Kokusai sangyo renkan detabesu ni kansuru kosatsu
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(2) 国 際産 業 連 関 デー タベ ー ス に関す る考 察. 新. No.G-3. 井. 益. 洋. 学 振 未 来 WG1-2.
(3) 国際産 業連 関デー タベ ー ス に関す る考 察 新 井 益洋* 平成10年2月20日. 1. は じめ に. 国際 産 業連 関 デ ー タベ ー ス構 築 の 目的 の第1は 、各 国 の産 業連 関 表お よび各 種 統 計 を も とに相 互 の交易 の計測 を行 い 、それ らを連 結 した 国際 産業連 関表 の継 続的 な作成 を支援 す る こ とに あ る。第2 は、そ の結 果 と して得 られ た 国際産 業連 関表 を用 い 、生産 、雇 用 、環 境 な どの分析 を通 じて世 界 の産 業構 造 を把握 し、 よ り望 ま しい産 業構 造 の在 り方 を提言 す るた めに、デ ー タ活 用 とそ の処 理の基 盤 を 整 え る こ とで あ る。 今 日、国際 産業連 関表 を用い た分析 は多 くの分 野で幅 広 く行 われ てい る。 そ して 、分 析 の対象 とな る国際産 業連 関表 は時 と ともに増 え、分析 内容 は多様 さを増 して い る。 国際産 業連 関分 析 に限 らず一 般 に実証分 析 の第 一歩 はデ ー タの 入手 で あ り、分析 に コ ンピュー タを用 い る こ とが普 通 とな った今 日 で はその入 力 で始 ま る。 そ して この作 業 に多 くの時 間 と費用 を必要 とす る ことが常 で ある。 この解 決 策 の一つ が デー タベ ース の構 築 とそ の利 用 で ある。 実証分 析 で 主 に利 用 す るデ ー タ は統 計デ ー タで あ る。 しか し、統 計 デ ー タの デー タベ ー ス化 は遅 れ てい る。 多 くの機 関 は それ ぞれ の研 究 目的 に則 した部 分や 専 門 とす る分 野 につ い ては デー タベ ー ス化 を図 ってい るが 、 それ ぞれ は 固有 の構造 であ るた めに 、個別 に利 用 す る こ とは可能 で あ って も、 それ らを連結 して利 用 す る こ とは困難 で あ る こ とが 多 い。 総 合的 な統計 デ ー タベ ー ス の構 築 が難 行 してい るの は、そ の 分類 体 系 が複雑 で各 種 統計 間 で錯 綜 してお り、ま た構 造的 で な くか つそれ が頻 繁 に改 定 され るため に厳 密 な意 味で の継 続が保 証 され な い ことに あ る。 横 断面 デ ー タ と時系 列デ ー タの 存在 もその原 因 の一 つ で あ る。 経 済統計 にお ける分類 の決定 は重 要で あ る。 成長 す る経済 に合 わせ て 、その ときの経 済状 況 に合 っ た分 類 に改 め られ る。 これ まで使 われ て きた商 品分類 が な くな り、新 た な商品 分類 が新 設 され る。 ま た 同 じ商 品分類 で あ って も、 そ の 中に入 る商 品構 成 が変 わ る。 統 計 の時 系列 お よび横 断 面 の接 合 は 、 この意 味にお い て多 くの 困難 を ともな う。 あ る年 次 の知識 が別 の年 次 にそ のま ま利 用 で き る こ とは稀 有 と言 え よ う。 各 国の経 済活 動規 模や 発展 状況 には様 々 な違 い があ り、統計 環境 や統 計整備 の水 準 も 様 々で あ る状 況 では 、そ の 困難 さは一層 ます。 各種 統計 は業務 統 計 もあ るが調 査 に基づ くものが 多 く、また悉 皆調 査 は少 な く、多 くが標本 調査 で あ る。 この よ うな状況 下 におい て貴 重 な調 査結 果 を最 大限 に利用 しよ うとすれ ば、分類 体 系は個 々の 調査 の 目的 に準拠 せ ざるを得 ない と言 え る。無 理矢 理画 一 的な分 類体 系 に組 み 換 え よ うとす れ ば、調 整分 類 値 な どが 増加 して そ の統 計 の本 来 の 目的 を損 な うこ とに な る。 複 数 の利 用 者 と複 数 の利 用 目 *慶 應義塾大学産業研究所. 1.
(4) 的 を可能 にす る 「 共 用 利 用 」 と 、 コ ン ピ ュー タや そ の プ ロ グ ラ ム の細 部 に わ た る 物 理 的 性 質 に 依 存 し ない 「 デ ー タ独 立 」 を 念 頭 に 置 き 、 デ ー タベ ー ス の 在 り方 に つ い て 考 察 す る。. 一般 的 にデー タベ ース とは、デー タの 蓄積 、検索 を簡便 にかつ 経済 的 に行 え う情報 管理技 術 であ る。 これ に 対 し、 デ ー タ バ ン ク は 蓄 積 す る 情 報 の 内 容 だ け が そ の 対 象 とな る も の で あ り、 デ ー タ ベ ー ス と区 別 しな けれ ば な ら な い 。 この 意 味 に お い て も 、 デ ー タベ ー ス は デ ー タベ ー ス シ ス テ ムdata base system、 以 下DBS、. と呼 ぶ 方 が 適 切 で あ る。 した が っ て 、 広 範 な デ ー タ の 簡 明 な 整 備 、各 種 統 計 の 時 々 刻 々 と変 化 す る分 類 の 柔 軟 な 対 応 、そ れ らに 対 して の デ ー タ 処 理 の 充 実 、 デ ー タ の利 用 度 の 向 上 を 図 る た め の 運 用 機 構 を含 め たDBSの. 2. 検討 が 重要 にな る。. 基本構想. DBSは 様 々 な分 野 にお い て考 え られ て い る。 あ らゆ る 目的 に対 応 で き るDBSは 理想 で はあ る が 、技術 的 に も経 済 的に も容易 で は な く、利 用 目的 に則 したDBSの 構 築 は半 ばや む を えない と言 え よ う。 ここで は、国 際産 業連 関デ ー タベー ス の構 築 を 目指 し、関連 す る多種 多様 な経 済 諸統 計デ ー タ の扱 いにつ い て検 討す る。 DBSの 構 築 は 多 くの利 用 を前提 とす る。 デ ー タベ ー スの 作成 提 供者 は、 この構想 を さま ざまな 制約 の 中で どこま で達成 す る ことが可 能 か を考 え るこ とにな る。 これ を踏 まえ て利 用 者 の 立場 か ら、 次 の よ うな構 想 の も とに整 備 され る こ とが望 ま しい。 ・ 利 用 で き るデー タが豊 富 であ る ・ デ ー タが 常 に最新 の状態 に更新 され てい る ・ 利 用 した いデ ー タ の検索 が 簡単 にで き る ・検 索 したデ ー タの表示 ・印刷 ・集 計 な どが 容易 にで き る ・検 索 デー タを利 用者 の コ ン ピュー タ環 境 の 中 に 自由 に取 り込 め る ・ 利 用料 金 が 不要 ま た は廉価 で あ る。 また 、デ ー タベ ー ス を管理 してい く立場 か らすれ ば. 検 討す べ き事 項 は次 の よ うに整 理 で き る。. ・維 持 ・管理 のた めの 人員 と費 用 の確 保 ・ 関 連 ソフ トウ ェ ア の 作 成 と整 備 ・ メ イ ンサ ー バ の 能 力 確 保. ・ 通 信網 の整備 ・ 著 作権 問題 の解決 ・ 利 用者 へ の課 金 の検 討 実デ ー タ は統 計表 や 磁 気テ ー プ に収 め られ たデ ー タが持 つ 構 造や 形 式 の ま まで フ ァイ ル化 す る こ とを基本 とす る。 も ち ろん後 の利 用 を考慮 して使 いや す い形 式 に組 み換 え る こ とは一 向 に差 し支 え な い。 分類 体系 の調整 に多 くの時 間 を費や す よ りも、 あるが ま まの状態 でデ ー タ をコ ン ピュ一 タ可読. 2.
