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会計のルール 会計のルール 減価償却
サブタイトル
⼀般に認められた会計原則 GAAP
Generally Accepted Accounting Principles 1.「⼀般に」
ある会計実務が多くの企業で受容されていること。
2 「認められた」
2. 「認められた」
ある会計実務が企業において実際に利⽤されていること。
3. 会計原則
会計原則,会計実務,会計⽅法,会計⼿続き テキスト35⾴
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社会的ルールとしてのGAAPの形成
•帰納的アプローチと演繹的アプローチ 1.帰納的アプローチ Inductive Approach
実務からルールを帰納
2. 演繹的アプローチ Deductive Approach 規範からルールを演繹
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事例 減価償却
•取得原価 300
•耐⽤年数 5年
設備が複数の会計期間にわたって経済的便益をもたらすことが明らかであ るにもかかわらず,その会計期間の経過中に当該設備の経済的価値の 費消を直接認識することができない。
ある公式にもとづいて⾦額を割り当てる(配分)
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減価償却法
1. 定額法
資産の耐⽤期間中,毎期均等額の減価償却費を計上する。
減価償却費=取得原価÷耐⽤年数
2. 定率法
資産の耐⽤期間中,毎期期⾸未償却残⾼に⼀定率を乗じた減価償却費を計上する。
償却率=1/耐⽤年数×2.0 減価償却費=期⾸未償却残⾼×償却率
[未償却残⾼÷残存耐⽤年数]で求められる⾦額より⼩さくなる年度以降は,後者の⾦額。
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計算結果
年度
定額法 定率法
減価償却費 未償却残高 減価償却費 未償却残高
1 60 240 120 180
6
2 60 180 72 108
3 60 120 43.2 64.8
4 60 60 32.4 32.4
5 60 0 32.4 0
合計 300 ― 300 ―
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未償却残⾼の推移
250 300 350
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0 50 100 150 200
0 1 2 3 4 5
定額法 定率法
ポイントー会計ルールの性質-
1.300を5年間にわたって配分するという点では共通しますが,各年度の 減価償却費は異なり,その結果,各年度の利益の数値も異なってき ます。
2.理論的には無数の減価償却法を想定することが可能ですが,実務で 2.理論的には無数の減価償却法を想定することが可能ですが,実務で
は,定額法と定率法の2つに,ほぼ収斂しています。
3.両⽅法とも,資産の実態を忠実に表現しているという保証はありませ ん。
4.観察や実験で「正しいルール」を決めることができないのに,両⽅法と も,GAAPとして認定されています。
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