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信号処理とフーリエ変換第6回

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(1)

信号処理とフーリエ変換 第 6 回

〜 Fourier 変換と反転公式 , マスターすべき Fourier 変換 (1) 〜

かつらだ

桂田 祐史

ま さ し

http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/fourier2022/

2022 年 10 月 26 日

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/fourier2022/信号処理とフーリエ変換 第6回 〜Fourier変換と反転公式,マスターすべきFourier変換(1)〜 1 / 21

(2)

目次

1

本日の内容・連絡事項

2

Fourier 級数 ( 続き )

微分との関係 , Fourier 係数の減衰 ( 続き )

Fourier係数が速く減衰たくさん微分できる

3

Fourier 変換 はじめに

Fourier 変換の導入 , Fourier の反転公式

Fourier級数の復習

Fourier変換の定義と反転公式

共役Fourier変換

Fourier級数とFourier変換の対応

定義・反転公式から得られる公式

マスターすべき Fourier 変換

(3)

本日の内容・連絡事項

今回から “ フツーの ” Fourier 変換 f b (ξ) = F f (ξ) = Z

−∞

f (x)e

ixξ

dx の説明を始めます。講義ノート [1] の §2.1, 2.2, 2.3 の途中まで。

(F の筆記体 F は読めるように )

念のため : レポート課題 1 が出ています。締め切りは 11 月 8 日 18:00 です。

時間が余れば、 Fourier 級数のやり残しも説明しようと思っていました が、結局 2 節から始めて、マスターすべき Fourier 変換の (2) まで証明を 終えたところで時間切れになりました。

かつらだ 桂 田

まさし

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(4)

1.5.3 Fourier 係数が速く減衰 ⇔ たくさん微分できる

n→ ±∞のときのFourier係数の減衰は、たくさんの回数微分可能な関数ほど速いこ

とが示される。たくさん微分できる関数のFourier級数は良い収束をする。

(有限回しか微分可能でない関数は)微分するたびにFourier係数の減衰が遅くなり、収 束が良くなくなる。

定理 6.1 (

関数がたくさん微分できるほど、Fourier係数の減衰が速い)

k∈N,f が周期2πかつCk 級ならば

nlim→∞nkan(f) = lim

n→∞nkbn(f) = 0,

n→±∞lim nkcn(f) = 0.

(Landauのlittle-o notationを用いると、an=bn=o(nk) (n→ ∞),cn=o(nk) (n→ ±∞)と表せる。)

証明 .

(cn(f)のみ証明)nkcn(f) =ikcn

f(k)

(n). f(k)は連続なので、Riemann-Lebesgue の定理(定理5.7 (1-b))から、 lim

n→±∞cn(f(k)) = 0. ゆえに lim

n→±∞nkcn(f) = 0.

かつらだ 桂 田

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(5)

1.5.3 Fourier 係数が速く減衰 ⇔ たくさん微分できる

上の定理の大まかな逆のような定理が成り立つ。

定理 6.2 (

関数のFourier係数の減衰が速ければ、たくさんの回数微分可能) f:RC

は周期

2π

かつ連続で、その

Fourier

係数

an, bn

が、ある自然数

k

に対して

X n=1

nk(|an|+|bn|)<∞ (cn

で書くと

X n=−∞

nk|cn|<+)

を満たすとする。このとき

f

Ck

級であり、f の

Fourier

級数は

k

回項別微 分可能である。

証明 .

Weierstrass

M test

と「

{fn}

C1

級の関数列で

f

に各点収束、

{fn}

g

に一様収束するならば、f は

C1

級で

f =g

」という定理を用いる。詳細は省略 する。

かつらだ 桂 田

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(6)

2 Fourier 変換 2.0 はじめに

いわゆる

“フツーの” Fourier

変換の定義式と基本的な性質を述べる。

Fourier変換ファミリーは4人いるが、どういう性質を持つかの説明としては、

この節で紹介する

フツーの

” Fourier

変換が代表的であり、良いだろう、と考え ている。

“フツーの” Fourier

変換の定義式には、全空間

R

での積分が出て来る。一般

的な状況で積分の存在を論じるのはあきらめる

(かなり難しいから1)。

物理的な応用が豊富にあるが、言及できない

(時間が足りないから。参考書は

小出

[2]

がお勧め。)。偏微分方程式の問題への応用例を少し紹介する程度。

cos, sin

はやめて、複素指数関数版だけ示す

(時間の節約のため)。

F

の筆記体

F

や、ギリシャ文字のクシー

ξ

の小文字) に慣れよう。

1定義式が、Lebesgue積分で意味を持つには、f L1(R)が必要十分である。L2理論がよく使 われるが、L2(R)̸⊂L1(R)であることに注意する。f L1(R)でないf に対して、Fourier変換を 定義する必要がある、ということにある。超関数として考えるのが必要になることも多い。