(5) な 形 に す る こ と を優 先 させ る。DBSは. 、処 理 過 程 で 得 られ る加 エ デ ー タ も含 め ど の よ うな デ ー タ で. も登 録 す る こ とが で き 、 ま た そ れ らは 自 由 に 利 用 で き る よ うに しな けれ ば な ら な い 。 考 慮 しな けれ ば な らな い も う一 つ の 重 要 な課 題 は 、 ス プ レ ッ ドシ ー トを 代 表 とす る 様 々 な 応 用 プ ロ グ ラ ム の 活 用 を 図 る た め のDBSの 在 り方 で あ る 。 応 用 プ ロ グ ラ ム は 何 らか の 結 果 を 出 す た め に 必 ず デ ー タ を 必 要 とす る。 そ して 、 そ の 結 果 を 用 い て 他 の 応 用 プ ロ グ ラ ム で 別 の 処 理 を 行 う こ と も あ る。 こ の た め 、DBSは. 多 く の応 用 プ ロ グ ラ ム との 連 携 を 前 提 に した 、 ま た そ れ が 容 易 で あ る よ うに. 設 計 を す る必 要 が あ る。 デ ー タ 構 造 を 簡 明 に す る こ とは 、 そ れ を 可 能 に す る必 要 条 件 と言 え よ う。. 2.1. デ ー タ の 蓄 積 と更 新. 一っ の フ ァイル に ま とめ るデ ー タの単位 は 、 これ か らの利 用 の仕 方 を考慮 して決 め る こ とに な る。 例 えば 、数 年 次の横 断 面デー タが あ るとき、各年 ご とにフ ァイル 名 を変 えて それ ぞれ のデ ー タを格納 す るか 、デ ー タ内 に年 次項 目を入れ数 年 次の デー タ を一つ の フ ァイル で格 納す るかは研 究 ・分析 目的 に よって扱 いや す い形 を選 択す る。デ ー タの 蓄積 は、研 究 ・分析 を通 して 作成 され使 用 され た デー タ と文 書が残 され て行 くこ とに よって 自動 的に形成 され る。 蓄積 だ けの ため に、利 用 予 定の ないデ ー タ を入 力す る必 要 は ない。 デsタ の更 新 は、 デー タの価値 を維 持 す るた め に欠 かせ ない作 業 で あ る。 更新 され ないデ ー タ は、 整備 しない た めに錆 びつ い た使 用不 能 な機械 と同 じで あ り、そ の価値 を失 う。DBS構 築 の初期 は 、 構 築動機 や利 用 目的が あ るた めにデ ー タは きちん と して いる。 しか し、所 期 の研 究 ・分析 が一 段落 す る と、デ ー タ更新 作業 が放 棄 され て しま うこ とが 常 であ る。 後 日その デー タを使 用 す る計画 が あって も、更新 作業 は地 味 であ りま た大変 で あ るため に連 続 的な 更新 を諦 め、使 用 時 にま とめ て行 われ る こ とが現 実 で あ る。 これ が研 究者個 人 での デー タ維持 の 現実 で あ り、そ の脆 さで あ る。錆 びつ い た機 械 で も整 備 すれ ば 使用 可能 で あ り、そ の整 備費 用 は新 たに購 入す る よ りは安 いで あ ろ う。未 更新 デ ー タで も、蓄積 部分 が あれ ば その 更 新 に要 す る時 間 や労 力 は少 な くて済 む。 この とき蓄積 デ ー タ と原 統 計 との対 応 が容 易 であれ ば、効 率的 な更新 を行 うこ とが で きる。 ファイル化 のデ ー タ構造 を原 統計 に準 拠 させ る理 由 が こ こに もあ る。 2.2. デー タの検 索. 蓄積 デ ー タの検 索 は重 要 な機 能 で あ る。デ ー タベ ー ス が成 熟 す る に したが い 、利 用者 は増 え て い く。利 用者 は利 用 マニ ュアル を読 み 、蓄積 デ ー タの種 類や 内容 を確認 してか らデ ー タを取 り出す とい う面倒 な手順 を好 まない。 デー タの検 索 に は2通 りあ る。第1は 、具体 的 な統計名 や 系列 名 を知 って 検 索す る場合 で あ る。 この時 で さえ も利 用 者 は利 用 マ ニ ュアル か らデ 』 タの 系列 コー ドを調 べそ の デー タ を取 り出 しは しない で あ ろ う。 メニ ュー 画 面 の操 作 で 目的 とす るデ ー タ に到 達 す る こ とを望 む。第2は 、具体 的 な統 計名 や 系列名 を知 らない で、漠然 と した統 計 デー タ用語 で検 索 し、利 用 可能 なデ ー タの候補 を知 り、その 中か ら適 当なデ ー タ を見つ け よ うとす る場 合 であ る。 いずれ の場 合 もか な り親 切 な検 索 シ ステ ム を提 供す る必 要が あ る。 検 索 が容易 になれ ば利 用頻 度 は 高 ま る ことに な る。 検 索用 キー ワー ドを提 供 す る内容 は 、収録 年 次 、出所 統 計名 、発行 者 、収 録 してい る内 容や 概念 、 部 門 コー ド、部 門名 称 、 さ らに項 目構 成 な どを網 羅 しな けれ ば な らない。 その 与 え方 には一 定 の基 準 を作 る必 要 が あ る。 ま た、検 索 の 結果 、そ の表 に つ いて の詳 細 な解 説 が必 要 とな る。 それ は価格 評. 3.
