はじめに
私たちの体は約60兆個もの細胞から構成されており,
それぞれが役割に応じた振る舞いをとるからこそ健康に 生きることができる.外から眺めるだけではよくわから ないが,毎日莫大な数の細胞が体内から取り除かれて新 しい細胞へと置き替わっている.その数は一日に500億 から700億個とも言われる(1).取り除かれるのは,発生 の過程で役割を終えた細胞,寿命を迎え機能を失った細 胞,何らかの障害などにより協調性を失った細胞,微生 物に感染した細胞などであり,こういった 変性した自 己細胞 を除去する仕組みが,アポトーシスに依存した 貪食除去反応である.アポトーシスとは細胞死の形態の 一つで,偶発的な細胞死であるネクローシスとは異なる 特徴を示し(2),マクロファージなどの食活性をもつ細胞
(食細胞と言う)によって特異的に貪食される.本稿で は,まずアポトーシス細胞の貪食機構の概要を述べ,次 に発生や生体恒常性維持,および生体防御への役割を紹 介する.
アポトーシス細胞貪食の分子機構
食細胞によるアポトーシス細胞貪食は,接近,認識,
取り込み,分解の4つのステップを経る(図
1
). 接近:食細胞は常にアポトーシス細胞の近くにいるとは限らないので,食細胞をアポトーシス細胞の元へ引き 寄せる find-meシグナル の分泌が貪食への最初のス テップとなる.これまでに多くのfind-meシグナルが同 定され,その種類もタンパク質,脂質,糖など多岐にわ たるが,いずれも濃度勾配に従って食細胞の移動を促す 遊走活性をもつことが必須である.find-meシグナルに は,アポトーシス細胞自身が分泌するものと,アポトー シス細胞近傍の細胞が分泌するものがある(3, 4).
認識:食細胞は多くの正常細胞の中からアポトーシス 細胞を見つけ出す必要がある.アポトーシス刺激依存に 細胞表面に出現する eat-meシグナル と,食細胞表 面の 貪食受容体 がこれを担い,両者の特異的な結合 により食細胞はアポトーシス細胞を認識する.貪食受容 体にはeat-meシグナルと直接結合するものと,eat-me シグナルと受容体の両者への結合能をもつ 橋渡し分 子 を介して間接的に結合するものの2つのタイプがあ る.eat-meシグナル,貪食受容体ともに多数の分子が 知られており,種を越えて共通のものも多い.詳細につ いては中西らの総説(5, 6)を参考にされたい.食細胞によ る貪食を阻害する “donʼt eat-meシグナル” の存在も報 告されている(7).
取り込み:eat-meシグナルとの結合により活性化し た貪食受容体は,情報伝達を引き起こしてアクチン線維 の再構成による細胞骨格の変動を促す.これにより,ア ポトーシス細胞は貪食胞に包まれて細胞内に取り込まれ
セミナー室
食作用と生体防御-2発生および生体防御における変性自己細胞の貪食の役割
永長一茂
弘前大学食料科学研究所
る.貪食受容体を起点とする情報伝達経路は2つあり,
進化的に保存されていることが示されつつある(5, 6). 分解:貪食胞とリソソームが融合してファゴリソソー ムとなり,中のアポトーシス細胞はリソソーム由来の酵 素によって分解される.
