11-13 1
ジャーナリズム史第 11 - 13 回
昭和前期
縮軍から拡軍へのムード ファシズムへの道昭和 10 年代
新聞統制時代ジャーナリズムと戦争を考え る
6月のジャーナリズム:
6
月23
日7 月のジャーナリズム
7
月7
日8 月のジャーナリズム
8
月6
日、9
日、15
日17
日9 月のジャーナリズム
9
月2
日、11
日、18
日11-13 3
①7
月7
日=1937
(昭和12
)年7
月7
日 廬溝橋事件。45
年まで続く日中戦争(日本と中国の全面戦争に発展。
⇒戦争とジャーナリズム
②8
月6
日=1945
年8
月6
日広島に原爆投下③8
月9
日=1945
年8
月9
日長崎に原爆投下 ⇒原爆投下は正当化されるだろう か。戦後の冷戦下のジャーナリズム④8
月15
日=ポツダム宣言受諾。日本の一番長い日。戦争責任、東京裁判<BR>
⑤8
月17
日=満州帝国(1932
年2
月18
日建国、日本の傀儡「偽満州」-リット ン調査団-国際連盟脱退)の崩壊⑥9
月2
日=東京湾・戦艦ミズーリ号船上にて、日本が連合国側と降伏文書調印<BR>
⑦9
月11
日=2001
年9
月11
日 ニューヨーク同時多発テロ。のち米国ほかのア フガン攻撃にきっかけとなる。⑧2002
年9
月17
日:日朝国交正常化の記念すべき日になるかどうか⑨9
月17
日=1931
(昭6)年9
月17
日 柳条湖事件 関東軍が満州でおこし、満州事変の発端となった謀略事件
戦前のラジオ小史
1925
(大14
)3.22
東京放送局放送開始 1926
(大15
) 社団法人日本放送協会発足 1927
(昭2) テレビ実験に成功
大相撲、中等野球の実況放送/
オリンピック や国際会議の中継にラジオが活躍/2
・26
事 件「兵に告ぐ」 1941
(昭16
)12.5
国内放送戦時非常態勢 要綱制定<
戦時体制>12.8
体制太平洋戦争開 戦の臨時ニュース/
空襲警報放送/
娯楽番組 の制限/
対外宣伝放送(日の丸アワー) 1945.8.15
昭和天皇の「終戦詔書」放送11-13 5
15 .昭和前期 政党政治から軍閥の台頭
誤報から校閲部創設:「元号は光文」(東日) 誤報、誤植は「逆賊」の時代に
普選実施(昭2)と治安維持法
昭4 徳富蘇峰 『国民』を去る-パーソナ ルジャーナリズム終焉
昭5 日本新聞聯盟結成。新聞共同宣言
昭6 軍部の干渉 謀略と虚報 関東軍 9.18
満州事変勃発:臨時ニュース 放送 が号外に先んじる 柳条湖・満鉄爆破132
社共同宣言16. 言論界 沈黙への道
昭7 五・一五事件:犬養毅首相暗殺 「話 せば分かる」-ファシズムの時代に
福岡日日 菊竹淳(すなお)・六鼓 「敢 て国民の覚悟を促す」
共同宣言:満州国 (32.2) の正当化 国際連 盟を批判
昭8 信濃毎日 桐生悠々「関東防空大演習 を嗤(わら)ふ」
当局による記事差し止め、発売禁止処分、言 論人への右翼、左翼の暴力11-13 7
福岡日日 菊竹淳 (すなお) ・ 六皷
昭7 五・一五事件:犬養毅首相暗殺
「話せば分かる」-
ファシズムの時代に
「敢て国民の覚悟を 促す」
福岡日日新聞(西日本 新聞の前身)の編集局 長・主筆、菊竹六皷
(ろっこ)(
1880-193 7)
鈴木雄雅(2007/06/30) 7
信濃毎日:桐生悠々
昭8 信濃毎日 桐生悠々「関東防 空大演習を嗤(わら)ふ」
1873
~1941
反骨・反軍のジャー ナリスト。 1899
(明治32
)年東京帝国大学法 科卒業後、新聞記者となり、下野(
し もつけ)
新聞社、大阪毎日新聞社、大 阪朝日新聞社などで働く 1910
(明治43
)年、名声を博した 山路愛山(やまじあいざん=1864
~1917
。江戸の生まれの評論家。本名 は弥吉。「国民新聞」の記者となり、雑誌「国民之友」などに史論・文 学論を発表。「信濃毎日新聞」主筆 を務めた)の後任主筆として『信濃
(
しなの)