(6) 価 、 単 位 、 過 去 の表 との 関 連 性 や 利 用 上 の 注 意 、GNP統. 計 との 整 合 性 に 関 す る説 明 な ど に つ い て で. あ る。. 3. 国際産業連関モデル. 国際産 業連 関 デー タベ ー スの 中心 は産業 連 関表 で あ り、 これ に貿 易 、労働 、環境 な ど様 々な経 済統 計デ … タが連 結 して い る。本 節 で は、国際 産業連 関 デー タベ ー スの構 築 に よって達 成 され る研 究 お よ び分 析 の基 に な る国際 産 業連 関 モデ ル につ いて そ の要 点 を整理 してお く。 産 業連 関表 は経 済循 環 を構成 す る要 素の一 つ で ある産業 間 の生産 活動 にお け る財 ・サ ー ビスの 取引 構 造 を明示 した もので あ る。 この とき表 の形式 と して 、明示す る生 産活 動 の地域 の扱 いに よって 地域 内産業 連 関表 と地域 間 産業連 関表 に分 け られ 、ま た明示 した生産 活動 の 地域外 か らの財 ・サー ビスの 取 扱 いに よって 、競 争輸 入 型 と非 競争 輸入 型 に分 け られ る。 3.1. 地 域 内 産 業 連 関 表 と地 域 間 産 業 連 関 表. 地域 内産 業連 関表(地 域 内表)は 、 明示 す る生産 活 動の 地域 を一つ に した表 であ る。 その 地域 は 国 で あ るこ とが多 い が、 国 内の一 地域 を扱 う地域 表 も多 くあ る。 日本 にお いて は 、全 国基本 表 は 前者 、 都 道府 県表 は後 者 の代表 であ る。 複数 の 県 をま とめ一 つの 地域 と した り、場 合 に よって は複数 の 国 を 一地域 にま とめ る こと も分析 目的 に よっては考 え られ る 。 地域 の範 囲 は分析 目的 や利 用 で きる資料 に よって定 め る もの で あ り、 国境 とか行 政 区分 に限 定す る必 要 は ない。 地域 間産 業連 関表(地 域 間表)は 生産 活動 の地域 を二つ 以上 に分割 明示 した表 で あ り、基本 的 には 、 各 地域 に 同 じ産 業部 門 を置 き、 自地域 だ けで な く他 地域 も含 めた 多 くの産 業 間にお け る財 貨 ・サー ビ スの取 引構 造の 明示 とな る。 した がって表 側 と表頭 に は地域 数 ×産業 部 門数 だ けの部 門が 並ん だ大 き な表 にな る。 中間 取 引部分 は、対角 部分 に 自地域 の財 ・サー ビスの取 引構 造が 示 され 、非対 角部 分 は 他 地域 との 間の財 ・サ ー ビス の取 引 としての交易 が 示 され る こ とに な る。 この非 対 角部分 を行方 向 に みれ ば、各地域 が 生産 した財 ・サ ー ビス の販路 として の移 出 ・輸 出で あ り、列 方 向 にみれ ばそれ は移 入 ・輸入 であ る。 地 域 間表 は 、分 析 目的 に応 じた 地域 を連 結 させ る こ とに よ り、 そ の地域 間 の生 産 活動 に と もな う 財 ・サー ビス の取 引 を内生 化 し、相 互 の依 存 関係 を正確 に捉 え る こ とを可 能 に して い る。 今 日の よ うに海 外投 資や 国 際分 業 が盛 ん に な って く ると、地域 間表 に よ る分析 の方 が よ り有 効 な ことが 多い。 地 域間 表 の作成 に際 しては 、関係 地域 の 地域 内表 の存 在 は必 須 で あ る。 3.2. 競 争 輸 入 型 と非 競 争 輸 入 型. 全 世界 を一 つ の地域 とす る地 域 内表 を除 き、地域 内表 で あれ地域 間表で あれ 、産業 間 の生 産活動 に 必要 な あ らゆる財 ・サ ー ビス が、そ こに取上 げ た地域 だ けで完 結す る こ とは な く、'その他 地域 との取 引が ど うして も必 要 にな って くる。 それ が国 間取 引 であれ ば輸 出 ・輸入 で あ り、国内 地域 間取 引 であ れ ば移 出 ・移入 とな る。 この移 輸 入 の明示 方法 に よって、産 業連 関表 は競 争輸入 表 と非 競 争輸 入表 に 分 け られ る。 前者 は移 輸入 の財 のす べ て を国内 の財 と全 く同様 の もの と して扱 い、後者 は同種 の もの で あ って もす べ て独 自の異 な る商 品 と して扱 う。現 実 の取 引 には、前者 に分類 され る商 品 と後者 に分 類 され る商 品が 存在 し、 その構 造 は錯 綜 して い る。 厳 密 な取 引の 明示 を求 め るな らば後 者 に な るが、 そ の計測 には 多 くの 困難 が ともな う。利 用 で きる資料 に よって は 、両者 の混合 型 もあ る。 4.
