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保険サービスシステムの再構築に関する一考察

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Academic year: 2023

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【平成27年度大会】

第Iセッション(経済・経営・商学系)

報告要旨:神田 恵未

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

保険サービスシステムの再構築に関する一考察

―生命保険販売チャネルの多様化をふまえて

大阪樟蔭女子大学 神田恵未

1.はじめに

今日の日本は、少子高齢化・人口減少社会が急速に進展しており、保険事業にとっては、

市場の縮小が危惧されるなかで医療保険、年金保険、介護保険分野が成長市場として期待 されているものの、保険会社は経営戦略の大きな転換期を迎えている。また、保険システ ムは保険会社、保険代理店、保険ショップや保険ブローカー、契約者、保険行政当局、消 費者団体や地域社会など、多種多様なステークホルダーが相互利害関係を有しながら影響 し合っている。生命保険会社にとって、このような複雑なインターフェース関係を考慮し ながら、保険商品戦略を進めることが肝要である。生命保険事業は単なる保障機能と金融 機能の融合を追求するだけではなく、晩婚化・晩産化や単身世帯の増加など、個人のライ フスタイルが多様化するプロセスのなかで生じうる消費者生活の不安とリスクへの引受を 柔軟に対応できる総合的な生活保障事業として進化していくことが問われている。

本報告ではとくに生命保険販売チャネルの変容に焦点を当てながら考察を行う。人口減 少による生命保険の潜在的消費者の減少に対応できる経営戦略のあり方、そして既存保険 契約の維持だけではなく新規保険契約の獲得にいかに取り組んでいくかは、生命保険販売 チャネルの進化にかかっているといえよう。ここでは、生命保険販売チャネルの多様化だ けではなく、マルチチャネルの構築といかに価値創造の概念を保険サービスシステムの中 で汲みこんでいくべきかを、多面的視点から論じる。

2.生命保険販売チャネルの多様化とその背景

まず、戦後生命保険業の歴史的変遷を整理しながら、保険システムの形成における背景、

とくに経済的社会的諸要因を明らかにする。営業職員チャネルは、日本独自の生命保険販 売チャネルとして戦後の生命保険事業の発展に大きく貢献した1。また、経済の高度成長に よるインフレの進行や核家族化の進展などにより、定期付養老保険が爆発的に売れて、保 険の普及が進んだ。

次に、規制緩和後の保険販売チャネルの多様化の要因分析を行い、その変化のプロセス にて浮き彫りになった諸課題や主たる要素を分析する。また、このようなチャネルの多様 化が保険消費者によってどのように利用され、評価されているかを分析する。近年の新た

1 米山高生(1997)『戦後生命保険システムの変革』同文舘、米山高生(1993)「戦後生命保険産業における 販売チャネルの特殊性」『保険学雑誌』第 540 号 pp.99-119

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【平成27年度大会】

第Iセッション(経済・経営・商学系)

報告要旨:神田 恵未

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なチャネル形態のなかで、来店型保険ショップやネット保険に注目し、このような新たな チャネルスタイルが定着し拡大する可能性があるのか、分析を行う。なお、各チャネルの 特質に着目しながら、保険消費者にとって、合理的な保険選択とは何かを考察し、議論を 深めていくこととする2

3.保険サービスシステムにおける生命保険販売チャネルの位置づけ

生命保険販売チャネルの多様化の背景的要因と実態を分析したうえで、保険サービスシ ステムにおけるその位置付けを検討する。チャネル多様化の要因に、まず保険自由化以降 の保険会社間の競争激化が挙げられる。さらに、消費者の生活スタイルや価値観の変化に ともなう保険ニーズの変化が大きく影響する。ここでは、先行文献の研究成果をふまえ、

多様なチャネルが共存するメリットや関連仮説の検証を試みる3

4.保険サービスシステムの再構築の必要性

生命保険販売チャネルの多様化は、保険会社の市場戦略だけではなく消費者の保険利用 にも多面的な影響を与える。ここでは、とくに生命保険販売チャネルの変容に注目し、保 険サービスシステムの再構築にむけての示唆点を探ることとする。主に、マルチチャンネ ルの存在意義、消費者の保険選択と保険比較をめぐる問題点を中心に考察する。

なお、本報告では生命保険販売チャネルに限定した考察を行っているが、今後研究領域 をさらに広げていきたいと考えている。

2

see

Brockett, Patrick L. and William W. Cooper, Linda L. Golden, John J. Rousseau, Yuying Wang (2005), “Financial Intermediary Versus Production Approach to Efficiency,”

The Journal of Risk and Insurance

, Vol. 72, No3, pp.393-412.

3 see Chiu,P.-S. and P.-C. Tsai (2007), “The Study of Development Strategy for Life Insurance Distribution Systems,”

Life Management

, No20, pp.181–209., Shih, K-S., C-H. Lin, and B. Tan (2000),“The Structural Analysis of Competitive Factors, Manufacturing Strategy, Customers’

Satisfaction and Organizational Performance,”

NTU Management Review

, Vol. 11, pp.1–33.

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