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主体的学習促進に資する準正課カリキュラムに関する一考察

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* 福島大学総合教育研究センター高等教育開発部門

 新しい資質・能力にもとづいた大学教育が要請される昨今において,福島大学で長年に渡りカリ キュラムに位置付き,学生の主体的学習活動の促進を目的とした「自己学習プログラム」の取組み を分析することで,展開される主体的学習の全体傾向を明らかにすることが本稿の目的である。具 体的には計91のプログラムを特徴に応じて類型化する。

 結果として,①サブゼミ,②自主ゼミ・資格取得学習,③各種学習イベント,④実地調査,⑤地 域貢献活動・ボランティアの₅領域が導かれた。大学教育における伝統的な学習形態であるゼミナー ルから,サービス・ラーニングといった学習方法で形容される地域実践まで,多様な領域において 学生の「主体性」を担保した活動が確認され,大学で展開される主体的学習促進の方向性が示唆さ れた。

〔キーワード〕主体的学習   自己学習プログラム   資質・能力   大学教育の質保証

主体的学習促進に資する準正課カリキュラムに関する一考察

鈴 木   学*

₁.はじめに

 ⑴ 大学教育におけるカリキュラム編成原理の背景  日本における大学教育は,1991年の「大綱化」と呼 ばれる大学設置基準の改正によって,これまで以上に 各大学・学部の教育課程編成の権限が大きくなり,よ り弾力的な大学教育のカリキュラムが各地で展開され るようになった(大学審議会1991)。具体的には,旧 設置基準において設定されていた授業科目区分の廃止 と単位制度の弾力化の影響が大きく,授業科目ありき から教育課程・カリキュラムありきの発想へと大学教 育のあり方が移り変わったターニングポイントである

(舘1997)。現在,特色あるカリキュラムが各大学の自 由裁量において編成可能な根拠そのものといえる。

 あわせて,清水(1994)は「単位制度のサブシステ ムの導入」も画期的な改正のひとつに挙げて,①「大 学以外の教育施設等における学修」への単位認定の規 定が新たに追加されたことと,②「大学の定めるとこ ろにより」単位が与えられること,③これらは各大学 が「教育上有益と認める」場合に限ることの変化を示 した上で,「正規の単位となる学生の学修の範囲が大 幅に拡大したため,学則等の整備とともにそれぞれの 大学が当該大学の教育理念や教育課程に応じて,どの ような体制の下で具体的な評価基準を設け,適切に運 用するかが問われることになった」とする課題を提起 している。この問題提起は,昨今の大学教育における 質保証上の課題としても位置付いているといえよう。

 「大綱化」を境に,大学教育に変化を促す答申が続 けて出されるようになった(大学審議会1997,1998,

2000; 中 央 教 育 審 議 会2002,2005,2008,2012,

2014)。特に,教育の質保証に係る論点は多岐にわたっ ており,学士力の提示,₃ポリシー1の一体的運用,

学修成果の可視化,アクティブ・ラーニングへの転換 等に関して,厚くそれらの意義が述べられてきた。実 際に,学士力は「分野横断的に我が国の学士課程教育 が共通して目指す『学習成果』について参考指針とし て示したもの」であり,各大学のディプロマ・ポリシー

(以下,DP)の策定等,大学教育における各種質保証 の仕組みづくりに影響を与えている。具体的に①知 識・理解,②汎用的技能,③態度・志向性,④総合的 な学習経験と創造的思考力の₄領域から構成される学 士力2は,所謂「資質・能力」と呼ばれる概念を規定 したものといえる。特に,②③④の項目をラーニング・

アウトカムズに位置付けたことに関しては質保証上イ ンパクトがあり,コンピテンシーやリテラシー,スキ ルといった要素が大学教育を形作る上で必要不可欠と なったことを示している。図1に示すように,日本に 限らず世界的にも汎用性の高い資質・能力の育成に向 けた教育課程編成─「上(AB)から下(CD)へ」と「左

