はじめに
私はアーキア(Archaea1)のコレクション事業を 担当する職員として 1992 年に理化学研究所微生物系 統保存施設(Japan Collection of Microorganisms,以 下 JCM:現在は独立行政法人理化学研究所バイオリ ソースセンター微生物材料開発室として運営)に着任 した.アーキアは一般の細菌や真核生物とも系統学的 に異なる第三の生物群として提唱された原核生物で
(Woese & Fox, 1977; Woese et al., 1990),メタン生 成アーキア,好塩性アーキア,好熱性アーキアなど一 風変わった微生物が含まれている.その提唱以来,アー キアに関する研究や探索が活発になり種の数も年々増 え続けていた.しかし私が JCM に着任した頃には,
日本のカルチャーコレクションには一部の好塩性アー キアと好気性好熱性アーキアの菌株が当時の財団法人 発酵研究所(IFO)と東京大学応用微生物学研究所
(IAM),そして JCM に保有されているに過ぎなかっ た.私自身もそれまでアーキアを扱ったことがないた め,まさに一からスタートさせるつもりでコレクショ ン事業に取り組むことにした.一方,JCM における 一菌株担当者としてアーキア以外の細菌株も担当する 必要があったため,極限環境由来の細菌や難培養性の 細菌株などもアーキア関連細菌として取り扱うように なった.
本受賞総説では私が JCM に着任してから現在に至 るまで,アーキアと関連する細菌のコレクション事業 を展開しリソース開発を行ってきた 18 年間を振り返 り,さらにこれからのコレクション事業の課題につい ても考える機会としたい.
アーキアとその研究開発のポテンシャル
アーキアは,様々な生物種間のスモールサブユニッ トリボソーム RNA 相同性を比較することにより発見 された一群の原核生物で,一般の細菌や真核生物とは 異なる第三の系統の生物として位置づけられている
(Woese & Fox, 1977; Woese et al., 1990).しかし単 にリボソーム RNA 塩基配列が特異的であるだけでな く,他の遺伝子や生化学的性状からも区別することが 可能である.典型的な例として,(1)アーキアの細胞 表層には細菌に見られるムレイン細胞壁は存在せず,
タンパク質または糖タンパク質からなる S-layer,多 糖類,ムレインと構造のよく似たシュードムレインな どからなっている,(2)アーキアの極性脂質の立体構 造は sn-グリセロール-1-リン酸型で細菌・真核生物 の sn-グリセロール-3-リン酸型とは対掌をなしてお り,また炭化水素鎖としてイソプレノイドがグリセ ロール分子とエーテル結合している(細菌,真核生物 では原則的に脂肪酸がエステル結合している),(3)
アーキア及び関連細菌のコレクション事業とリソース開発
(平成 22 年度日本微生物資源学会賞受賞)
伊藤 隆
独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室 〒351-0198 埼玉県和光市広沢 2-1
Collection and exploration of the unique microbial resources:
archaea and related bacteria
Takashi Itoh
Japan Collection of Microorganisms, RIKEN BioResoure Center, 2-1 Hirosawa, Wako-shi, Saitama 351-0198, Japan
受 賞 総 説
E-mail: [email protected]
1 C.R. Woese らは当初は Archaebacteria と称していたが,その後詳細な 16S rRNA の系統解析によって一般の細菌とは異 なる系統が明らかになると Archaea という用語を用いるようになった.日本語訳としては古細菌が一般的であるが,“細菌 の一グループ”と思われることを危惧する研究者もいる.本稿では“アーキア”という用語を使用する.
リボソームの大きさは細菌と同様に 70S であるが,
翻訳の開始コドンはメチオニンでジフテリア毒素に よってタンパク質合成が阻害されるなど真核生物との 共通点も多い,などがあげられよう.またゲノム塩基 配列に基づく系統解析においてもアーキアは概ね独立 した系統群を構成している.今日までに分離・培養さ れているほとんどのアーキアは絶対嫌気的環境や高 熱,酸性,高塩濃度などの特殊な環境から分離されて きている.しかし,近年の分子生態学的な研究によっ て,海洋,湖泥,土壌などの一般的な環境にも多様な アーキアが幅広く生息していることが示されている
(Chaban et al., 2006).