(7) 3.3. モ'アル. 国 際産 業連 関表 は域 間表 の形 式 を と り、対象 とす る地 域 に 幾つ か の 国 あ るい は特 別 な地 域 を 当 て る こ とに なる。地 域 間表 は 自地域 内 の財 ・サー ビスの取 引 だけ でな く、相 互 に 関連 し合 う地域 間 の取 引 を精緻 に表 現す る こ とに よ り、広域 的 な産業 構造 の把 握 とそ の分析 を可能 にす る。 したが って 国際 産 業連 関表 は 、一 般 的 には表 側 と表頭 に国数 ×産業 部 門数 だ けの部 門 が並 ぶ。 地 域 間産 業連 関表 と して最 初 に提 案 され た モデ ル は アイ サ ー ドに よ る もの で あ る。 あ る地域 で 生 産 され た財 と他 の地 域 で生 産 され た財 は 、同種 の もの で あっ て も独 自の 商 品で あ る と して 、明確 に 区別 す る とい う考 え方 に基 づ く非競 争輸 入 モデ ル で あ り、 このモ デル の 最 も基本 とな る もので あ る。 しか し、理想 的 で はあ るが 、地 域 間の取 引行 列 の計測 た めに利 用 で きる資料 は乏 しく、現実 へ の適用 には 多 くの 困難 を ともな う。 チ ェネ リー ・モー ゼ スは 、地域 間の 取引行 列 の計測 に簡 略化 を試 み 、現実 へ の適用 を容 易 に して い る。 それ は地域 間 での各 産 業の財 ご とに需 要総 額 で各地 域 の移 輸入 額 を割 った地 域別 交易 係数 の概 念 の導入 で ある。チ ェネ リー ・モ ーゼ ス型 モデ ル で も、 この 交易係 数 を 中間需要 と最 終 需要 の合 計 で求 めるモデ ル と、両者 を別 々に求 め るモデル が あ り、計 測 が可能 で あれ ば、後者 の方 が 前者 に比 べそ の た めの作 業 量 は増 す が、 よ り望 ま しい と言 え よ う。 国際産 業連 関 表 に採用 す べ きモデ ル の決 定 には 、理論 的 一般性 と分析 目的が 重要 な 要素 で あ るが、 利 用 可能 な資料 の制 約 も十 分 考慮 しな けれ ば な らな い。 む しろ計測 に耐 え得 る資料 の有 無が 採 用 モ デル を決 定す る こ とにな る。 3.4. コ ンパ イ レー シ ョ ン. 本 論 で は、現実 へ の適用 可能 な国際 産業連 関 モデル として 、中間需 要 と最 終需 要 の交易係 数 を別 々 に求 め るチ ェネ リー ・モー ゼ ス型 モ デル を採 用 し、地 域数 をmと し、各 地域 の産 業 をn部 門 と した 国 際産 業連 関 モデ ル を整 理 す る。 対象 と してい るm地 域 以外 の地域 か らの輸入 は、非 競 争輸 入 型 を 用 い 中間投入 と して表 わ す方 法 もあ るが、 ここで は競争 輸入 型 を採 用す る。 第r地 域 にお け る第 ブ産 業 の生産 額 をX∫ 、第 ゴ産業 の 生産 に必 要 な第2産 業 の生 産物 投入 額 を 婿ゴと す れ ば 、 投 入 係 数 は, r. 殤. t7. Xr9. で あ り、r地 域 の 投 入 係 数 行 列Arは. 、. all a12”'alnAr_a21 a22”'a2nr r rand ant”'ann で あ る。第r地 域 の生 産額 ベ ク トルXr、 本 モデ ル が対象 と して い るm地 域 以外 へ の輸 出 額ベ ク トル Er、 最 終需 要項 目数 をpと す る ときの 最終 需要 行 列Frを 次 式 で与 え る。. 5.
(8) Xi ei fii fizXr X2Err e2Fr_f21 f22 Xn en fnl fn2.11 そ して 、m地. 域 に 拡 張 した 次 の 行 列 お よび ベ ク トル を 定 義 す る。. A一際u剥,X-1劃. 一1鴛lll卜際11 地 域 間 の 中 間 需 要 交 易 係 数 行 列 をT”9と す る 。 た だ し、r(r=1,.,,,m)は 財 ・サ ー ビ ス の 生 産 地 域 で あ り、8(s=1,_,m)は 財 ・サ ー ビ ス の 需 要 地 域 で あ る。 こ の 行 列 は 対 角 行 列 で あ り、 第2 産 業 の 中 間 需 要 に つ い て 、 需 要 地 域8の 需 要 総 額 に 占 め るr地 域 の 供 給 割 合trsaを 要 素 と して お り、 Σ 匙1オτ・=1,(i=1,_,n;8=1_.,m)で. あ る。 rと8が. 一 致 す る と き は 、 自地 域 の 取 引 で あ り、 充. 足 率 とな る 。. 弾 一に. 腿1,㌃. 「Tll. T12.... T+lmT21 T22... T2m. Tml. Tm2,,,. Tmm. ー. 同様 に して 、地 域 間の 最終 需 要交 易係 数 に 関 して、 次 の行列 を定義 す る。、 his. Hlm ,. π一縢. 多;:…. H2m. Hm2.…. Kmm Hmm. OO h29Hrs= 00…1 0 0. …. hran. H”ー1. 当然 、hrstiは、 第2産 業 生 産 物 の 最 終 需 要 に つ い て 、 需 要 地 域8の 最 終 需 要 総 額 に 占 め るr地 域 生 産 物 の 供 給 割 合 で あ り、 Σ 匙1ん τ8=1,(i=1,.,.,n;s=1. ....,m)で. あ る。. 第r地 域 の 本 モ デ ル の 対 象m地 域 以 外 の 地 域 か ら の 第2産 業 の 輸 入 額 を1711と し、 そ れ を 自地 域 の 同 産 業 の 中 間 需 要 よび 最 終 需 要 合 計 で 除 した 値:を輸 入 係 miと す る 。,そ為 を 対 角 要 素 と した 輸 入 係 数 行 列 をMT、. 嚇=一. 自 地 域 の 輸 入 ベ ク トル をMTと. 塔 一. 璽 一 ・p一. オ 写 「Σ 鳩+rr j=1. す れ1ま、 次 式 脅 うる。 た だ し、 z=[1…1]'で. rhi. .fik. k-1. 6. あ る。.
(9) M-llレ柵 濃1 Mr. e Mr[7「rrArXr十Hrr.Frz]. さ ら に 、 こ れ をm地. 域 に拡 張す れ ぼ 、. M-1蕊 卜 際 引 と な る。 以 上か ら、モ デル の バ ラ ンス は、 TAX. I一 一HFz十Ez-M=X. TAX十HFz十Ez-M(TAX十HFz)=X と な り、 これ か ら次 式 を 導 出 す る こ とが で き る。 [1一(1-M)TA]X=(1-1Vl)HFz十Ez x=[1一(1-M)丁 3.5. 刈 一1[(1-M)HFz+.Ez]. 分析. (1)生 産 誘 発 額 産 業 連 関 表 を 用 い た 分 析 モ デ ル に は 次 の3つ. の仮 定 を お く。 そ れ は 、結 合 生 産 は 存 在 しな い 、 生 産 技. 術 は 規 模 に 関 して 収 穫 一 定 で あ る 、 産 業 の 活 動 は 相 互 に 外 部 効 果 を 持 た な い 、 で あ る。 こ の も と で 、 最 も 広 く利 用 され て い る 均 衡 産 出 高 モ デ ル は 、 最 終 需 要 額 の 変 化 △Fが 与 え られ た とす れ ば 、 経 済 全 体 へ の 波 及 効 果 の 結 果 と して の 生 産 誘 発 額 ベ ク トル ムXは. 次式 で求 める こ とがで きる。. OX=[1一(1-1V1)TA]一1(1-1Vl)HOFz ま た 、 輸 出 額 の 変 化 △Eに よ る と き は 次 式 で 求 め る。 OX=[1一(1-1V1)TA)一10Ez (2)雇. 用誘 発 量. 最 終 需 要 額 あ る い は 輸 出 額 の 変 化 に よ る生 産 誘 発 額 △Xか. ら雇 用 の 誘 発 量 を 知 る た め に は 以 下 の よ. うに す る。 第r地 域 の 第 ゴ部 門 の雇 用 者 数 を 生 産 額 で 除 した 雇 用 係 数 をlrと す れ ば 、 第r地 域 の 雇 用 誘 発 量 △Lは 次 式 で 求 め られ る。. 7.