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(7)

2.1 Fourier 変換の導入 , Fourier の反転公式

2.1.1 Fourier級数の復習

まずFourier級数を復習する。ある程度なめらかなf:RCが周期T ならば

(1) fb(n) =Ff(n) := 1 T

Z T/2

T/2

f(x)ein2πTxdx (n∈Z) とおくとき

(2) f(x) =

X n=−∞

fb(n)ein2πTx (x∈R)

が成り立つことが分かった。

§1では、Fourier係数をcnと書いたが、ここでは以下の議論で照らし合わせるた

めにfb(n),Ff(n)と表している。

cnのことをfb(n)やFf(n)と書くのは、実は最近の流行でもある。

(3) cn=fb(n) =Ff(n) = 1 T

Z T/2

T/2

f(x)ein2πTxdx (n∈Z).

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(8)

2.1.2 Fourier 変換の定義と反転公式

次のことが成り立つ。

Fourier 変換の “ 定義式 ” と Fourier の反転公式

周期関数でないf:RC

x → ±∞のとき|f(x)|がある程度速く減衰する

という性質を満たすならば、

(4) fb(ξ) =Ff(ξ) := 1

2π Z

−∞

f(x)e−iξxdx (ξ∈R)

とおくとき

(5) f(x) = 1

2π Z

−∞

fb(ξ)eiξx (x R).

(f を 周期Tが大きい関数により[T2,T2]で近似してFourier級数展開し、極限移行する。) (4)で定まる fb(= Ff)を関数 fFourier変換と呼ぶ。ffbを対応させる写像 F:f 7→fbのこともFourier変換と呼ぶ。

(5)をFourierの反転公式(the Fourier inversion formula, the Fourier inversion theorem) と呼ぶ。

fb(ξ)(=Ff(ξ))のことを、F[f(x)](ξ)という記号で表すこともある(後述)。

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(9)

2.1.3 共役 Fourier 変換

(4), (5)の右辺の類似性に注目しよう。

一般に、関数g:RCに対して、g

きょうやく

共 役 Fourier変換eg=Fg を (6) eg(x) =Fg(x) := 1

2π Z

−∞

g(ξ)eiξx (x∈R) で定める。写像F:g7→eg のことも共役Fourier変換と呼ぶ。

この記号を用いると、Fourier反転公式(5)は次のように表せる。

F(Ff) =f.

逆順にしても成立。つまり、g の共役Fourier変換 Fg を Fourier変換すると元に 戻る:

F(Fg) =g.

まとめ: 適当な条件下で

(7) F(Ff) =f, F(Fg) =g

が成り立つ。とりあえずF=F1と考えてよい(本当は定義域・終域を決めないと…)。

共役Fourier変換のことを逆Fourier変換とも呼ぶ。(つねに逆写像とは限らないので、

注意が必要である。)

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(10)

2.1.4 Fourier 級数と Fourier 変換の対応

Fourier級数とFourier変換で言葉遣いが違うので、分かりにくいかもしれないが

Fourier係数にはFourier変換が対応し、Fourier級数展開には反転公式が対応する。

並べてみると

Ff(n) =fb(n) = 1 2π

Z π

π

f(x)einxdx, f(x) = X n=−∞

fb(n)einx, Ff(ξ) =fb(ξ) = 1

2π Z

−∞

f(x)e−ixξdx, f(x) = 1

2π Z

−∞

fb(ξ)eixξdξ.

「共役」について 線形代数で、正方行列U = (uij)がunitatyユ ニ タ リ 行列とは、U のHermite 共役U= (uji)がU1である、すなわち

UU=UU=I (I は単位行列)

が成り立つということ。L2(R) で考えると、Fourier変換はunitary変換と呼ばれるもの になっている。

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(11)

2.2 定義・反転公式から得られる公式

定理 6.3 ( 反転公式から得られる便利な公式 )

(本当は、Fourier

変換や逆変換が存在するための条件を書くべきであるが…)

(1) g =Ff ⇔f =Fg.

(2) Ff(x) =Ff(−x),Ff(ξ) =Ff(−ξ).

f

Fourier

変換、f の共役

Fourier

変換は、互いに他方を

“折り返した”

ものに等しい。

(3) g =Ff ⇒Fg(ξ) =f(−ξ).