系 統 分 類 学 的 に は 大 き く Crenarchaeota 門 と Euryarchaeaota 門の二つの系統に分けることができ,
さらには暫定的に Korarchaeota 門,Nanoarchaeota 門,
Thaumarchaeota 門が提唱されている(図 1 参照).
Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology 第 2 版 に採用されている分類体系(Garrity & Holt, 2001)
では Crenarchaeota 門は一つの綱(Thermoprotei)
か ら な り Desulfurococcales 目,Sulfolobales 目,
Thermoproteales 目と最近提案された Acidilobales 目,
Fervidococcales 目がある.これらの目に含まれるアー キアは大部分が超好熱性(生育至適温度が 80℃以上)
を示す.一方,Euryarchaeota 門には様々な表現性状 を示すアーキアが存在している.メタン生成アーキア は 4 綱 6 目にわたっており,Methanobacteria 綱には Methanobacteriales 目,Methanococci 綱 に は Methanococcales 目,Methanomicrobia 綱 に は
Methanomicrobiales 目,Methanosarcinales 目,
Methanocellales 目 の 3 目 が,Methanopyri 綱 に は Methanopyrales 目が属している.Halobacteria 綱 Halobacteriales 目には高度好塩性アーキアが含まれ,
Archaeoglobi 綱 Archaeoglobales 目には硫酸還元・鉄 酸化・鉄還元など硫黄還元以外のエネルギー代謝を行 う超好熱性アーキアが属している.Thermococci 綱 Thermococcales 目には従属栄養性の超好熱性菌が,
Thermoplasmata 綱 Thermoplasmatales 目には中温 または中等度好熱性の好酸性菌が含まれている.一方,
Korarchaeota 門は分子生態学的手法によって温泉か ら検出された Crenarchaeota・Euryarchaeota とも異 なる系統を有する好熱菌で(Barns et al., 1996),現 在では共生培養によってその系統が維持されているも のがある(Elkins et al., 2008).Nanoarchaeota 門はあ る種の超好熱性アーキアに絶対寄生しているアーキア でゲノムのサイズも 0.5 百万塩基ほどしかない(Huber et al., 2002).従来は独立した系統と考えられていた が,その起源はフリーリビングの超好熱アーキアで あ っ た 可 能 性 も 示 唆 さ れ て い る(Brochier et al., 2005).一方,Thaumarchaeota 門はこれまで Marine Group I として知られた低温性や中温性のアーキアを 含む系統で,海洋や土壌などに幅広く存在している
(Brochier-Armanet et al., 2008).
アーキアの存在が知られるようになると地球上の生 物の起源や初期進化とも関連づけた研究も盛んになっ た.超好熱性アーキアの発見は現在の生物の共通祖先 が超好熱性であった可能性も示し,また現在の真核生
Bacteria Eukarya
図
1
16S rRNA
に基づくアーキアの系統関係の模式図物の起源もアーキアとの関わりが重要な要因であった ものと考えられている.一方,メタン生成アーキアや その関連アーキアのメタン発生・嫌気的メタン酸化や Thaumarchaeota 門アーキアに示された好気的アンモ ニア酸化,熱水中に生息する好熱性アーキアの硫黄・
鉄代謝など,地球レベルでの物質循環に大きく関わっ ておりその生態学的役割は極めて大きい.さらには耐 熱性酵素,バイオリーチング,メタン発酵,バイオレ メディエーション,バイオポリマーの産生など今後の 応用分野への発展も期待されている.
コレクション事業の立ち上げ
JCM に着任した頃はメタン菌や好熱菌が取り扱え る実験設備も満足になく,また周りにアーキア研究を 行っている研究者は少ない状況にあった.幸い施設に 関しては好熱菌培養のための高温培養装置や排気のた めのドラフト設備などを優先して設置していただき,
数年のうちにアーキアが取り扱える実験室を立ち上げ ることができた.また本学会や日本 Archaea 研究会 に努めて参加しているうちに,数多くのアーキア研究 者と知り合うことができた.JCM におけるアーキア の培養・保存はこうした方々に教えていただいたり,
文献等を頼りに少しずつ習得してきたものである.