アポトーシス細胞貪食と発生・繁殖および生体恒常 性維持
1. 発生
多細胞生物が形づくられる過程では,役割を終えた細 胞はアポトーシスを起こし,おそらくは貪食により除去 される.哺乳類で最も有名な例は手足の指の形成であろ う.はじめに手足の基となる細胞集団の中に指の骨がで き,骨と骨の間の細胞がアポトーシスを起こして貪食除 去されることで指の形となる(8).ほかにも,初期発生時 の口や肛門の細胞,胸腺の自己応答性T細胞,ネット ワークを形成しなかった神経細胞などがアポトーシスを 起こして除去される.哺乳類以外の例では,オタマジャ クシからの尾の消失が最も有名である(9).尾だけでな く,幼生型の表皮を形成していた細胞もアポトーシスを 起こして消失し,下層の基底細胞が増殖分化して作られ た成体型表皮と入れ替わる(10).昆虫の変態過程ではよ りダイナミックな変化が見られる.蛹内部では,幼虫を 形成していた細胞のほとんどが不要となり,小数の幹細 胞の分化増殖によって作られた成虫組織へと置き換わ る.その際,脱皮や蛹化を促すステロイドホルモンのエ クジソンが幼虫細胞のアポトーシスの引き金となる(11). また,同時期には神経回路が幼虫型から成虫型へと再構 成される.幼虫型回路を構成する神経の軸索がグリア細 胞に貪食除去され,新たな方向に成虫型の軸索が作られ る.この現象に貪食受容体が必要なことがわかってい る(12).筆者らはショウジョウバエで貪食受容体の機能 を抑制すると発生に要する期間が延長されることを見い だしており(13),貪食が個体の成長のタイミングを調節 する仕組みを明らかにしつつある.
2. 繁殖
繁殖にかかわる器官は必要に応じた組織の発達と縮小 を繰り返すため,役割を終えた細胞の除去が頻繁に起こ る.卵子の成熟分化の場である卵胞は,排卵後に妊娠の 成立と維持に必須なホルモンのプロゲステロン分泌に特 化した組織である黄体へと分化する.妊娠が成立しない と黄体はホルモン生産を停止して退行するが,このと き,黄体細胞へのアポトーシスと黄体へのマクロファー ジ遊走が共通の仕組みでほぼ同時に誘導され,黄体の効 率的な退行を促す(4, 14).離乳時の乳腺の退行にもアポ トーシス細胞貪食がかかわっている.母乳の生産を担う 乳腺細胞は妊娠に伴い増殖するが,離乳後にアポトーシ スを起こし隣接する乳腺細胞によって貪食される(15). 私たちの精巣では生殖幹細胞の分化と増殖により1日に 5,000万から1億個もの精子が作られ,その過程で精子 形成細胞の7割程度がアポトーシスを起こしてセルトリ 細胞(精巣内の哺育細胞)に貪食除去される.アポトー シスを起こす理由は明らかになっていないが,貪食が精 子形成の効率維持に必要なことが示されている(16).セ ルトリ細胞は精子形成に必須であることから,貪食受容 体を起点とする情報伝達経路を介して,何らかの精子形 成促進因子の合成が活性化する可能性が考えられてい る.
3. 生体恒常性維持
視細胞の再生にも貪食が関与する.私たちがものを見 ることができるのは,網膜に存在する視細胞の外節が光 を受容し,光の強さと色を判別するからである.外節は 扁平な円盤状の層が幾重にも重なってできており,一番 外側の層が視細胞と隣接する網状色素上皮細胞に貪食さ れることで光受容機能が維持される.これには概日リズ ムがかかわっており,朝に行われる(17).血液の恒常性 維持にも貪食が関与する.赤血球の寿命は約120日であ り,寿命を迎えた赤血球は主に脾臓のマクロファージに 貪食される.赤血球は核をもたないため形態学的にはア 図1■アポトーシス細胞貪食の4ステップ 細胞は,以下の過程を経て貪食除去され る.①アポトーシスを起こした細胞から分 泌されるfind-meシグナルにより食細胞が 引き寄せられ,②アポトーシス細胞表層に 現れたeat-meシグナルを食細胞の貪食受容 体が認識し,③貪食受容体を起点とした情 報伝達経路を介してアポトーシス細胞を取 り込み,④リソソーム酵素によって分解さ れる.
ポトーシスの定義はできないが,老化赤血球の表層には ホスファチジルセリンが露出し,アポトーシス細胞と同 様にeat-meシグナルとして働く.