毎日新聞』(当時の発行部 数2
万部)に入社、日露戦争後の軍 部批判で筆をふるう。11-13 9
17. 言論統制の時代 国策と国論の統一
戦時体制 「時局」「生命線」「聖戦」
新聞資材の不足、欠乏
国論の統一、情報の一元化
昭11
電通+聯合通信社の合併→同盟
情報委員会設置 昭15
情報局に 昭 11 二・二六事件 「兵に告ぐ」
朝日を襲撃 戒厳令下で報道禁止令
民族の抵抗 ベルリンオリンピック18 . 軍部の言論干渉:
思想、情報、言論の統制化が始まる
昭12.7
日中(支那事変)戦争の拡大
7.7
蘆溝橋事件 軍機保護法改正: 陸海軍大臣の報道許可
昭13
戦時体制の強化 思想統一 左翼理論指導者層の一斉検挙
(2)
国家総動員法
(4)
用紙制限:減ページ 広告、夕刊の制限
昭15.2
斎藤隆夫(立憲党)「反軍演説」:
国 家百年の大計誤る 昭6にも「粛軍演説」
昭16
大政翼賛会 政党解散 政党政治の終焉11-13 11
太平洋戦争とジャーナリズム:政府批判消える
昭16.12.8
日米開戦 紙面の変化 大本営発表(陸軍報道部、海軍報道部) 内務省
天気予報、外国ニュース、地震、生活情報が消える
戦意高揚 「軍神」 軍国美談
戦争拡大とともに部数急増
:
国民を欺く報道
消された記事 軍部・政府批判は、発禁、処罰 安寧秩序を乱す・風俗を害する(新聞紙法
23
条) 国策の遂行に重大なる支障を生ずる恐れのある報道の 制限・禁止(新聞紙等掲載制限令)
統制団体 新聞聯盟(41)
から日本新聞会(42)
へ 一県一紙体制へ
戦争下の新聞論調:戦争の目的に同調(誇張)
、国民一致戦争完遂に邁進
1.
大東亜戦争の完遂 キーシンボルは解放と独立解放と独立1. 新秩序と旧秩序(米英)の対立
2. 植民地解放、大東亜共栄圏の確立を「征戦」の完 遂目的に
2.
政府・軍一体の国民指導1. 為政者への論旨でなく、国民に対して呼びかける
3.
東亜諸民族に対する訴えかけ1. 各民族の独立→日本軍に対する協力→大東亜戦争 の勝利→東亜諸民族の繁栄 を繰り返し強調
2. 日本なくして大東亜共栄圏なし=皇国中心の理念
11-13 13
19 .見ざる、聞かざる、言わざる時 代
東条首相を怒らす
昭18
中野正剛 「戦時宰相論」『朝日』(1)
昭19
新名丈夫 「竹槍では間に合はぬ」『毎日」
(2)
木村栄文『記者たちの日米戦争』 Bainbridge Review:
ウッドワード記者 沖縄戦: 1945/4~6
「沖縄県民斯ク戦ヘリ」
20 .覚えておきたい新聞人・言論人
村山龍平・上野理一
長谷川如是閑(はせがわ・にょぜかん):
八虹筆禍事件
杉村楚人冠(すぎむら・そじんかん) 廣太郎
菊竹 淳(すなお)六鼓-
福岡毎日-5
・15
事件
木村栄文 『六鼓・菊竹 淳』
桐生悠々-
信濃毎日:
『他山の石』
新名丈夫-
毎日:竹槍では間に合はぬ
緒方竹虎(朝日)11-13 15
春原昭彦「新聞人群像-
もう一人の新聞人-
」『コミュ ニケーション研究』no.28(1998)
、「新聞社における 調査部の役割とその変遷」no.23(1993)
田中浩(編)『近代日本のジャーナリスト』
『別冊新聞研究 聞き取りでつづる新聞史』
朝日『戦後五〇年 メディアの検証』
坂上康博『権力装置としてのスポーツ-帝国日本 の国家戦略』講談社選書メチエ136
(1998
)
鎌田 慧『反骨のジャーナリスト』岩波新 書、2002
桐生悠々『畜生道の地球』中公文庫
井出孫六『抵抗の新聞人 桐生悠々』岩波新 書、1988
今西光男『新聞 資本と経営の昭和史』(朝 日新聞社、2007
)11-13 17
ジャーナリズム史チェックポイント
内川・新井『日本のジャーナリズム』
→1
.政論ジャーナリ ズム2
キャンペイ ン時代のジャーナリ ズム
『聴きとりでつづる新聞史』→新聞人の 生き様とジャーナリ ズム
春原『日本新聞通史』
→ クロニクルで新聞 紙面の変化を伝える