生育に高い塩濃度を必要とする好塩性アーキアは,
好気的・従属栄養的に生育できるため,その培養や凍 結保存法は一般の細菌と同じような感覚で行うことが できる.しかし,乾燥保存法では浸透圧の変化や塩の 再結晶による細胞障害,さらには高塩濃度による蒸気 圧の低下によって乾燥操作が困難になる等の問題点が あり,特別な保存法が必要である(Sakane et al., 1992; Tindall, 1992).いくつかの乾燥保存法を検討の 上,ガラスアンプル中にスキムミルクの乾燥プラグを 作り,その上に細胞懸濁液を浸してから L-乾燥する 方法を採用した.この方法によってほとんどの好塩性 アーキアを乾燥保存することができるようになった.
しかし,中には保存直後の加速試験で良好な生残数を 示していても数年後に急速に生残数が減少する菌株も あり今後も保存法を改善していく必要があると考えて いる.
一方,メタン生成アーキアや多くの嫌気性好熱アー キアは高い嫌気度下で培養・凍結保存する必要がある.
特に酸素に感受性が高いメタン生成アーキアでは保存 操作中でも凍結保存後でも高い嫌気度を保つことが必 要となる.古賀洋介教授(産業医大)のグループによっ て紹介されたメタン生成アーキアの培養及び凍結保存
法は細かな点まで記載されており大変参考になるもの であった(古賀ら,1987;古賀・大神,1992).しかし,
コレクションでは取り扱う菌株数が多いことや培養・
保存担当者は当面 1 人であるのでなるべく簡便に操作 できることが望ましい.その点で同じカルチャーコレ クションでメタン菌や Clostridium 等の絶対嫌気性細 菌を担当している DSMZ・H. Hippe 博士がどの様に 菌株を維持しているのか大変興味があった.そこで 1996 年にオランダ・アイントホーフェンで ICCC-8 が 開催されたのを機会に,この国際会議に参加した後に 1 週間程 DSMZ に滞在してメタン菌の培地調製法や ガラスキャピラリー法(Hippe, 1984)による凍結保 存の実習を受けることにした.この間,Hippe 博士に は使用している培養器具等の説明から嫌気性菌の培 養・保存法まで懇切に教えていただいた.DSMZ で 使用していた器具類には製造中止になっていたり,日 本では取り扱っているメーカー・代理店がないものも あったが,それなりにやり繰りして JCM 内でも行え る手法とした(伊藤,2002).一方,一部のメタン生 成アーキアや共生嫌気性細菌のように多量の接種量で 継代しないと生育しなかったり,生育するまでかなり 長い時間を要する菌株もあり,これらの凍結保存には ガラスバイアルを使用した.これには 2004 年に訪問 した故 Boone 教授の研究室で実施されている保存方 法が良い参考になった.ここには常時稼働している嫌 気チェンバーがあり,その中で保存分散媒に懸濁した 細胞液をガラスバイアルに分注した後,ゴムチューブ で栓をしてからチェンバーの外に出して直ちに熔封す るのであるが,そのままではバーナー熔封時の火炎で バイアル内部の圧力が上がり,バーストを起こすこと が多い.そこで熔封直前にゴムチューブに注射針を刺 し,圧力をリークした状態で熔封を行っていた.この 手法を参考に JCM でもガラスバイアルによる凍結保 存法を立ち上げ,必要に応じて実施している.