(AC)から右(BD)へ」の傾向が高まりを見せている。

 このようにコンピテンシーにもとづくラーニング・

アウトカムズへの焦点化は,自ずと大学教育実践に変

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図  高等教育で育成するコンピテンス

学 問 分 野 固 有 の

コンピテンス

学 問 分 野 共 通 の

コンピテンス

職 業 に 固 有 の

コンピテンス

汎 用 的 な コンピテンス

特 定 的 一 般 的

社 会 的 学 術 的

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化を要請し,単位制度の実質化と教育方法の改善とし て授業時間だけではなく事前・事後の学習の充実を求 めるとともに,学習動機付けや双方向型の学習を展開 するために,学生参加型授業や協調・協働学習,課題 解決・探求学習等を取り入れることを促した。加えて,

サービス・ラーニングや留学プログラムといった準正 課教育の充実と質の確保についても触れている(中央 教育審議会2008)。そして昨今では,「従来のような知 識の伝達・注入を中心とした授業から,教員と学生が 意思疎通を図りつつ,一緒になって切磋琢磨し,相互 に刺激を与えながら知的に成長する場を創り,学生が 主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修

(アクティブ・ラーニング)」への質的転換が求められ るようになった(中央教育審議会2012)。

 この間,異なる文脈において大学のあり方を検討し た『廣中レポート』についても触れておかなければな らない(文部省2000)。本レポートでは,従来の大学 教育の全面的な反省から,①「教員中心の大学」から「学 生中心の大学」へと視点を転換することと,②正課外 教育の積極的な捉え直しについて言及している。「学 生中心の大学」という考えに立脚し,大学教育の中核 である正課教育だけではなく,その周辺とされてきた 正課外教育の価値を再評価し,それらを含みこんで大 学教育の再構築を求めた点に意義を見いだすことがで きる。以降,準正課教育や正課外教育の領域における 大学教育の新しい取組みが競争的資金政策等を通じて 支援されるようになった。

 以上,大学教育カリキュラム編成の自由化と,それ に伴う教育の質保証の動向,そして学生中心の志向性 を備えた正課教育以外への視点といった要素が交わり ながら,昨今の大学教育カリキュラムは構成されてい るといえる。

 ⑵ 課題意識

 これらの動向を前提に,正課教育の改革・改善とと もに,正課外における各種プログラム等といった準カ リキュラムに位置づけられる教育実践が各大学の特色 に応じて様々に展開されている。同時に,機関レベル のラーニング・アウトカムズだけではなく,各種プロ グラムレベルを含んだラーニング・アウトカムズのア セスメントが大学教育実践において重視されるように もなっている(Kuh & Ewell2010)。つまり,例え準 正課教育や正課外教育であったとしても,大学教育の 一構成要素であり,それらの教育的効果を把握し検証 する必要性が高まってきている現状にある。その際,

重要となる資質・能力の枠組みは表1に示した①基礎的 リテラシー,②認知スキル,③社会スキルである。

 松下(2010)はコンピテンシーのアプローチとして,

①要素的・脱文脈的アプローチと②統合的・文脈的ア プローチを挙げているが,大学教育実践の「質」を適 切に把握しようとした場合,コンピテンシーを個別の 能力要素に分割して捉える前者よりも,各取組み同士 の相互作用のもと統合的に捉えようとする後者の立場 が現実的といえる。だからこそ,よりミクロのレベル での教育実践の質保証を実質化させ,その総体として 機関レベルの質保証がなされるという発想が重要とい えよう。言い換えれば,ラーニング・アウトカムズの 到達度を重視する立場と,取組み過程を重視する立場 の違いでもあるが,昨今の質保証は「内部質保証」重 視の傾向からも明らかな通り,各大学の独自性にも配 慮して後者の実質化を促進する流れにあるといえる。

それ故,質保証の文脈においてたとえラーニング・ア ウトカムズのインパクトが大きいとしても,それは到 達度といった結果だけで評価されるものでは決してな く,大学の理念や教育目標にもとづいた教育・学習プ

ฟᡤ㸸ᅜ❧ᩍ⫱ᨻ⟇◊✲ᡤ㸦㸧ࡼࡾ➹⪅⦅㞟ࠋ 表1 世界的に提唱される資質・能力の枠組み

(3)

ロセスそれ自体を評価することに価値が見出されてい ることを理解しておかなくてはならない。

 ラーニング・アウトカムズとして能力概念を規定し,

質保証の名の下にそれらを評価することは重要である が,より検討しなければならない課題は,規定された 様々な資質・能力を形成する教育実践のあり方である という指摘は(松下2010;飯吉2011),今後の大学教 育改善に向けて残されている課題といえよう。表₁で 示すような資質・能力の育成を射程とした教育実践・

