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Suri seibutsugaku ni arawareru hanno kakusankei no seichi teijokai ni tsuite

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(1)

早稲田大学大学院

基幹理工学研究科

On positive stationary solutions for

reaction-diffusion systems in mathematical

biology

数理生物学に現れる反応拡散系の正値定常解

について

Kazuhiro

OEDA

大枝

和浩

数学応用数理専攻

非線形システム研究

2011 年 5 月

(2)

数理生物学分野に現れる人口モデルを定式化する場合,生物の個体数密度を未 知関数とする反応拡散方程式で記述されることが多い. また, u = u(x, t)をあ る生物種の位置x,時刻tでの個体数密度としてその生物種の拡散を考える場合, ∆[D(x, t)u]というタイプの拡散がよく登場する. ただし, D(x, t)は各個体が現 在の居場所からランダムに離れる確率を反映する係数である. 従って, 2種以上の 生物が相互作用している様子を記述するモデルを研究する際には,D(x, t)の部分 を相互作用する相手の生物種との関係性に基づくもの(非線形拡散)にして考え ることが重要かつ現実的な問題となる. このような観点から,本論文では非線形 拡散を伴う2種生物モデルについて考え,非線形拡散が2種の生物種の分布や共 存にどのような影響を与えるかを明らかにしていく. 具体的には, 以下の2つの 反応拡散方程式系を取り扱う: 1. 2種共生モデル, 2. protection zoneを伴う被食者‐捕食者モデル. 本論文では特に上記2つのモデルの正値定常解集合の構造を明らかにしていくが, 生物モデルの観点からは,正値定常解は2種の生物の共存平衡状態を意味する. 本論文は2部構成であり,第1部では次の2種共生モデルを取り扱う: (P1)                ut= ∆ [( 1 + α µ+v ) u ] +u(a−u+cv), (x, t)∈Ω×(0, T), vt= ∆v+v(−b+du−v), (x, t)∈Ω×(0, T), ∂nu=∂nv= 0, (x, t)∈∂Ω×(0, T), u(x,0) =u0(x)0, v(x,0) =v0(x)0, x∈Ω. ここで, は滑らかな境界∂Ωを有するRN(N 1)の有界領域,αは非負定数, µ,a,b,c,dは全て正定数,∂n=∂/∂n∂Ωにおける法線微分を表す. 問題(P1)は, 領域内に棲息する2種の生物の個体数密度の時間変化を記述 する反応拡散方程式系であり,未知関数uvは共生関係にある生物の個体数密 度を表し, a−bはそれぞれ種uと種vの内的自然増殖率を表す. また,境界条 件は斉次Neumann境界条件と呼ばれ,の境界で生物の出入りが無いことを意 味する. さらに, 非線形拡散項α∆[u/(µ+v)]は共生相手の種vが多いほど種u の拡散が抑制される状況を表しており,αは非線形拡散の影響の大きさを表す係 数である. (P1)においてα= 0のときには, 2種ともランダムに動いていること を意味する. 第1部ではad−b > 0かつcd < 1を仮定する. このとき, (P1)に定数正値 解は唯一つ存在することがわかる. また, Lou-Nagylaki-Ni (2001)の研究により, α= 0のときにはその定数正値解が大域的に漸近安定であることが知られており, 1

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さらに, (P1)の正値定常解はその定数正値解のみであることがわかる. そこで, α∆[u/(µ+v)]のような非線形拡散があるために非定数正値定常解の存在が可能 となるかどうかを明らかにすることが,第1部の研究の出発点となる. なお,生物 モデルの観点からは,非定数解は生物の空間非一様な分布を意味する. 第1部では,まず,αが小さいときには(P1)に非定数正値定常解が存在しない ことを最大値原理を用いて証明する. 次いで,αが大きいときには適当な仮定の 下で非定数正値定常解が存在することを明らかにする. この結果は, 定数正値解 の線形化作用素のスペクトル解析と写像度の理論を用いて証明する. さらに, 空 間次元をN 3に制限した上で,α→ ∞のときに正値定常解の極限関数が満た す極限系の導出も行う. この結果は,正値定常解のアプリオリ評価を導いた上で, 楕円型方程式に対する正則性理論などを用いて証明する. 次に第1部の具体的な構成について述べる. 第1部は第1章から第4章までの 全4章からなる. まず第1章では問題の背景や既存の結果について述べるととも に, 第1部における主結果について述べる. 第2章では定数正値解の線形化安定 性についての議論を行う. 第3章では正値定常解のアプリオリ評価を導く. 最後 に第4章では主結果の証明を与える. その際,第3章で得られたアプリオリ評価 が重要な役割を果たす. 第2部では次のprotection zoneを伴う被食者‐捕食者モデルを取り扱う: (P2)                          ut= ∆[(1 +kρ(x)v)u] +u(λ−u−b(x)v), (x, t)∈Ω×(0,), vt= ∆v+v(µ+cu−v), (x, t)∈Ω\Ω0×(0,), ∂nu= 0, (x, t)∈∂Ω×(0,), ∂nv= 0, (x, t)∈∂(Ω\Ω0)×(0,), u(x,0) =u0(x)0, x∈Ω, v(x,0) =v0(x)0, x∈Ω\Ω0. ここで, Ω, 0はそれぞれ滑らかな境界∂Ω, ∂Ω0を有するRN(N 1)の有界 領域であり,N 2のときは0 ⊂Ωであり, N = 1, = (a1, a2), a1 < a2の ときは, あるa (a1, a2)に対して0 = (a1, a)または0 = (a, a2)とする. ま た, k 0, λ > 0, c >0, µ∈ Rは全て定数である. さらに, βを正定数として, ρ(x) =b(x)/β = 1 inΩ\Ω0,ρ(x) =b(x) = 0 in 0とする. 問題(P2)は,領域内に棲息する被食者とΩ\Ω0内に棲息する捕食者の生存 競争を記述する反応拡散方程式系であり,未知関数uvはそれぞれ被食者, 捕 食者の個体数密度を表す. また, λ,µはそれぞれ被食者, 捕食者の内的自然増殖 率を表す.