(10) 一1\1「OXIOX2 0Xn (3)CO2排. 出量. 同 様 に して 、 最 終 需 要 額 あ る い は 輸 出 額 の 変 化 に よ る 生 産 誘 発 額 か らCO2排. 出 量 を 知 る こ とが で き. る。 利 用 エ ネ ル ギ ー をq品 目 と し、 第 んエ ネ ル ギ ー の 物 量 単 位 当 た りCO2排. 出 係 数 を 砿 とす る。 こ. の 係 数 は 全 地 域 共 通 の 技 術 係 数 で あ る。 ま た 、 第r地 域 の 第 ゴ産 業 の 第 κエ ネ ル ギ ー の 投 入 係 数 をgry.kj とす る。 こ の マ トリ ッ ク ス は 、利 用 エ ネ ル ギ ー 品 目がq、 産 業 数 がnで る。 第r地 域 の 生 産 誘 発 額 △Xrと. 一. 齢. す れ ば 、CO2排. あ る と き(q×n)の. 大 き さで あ. 出 量 △crは 次 式 で 求 ま る 。. 北:9ia”'ginC22...92n gq2... Cqn「 劃. 同 様 に し て 、SOSあ. 4. る い はNOxに. つ い て も求 め る こ と が で き る 。. デー タの構 造. 4.1 DBSの. フ ァイルの 構成 対 象 と な る デ ー タ は 、 検 索 情 報 、 解 説 、 利 用 説 明 、 更 新 情 報 を 記 録 す る 「文 書 デ ー タ 」、. 利 用 に必 要 な デ ー タ の 属 性 情 報 を 記 録 す る 「属 性 デ ー タ」、 目的 デ ー タ で あ る 「主 デ ー タ 」 で 構 成 し、 こ の 纏 りを デ ー タ フ ァイ ルdata. fileと 呼 ぶ 。. デ ー タ フ ァ イ ル は 、 分 析 の 都 合 あ る い は 管 理 の 都 合 か ら、複 数 の デ ー タ フ ァ イ ル を 同 一 フ ァイ ル と した 方 が 便 利 な と きが あ る。 こ の と き は 、物 理 的 な1フ ァイ ル 内 に メ ン バ ー と 呼 ぶ 単位 で 複 数 の デ ー タ フ ァイ ル を 格 納 で き る構 造 に す る。 そ れ ぞ れ の デ ー タ フ ァイ ル に は メ ンバ ー 名 を付 け識 別 で き る よ うに す る。 メ ン バ ー 構 造 の と き は 、 メ ンバ ー 名 を フ ァ イ ル 名 の 直 後 に 丸 括 弧 で 括 っ て 指 定 し、 メ ン バ ー 構 造 で な い と き は 、 フ ァ イ ル 名 の み を 指 定 す る。 主 デ ー タ の 構 成 単 位 を レ コ ー ドrecordと 呼 び 、 そ の レ コ ー ドは 複 数 の フ ィー ル ドfieldで 構 成 す る。 フ ィ ー ル ドの 内 容 に は 様 々 な 種 別 の デ ー タ が 考 え られ るが 、 そ れ らを コ ー ド、 記 述 、 期 、数 値 の 何 れ か と し、 こ の 種 別 を 項 目itemと. 称 す る。 一 つ の デ ー タ フ ァイ ル の レ コ ー ドに お け る フ ィー ル ド. の 構 成 項 目 とそ の 順 序 は 同 一 とす る。 ま た 、任 意 の レ コー ドを 取 り出 した と き、 そ の レ コ ー ドの 内 容 が そ こ に 記 録 され た フ ィ ー ル ドだ け で 完 全 に 識 別 で き る よ うに 項 目の 構 成 を 行 う。 属 性 デ ー タ に は 、 主 デ......タ の 処 理 時 に 必 要 と な る 情 報 を 与 え る。 そ こ に は 、 フ ィ ー ル ドを 区 切 る フ ィー ル ド区 切 記 号 、 各 フ ィー ル ドに 対 して 、 フ ィ,ョ.ル ド名 称 と項 目 の 種 別 や 単 位 な ど を 与 え る 。 「 文 書 デ ー タ」 は 、 検 索 情 報 、 デ ー タ の 収 録 期 間 、 出 所 統 計 ・発 行 者 、 収 録 内 容 お よ び 概 念 、 な ど の 解 説 、利 用 説 明 、 更 新 情 報 、部 門 コー ド,部 門 名 称,項 目構 成 な ど を記 録 す る 。 記 録 形 式 に つ い て は一 定 の基 準 を設 け る必 要が あ る。. 8.
(11) $filename. filename(membername). フ ァイル 名. コメ ン ト. $$ $keyword. 検 索 用 キ ー ワー ド. $dataperiod. デ ー タ収録 期 間. $datasource. 出所 統 計. $exp. デ ー タ フ ァイ ル. (メ ン バ ー 名). l anat. i on. 解説. $guide. 利 用 ガイ ド. $updatinginformation. 更 新情 報. $$. コメ ン ト. $fieldsepalator. フ ィ ー ル ドの 区 切 記 号. seP. $nooffields. フ ィ ー ル ドの 数. not. コメ ン ト. $$ $fieldl. namel. itemclsl. nnitl. フ ィ ー ル ド1の 属 性. $field2. name2. itemcls,2. unit,2. フ ィ ー ル ド2の 名 称 と項 目種 別. data. 主デ ー タの開 始. ノ=ieldl,プ=ield,2,…. 主デ ー タの 終 了. $end. 4.2. 項 目の 種 別 と注 釈. :コー ドcodeは 空 白 を 含 ま な い 文 字 列 で 、文 字 種 は 英 数 字 お よび 特 殊 文 字 とす る。 た だ し、 フ ィ ー ル ド区切 記 号 を 含 ま な い よ うに す る。数 字 だ け で 構 成 す る コー ドも有 効 とす る。 匚例]CO15095112030 345#12. 00-14. 15-64. 記 述descripti。nは [例]”producers'capitall・. 012.081 任 意 の 文 宇 列 とす る。 二 重 引 用 符 ・sector. 「”,,」 ま た は 単 一 引 用 符. 「,・ 」 で 括 る 。. 12・. 期periodは 年 、 期 、 月 、 日、 時 刻 な ど を 表 す もの で あ る。 階 級 な ど を 表 す の に 用 い る こ と も で き る。 数 字 を 小 数 点 ・斜 線 、 ハ イ フ ン、 コ ロ ン 、 英 字 な どの 文 字 で 用 い 、 同 じ文 字 を 同 じ位 置 に挿 入 す る。 こ の 中 の 数 字 だ け が 有 効 な情 報 で あ り、 他 を 無 視 す る。 数 字 部 分 の 桁 数 は9桁. 以 内 とす る 。9. 桁 を 越 え る と き は 幾 つ か の フ ィー ル ドに 分 割 す る 。[例]1g751g80.0411/07/1gg51gg5-11-07 15:30. 92.2Y1985CQ2. 数値valueに. は 実数 型 と整 数 型 が あ る。 実数 型 は そ の有効桁 数 を15桁 以 内 と し、整 数 型 は9桁. 以 内 とす る。 欠 損 値 の 記 述 は で き る もの とす る。 数 値 の 形 式 を成 して い な い 記 述 を欠 損 値 とす る。 例 え ば. 「..」、 「x」 な ど 。[例]123-12345.212.34D7-56. .7E。8+789..(欠. 9. 損 値).