JCM におけるアーキア及び関連細菌の菌株数の推 移を図 2 に示した.着任時にはアーキアの菌株は 1 株 しかなかったが,2010 年 10 月末で 469 株(メタン生 成アーキア 73 株,好塩性アーキア 244 株,好熱性アー キア 152 株)となりアーキアの菌株数については DSMZ に次いで世界 2 位の規模となっている.JCM に着任した当初はもっぱら好塩性アーキアや好気性 アーキアを中心に収集していたが,絶対嫌気性アーキ アの培養・保存ができるようになると,これらのアー キアも少しずつコレクション間交換で入手した.2000 年には原核生物分類命名委員会やその公的機関誌であ
る International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology (IJSEM) が新種・新亜種・
新組み合わせ発表の条件として 2 カ国以上のコレク ションに寄託を求めるようになり,実際に 2003 年ぐ らいからは JCM でも研究者から依頼による菌株寄託 が増加している.これは JCM のブランド力によるも のが大きいと考えているが,好塩性アーキアでは共同 研究等を通して数多くの研究者とパイプがあったこと も大きい.特に中国科学院微生物研究所の周 培謹教 授と懇意になったことで,中国研究者によって発表さ れた数多くの新種に対して基準株寄託の受け皿となる ことができた.また嫌気性アーキアに関してもこの頃 までに培養保存法を確立していたので,世界的に見て も絶対嫌気性微生物が扱えるコレクションが少ない中 で有利に収集を進めることができたものと考えてい る.
コレクション事業の展開
アーキアや関連細菌のコレクションが充実するにつ れて独立栄養性菌・好熱好酸性菌・好熱性高圧菌・鉄 酸化菌・鉄還元菌など培養・保存が難しい菌株も増え てきており,この中にはなかなか思うように生育しな い菌株も多かった.こうした菌株の受託には菌株担当 者と寄託者が相互に連絡し合う必要性があるが,その コミュニケーション力がことさら大切であったように
思う.またこうした菌株の維持にはコレクション間で 協力し合うことも重要である.DSMZ の H. Hippe 博 士やその後継の S. Spring 博士とはお互いに協力し合 う関係を築くことができ,培養方法や保存状況等につ いて連絡し合うこともしばしばであった.こうした経 験を積むにしたがって,少しずつ培養・保存が困難な 菌株への対応法を体得してきたつもりであるが,新た に異なった難培養性の菌株が寄託されると,つくづく 培養できる微生物株はほんの僅かな割合でしかなかっ たことを実感する思いである .
先述の通り,JCM では IJSEM に新種等を発表する ために研究者からの菌株寄託が急増しているが,コレ クション側では寄託菌株の信頼性(authenticity)・純 粋性・培養保存性について検討した上で,寄託菌株が 公開されることを証明する書類を発行する必要があ る.寄託菌株数が多いと菌株担当者にとってはプレッ シャーに感じることもあるが,カルチャーコレクショ ンが信頼されていくためには必要なことと感じてい る.一方,こうした基準株のコレクションへの寄託は 単に論文掲載のためではなく,その研究コミュニ ティーでどう取り扱われるべきなのか,あるいは寄託 者の権利等をどう見なすべきなのか,コレクション関 係者や寄託者,利用者間で同じような共通認識を持っ てもらうべきと考え,IJSEM 誌に掲載された「基準 株の寄託する条件の明確化」に関する記事を改めて本 0
50 100 150 200 250 300
1990 1995 2000 2005 2010
Methanogens Halophiles
Thermophiles (nonmethanogenic) Related bacteria
(Year)
Number of strains
図
2
JCM
におけるアーキアと関連細菌の保有株の推移 関連細菌は筆者が担当した菌株数を示す.2010 年は 10 月末 現在のデータを示す.学会誌に紹介した(Tindall & Garrity, 2008:伊藤,
2009a).今後はこうした問題についてもそれぞれの立 場の意見を組み込んで議論されることが望まれよう.
一方,提供を受ける利用者のニーズはますます広 がってきている.リソースの利用性拡大を図るために,
理研 BRC の協力の下にゲノム DNA での提供や嫌気 性微生物の培養と保存に関する研修事業を実施した り,あるいは大量培養を伴う研究や網羅的にリソース を使用する研究なども可能な範囲で積極的に支援して きた.また,これまでのコレクション事業やリソース 開発での経験を少しでも伝えられればと思い,海外か らワークショップやシンポジウムに参加要請があった ときには積極的に参加してきた.
リソース開発
コレクションが自らリソース開発を行うことはどの 様な意義が考えられるであろうか.コレクション独自 のリソースを持つことは極めて重要であるが,さらに はリソース開発を通じてリソースに関する新たな知識 や技術を得たり,あるいはその研究コミュニティーの 中で研究者として認められることもリソースの収集に は有意に働くと考えても良いだろう.JCM に着任し たときには,これから学位を取る必要性もあって数年 の間アーキアの探索研究・系統分類学的研究に集中さ せていただいたことは,振り返ってみてもコレクショ ン事業にも有意義なことであったと強く感じている.