カリキュラム開発が現在の大学教育の重要なミッショ ンのひとつであることは言うまでもない。

 ⑶ 研究目的・方法

 上記のような大学教育全体の変化の中で,福島大学 ではカリキュラム改革の一環として「自己学習プログ ラム」と呼ばれる学生自身の主体的学習を促進する取 組みを展開してきた経緯がある。平成17年度後期から 平成30年度前期にかけて計91のプログラムが実施され ており,それら教育実践の方向性は多岐に渡っている。

 そこで本研究では,学生の主体的学習活動をカリ キュラムに位置付けている「自己学習プログラム」の 取組みに関して,具体的な実践を分析することで,そ の全体傾向を明らかにすることを目的とする。これに より,どのような教育実践が主体的学習促進と親和性 があるのかを考察することが可能となる。各実践が「自 己学習プログラム」として認定を受けるため必要な申 請書の内容を具体的な分析対象として,それらを目的・

方法別に類型化した上で,類型から明らかになる「自 己学習プログラム」のカリキュラム上の価値について 考察を加えていく。

 なお,「自己学習プログラム」は制度上は正課教育 に位置付く取組みであるが,その内実はあらかじめ学 習目標が設定されている狭義の正課教育とは異なり,

カリキュラム上極めて弾力的に運用されている取組み であることから,表題ではあえて「準カリキュラム」

というカテゴリーで示したことをあらかじめ断ってお きたい。

₂.福島大学における「自己学習プログ  ラム」

 ⑴ カリキュラムにおける位置付け

 図₂の通り,福島大学の教育課程(2018年度現在)

は①自己デザイン領域,②共通領域,③専門領域,④ 自由選択領域の₄領域で構成されており,「自己学習 プログラム」は①自己デザイン領域に位置付いている。

活動内容に応じた活動時間の総計が45時間程度で₁単 位,90時間程度で₂単位付与される仕組みである。₁ 年次から履修可能であり,卒業まで₆単位を上限に取 組むことが認められている選択必修科目のひとつであ り,かつ自由選択科目である。原則として「自己学習

プログラム」の取組みは年度内に終了する企画である こととされ,複数年に渡る活動の場合には₁年間とい う期間の中で区切りをつけるように設計すること,そ して必要に応じて新しい企画を立ち上げるように取り 決められている。成績評価はあくまで単位認定のみの 扱いであり,「N(認定)」と「F(不合格)」のいずれ かの設定となる。加えて,GPA制度やCap制度及び再 履修制度の対象外科目として位置付けられている。

 ⑵ 目的

 「自己学習プログラム」のねらいは,次の通り規定 されている。

 「自分たち自身で,または教員の側からのサブゼミナー ル等の自主学習の提起を受けて,学習課題を設定し,そ の課題達成のための学習集団を組織して学習活動を行う ことを通じて,学ぶことに対する自主性・主体性を育成 するとともに,集団の中で行動することのできる社会的 能力を養うこと」

 このねらいから導き出される「自己学習プログラム」

の特徴は,①学生同士が協働的に学習することを大前 提とし,その上で②自主性・主体性に基づく「自己学 習力」と,③社会集団の中で物事に取り組む「関係形 成力」を涵養することと言える。これらはいずれも昨 今の大学教育に求められているコンピテンシーに該当 する資質・能力である。既出の表₁の内容と照らし合 わせるのならば,特に認知スキルと社会スキルに該当 する資質・能力の育成を主目的としたプログラムと言 える。

 ⑶ カリキュラム認定の仕組み

 学生自身の自主的学習活動を「自己学習プログラム」

図  福島大学における「学びのカタチ」

(4)

として単位認定する際には,その条件として①自主性,

②指導教員,③集団性の₃点を担保することが必須と なる。

 まず①自主性では,何より学生自身がⅰ)学習の企 画を立ち上げる,ⅱ)計画を立案する,ⅲ)実行する,

ⅳ)成果をまとめるプロセスを遂行することが重要と なる。一般的な授業とは異なり,教員が学習目標等を 規定するのではなく,あくまで学生自身がプログラム の目標を設定し,実践に移すこと自体に価値が見出さ れている。その上で,最終的にはレポートに代表され る成果物を作成することが必要となる。つまり,ここ で規定する学生の自主性とは,「Plan(計画)・Do(実 行)・See(検証)」を学生自身が遂行することを意味 している。

