の 課 題 と し た い ・

(1)東 京 、 神 奈 川 、T・葉 、 大 阪 、 奈 良 、 兵 庫 、 広 島 。 日 木 国 内 に は 義 務 教 育 未II参了 者 が 白 数 十 万 人 い る と い わ れ 、 こ れ に 対 し、 夜 間 中 学 が35校 し か な い の は 、 学 習 権 を保 障 し た 憲 法 違 反 だ と し て 、 2(103年2月20目 、 全 国 夜 問 巾 学 研 究 会 は 、 各 都 道 府 些卜、し 政 令 指 定 都 市 に一一校 以 上 の 夜 問 中 学 の 設 置 を 求 め 、 日 本 弁F誕!r連 合 会 に 人 権 救 済 申 し立 て を 行 っ た 。 (2)20D2年9月 現 在 、303ユ 名 の 在 校 生 の う ち 、 外 国 人 学 習 者 が2360名 、 日 本 語 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 支 障 が な い と 思 わ れ る 在 「1韓III・ 朝 鮮 籍 の 学 習 者808名 を 除 く と 、1552名 が 外 国 人 学 習 者 で あ る 。

参考文献

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