私自身がこれまでリソース開発の対象にしてきたのは 主に好熱性アーキアと好塩性アーキアであるが,誌面 の都合もあり本章では好熱性アーキアの探索とリソー ス開発について記述する.
好熱性アーキアには多様な系統群が含まれており,
またその生育特性も様々である.その一方で系統学的 な拡がりに比べると分離・培養されている種の数は少 なく,また系統分類学的研究も余り行われていない.
したがって好熱性アーキアの分類体系をよく理解して いくにはさらに多くの分離・培養された種や菌株が必 要である.そこでまず国内の温泉地帯を中心に好熱性 アーキアの探索研究を開始した.分離用の培地組成は 原則的に Sulfolobus 改変培地を用いたが,生育温度
(50 〜 55℃,70℃,85℃), 生 育 pH(2.0 〜 2.5,3.5
〜 6.0),気相〔空気,N2,H2-CO2 (4: 1,100 KPa),嫌 気的培養では培地を Na2S で還元〕を組み合わせて様々 な培養条件を設定した.分離は集積培養を行った後に 限界希釈法・最確数(MPN)法を繰り返して菌株を 純化する方法と,試料を先に MRN 法によって希釈し
て後に培養を行う方法を試みた.
表 1 にこれまでに分離できた好熱性アーキア菌株を リストした.これらの分離株についてまだ十分に系統 分類学的研究を行っていないものもあるが,これまで の研究から明らかになってきた分離株の特徴を簡単に 示す.
1)Sulfolobales 目分離株
図 3 に示したように系統学的には少なくとも 2 つの 新属の存在が示唆された.一新属(New genus 1)は 少 な く と も 2 種 を 含 み, そ の 代 表 株 IC-088 株 と IC-134 株について系統分類学的研究を行った.前者 は超好熱性・絶対嫌気性,後者は高度好熱性(生育至 適温度 75℃)・通性好気性で,ともに DNA G+C 含量 表
1
リソース開発による好熱性アーキア・細菌分離株Genus and speciesa Number of isolates Order Sulfolobales
Acidianus brierleyi 16 Acidianus infernus 38 Acidianus sp. (new species) 7 Metallosphaera hakonensis 4 Metallosphaera sedula 11 Metallosphaera sp. (new species) 1 Stygiolobus azoricus 9 Sulfolobus metallicus 1 Sulfolobus solfataricus 3 Sulfolobus sp. (new species) 2 Sulfurisphaera ohwakuensis 31
New genus 1 7
New genus 2 1
Order Thermoproteales
2
Pyrobaculum arsenaticum 1
3
Thermoproteus sp. 8
20
2
Order Desulfurococcales
Desulfurococcus amylolyticus 1 Order Acidilobales
2
Caldisphaera sp. 1 (new species) 3 Caldisphaera sp. 2 (new species) 3 Acidilobus sp. (new species) 1 Order Thermoplasmatales
Picrophilus oshimae 2 Thermoplasma acidophilum 5
1
Bacteria 18
Total 239
a 属種名は 16S rRNA 遺伝子の相同性から推定した.既知 種基準株と相同性が低いものは(98% 未満)は新種(新 属を含む)に相当すると判断した.太字で示した学名は 既に誌上発表したことを示す(文献欄参照).
は 49-51% と他の属種に比べて有意に高かった.一方,
他の新属に相当する菌株(IC-183, New genus 2)は 好気的に生育できることが示されている.Sulfolobus 属に関連した一新種(代表株:IC-006)は Sulfolobus metallicus と 比 較 的 近 縁 で あ っ た. し か し,
Sulfolobus 属は多系統的で再分類が必要と考えられて いる.Sulfolobus metallicus とこれらの分離株は系統 学位置に加えて生育温度,DNA G+C 含量値でも他の Sulfolobus 属の種とは区別できるものである.した がって,これらは Sulfolobus 属とは異なる一新属と するのが妥当であろう.Acidianus 属の新種と思われ
る菌株(代表株:IC-014)も幅広い地域から分離する ことができた.これらはいずれも 70℃で分離されて おり,超好熱性は示さないものと思われる.一方,好 気性で知られている Metallosphaera 属で新種と思わ れる菌株(IC-188)は H2-CO2 (4: 1, 100 KPa) 下で分離 された.同様に絶対嫌気性とされている Stygiolobus 属に属する菌株が好気的培養条件下で分離されている 例もあり,Sulfolobales 目における好気-嫌気による属 の区別に疑問を呈する結果であった.