 次に②指導教員の役割は,プログラム全般について 指導・助言を行い,単位認定に責任を負うことである。

「自己学習プログラム」では学外関係者との協働のも とに展開される取組みも少なくないことから,学生の 安全管理も含めて制度的な質保証上の最低限の方策で ある。

 そして「自己学習プログラム」の大前提のひとつで ある学生同士の協働性を担保するための条件③集団で ある。学習集団に属する学生から代表責任者と副代表 責任者を選出することが原則となっている。留意点と して,既存のサークル活動や自主学習集団(各種自主 ゼミの類)に参加しただけでは評価対象にはならない ということが挙げられる。しかしながら,それらに所 属しつつも学習活動自体が独立した企画として計画さ れた上で実践される場合には評価対象としてみなされ る。

 これらの条件に加えて,「自己学習プログラム」は

①プロジェクト学習と②自主的学習集団のいずれかの プログラムとして実施されなければならない。①プロ ジェクト学習では,活動を通して何かしらの形で生産 物(有形・無形,物品の開発,イベントの企画等)を 創出することが条件となっており,それ自体が成果物 として位置付けられている。一方の②自主的学習集団 では,集団内で学生自身が決めたテーマにもとづいて 学習活動が展開され,そこで深めた様々な教養を成果 としてレポートすることが条件となる。「自己学習プ ログラム」に取組む学生はこのいずれかの分野に該当 する活動を計画することとなる。

 なお,「自己学習プログラム」の申請から承認,成 果報告までの一連の流れを示したのが図₃である。申 請の機会は前期と後期の₂回設定されている。申請さ れたプログラムを承認する責任を有する機関は,全学 的な委員会のひとつである共通教育委員会で,ここで の検討・協議を経て単位付与に値する活動かどうかの 最終決定がなされる。学生は自己学習プログラム申請 時には「申請書3」を作成し,活動終了時には「報告

4」の提出が義務付けられている。いずれものA₄ 用紙両面₁枚で構成される。

 以上の条件と手続きにもとづいて,「自己学習プロ グラム」はカリキュラムに正式に位置付いている。

3.「自己学習プログラム」の傾向分析

 ⑴ 年度毎の実践の推移

 「自己学習プログラム」は平成17年度後期から運用 が開始され,平成30年度前期段階で14年目に入ってい る。その間に実施されたプログラム数と参加学生数を まとめたものが表₂である。「自己学習プログラム」

全体を通しての大まかな経年変化を分析すると,プロ グラム数・参加学生数のピークを示した平成19年度以 降と平成27年度以降で違いを見出だすことができる。

 まず平成19年度時点で一度ピークを迎えるが,ここ を境に以降の取組みは「プログラム数:₅前後,参加 学生数:50前後」で推移している点が特徴的である。

この傾向の背景には,取組みが最も多岐に渡った平成 19年度以降は,継続的に展開される取組みが多くを占 めるようになったことが挙げられる。「自己学習プロ グラム」開始当初は,当然のことながら新規立ち上げ の取組みばかりであるが,主に「プロジェクト学習」

に属する取組みに関しては,半年・₁年で活動終了と なるものは少なく,複数年度に渡って新規学生を得な がら活動を継続していく点に特徴を有している。

 次に平成27年度に再ピークを迎える間に「自己学習 プログラム」がやや停滞する期間を確認することがで きるが,これは平成23年度に発生した東日本大震災が 少なからず影響を及ぼしていると言える。なお,平成 23・24年度に関しては,本来学生同士の協働性を原則 としている「自己学習プログラム」において,特例的 に個人活動を含む「東日本大震災に伴うボランティア 活動」を認める措置を取った経緯がある。この特例措 置において単位を取得した学生数は表₂には反映され ていない。

 そして再ピーク以降の傾向としては,毎年度プログ ラム数が減少せず安定的に展開されていることが挙げ られる。その背景には,東日本大震災の復興に関わる プロジェクトが活発になっていることが要因として認