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(P2)の特徴的な点は, の中にprotection zoneと呼ばれる部分領域0があ

ることであり,0は被食者は自由に出入りできるが捕食者は入れない領域になっ

ている. すなわち, 0では被食者は捕食されないということである. protection

zoneを伴う生物モデルの研究は,生物のランダムな動きのみで支配される線形拡

散モデルに対してはDu-Shi (2006), Du-Liang (2008), Du-Peng-Wang (2009)の 研究がある. 中でも, Du-Shi (2006)では(P2)でk= 0とした場合などの研究が されており, protection zoneが存在することにより,被食者の増殖率λがある閾 値以上であれば捕食者の増殖率µがどんなに大きくても正値定常解が存在するこ とが示されている. しかし, 被食者‐捕食者モデルにおいては, 捕食者が多いほ ど被食者の拡散が促進される状況を考えることも重要であり,そのような状況を 表す非線形拡散項k∆[ρ(x)vu]を加味したモデルを第2部では取り扱う. ただし, kは非線形拡散の影響の大きさを表す係数である. なお,k∆[ρ(x)vu]の形の非線 形拡散はShigesada-Kawasaki-Teramoto (1979)によって提唱されたものであり, 交差拡散とも呼ばれている. 第2部では(P2)の正値定常解の存在・非存在及び形状について調べる. まず, λを分岐パラメータとみなし, 半自明解と呼ばれる解からの正値定常解の分岐を 調べることで, (P2)に正値定常解が存在するための必要十分条件(一部の結果は 十分条件のみ)を導く. それとともに, k >0の場合にも閾値が存在することを 証明する. 次いで,閾値のk0に対する依存性について明らかにする. 具体的 には,閾値の変分的特徴付けを行い,kの値や0の面積が大きくなるにつれて閾 値が単調に減少することを証明する. この結果は非線形拡散が被食者の生存に対 して良い影響を及ぼすことを意味する. さらに,空間次元をN 3に制限した上 で,k→ ∞のときの正値定常解の漸近挙動について明らかにする. 特にµ >0の ときには,被食者がprotection zoneの中に集中することで被食者と捕食者の棲み 分けが起きることを証明する. また,µ <0のときには,正値定常解の極限関数が 満たす極限系の導出を行う. 漸近挙動に関するこれらの結果は, 正値定常解のア プリオリ評価を導いた上で,楕円型方程式に対する正則性理論などを用いて証明 する. また, 分岐理論を用いて上記の極限系の正値解集合の構造についても明ら かにする. 次に第2部の具体的な構成について述べる. 第2部は第5章から第9章までの 全5章からなる. まず第5章では問題の背景や既存の結果について述べる. 第6 章では第2部の主結果について述べる. 第7章では主結果を証明する際に必要と なる予備的な結果を証明する. 具体的には, 正値定常解のアプリオリ評価や非存 在結果などを証明する. 第8章では,正値定常解の局所分岐について議論する. 最 後に第9章では主結果の証明を与える. その際,第7章と第8章で得られた結果 が重要な役割を果たす. 3

(5)

No.

1

早稲田大学

博士(理学)

学位申請

研究業績書

氏 名

大枝

和浩 印

(2011年

5月

現在)

種 類 別 題名、 発表・発行掲載誌名、 発表・発行年月、 連名者(申請者含む) 論文 講演

[1] ○“Effect of cross-diffusion on the stationary problem of a prey-predator model

with a protection zone”,

J. Differential Equations 250, 3988-4009, 2011年5月, K. Oeda.

[2] ○ “Stationary patterns for a Lotka-Volterra cooperative model with a

density-dependent diffusion term”,

Funkcialaj Ekvacioj 52, 93-112, 2009年4月, K. Oeda.