2)Themroproteales 目分離株 IC-014 (new species)
IC-097 IC-008 905996
IC-023
IC-188 (new species) IC-191 IC-116 983
1000 961 982
997 982
1000
934
IC-088 (New genus 1) IC-134 (New genus 1)
IC-043 1000 999
IC-183 (New genus 2) IC-006 (new species) IC-022
1000 1000
979 IC-066 IC-034 705
IC-113 IC-025 IC-094 994 951
1000
869 857
982
993 0.02
図
3
分離株を含めた 目の16S rRNA
に基づく無根系統樹 数値はブーツストラップ値(70% 以上)を示す.本目 Thermoproteaceae 科には従来 Thermoproteus・
Pyrobaculum の 2 属だけしか知られていなかったが,
本 リ ソ ー ス 開 発 に よ っ て Thermocladium・
Caldivirga・Vulcanisaeta の 3 属を加えることができ た(Itoh et al., 1998a, 1999, 2002). こ れ ら は Thermoproteus・Pyrobaculum 両属よりも低い生育至 適 pH を有していた.また Thermocladium 属は本目 では唯一高度好熱性(生育至適温度 75℃)である.
また Thermocldium・Caldivirga 属はビタミンやアー キア細胞抽出液の添加によって生育が促進された.そ の他 DNA G+C 含量,デンプンの利用性などによっ てこれら Thermoproteaceae 科の属を区別することが 可能であった.一方,Thermoproteus・Pyrobaculum 属分離株の多くの菌株でホーミングエンドヌクレアー ゼを含んだ 16S rRNA intron が介在していることが 明 ら か に な っ た(Itoh et al., 1998b, 2003a).16S rRNA の同一箇所に介在しているイントロンのホーミ ングエンドヌクレアーゼの系統を比較すると国内で分 離された菌株における系統関係は 16S rRNA 遺伝子 のものと一致しているが,アイスランドで分離された Thermoproteus neutrophilus 基準株のものは大きく系 統関係が異なっていた.さらに Vulcanisaeta 属の一 菌株(IC-065)のホーミングエンドヌクレアーゼは,
二量体の一方が他の Thermoproteus 属菌株の異なる 位置に介在するホーミングエンドヌクレアーゼと高い 相関性を示していた.したがってこれらの分離株はイ ントロンの可動性やホーミングエンドヌクレアーゼの 進化動態の解明にも役立つものと思われる.尚,
Thermoproteus sp.IC-061 に存在するホーミングエ ンドヌクレアーゼは実際に組み換え体で発現されてお り,その酵素は 85 〜 90℃と高い反応至適温度を有し て い る(Nakayama et al., 2007). ま た Caldivirga maquilingensis IC-167 には一部の tRNA がゲノム上 で 3 つに分断していることが示されており,超好熱性 アーキアにおける tRNA の進化を考える上でも興味 深い(Fujishima et al., 2009).本目の菌株は代謝的に も 多 様 で, ま た Vulcanisaeta distributa IC-017,
Caldivirga maquilingensis IC-167 を含めて数多くの菌 株でゲノム塩基配列が公表されていることから遺伝・
生化学あるいは進化学的にもユニークなリソースと なっている.
3)その他のアーキアと細菌株
こ れ ま で Desulfurococcales 目 に 属 す る も の は Desulfurococcus amylolyticus 様の一株だけしか分離
していないが,Acidilobales 目では数種に相当する菌 株が分離できた.この中でフィリピンの温泉から分離 した菌株は Caldisphaera lagunensis として新属・新 種を提唱した(Itoh et al., 2003b).本目の菌株は好酸 性を示し,また同様なアーキアは世界各地の酸性温泉 で検出されている.Thermoplasmatales 目に属する 8 菌株はいずれも 50 〜 55℃,pH 2.0 〜 2.5 で分離された.