・【教務課】説明会の実施,申請書の配布

・【学生】説明会への参加,プログラムの計画,申請書の作成

・【学生】申請書を教務課へ提出,プログラムの実施

・【共通教育委員会】提出プログラムの検討・承認

・【学生】成果物・報告書を教務課へ提出

・【教員】単位認定の判断

4(10)月中旬

4(10)月下旬

5(11)

8(2) 4(10)月中旬

4(10)月下旬

5(11)

8(2)

図  「自己学習プログラム」事務手続きの流れ

(5)

められる。具体的には,福島大学が『地(知)の拠点 整備事業(大学COC(Center of Community)事業)5

(以下,COC事業)に採択され,平成25~29年度の₅ 年間でCOC事業「ふくしま未来学」が展開されたこ とが直接的な要因と言える。ここで地域課題を実践的 に学ぶ様々な教育プログラムが形成され,その延長で よりコアに地域に関わり実践的に活動する学生たちの 取組みを「自己学習プログラム」で支援してきた傾向 が確認される。

 ⑵ 類型と特徴

 平成30年度前期までに実施された計91のプログラム に関して,縦軸に「プログラムの形態:プロジェクト 学習と自主的学習集団の別」,横軸に「総学習時間に 占める学習方法:座学とフィールドワークの別」の分 析軸を設け,内容に応じて各プログラムを割り振った 結果,図₄のようにカテゴライズされた。この類型を

解釈する上で注意すべき点として,各カテゴリーのい ずれの取組みにおいても,多様な学習方法の組み合わ せによってプログラムが構成されていることが挙げら れる。つまり,図₄で示されたのはあくまでその実践 を表す特徴的な部分であり,その特徴だけで構成され ているということを示しているわけではない。

ⅰ)サブゼミ

 学生自身が所属する専門のゼミナールの学習(本ゼ ミ)から派生する「本ゼミ」補完型の勉強会である。

ゼミに所属できる学年(学類によって異なるが,多く は₃年生)以降の学生を対象として,₅名程度の少人 数で課題図書の輪読や,各研究分野の基礎理論を理解 するための勉強会等を実施する形態が特徴として見ら れる。いずれの取組みも各専門分野に依拠した伝統的 かつ一般的な学習方法にもとづいて設計されていると 言える。

ⅱ)自主ゼミ・資格取得学習

 外部の資格取得を具体的な達成目標に設定し,それ に向けて自主的・集団的学習会を実施したり,正課教 育での授業では扱わない独自の学習テーマで自主ゼミ を実施したりする形態である。前者では具体的な資格 試験として,TOEFLや経済学検定試験(ERE),法 学検定試験,放射線取扱主任者試験に対して取組み実 績が確認できる。後者では指導教員の専門性に応じて 新しい切り口で学生とともにプログラムが設計されて いる事例も確認できる。取組む学生は₂・₃年生が主 体で,構成人数も₅~15名程度と幅がある。複数年に 渡って継続して実施されているプログラムも見られる。

ⅲ)各種学習イベント企画

 主に教員が主催者(共催)となっている各種学習イ ベントの企画・実施に学生が参画する形のプログラム である。アウトリーチや社会貢献活動の一環で実施さ れるイベントが多く,イベントの開催というゴールに 向けて座学から実地学習まで幅広い学習形態が採用さ れていることが多い。活動学生が10名以内の取組みが ほとんどで,₁年生から活動に関わることができる傾 向にあるのも,他のカテゴリーに比較すると特徴的と 言える。毎年定期的に開催されるイベントも多く,こ のカテゴリーの活動には比較的継続性が高い取組みが 位置している。

ⅳ)実地調査

 地域に根ざした調査研究を実施するプログラムで,

主に教員の研究フィールドで活動する取組みが多い。

資料整理調査や市場調査,アンケート・インタビュー 調査等,教員の研究活動に学生自身が直接的に関与す ることで,担当教員以外の第三者との関わりが生まれ ᐇ᪋ᖺᗘ ࣉࣟࢢ࣒ࣛᩘ ཧຍᏛ⏕ᩘ

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H18 2 22

H19 10 114

H20 7 72

H21 6 67

H22 5 59

H23 5 66

H24 5 43

H25 4 47

H26 4 66

H27 11 51

H28 10 90

H29 10 77

H30㸦๓ᮇࡢࡳ㸧 9 96

表  年度別「自己学習プログラム」の   実施数と参加学生数

図  「自己学習プログラム」の類型 各種学習

イベント企画

自主ゼミ

サブゼミ 資格取得学習

地域貢献活動 ボランティア

実地 調査

学生サークル の派生活動

座学 フィールドワーク

プロジェクト学習

自主的学習集団

(6)