[1] “Stationary solutions for a prey-predator cross-diffusion system with a protection zone”, 第3回名古屋微分方程式研究集会, 名古屋大学, 2011年2月, 大枝 和浩. [2] “生息領域が一致しない被食者-捕食者モデルの解析”, 現象の数理研究会, 伊東, 2011年2月, 大枝 和浩. [3] “Protection zoneを持つ被食者-捕食者型の交差拡散系の定常問題とその極限系”, 第36回発展方程式研究会, 中央大学, 2010年12月, 大枝 和浩.

[4] “Stationary problem of a prey-predator cross-diffusion system with a protection zone”, RIMS研究集会「現象の数理解析へ向けた非線形発展方程式とその周辺」, 京都大学数理 解析研究所, 2010年10月, 大枝 和浩. [5] “Protection zoneを持つ被食者-捕食者型の交差拡散系の定常解について”, 第32回発展方程式若手セミナー, 伊豆長岡, 2010年8月, 大枝 和浩. [6] “Protection zoneを持つ被食者-捕食者型の拡散モデルについて”, 日本数学会2010年度春の年会応用数学分科会, 慶應義塾大学, 2010年3月, 大枝 和浩.

[7] “Stationary problem for a cross-diffusion system of a prey-predator type with a protection zone”,

International Workshop on Mathematical Fluid Dynamics, 早稲田大学, 2010年3月, 大枝 和浩. [8] “Protection zoneを持つ被食者-捕食者型の交差拡散系の正値定常解”, 第17回応用解析研究会シンポジウム, 湯河原, 2010年3月, 大枝 和浩. [9] “Protection zoneを伴う被食者-捕食者型の交差拡散モデルの定常解について”, 第4回非線型偏微分方程式と変分問題, 首都大学東京, 2010年2月, 大枝 和浩. [10] “Protection zoneを持つ被食者-捕食者型の交差拡散系の定常問題”, RDSセミナー, 明治大学, 2010年1月, 大枝 和浩.

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No.

2

早稲田大学

博士(理学)

学位申請

研究業績書

種 類 別 題名、 発表・発行掲載誌名、 発表・発行年月、 連名者(申請者含む) 講演 [11] “Stationary problem for a Lotka-Volterra cooperative model with nonlinear

diffusion”,

International Research Training Group 1529 Mathematical Fluid Dynamics Seminar, ダルムシュタット工科大学, ドイツ, 2009年11月, 大枝 和浩.

[12] “Existence of coexistence states for a strongly coupled prey-predator system with a protection zone”,

日本数学会2009年度秋季総合分科会函数方程式論分科会, 大阪大学, 2009年9月, 大枝 和浩. [13] “非線形拡散項を伴うLotka-Volterra型共生系の非定数正値定常解について”, MZセミナー, 宮崎大学, 2009年9月, 大枝 和浩. [14] “非線形拡散項を含むLotka-Volterra共生系に対する定常問題”, OSセミナー, 東北大学, 2009年3月, 大枝 和浩. [15] “非線形拡散項を含むLotka-Volterra共生系の正値定常解について”, 第16回応用解析研究会シンポジウム, 熱海, 2009年3月, 大枝 和浩. [16] “非線形拡散項を含む共生系モデルの空間非一様な定常解の存在・非存在”, 第3回非線型偏微分方程式と変分問題, 首都大学東京, 2009年2月, 大枝 和浩. [17] “非線形拡散項を含む共生系モデルの空間非一様な正値定常解について”, 日本数学会2008年度春の年会函数方程式論分科会, 近畿大学, 2008年3月, 大枝 和浩. [18] “共生系モデルの定常解集合に対する非線形拡散項の効果”, 九州関数方程式セミナー, 九州大学, 2007年11月, 大枝 和浩.

[19] “Stationary patterns for a cooperative model with nonlinear diffusion”,

RIMS 研究集会「非線形発展方程式と現象の数理」, 京都大学数理解析研究所, 2007 年 10月, 大枝 和浩. [20] “非線形拡散項を含む共生系モデルの正値定常解について”, 第33回発展方程式研究会, 中央大学, 2007年9月, 大枝 和浩. [21] “非線形拡散項を含む2種の生物の共生系の定常解について”, 第29回発展方程式若手セミナー, 山口, 2007年8月, 大枝 和浩. [22] “Cross-Diffusion系の正値定常解集合の構造について”, 第14回応用解析研究会シンポジウム, 湯河原, 2007年2月, 大枝 和浩.

(7)

No.

3

早稲田大学

博士(理学)

学位申請

研究業績書

種 類 別 題名、 発表・発行掲載誌名、 発表・発行年月、 連名者(申請者含む) その他 (報告集) [1] “Protection zoneを持つ被食者-捕食者型の交差拡散系の定常解について”, 第32回発展方程式若手セミナー報告集, 75-83, 2010年12月, 大枝 和浩.

[2] “Stationary patterns for a cooperative model with nonlinear diffusion”,

京都大学数理解析研究所講究録, No. 1588, 87-98, 2008年4月, 大枝 和浩.

[3] “非線形拡散項を含む2種の生物の共生系の定常解について”,

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