アポトーシス細胞貪食と生体防御 1. 自己免疫疾患の予防
アポトーシス細胞では,通常は細胞の内側にのみ存在 する分子が局在を変え,自己抗原として細胞表層に露出 することがある(18).そのような細胞が体内に長時間放 置されると免疫系に補足され,自己抗体が産生されて自 己免疫疾患発症のリスクが高まる.貪食橋渡し分子の milk fat globule-EGF-factor 8を欠きアポトーシス細胞 の貪食が部分的に抑制されたマウスでは,自己免疫疾患 様の症状が観察される.ヒトでの同タンパク質の76番 目のロイシンからメチオニンへの変異は,全身の臓器に 炎症を起こす自己免疫疾患の全身性エリテマトーデスの 発症しやすさと関連がある(19).これは獲得免疫をもつ 脊椎動物に特有な現象なので,昆虫などの無脊椎動物を 含む多細胞生物に普遍的な貪食除去の役割ではなく,結 果として貪食が生体防御に働く例と言える.
2. がん予防
がん細胞は, 自立的な増殖能を獲得した細胞のうち 周囲の組織への浸潤または転移を起こすもの と定義さ れる.細胞のがん化は複数の遺伝子変異(DNA塩基配 列の変化)やエピジェネティック変異(遺伝子変異を伴 わない持続的な遺伝子発現様式の変化)の蓄積によって 起こるので,がん発症の前に,一つあるいは少数の変異 をもつ がん化しそうな細胞 が出現することになる.
こういった細胞の出現を抑える,あるいは取り除くがん 予防機構は数多く提唱されており,その代表がDNA修 復である.細胞は遺伝子変異を感知すると細胞周期を停 止するチェックポイント制御機構を備えており,修復後 に細胞分裂能を回復する.修復に失敗した細胞は,分裂 能を失ったままで存在し続けるか,またはアポトーシス が誘導される(20).同機構がうまく働かなかった変異細 胞のほとんどは,別の仕組みで体内から除去される.そ の一つが 細胞競合 である.細胞競合とは性質の異な る細胞同士が隣接した場合に起こる現象で,一方の細胞 が他方の細胞を排除したのちに,自らが分裂して空いた スペースを埋める現象を指す.変異細胞は遺伝子発現様 式の変化により正常な細胞とは異なる性質を獲得するの で,隣接する正常細胞との間で細胞競合が起こり, 敗 者 は 勝者 によってアポトーシスが誘導されて,隣
接する細胞,あるいはマクロファージなどの巡回する食 細胞に貪食除去される.正常細胞と変異細胞のどちらが 除去されるかは変異細胞の性質によって異なるので,変 異細胞が細胞競合で勝者となった場合には,がん予防で はなく発がんリスクの増大につながることになる(21) (図
2
).ただし,細胞の生存と増殖に有利に働く遺伝子変異 が起こることはまれなので,ほとんどの場合,変異細胞 が敗者になると思われる.3. がん治療
何らかの手段で排除されなかった変異細胞は,さらな る変異の蓄積によってがん化する.急性骨髄白血病や卵 巣がんといったある種のがん細胞では,donʼt eat-meシ グナルとして働くcluster of differentiation 47(CD47)
が多く発現しており,食細胞に貪食されにくい性質を獲 得している.マウスを用いた実験では,CD47受容体で あるsignal regulatory protein
α
(SIRPα
)の可溶性異 型体(SIRPα
とCD47の結合を阻害する)をトラスツズ マブやリツキシマブといった分子標的型抗がん剤と同時 に投与すると,マクロファージによる腫瘍細胞の貪食に 対する相乗的な促進効果を発揮するとの報告がある(22). これとは異なる考え方のがん治療法として,アポトーシ ス細胞貪食による免疫抑制効果を弱める方法が提唱され ている.すなわち,“eat-me” シグナルのホスファチジ ルセリンに結合してアポトーシス細胞貪食を阻害する戦 図2■細胞競合に基づくがん予防と発がんリスクの増大 遺伝子変異により隣接する細胞と異なる性質を獲得した細胞が出 現すると,正常細胞との間で細胞競合が起こる.正常細胞が勝者 となった場合,変異細胞にアポトーシスが誘導されて貪食除去さ れるため,がんが予防される(A).変異細胞が勝者になると,隣 接する正常細胞が除去されて変異細胞が増殖するため,発がんリ スクの増大につながる(B).略である.しかしこの方法は,貪食されずに放置された アポトーシス細胞による自己免疫疾患を引き起こすリス クを伴う.