(12) 以 上 の 項 目 とは 完 全 に 独 立 な 注釈 を 自 由 な位 置 に挿 入 で き る よ うにす る。 注 釈 は 記 号 「/*」と 「*/」 で 括 られ た 部 分 と し 、 す べ て に 優 先 させ る。. 4.3. 読 込 ・書 出 モ ジ ュ ー ル. この構 造 を持 つ フ ァイ ル の読込 み と書 出 しのた めに 、利 用 しやす い 専用 のモ ジ ュール を準備 す る。. 5 5.1. 関連統計 産 業連 関 表. 産業 連 関表 デー タは代表 的 な ク ロスセ クシ ョンデ ー タの一 つ であ り、世 界 の多 くの国 が定期 的 に作 成 し公 表 して い る。 日本 にお いて も全省 庁 で5年 毎 に作成 され る基 本表 をは じめ、通 商産 業省 が作成 して い る延長 表 や国 際産 業連 関表 、通産 局 が作成 して い る地域 間産 業連 関表 、各都 道府 県 が作成 して い る地域 産業 連 関表 な どそ の数 は膨 大 で あ る。 さらに、各表 とも分析 し易 い大 き さに統 合 した表 も数 種 類公 表 され て い るか らそ の数 は さ らに増 える。 全省庁 に よる基本 表 は各 セル ご とに各種 マー ジ ンや 輸入額 も推 計 され て い るので、表12枚 分 のデー タ量に な る。各 種付 帯表 も数多 くあ る。 この よ うに、産 業連 関表 は種 類 も多 く、ま たそれ ぞれ の表 の サ イズ は小 さな もの か ら大 きな もの まで あ り、多 くの記憶 空 間が 必要 とな る。 勿論 、小 さな表 は大 き な表 を統 合 す る こ とに よっ て作成 可 能 であ るが 、統 合 とい うステ ップ を踏 まな けれ ば な らな い。 記憶 空 間 を節 約 す るた めに は、デー タベ ー ス と して持つ 表 と、統合 で対処 す る表 とを峻 別す る こと にな ろ う。産 業連 関表DBSの 構築 は 、著作権 の 問題 が ク リア されれ ば、比較 的 実現 可能性 の高 い素 材 で あ る と考 え られ る。新 しい表 が発表 され れ ば、それ を追加 蓄積 す るだ けで よい。既 発 表の 表 は更 新 され る こ とは な く、利 用 も常 に あ る。 5.2. 貿 易統計. 各 国 が持つ 輸 出お よび輸 入統 計 をそ の相手 国別 に収集 す る。多 くの場 合、二 国間 の輸 出額 と輸入 額 は整合 的 で ない。 これ は各国 の商 品分類 の基準 が違 うこ と と、各国 の統 計作成 の時 間の相 違 に よる こ とに起 因す る。 輸 出入 額 にお い ては為 替 レー トの変 動 も大 き な影 響 を与 え る。 国 際産 業連 関表 の コンパ イ レー シ ョンで は 、 これ らの 差異 を調整 して い か な けれ ば な らな い。 国 際 産業 連 関デ ー タベ ース と して は 、貿易 統計 に 関 して 、必要 かつ 利用 可 能 なデ ー タ を確 実 に収集 し、 商 品分類 間の 対応 を正 しく処理 で き る こ とを可能 にす る必 要 が あ る。 5.3. 環 境統 計. 産 業活動 に伴 うエネル ギー の使 用 量 を把 握 す る必要 が あ る。 この ため には 、各 国別 に産業連 関表 の 付 帯 表 と して 、 各 産 業 別 の エ ネ ル ギ ー 品 目別 投 入 係 数 を 計 測 して お か な けれ ば な らな い。 エ ネ ル ギ ー 源 と して は 、 固 形 燃 料 、石 油 お よ び 天 然 ガ ス 、石 油 製 品 、 電 力 が 主 要 な もの で あ る。 ま た 電 力 発 電 に つ い て は 、 水 力 、 原 子 力 、 石 炭 火 力 、 重 油 火 力 な ど の 構 成 比 も 重 要 な デ ー タ と な る。. 10.