5 株 は Thermoplasma acidophilum に,2 株 は Picrophilus oshimae に近縁な菌株であったが,1 株 は新属として Thermogymnomonas acidicola を提唱 した(Itoh et al., 2007).本属菌株は Thermoplasma 属と同様に好気性で細胞壁がないが,DNA G+C 含量 値や生育至適 pH がやや高い(pH 3.0)ことから他の 属と区別することができる.また好熱性細菌では Acidimicrobiales 目 の 新 属・ 新 種 と し て
‘Aciditerrimonas ferrireduces’と命名した菌株を分 離した(Itoh et al., in press).本菌株は好熱好酸性の アクチノバクテリアの一種で,嫌気条件下で鉄還元性 を示す.さらに Hydrogenobacter 属,Thermus 属な どで新種と思われる菌株も分離している.
生物地理学的研究のモデル構築へ
以上にあげたリソース開発によって日本・フィリピ ンの温泉から様々な好熱性アーキアを分離することが できたが,その中には分離地域にかかわらず 16S rRNA 塩基配列がほぼ一致する菌群と分離地域ごとに グループ化できる菌群が見いだされた.前者の例は Acidianus infernus 様菌株で,その 16S rRNA 塩基配 列はイタリアで分離されている本種基準株のものも同 じである.一方,Vucanisaeta 属菌株では分離地域と 16S rRNA 塩基配列によるグルーピングに興味深い関 係が観察された.すなわち,野外に湧出する温泉水か ら分離した Vulcanisaeta distributa と関連菌株では,
16S rRNA 遺伝子塩基配列に基づくグルーピングが分 離地域の分布とよく対応していることが示され,一 方,引湯した温泉設備からは別種である V. souniana が 分 離 さ れ て い る(図 4). ま た 我 々 が 知 る 限 り,
Vulcanisaeta 様の菌株・クローンはイエローストーン 国立公園・ラッセン火山国立公園(ともにアメリカ)
やカムチャツカの火山帯でも分離・検出されているが V. distributa・V. souniana と同一種と思われる(16S rRNA 塩基配列相同性が 98% 以上)のものは見つかっ ていない.以上のことから本属菌株においては地理的 隔離と生息環境の相違が遺伝学的多様化や種分化に影 響を及ぼした可能性があると考えられた.このことを
実証していくために 16S rRNA 遺伝子以外に radA,
DEAD/DEAH-box helicase 様遺伝子とその翻訳アミ ノ酸の系統学的解析を行った(伊藤,2009b).また 2 菌株については 16S rRNA 遺伝子を含むフォスミド クローンの塩基配列を決定し,他の 2 菌株については 23S rRNA 遺伝子を含む長鎖の遺伝子断片を PCR 増 幅した後に塩基配列を決定し,これらの遺伝子構造を 比較した(伊藤,2009b).
標記遺伝子及び翻訳アミノ酸に基づく系統学的解析 を行った結果,RadA タンパク質を除き,各分子系統 樹はお互いよく似ており,V. distributa 関連菌株では 分離地域ごとにクラスターを作成したこと,概ね近い 地域から分離した菌株がより近縁関係となっているこ とから,これら菌株では地理的隔離による遺伝学的浮 動が遺伝子多様化の主な推進力であることを支持する ものと考えられた.但し,16S rRNA,radA 遺伝子 では川湯硫黄山と玉川温泉の分離株が,また和琴オヤ コツ地獄と後生掛温泉の分離株がそれぞれ近い関係を 示した.一方,DEAD/DEAH box helicase 遺伝子で は少なくとも秋田県の 2 温泉(玉川及び後生掛温泉)
からの分離株はより近い系統関係を示した.Helicase 遺伝子では非同義置換が頻繁に起こっており,タンパ ク質への機能的制約は少ないことからより中立的に進 化しているものと考えられた.これに対して 16S
rRNA 遺伝子や radA 遺伝子では機能的制約あるいは 相同的組み換えが起こった可能性がある.一方,箱根 大涌谷より分離した V. distributa 一菌株と,箱根早 雲山から分離した V. souniana の 23S rRNA 下流約 12 kbp 遺伝子断片の遺伝子構造はお互い類似してい た.さらに両菌株では 30 〜 46% の DNA-DNA 相同 性を有することから,これらは同様な遺伝子構造を 持った祖先型に由来し,生育環境の相違等によって遺 伝子が多様化して種分化したものと推測した.