4. 炎症抑制作用
私たちの体内は,基本的に無菌である(腸管などの管 腔内は体外である).外傷などで皮膚上皮組織の物理的 なバリアが破壊され,そこから宿主体内に侵入した細菌 は,体内を巡回するマクロファージに貪食される.細菌 を認識したマクロファージは種々の炎症メディエーター の放出により,炎症や感染部位への好中球浸潤を促す.
好中球は強力な貪食能をもち,マクロファージよりも活 発に細菌を貪食し,細胞内の抗菌ペプチド,加水分解酵 素,酸素ラジカル,過酸化水素,一酸化窒素などを利用 してすばやく分解する.一方,活性化した好中球はこれ らの分子種を放出して細胞外の微生物を攻撃することも ある.この反応は宿主細胞の損傷にもつながるため,細 菌排除後できるだけ早く好中球を取り除かなければなら ない.細菌を貪食した好中球は比較的早期にアポトーシ スを起こし(23),炎症部位に集積しているマクロファー ジに貪食される.そして,貪食後のマクロファージでは 自らの炎症性サイトカイン産生が抑えられ,抗炎症性サ イトカイン産生が促進される.こういった一連の反応に より,感染部位では効率的に炎症が終結する.サイトカ イン産生の変化は遺伝子転写レベルで行われることか ら,貪食受容体は転写変動を促す何らかの情報伝達経路 も活性化させると考えられる(24).
5. ウイルス感染への防御
ウイルスは宿主細胞がもっている核酸合成・タンパク 質合成などの機構およびその材料を利用して複製するた め,増殖には宿主細胞への感染が必須である.インフル エンザウイルスに感染した細胞はアポトーシスを起こし て食細胞に貪食されることが知られ,これによりウイル ス増殖を抑えインフルエンザの症状が軽減されることが 示されている(25).一方,ウイルス感染細胞を貪食した 食細胞自身がウイルスに感染することもあり,必ずしも 生体にとって有利に働くとは限らない.
おわりに
アポトーシスの役割に関する研究と比べ,アポトーシ ス細胞貪食の生理的役割に対する研究は遅れている.そ れは,生体内で貪食反応を直接観察することの困難さに よるところが大きい.さらに,近年は哺乳類で貪食受容
体が数多く見いだされ,生体内での役割の理解がさらに 難しくなっている.筆者らは,ショウジョウバエをモデ ルにこの問題に立ち向かっている.ショウジョウバエ は,生活環が短くかつ繁殖力が高いため大量の動物個体 を用いた解析が安価でかつ短期間で行える,遺伝学が発 達しており特殊な遺伝子変異動物が容易に得られる,と いったモデル動物としての性質に加え,進化的に保存さ れた 少数の 貪食受容体をもつ,マクロファージ様食 細胞が存在する,といった貪食研究に有利な特徴も併せ 持つ.さらに,前述の細胞競合モデルやがん転移モデル ショウジョウバエ(26)も存在する.これらを駆使するこ とで,アポトーシス細胞貪食の役割への理解が大きく進 むことが期待される.
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プロフィル
永長 一茂(Kaz NAGAOSA)
<略歴>2003年金沢大学大学院自然科学 研究科博士後期課程修了,博士(薬学)/
同年米国National Jewish Medical and Re- search博士研究員/2005年金沢大学大学 院自然科学研究科助手(同大学薬学部兼 任)/2007年 同 助 教(同 大 学 薬 学 部 兼 任)/2014年弘前大学食料科学研究所准教 授<研究テーマと抱負>疾患予防効果をも つ農林水産物・食品の探索と開発<趣味>
雪道運転,ビール
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