ることも特徴のひとつと言える。専門のゼミナールの 延長で実施する場合もあれば,必ずしもそうではない 形態で実施している取組みも確認できる。それ故,参 加学生数も少人数から15名程度まで幅がある。

ⅴ)地域貢献活動・ボランティア

 学類の専攻・コース単位で恒常的に実施している地 域貢献活動やボランティアをはじめ,COC事業等に よって拡がったコミュニティの支援を学生が自主的に 継続していく取組みが挙げられる。前者は,「自己学 習プログラム」運用当初から確認される取組みであり,

後者は平成27年度以降に目立つ活動である。特に後者 は地域住民との関わりやコミュニティの活性化に向け た活動が多く,各地域のニーズを学習課題として設定 している点も他のカテゴリーとは異なる特徴と言える。

ⅵ)学生サークルの派生活動

 これまで実施されてきた「自己学習プログラム」の 分析からは確認できなかったカテゴリーであるが,も し実践として位置付けられるものがあるならば,それ は正課外活動であるサークル活動をもとにして計画さ れる取組みが想定されるだろう。記述の通り,「自己 学習プログラム」ではたとえ既存のサークル活動の延 長であったとしても,学習活動自体が独立した企画と して計画されていれば評価対象となり得るが,福島大 学ではこの方向性でのプログラムは実施されにくい傾 向にあることが示されていると言える。

 ⑶ 考察

 上記のように類型化される「自己学習プログラム」

には,カリキュラム上どのような役割が認められるの か検討していきたい。一口に「自己学習」と言っても,

「サブゼミ」に代表される伝統的な研究的学びにもと づいて展開されるものもあれば,「各種イベント企画」

や「地域貢献活動・ボランティア」のように経験的学 びを重視する取組みもある。当然のことながら前者の ような学びにももちろん価値はあるが,昨今の大学教

育の趨勢に鑑みると,後者のような学びに「自己学習 プログラム」の存在価値を見出しやすいと言えよう。

 改めて大学教育が直面する課題を一言で述べるなら ば,「教育から学習への転換」をいかに実現するかとい うことである。表₃は教育パラダイムと学習パラダイ ムとでは何がどのように変化するのかを示している6。 昨今,声高に叫ばれているアクティブ・ラーニングの 核となる目標は,まさに「学習パラダイム」が示す内 容そのものであるが,現在のカリキュラムにおいて全 てを「学習パラダイム」にもとづく教育活動に転換す ることは容易ではない。内容論的にも方法論的にも「学 習パラダイム」と整合性の取れる学習形態が所謂「サー ビス・ラーニング」や「エンゲージド・ラーニング」

と称される活動と言えよう。これらは,学生の主体性 を喚起し,学生自身に獲得する知識やスキルの意味 付けを促す効果を有している。さらにHubaとFreed

(2000)によれば,学習パラダイムにおける知識の活 用とは「現実の生活の新たな課題に効果的に対処する ため」であり,この意味において,特に地域課題への 対応を目的とした「自己学習プログラム」は新しい大 学教育の一形態として位置付くだろう。

 加えて,「自己学習プログラム」で実施される内容は,

一般的に正課教育で展開される授業とは異なり,要素 断片的ではないこと-学習の継続性が学習目標におい ても方法においても担保されていることが極めて重要 であると考えられる。年次進行に応じて各プログラム の目標が変質したり,プログラム実行の方法論が状況 によって変化したりするのは,通常の授業では生じに くく,「自己学習プログラム」のような一種の柔軟性 の高い取組みであるからこそ生じ得る教育的効果と言 えよう。

 学生自身にとっての影響も小さくない。高校までに 形成されてきた学校教育での学習観は,受験システム への批判に代表されるように「主体性」の育成に資す るものであるとは必ずしも言い切れない場合も多い。