以上のように地理的分布と遺伝学的多様化を関連づ けて説明できる微生物の例は極めて少なく,本研究に 用いた Vulcanisaeta 属菌株は地理的分布と遺伝子多 様化・種分化を考察するには格好のモデル微生物とな ることが示された.こうしたモデル微生物をさらに比 較研究することによって,好熱性アーキアにおける種 分化や伝播のメカニズムの解明につながることも期待 できよう.また Acidianus infernus の様にコスモポリ タンに幅広く分布する種と Vulcanisaeta 属菌株の様 にエンデミックに生息地が限定される種の分布要因の 違いを明確にすることも好熱性アーキアの生態を理解 する上で重要であろう.
おわりに
JCM に着任してから少しずつコレクションを充実 IC-060
IC-059T IC-219
IC-218 IC-017T IC-051 IC-058 IC-019 IC-052 IC-064 IC-065 IC-029 IC-030 IC-032 713
684
IC-135 IC-141 IC-239 764
IC-124 IC-136 IC-140 IC-237 IC-238
970 760
591 779
603 784
511 526
1000 0.005
637
Kawayu Wakoto
Goshoukake
Tamagawa
Okushiobara
Ohwakudani
Soun-zan Unzen
and related strains
図
4
属菌株における分離地域と16S rRNA
遺伝子に基づく系統樹 数値はブーツストラップ値(70% 以上)を示す.化させてきたが,まだまだ未開拓となっている菌種も 多く,道半ばという気持ちが強い.さらに今後も研究 コミュニティーにとって利用性の高い事業へと発展さ せる必要もあろう.一方で微生物リソースを取り巻く 社会的環境は急速に変化している.菌株に付随する知 財権の取り扱いや生物多様性条約への対応,カル チャーコレクションや生物資源センターのグローバル 化,微生物取り扱いに関する社会規制など様々な課題 があるが,これらにも菌株担当者として果たす役割が あるものと感じている.さらに今あるコレクション事 業の継続性として後継者問題にも大きな関心がある.
今後はこうした諸問題に関しても本学会とともに取り 組めるように努力していきたいと考えている.
謝 辞
私は東京農工大学農学部,同大学院,科研製薬(株)
中央研究所を経て現在の JCM に着任いたしましたが,
この間にも微生物の探索研究や分類学的研究を行って きており,常にコレクションがそばにあってそのあり がたみを感じていました.JCM に着任してからも微 生物系統分類学やアーキア・極限環境微生物の研究に 関わる数多くの先生方やコレクション事業の先輩,同 僚,若手の皆さんに支えられて「アーキアと関連する 細菌のコレクション事業とリソース開発」に従事して きました.この度日本微生物資源学会賞受賞の栄誉に 浴することができたのもこうした方々のおかげと大変 感謝しております.学生時代から終始ご指導・激励し ていただきました東京農工大学元教授 故倉石 衍先 生,JCM におけるアーキア・関連細菌のコレクショ ン事業の立ち上げに際しご指導をいただきました中 瀬 崇先生(現・理研名誉研究員),鈴木健一朗先生
(現・製品評価基盤機構 NBRC),辨野義己先生(現・
理研特別招聘研究員)にはこの場を借りて厚く御礼申 し上げます.リソースの開発研究については中国科学 院微生物研究所 周 培謹元教授,Chulalongkorn 大 学 S. Tanasupawat 准教授,東洋大 高品知典先生と学 生の皆さんの協力が大変大きな力となりました.また 過去 10 年間にわたりアーキアと関連細菌の保存業務 を担当していた都筑智子氏にも感謝申し上げます.
文 献
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