(13) 6 6.1. デ ー タ処 理 デー タの集 計. 検索 デー タが 月次 の とき もあれ ば 四半期 の とき もあ る。月 次デ ー タ を四半期 あ るい は年次 に変 換 し たい、四 半期 デー タを年次 に変 換 した い とい う要 求 は よ くあ る。 ま た、デー タには暦 年や 各種 会計 年 度 な どの属性 もあ り変換 は 多様 で ある。各 系列 ご とに事 前 に月 次 ・四 半期 ・半 年 ・年 次 な ど準備 可 能 な全 系列 を作成 して対応 す る こと も考 え られ るが 、デ ー タの集 計機 構 を準 備す る方 が得策 であ ろ う。 産 業連 関 分析 の 中心 とな る部 門は基 本 分類 と し、他 の 部 門 は適 度 に統合 とい う変則 的 な独 自の部 門分類 に よ る統 合 を必要 とす る。部 門分 類 の設 定は分 析 を進 め る上 で重 要 な決定 で あ り、決 定 した部 門分類 に よる統合 表 の作成 は分 析 の重 要 な第 一歩 で あ る。 この ため に、基本 表 か らの統合 が 自由にで き るとい う機 能 は必須 の もの とな る。 6.2. ツール の整 備. 検 索 に よって 目指 す デ ー タが 発 見 で きた場 合 、そ こに格 納 され て い る分 類 と項 目の構 成 で は使 い 難 いの で組み 換 え を した い、分析 に必 要 な部分 をそ こか ら抽 出 した い、幾つ か の ファイル に分 散 され て い るデ ー タ を結合 した い な どの 要求 が起 こ る。 また 、使 い慣 れ た デー タで も研 究 ・分析 の内容 に よって は同様 の要 求 が起 こ る こと もあ る。 この よ うな処 理機 能 を持 つデ ー タ処 理の ツー ル の整備 は 、 このDBSの 要 とな る重要 な課題 で あ る。 また、他 の応 用 プ ログ ラム との連 携 に際 してのデ ー タ交換 もツール が担 う重 要 な機 能 で あ る。 ツ ー ル の整 備 は 大 変 で あ り、 ま た新 しい応 用 プ ロ グ ラ ム も次 々 と開 発 され る の で 、 一 度 に で き る も の で は な い 。 デ ー タ 蓄 積 と 同 様 に 、分 析 を 通 して 利 用 者 に よ っ て 開発 され た も の を蓄 積 し 、 そ れ を活 用 して い く こ と に な る。 た だ 、 そ れ ぞ れ の 使 用 方 法 が 余 りに 異 な る とDBSと して の 一 貫 性 を欠 き使 い 難 くな るの で 、 あ る程 度 の 開 発 基 準 を 設 け る こ とは 必 要 で あ ろ う。 他 の応 用 プ ロ グ ラ ム との 接 点 と な るデ ー タ 交 換 は 、 す べ てDBSデ ー タ を 中 心 に 行 うと効 率 的 で あ る。 そ れ は 、 幾 つ か の 応 用 プ ロ グ ラ ム を 連 携 させ る 場 合 で も 、 そ れ ら相 互 間 の 専 用 デ ー タ 交 換 プ ロ グ ラ ム を 準 備 す る 必 要 が な く な る か らで あ る。 新 しい 応 用 プ ロ グ ラ ム に 対 して もDBSと. のデ ー タ交換 だ けを準備 す れ ば. 、 これ ま で 準. 備 した 全 応 用 プ ロ グ ラ ム と の 連 携 が 可 能 に な る。. 6.3. ダ ウ ン ロー ド. デー タ利 用 の 活性 化 を考慮 す る と、検 索デ ー タ は利 用 者 個 人 の分析 環 境 の 中 に 自由 に取 り込 め る (ダ ウ ン ロー ド)こ とが 必 須 の 条 件 に な る。 特 に 、 ス プ レ ッ ドシ ー トに必 要 な デ ー タ を 簡 単 に 取 り込 む こ とが で きれ ば 、 デ ー タベ ー ス の 利 用 頻 度 を 高 め る こ と に な る。 ま た 、 多 目的 な 分 析 道 具 に対 応 で き る ダ ウ ン ロー ド形 式 の 標 準 化 の 検 討 も 重 要 と な る。. 6.4. 応 用 プ ロ グ ラム と の 連 携. 一つ の応用 プ ログラ ムがあ らゆる機 能 を装備 す るこ とは不可能 な ことでは ない が、そ の開発 に要す る時 間や 費用 は計 り知 れ ない もの が ある。分析 システ ムは 単体 での完 成 を 目指 す ので は な く 、既存 の 有用 な応 用 プ ロ グラム の活 用 を前提 に し、 それ ら との有 機 的連携 を図 る方 法 での 開発 が得 策 で あ る 。. 11.
(14) 産業 連 関分 析 シス テ ム はDBSの デー タを使 用 して数 値結 果 を得 る まで が主 た る役 割 で あ る。 そ の後の数 値結 果 の整 理 、す なわ ちプ レゼ ンテー シ ョン と して の作表 や作 図 な どは、それ ぞれ を得 意 と す る応用 プ ログ ラムの活 用 を図 った方 が よい。 当然 の こ となが ら、よ り効 率的 に行 う処 理や 特殊 な計 算 のた め に応 用 プ ロ グラム を用 い るこ と も大 い にあ るで あ ろ う。 応 用 プ ログ ラム はそれ ぞれ 独 自のデー タ フ ァイル を展 開 してお り、 ご く一 部 を除 いて 、 ファイル の 互換性 はな い。 これ は各応 用 プ ログ ラムの独 立性 と処 理 の効 率性 の追求 に よる もの で あ り、 当然 の こ とであ る。 幾っ か の応用 プ ログラ ムを連携 して使用 したい ときは、それ ぞれ の 書 き出せ る形 式 と読み 込 め る形式 を模 索 し、デー タ交換 をす る ことにな る。上 述の よ うに、 この処 理 をそれ ぞれ の 二者 間 で 行 って い く こ とは得 策 で ない。 6.5. 産 業 連 関 分 析 シス テ 厶 の 基 本 機 能. 産業 連 関分析 は 多様 で あ る。使 用す る産 業連 関表 と部 門 の決 定、それ に基づ い た部 門統合 、様 々な 前 提 ・仮定 の もとに与 え るデー タの設 定 とモ デル選 択 の試行 錯誤 、そ してそ の結果 の整 理 とい う一 連 の計算 処理 は極 めて複 雑 で根 気 を要 す る作業 で あ る。 産 業連 関分 析 システ ム に必要 な 基本 的機 能 は 、 デ ー タの読 み 込み 、 統合 、 画面 表示 と編集 、演 算 、結 果 の印 刷 と書 き出 しで あ る。 分析 に必 要 な基礎 デ ー タ、部 門 コー ド、部 門名称 な どのデ ー タの読 み込 み がそ の開 始 であ り、そ の 形 は行 列や ベ ク トル で あ る。DBSの 産 業 連 関表 は、項 目の位 置 は ど こで も よい が 、行 コー ド、列 コー ド、行 番 号 、列 番 号お よびそれ に該 当す る幾つ かの数 値 を持 つ もの とす る。 またベ ク トル は 、行 コー ドと行 番 号お よび数値 、 また は列 コー ドと列番 号 お よび 数値 を持 つ もの とす る。 