それはともすれば「教育から学習への転換」を阻害 する要因─円滑な高大接続を妨げる原因として機能 してしまう場合も少なからずある。具体的には市川ら

(2009)による「非認知主義的学習観」に依拠した学 習観が該当する。これは自身の学習が成立するために 重視する項目として結果重視志向,丸暗記志向,勉強 量重視志向,環境重視志向の学習観を総称したもので ある。これに対して,思考過程重視志向,意味理解志 向,方略活用志向,失敗活用志向の学習観を総称した ものが「認知主義的学習観」とされている。環境重視 志向と失敗活用志向を除いては,各項目対となる概念 であり,後者の学習観が「主体的学習」の確立に向け て欠かせない要素である。「自己学習プログラム」で 展開される取組みは「認知主義的学習観」の構築に資 する実践であることは確かだ。昨今,大学教育の特に ᩍ⫱㺨㺽㺵㺞㺼㺐㺯 Ꮫ⩦㺨㺽㺵㺞㺼㺐㺯

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表  教育パラダイムと学習パラダイムの比較

(7)

初年次教育の領域において「学びの転換」を意図した 授業開発等が盛んに進められているが,「自己学習プ ログラム」のように学生が自身の学習フィールドを得 て学びを発展させていく機会を大学側が担保する取組 みはそれほど多くはない。「自己学習プログラム」で は既存の正課教育に見られる“与えられた学習目標”

ではなく,学生自身が試行錯誤を続けながら見出す“自 ら獲得していく学習目標”が設定されることから,学 生を「認知主義的学習観」へと誘う条件が揃っている と言える。

₄.おわりに

 本稿では,学生の主体的学習活動の促進を目的とし た「自己学習プログラム」のこれまでの取組みを分析 し,その類型化とあわせて全体傾向を明らかにした。

主に₅つの領域において実践が展開されており,大学 教育における伝統的な学習形態であるゼミナールか ら,サービス・ラーニングといった学習方法で形容さ れる地域実践まで,多様な領域において学生の「主体 性」を担保した活動が確認された。ここで示した全体 傾向は,昨今の大学教育が志向するアクティブ・ラー ニングの具体的なあり方の縮図として捉えることもで きるだろう。最後に,残された課題をいくつか示して 結びとしたい。

 まず,「自己学習プログラム」によって育まれる資 質・能力について捉え直しを行う必要性についてであ る。河井(2014)も指摘しているように,「(多様な資質・

能力を)実践にあてはめる際には,個別の実践の中で 学生が身につけている力を無自覚に捨象もしくは歪曲 して表現することになってしまう。もしくは,あるカ テゴリー―例えば,「主体性」―にきわめて多様な意 味を詰め込むことになってしま」い,そのプログラム が意図していた方向性とは似て非なるものが実践され る可能性も捨てきれない。実際,「自己学習プログラ ム」においても「主体性」の捉え方が曖昧と言わざる を得ない。一口に「主体性」と言っても,プログラム に取組んでいる時点で,すでに多くの学生が有してい る「自発性」の側面や,プログラムを遂行していく上 で必要不可欠とされる「当事者性」の側面(但し,こ れはプログラムに従事する学生が必ずしも有している とは限らない)等,多様な意味を含んでいる。「自発性」

から「当事者性」までを含み込んだ「主体性」のあり 方に関して,少なくとも「自己学習プログラム」内で の今一度共通理解を図ることが今後肝要になってくる だろう。「主体性」以外の力に関しても,同様に精緻 化していくことが求められよう。

 加えて,指導教員の役割についても詳細な分析が必 要である。「学習パラダイム」にもとづくのであれば,

教員は学習環境のデザイナーとしての役割が求めら れ,その具体的な活動はコーチングやファシリテート

ということになる。プログラム毎に指導教員がどのよ うに関与しているのかを明らかにすることで,学習パ ラダイムにもとづく教育実践の要素を抽出していくこ とができる。「自己学習プログラム」が学生に及ぼす 効果だけでなく,教員にとっての存在意義も検証する ことが今後の「自己学習プログラム」の展開を見据え る上では鍵となる