証明

(1) ()

反転公式

F(Ff) =f

g =Ff

を代入すると、

f =Fg. ()

もう一つの反転公式

F(Fg) =g

f =Fg

を代入すると、

Ff =g

(次のスライドに続く)

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(12)

2.2 定義・反転公式から得られる公式

(2) 共役Fourier変換の定義から(普段g と書くのをf と書く) Ff(x) = 1

2π Z

−∞

f(ξ)eixξ (x R).

Fourier変換の定義から(普段、積分の変数をx,変換の変数をξと書くのを入れ替

える)

Ff(x) = 1

2π Z

−∞

f(ξ)e−ixξ (x R).

この2つの式を見比べると

Ff(x) =Ff(−x).

もう1つも同様に示される。あるいはx−ξ を代入しても良い。

(3) g=Ff とすると、(1)よりf =Fg. ゆえにf(−ξ) =Fg(−ξ). (2)より Fg(−ξ) =Fg(ξ). ゆえにf(−ξ) =Fg(ξ).

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(13)

2.3 マスターすべき Fourier 変換

比較的簡単に計算できて、意義ある応用もある、数少ない例を紹介する。

例自体もそれなりに重要であるが、それらの計算に使われるテクニックの修得 にも意味がある。

こうする理由は…

Fourier級数の場合は、簡単な例がいくらでもその場で作れたが、Fourier変換の場合は

そうもいかない。

Fourier変換はR= (−∞,∞)での積分である。多項式はおろか、1という関数すら普

通の意味では Rで積分可能ではなく、(超関数解釈でもしないと) Fourier変換は求まら ない。

応用上で重要な例はたくさんあるが、簡単にはFourier 変換が求められない。公式集 (昔はこれくらいしか手段がなかった)や数式処理系に尋ねるものであろう。

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(14)

2.3 マスターすべき Fourier 変換

定理 6.4 (マスターすべき Fourier 変換)

以下a>0とする。

(1) Fh

ea|x| i

(ξ) = r2

π a ξ2+a2.

(2) F

1 x2+a2

(ξ) = 1

a rπ

2ea|ξ|.

(3) f(x) :=

1

2a (a<x<a)

0 (それ以外)

とおくとき、Ff(ξ) = 1

2π sin()

= 1

2πsinc().

ただしsincx:= sinx x .

(4) F

sin (ax) ax

(ξ) = 2π×







 1

2a (|ξ|<a) 0 (|ξ|>a)

1

4a (ξ=±a).

.

(5) Fh

eax2 i

(ξ) = 1

2aeξ

2 4a.

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(15)

指数関数の微積分

補題 6.5 (指数関数の微積分)

(1) a∈Cとするとき(eax)=aeax.

(2) a∈C\ {0}とするとき Z

eaxdx =eax

a +C (C は積分定数).

(3) a>0,b∈C\ {0}とするとき Z a

a

eibx dx= 2 sin(ab)

b = 2asinc(ab).

証明は次のスライドで示す。

注意 6.6

複素指数関数を、実指数関数と三角関数で書き直して計算する人がいるけれど、指数 関数のまま計算することを勧める。

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(16)

指数関数の微積分

補題6.5の証明

(1) 複素指数関数をどのように定義してあるかにより証明は違ってくる。例えば ex+yi=ex(cosy+isiny)

が定義であれば、a=α+(α, β∈R)として

eax =eαx[cos(βx) +isin(βx)]

であるから、

(eax)=αeαx·(cos(βx) +isin(βx)) +eαx·(−βsin(βx) +cos(βx))

=eαx(α+)(cos(βx) +isin(βx))

=ae(α+iβ)x.

(2) (1)からすぐ分かる。

(3) Z a

a

eibxdx = eibx

ib x=a

x=a

= 2

b ·eiab−e−iab 2i

=2

bsin(ab) = 2asin(ab)

ab = 2asinc(ab).

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(17)

記号 F [f (x)](ξ) の説明

定理6.4(1)で書いた Fh

e−a|x|

i (ξ) =

r2 π

a ξ2+a2

は、f(x) :=ea|x| とするときFf(ξ) = r2

π a

ξ2+a2 であることを主張している。

つまりF[f(x)](ξ)でFf(ξ)を表す。この記法は良く使われるので、慣れておこう。

似たような習慣は、Laplace変換などにもある。例えば L

eat

(s) = 1

s−a (スルーしても良い).

