29人中22人の教員が,授業で学生に,サービス・ラーニングにつながる体験型の学習 をさせていました。
具体的には,次のような試みです。
◎ボランティア活動を授業に取り入れています。
・「国際協力教育実習」
タイのカセサート大学附属学校に,2〜3ヶ月,日本語ボランティア補助教師とし て学生を派遣,タイの高校生に日本語を教えさせている。派遣前には,国際教育協力,
タイの教育事情などを講義し,実習として学生を送り出している。タイでのボランテ ィア経験を,次年度の授業のなかでとりあげ,当該年度に派遣する学生の参考となる ようにしている。
・「自由研究」
サークルの定期的なボランティア活動,学園祭展示発表,年間の反省報告を「自由 研究」の授業として展開している。
・「教育学自由研究Ⅱ」
市内の子育て支援サークルの活動に学生をボランティアとして参加させ,その経験 を報告させる授業を行った。また,市の地域子育て支援センターや子育て支援団体が 実施したイベントに,教員と学生とで参加した。
◎学生に体験させています。
・「介護実習」
高齢者・障害者施設において介護実習を行った。
・「環境教育論」
学内ではあるが,視覚不自由者用の杖を担当教員から借り,学生に目隠しをさせて それを使わせ,学内が視覚障害者にとってどのような環境にあるか実感させ,人為的 な環境のあり方についての考察させている。
◎ヒューマン・サービスの現場,人々の暮らす場に学生とともに出て行っています。
・「教育学研究法Ⅲ」
附属視覚特別支援学校に引率し,教科の授業を観察させ,健常者の教科指導との共 通点,相違点を観察させ,観察後,先生方に質疑応答をしてもらった。
・「学校論演習」
学生を引率して学校の公開研究会に参加し,授業の観察を行うとともに,研究協議 や研究発表会に参加した。今年度は,品川区立日野学園,東京シューレ葛飾中学校,
常総市立石下中学校。前2者については,観察内容をKJ法で分析した。
・「学級経営論演習」「学校経営論演習」
学校の施設・授業などを参観して教職員との質疑を行った。また,教育実習を行っ た受講生に,実習中の経験について報告させ,それを題材にして討議を行った。
・「人間学セミナー」「自由研究」
かなり前になるが,国立がんセンター東病院に学生を引率して行った。
・「運動障害教育特講」
特別支援学校の施設及び授業の見学をおこなっている。また,福祉施設,学校,地 域住民を対象に観察,聞き取りを行っている。
・「福祉科指導法」
精神障害者の就労支援をしている家族会が運営している保養所で,当事者の働く姿 や体験談を伺った。
・「担当する授業全般」
福祉施設や学校を訪問し,在籍する障害児(者)の生活や教育および指導,今後の 方向等について,実地に見学をしたうえで,担当者に調査を行った。
・「担当する授業全般」
重症心身障害者施設を訪問し,指導員の説明のもとに入所者の生活を観察させ,指 導や生活の介助を体験させた。
・「中等社会・地理歴史科教育法」
教職科目であるが,学生を学外に連れていき,地域の様々なものを観察させたり,
年によっては地域の人に話を聞くなどして地域についての学習を深めさせたりしてい る。
◎実社会で働く人,活動する人,暮らす人から,現地・現場の話を伺っています。
・「キャリアデザイン入門」
卒業生社会人に,職業,就職について講演をしてもらった。
・「比較・生理心理学」
授業の中の自分が担当する時間のうち一部を,人間学類卒業生で比較・生理心理学 を活かして実際に研究の現場で働いている人に来てもらい,どんな考え方で何を行っ ているのか,講義の形式で紹介してもらった。
・「高齢者福祉論」
卒業生を呼び,老人医療,介護現場での職務,現状について語ってもらった。
・「特別活動論」
研修で来学した現職教員から,学校現場での特別活動の実態を話してもらった。
・「臨床心理学演習Ⅱ」
電話相談を行っている組織の元事務局長から授業で話を伺った。
・「担当する授業全般」
知的障害者施設の現状と問題について,施設管理の立場から話を伺い,質疑を行っ た。
・「社会福祉学」
巡回相談員に話をしてもらった。福祉施設から資料を取り寄せた。
・「社会福祉援助演習」
地域の高齢者・障害者の権利擁護活動を実践している方を非常勤講師として招聘し て,集中講義を行った。
・「その他」
社会福祉士の国家試験受験をめざす学生向けに,全国社会福祉協議会で働く社会福 祉士を受験合格した先輩からの体験談を伺う機会を提供した。
・「日本教育史」
「戦争と教育」を扱い,戦争体験者を招き,話をしてもらったことがある。
・「総合演習」
「戦争と教育」をテーマとして,最後の1回(休日を利用),内原訓練所跡記念館(満 蒙開拓関係)を訪れ,関係者の話を聞いた。
◎学生の体験を題材に授業を進めています。
・「学級経営論演習」「学校経営論演習」
学校の施設・授業などを参観して教職員との質疑を行った。また,教育実習を行っ た受講生に,実習中の経験について報告させ,それを題材にして討議を行った。
・「聴覚障害教育特論」
教育実習での体験を題材に,説明,討論させた。また,非常勤講師として附属聾学 校の教員に授業をしてもらった。
・「心身障害学の基礎Ⅱ」
障害学生に対するボランティア活動の実践について当事者である学生から報告を行 わせた。また,視覚障害者への援助方法の講義と実技指導を行った。
◎現場から資料を取り寄せ,授業で活用しています。
・「点字と視覚障害者」
日本点字図書館から点字器や点訳のしおり等を,また大阪市交通局より地下鉄の点 字マップを取り寄せて授業で活用した。
・「社会福祉学」
巡回相談員に話をしてもらった。福祉施設から資料を取り寄せた。
・「総合学習」
市役所に学生を行かせ,つくば市近隣の高齢者,障害者福祉の行政の状況について,
資料収集を行わせた。
◎実社会を対象に調査を行っています。
・「教育調査実習」
履修した学生とともに,テーマの決定から報告書の作成まで,質問紙法による社会 調査の過程を経験する授業を実施した。
・「心身障害学研究法」
施設利用者,地域住民を対象に質問紙調査を実施している。
・「福祉科指導法」
高齢者がすごしやすい街作りに取り組む巣鴨商店街を訪問して現地調査を行った。