 さらに考えられ得る具体的な課題としては,主に質 保証上の仕組みに関してであろう。現在の「自己学習 プログラム」は単位認定の有無のみを記すことになっ ているが,これらに成績評価の視点が加わってきた際 の対応についても検討する必要がある。これまでも述 べてきた通り,ラーニング・アウトカムズとして従来 評価しにくかった項目をいかにして把握するかが大学 教育における目下の課題として位置している。報告書 という形の成果共有だけでなく,ラーニング・ポート フォリオやルーブリック等,様々な学習成果を可視化 するツールを組み合わせながら,「自己学習プログラ ム」の理念が各プログラムにおいて体現されているの かを検証することが,そう遠くない段階で質保証上求 められるようになるだろう。そのためにも,これまで 実施されてきた「自己学習プログラム」におけるグッ ドプラクティスの分析を行うと同時に,現在進行形で 展開されている各プログラムに関しても,アクション リサーチの手法を用いながら様々な方面からより詳細 な検証が必要となる。

 以上,平成17年度から運用が開始された「自己学習 プログラム」は,学生の主体的学習促進の萌芽として の役割を果たしてきたが,今後いかに大学教育におけ る質保証の課題に応えていくかも考えなければならな いフェーズに差し掛かっている。これらの課題と向き 合いながら,正課教育や正課外教育との連動も視野に 入れつつ,準正課カリキュラムの運用可能性について 積極的に検討する価値は高まってきていると言えよう。

₁)₃つのポリシーには,学位授与の方針である「ディプ ロマ・ポリシー(DP)」,カリキュラム策定の方針であ る「カリキュラム・ポリシー(CP)」,入学者受入れの 方針である「アドミッション・ポリシー(AP)」が位置 付いている。

₂)学士力における₄領域は,①知識・理解:専攻する特 定の学問分野における基本的な知識を体系的に理解する とともに,その知識体系の意味と自己の存在を歴史・社 会・自然と関連付けて理解する(加えて₂つの特記事項),

②汎用的技能:知的活動でも職業生活や社会生活でも必 要な技能(加えて₅つの特記事項),③態度・志向性:

(特に概要の説明はなく₅つの特記事項のみ),④総合的 な学習経験と創造的思考力:これまでに獲得した知識・

技能・態度等を総合的に活用し,自らが立てた新たな課

(8)

題にそれらを適用し,その課題を解決する能力と規定さ れている。

₃)「申請書」には次の項目が用意されている。①申請分 野(A:プロジェクト学習,B:自主的学習集団のいず れかにチェック),②申請単位数(₁単位:45時間以上,

₂単位:90時間以上のいずれかにチェック),③プロジェ クト名称・学習テーマ,④プロジェクト・学習の目的,

⑤代表責任者(学生₁名),⑥指導教員(要捺印),⑦本 学教員以外の指導者(該当者がいる場合のみ),⑧活動 期間(半年or通年),⑨活動計画(内容と時間数を対応 させて記入),⑩申請者名簿(裏面/所属,学年,学籍 番号,氏名,役割分担を記入)。

₄)「報告書」は①活動概要と②活動報告の二部構成となっ ている。特に後者では,ⅰ)活動の中での自分の役割に ついて,ⅱ)活動を通して身についたこと,良かったこ と,自主的に取り組めたこと,ⅲ)活動を通しての反省 点や自分に不足していると感じたこと,ⅳ)その他,今 後身に付けていきたいこと,活動を通しての感想等の記 載が求められている。

₅)COC事業は「自治体を中心に地域社会と連携し,全 学的に地域を志向した教育・研究・社会貢献を進める『地 域のための大学』として全学的な教育カリキュラム・教 育組織の改革を行いながら,地域の課題(ニーズ)と大 学の資源(シーズ)の効果的なマッチングによる地域の 課題解決,更には自治体を中心に地域社会と大学が協働 して課題を共有しそれを踏まえた地域振興策の立案・実 施まで視野に入れた取組を進める。これにより,大学で の学びを通して地域の課題等の認識を深め,解決に向け て主体的に行動できる人材を育成するとともに,大学の ガバナンス改革や各大学の強みを活かした大学の機能別 分化を推進し,地域再生・活性化の拠点となる大学を形 成する」ことを目的としている。

₆)「パラダイム」は『科学革命の構造』(Kuhn 1962)

で提起され,「研究者の共同体にモデルとなる問題や 解法を提供する一般的に認められた科学的業績」(野家 2008)の意味で理解されているが,金森(2011:3)によ れば「(クーンによる)パラダイムという概念は,科学 史の領域を超えて広く人口に膾炙する概念になった」と されている。

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