産 業連 関基 本表 な どか ら分 析 に適 合 した産 業連 関表 を作 成 す る機 能 が で統 合 あ る。 大部 分 の 部 門 は 中分類2桁 で対 応 を付 け られ るが、 一部 の部 門は 基本 分 類6桁 あ るい は7桁 で対応 させ な けれ ば な らない こ とが よ くあ る。原 表 と統合 表 の部 門対 応 の指示 を容 易 にす るこ とが肝 要 で あ る。行 コー ド あ るい は列 コー ドを持 た ない ベ ク トルデvタ の統 合 も可能 に しなけれ ばな らな い。 統合 結 果 は、 行 コー ド、 列 コー ド、数 値 に加 え て行番 号 、列 番 号 も出力 す るもの とす る。 会 話型 の利 用 が 常態 で あ る今 日の コン ピュー タ環境 では 、各 コマ ン ドご とにそ の処 理 内容 を確認 して行 か なけれ ば な らない宿命 にあ る。 このた めに 、分 析 中の結 果 の画 面表示 は欠 か す こ との で きな い機 能 で あ る。表 示対 象 は、数値 だ け でな くコー ドもあれ ば名称 もあ る。 表示 に際 して は、縦方 向や 横 方 向の 画面 ス ク ロール に対 して、表 示部 分 の行 お よび列 の部 門 コー ドや 名 称 が常 にわ か る よ うに してお くこ とが大 事 であ る。画 面編集 は、画面表 示 に加 えて任 意 のセル の値 を入 力 した り変 更 した り す る機 能 で あ り、 ス プ レ ッ ドシ ー トの よ うな も の と考 え て よ い 。 分 析 を 円 滑 に 進 め る た め に 是 非 と も. 装備 したい機 能 で あ る。 演算 は、行 列 演算 お よび スカ ラー演 算 が可能 で な けれ ば な らない。通 常 の行列 演 算 の他 に、対応 す る要 素 間 の乗 法 と除 法演 算 を追加 した い。 ま た部 門 コー ドや部 門名 称 な どの文 字 列 の処 理 も必要 で あ る。 投 入係 数 の算 出や 列 また は行 の構 成 比 で按 分す る よ うなベ ク トル とス カ ラー の演 算 も多用 さ れ る。 関数処 理 と して逆 行列 、転 置行 列 、行 和 、列和 、行構 成 比 、列 構成 比 、行和 や 列和 の 平均 、対 角 要素 の処 理 、数 値 の整 数値 化 な ど様 々 な処理 に対す る対応 が必 要 とな る。 結果 の印刷 は、分析 途 中で も最 終段 階 で も使 用す る。印刷 だ けでな く、デ ィス クへ の書 き出 し機 能 は重 要 で ある。そ れ は、単 な る結 果 の保 存 であ った り、継 続す る分 析 のた め のデー タの保存 で あ った り、他 の応 用 プ ログ ラムへ の入 カ デ ー タ とな った りす る。. 12.
(15) 6.6. プ ロ シー ジ ャ の 利 用. 分析 には その処 理 手順 に定式 部 分が 多い。 生産誘 発分 析 を見 て も、輸 入係 数 の算 出、投 入係 数 の算 出 、逆 行列 の算 出 と進 む。定 式部分 の処 理 コマ ン ド列 を一度作成 してお き、使 い たい ときにそれ を呼 び 出す こ とにす る。 この処理 コマ ン ド列 をプ ロシー ジ ャprocedureと. 呼ぶ 。分析 表 の部 門数 な どは. 利 用者 に よって違 い、そ の都度 プ ロシー ジャ を変 更 しな けれ ばな らない ので あれ ば プ ロシー ジ ャの価 値 は半減 す る。 よ く変 わ る部 分 を 自動 的 に調 整す る記 述 の 工夫 が必 要 で あ る。 プ ロシー ジャの利 用 は定式 化 され た処理 だ けの もの では ない。頻繁 に使 用 す る処理 、定期 的 に行 う 処理 な ど とそ の用途 は広 い。 実際 、 コマ ン ドの一行 一行 を計算処 理 を進 めな が ら打 ち込 むの は、簡単 な画 面表示 な どは別 つ と して、時 間が かか るば か りで な く入力 の間違 い も生 じ易 く、 また気 疲れ もす る。 事前 に1つ の独 立 したプ ロシー ジャ と して コマ ン ド列 を作成 し、それ を実行 させ るな らば随 分 と 気 が楽 に な る。 プ ロシー ジ ャに間違 いが発 見 され た な らば、そ の部分 だ けを訂 正 し、それ を再度 実行 すれ ば よい か らで あ る。 プ ロシー ジ ャに しなけれ ば コマ ン ドのす べ て を再 び 打 ち込 ま な けれ ば な ら ない。 プ ロ シ ー ジ ャ は テ キ ス トフ ァイ ル 形 式 で フ ァ イ ル 化 す る 。 ま た プ ロ シ ー ジ ャ 内 で 別 の プ ロ シ ー ジ ャ を呼 び 出 す こ と が で き る よ うに す る。 テ キ ス トフ ァイ ル 形 式 で の フ ァイ ル 化 は 通 常 の テ キ ス トエ デ ィ タ ー で コマ ン ド列 を 編 集 で き る の で 、 簡 便 で あ り現 実 的 で あ る。. 6.7. コ マ ン ドの 記 録. コ マ ン ドの 記 録 は 、 キ ー ボ ー ドか らの 入 力 コマ ン ドを す べ て そ の ま ま テ キ ス トフ ァイ ル 形 式 で フ ァ イ ル に 書 き 出 した もの で あ る。 コ マ ン ドの 記 録 を行 う 目的 は 次 の 通 りで あ る 。 第1は 、 処 理 内 容 を確 認 す る た め に 役 立 つ 。 第2 は 、 書 き 出 され た フ ァ イ ル は そ の ま ま プ ロ シ ー ジ ャ と して 使 用 で き る の で 処 理 を 再 現 す るた め に 用 い る こ とが で き る。 ま た 後 日、 同様 の 分 析 を行 う と き大 い に役 立 つ 。 第3は. 、 テ キ ス トエ デ ィ ター を 用. い て 、 不 必 要 部 分 を 削 除 し、 漏 れ た 部 分 を追 加 し、誤 り部 分 を訂 正 し、 と き に は 他 の プ ロ シ ー ジ ャ と の 結 合 を 図 れ ば 、1つ. 7. の 分 析 を す る た め の プ ロ シ ー ジ ャ を 容 易 に 作 り上 げ る こ とが で き る。. 今後の展望 これ ま で 述 べ て き た こ とは 、 国 際 産 業 連 関 デ ー タ ベ ー ス 構 築 の構 想 の 基 本 で あ り、細 部 に つ い て の. 考 察 は ま だ 十 分 で な い。 実 際 に集 ま っ て く るデ ー タ の 構 造 、精 度 、 諸 統 計 との 整 合 性 、 デ ー タ の 大 き さ な どに よ っ て 、 改 め て い か な くて は な らな い 事 項 が 多 く生 じて く る で あ ろ う。 暫 くは 、 実 作 業 を通 して 、 有 効 なDBSを. 目指 す こ とに な ろ う。. 13.
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