(私見) aは定数であり、[ ]内の関数の変数を表す文字はxt であることを「明記 してなくても分かりなさい」というわけである。筋の通った記号とは言えない。

Mathematicaでは

FourierTransform[Exp[-a Abs[x]],x,xi,FourierParameters->{0,-1}] FourierTransform[If[-1<x<1,1/2,0], x, xi, FourierParameters->{0,-1}]

のように何が変数であるか指示する(そうでないとコンピューターが理解できない)。

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(18)

記号 F [f (x)](ξ) の説明

この記法に慣れてもらうために一つ問題を解いてみよう。

一般に

(8) F[f(−x)](ξ) =Ff(−ξ)

が成り立つことを示せ。(この左辺と右辺を混同する人が多い。)

(裏返してからFourier変換したものは、Fourier変換してから裏返したものと一致する) (解答)任意のξ∈Rに対して

F[f(−x)](ξ) = 1

2π Z

−∞

f(−x)eixξdx.

y =−x とおくと、dx =−dy. x→ −∞y → ∞が、x → ∞y → −∞が対応す るので

1 2π

Z

−∞

f(−x)e−ixξdx = 1

2π Z −∞

f(y)eiyξ(−dy) = 1

2π Z

−∞

f(y)eiyξdy

= 1

2π Z

−∞

f(y)e−iy(−ξ)dy =Ff(−ξ).

ゆえに(8)が成り立つ。

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(19)

2.3 マスターすべき Fourier 変換 定理 6.4 の証明

(1)R>0として Z R

R

を計算する。正の範囲と負の範囲にわけて計算する。

Z R

0

ea|x|eixξdx= Z R

0

e(a+)xdx =

e(a+)x

(a+) R

0

= 1−e(a+)R

a+ 1

a+ (R→ ∞).

(ここで、e(a+)R=eaR0 (R→+)となることを使った2)

負の範囲はx=−y と変数変換して(変数変換せずに直接計算しても良いけれど) Z 0

Rea|x|eixξdx = Z R

0

eayeiyξdy 1

a−iξ (R→ ∞).

ゆえに Fh

e−a|x|

i

(ξ) = 1

2π Z

−∞

e−a|x|e−ixξdx = 1

2π 1

a+ + 1 a−iξ

= 1

2π 2a ξ2+a2

= r2

π a ξ2+a2.

2z=x+iy (x,y R)とするとき

|ez|=ex+iy=|ex(cosy+isiny)|=p

(excosy)2+ (exsiny)2=ex =eRez.

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(20)

2.3 マスターすべき Fourier 変換 定理 6.4 の証明

(2) 定理6.3の(3)を用いる。ここでは、再度証明してから進める。Ff =g であれ ば、Fg =f であるから、一般に成り立つFg(ξ) =Fg(−ξ)を用いて

Fg(ξ) =Fg(−ξ) =f(−ξ).

(1)で分かったように、f(x) =ea|x| とするときFf(ξ) = r2

π a

ξ2+a2. ゆえに F

"r 2 π

a x2+a2

#

(ξ) =f(−ξ) =ea|−ξ|=ea|ξ|. 左辺は

r2 πaF

1 x2+a2

(ξ)であるから

F 1

x2+a2

(ξ) = 1 a

rπ 2ea|ξ|.

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(21)

2.3 マスターすべき Fourier 変換 定理 6.4 の証明

(3) f(x) = 1

2a (|x|<a)

0 (それ以外) とするとき Ff(ξ) = 1

2π Z

−∞

f(x)eixξdx= 1

2π Z a

a

1 2aeiξxdx

= 1

2

2πa·2asinc(a(−ξ)) = sinc()

2π .

(4) (3)で分かったように、f(x) = 1

2a (|x|<a)

0 (それ以外) とするとき、

Ff(ξ) = 1

2πsinc()であるから

F 1

2πsinc(ax)

(ξ) =f(−ξ) =f(ξ).

これも割り算によって

F[sinc(ax)] (ξ) =

2πf(ξ) = 2π×

( 1

2a (|ξ|<a) 0 (|ξ|>a) (ξ=±aの値については微妙なところがあるが、そこはぼかす。)

(5) これについては次回。

かつらだ 桂 田

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(22)

参考文献

[1] 桂田祐史:「信号処理とフーリエ変換」講義ノート, https:

//m-katsurada.sakura.ne.jp/fourier/fourier-lecture-notes.pdf, 以前は「画像処理とフーリエ変換」というタイトルだったのを変更した。

(2014〜).

[2] 小出昭一郎:物理現象のフーリエ解析,東京大学出版会(1981), 2018年ちく ま学芸文庫に入った。

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参考文献 [1] 桂田祐史: 「信号処理とフーリエ変換」講義ノート , https://m-katsurada.sakura.ne.jp/fourier/ fourier-lecture-notes.pdf, 以前は「画像処理とフーリエ変換」 というタイトルだったのを変更した。 2014