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共生の智の探求 - 田中 裕

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Academic year: 2024

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共生の智の探求

ー文学部での人文的学びのためにー

2013//26 哲学科・新聞学科の皆様へ 文学部哲学科教授 田中裕

(2)

共生の智の課題

創造性と調和の両立を目指す新しい文明の創設のための課題

(1)自然哲学的共生―環境倫理・新しいコスモロジー

(2)生命哲学的共生-生命の倫理・死生学

(3)社会哲学的共生公共哲学・世代間倫理

(4)宗教哲学的共生―神と自然との共生

「共生(きょうせい=共棲)」は生態学の用語であり、目的を自覚 しない本能的なレベルの共生を主題化するだけであるので、(1)

~(4)のすべてを含む哲学的な意味を明確にするために、「共生

(きょうしょう)」の智と言うことにする。

「他者と共に生きる」だけでなく、「他者のために生きる」人間の あり方を、過去を受容しつつ将来へ向けて自己形成する人間のあり 方を問うキリスト教的人間学の立場から共生を考える

(3)
(4)
(5)

叡智を生きることと 無知の自覚

(1)「叡智を生きる」こ とが、なぜ「果てしなき探 求」になるのか

(2)「他者のために、他 者とともに生きる人間」の

「自己」のありかた

(3)「一人一人の人格を

大切に(

cura personalis)

という理念の意味するもの

(6)

人文的学びとは?

(1)人(個々の人格 person)と文(ことば logos) を大切にすること。

(2)他者を理解することの難しさは、自己を理解する ことの難しさと不可分である。それゆえに、人間は一人 一人の他者と共に生きることによって、日々問われてい る存在である。その存在の問に耳を傾けること

(3)過去の世代と未来の世代に対して応答可能な存在 となるように生きること(責任の倫理の人文的意味)

(4)全体主義の超越:個体は類種的全体のためにある が、個人(person) は類種的全体を越える普遍(無限)

を探求する。(レヴィナス・マリタン)

(7)

「共生」の対極にあるもの

「強制収容所」の「沈黙」と「語り」

ヴィクトル・フランクル 「夜と霧

Man’s Search for Meaning

ジョルジョ・アガンペン「アウシュビッツの残りのもの-アルシ-ヴと 証人」Remnants of Auschwitz: The Witness and the Archive

(8)

隔離の百年から共生の明日へ

隔離の百年から共生の明日へ:ハンセン病市民学会年報2009 倶会一処:全生園患者自治会(松本馨他)篇(一光社)1979 ハンセン病文学全集:加賀乙彦他篇(皓星社)2002-2010

(9)

ヴィクトル・フランクルの根本的な問

悲劇的な人生の三要素(

the tragic triad)-

(1)苦(2)罪(

3)

-

これらすべてが限界状 況にまで達した場合、すべての希望が喪失した場 合、それでも人は人生に「イエス」ということが できるか? ー

Tragic Optimism

の可能根拠

ジョルジョア・アガンペンの根本的な問

悲劇的な生のアルシーブ(過去の文書)を編纂し

解釈するものは、政治的・倫理的なプロパガンダ

によっては決して還元されぬもの、語り得ぬもの

に直面するが、それにもかかわらず尚、過去の人

と証言を解釈し、その物語りを語り続けることに

よって未来に何を期待できるか。

(10)

アルシーヴの作成と解読

ー個人的研究の報告ー

東條耿一作品集の刊行 2009(新教出版社)

「復生の文学ー詩人東條耿一 とキリスト教」 キリスト教 文化研究所紀要28, 2010

松本馨(全生園元自治会長)

の「小さき聲」(無教会キリ スト者の個人伝道誌)の復刻

http://members2.jcom.home.ne.jp/yu taka_tanaka/matumoto/matumoto_i ndex.htm

(11)

東條耿一のアルシーブ

全生園の文芸誌「山桜」所収の 詩群 1934-1942

戦前の文芸誌 「詩人時代」

「蝋人形」「文学界」「四季」

への投稿誌

戦前のカトリック雑誌「聲」

1941年度に投稿された自伝的 回想

全生園カトリック愛徳会 「い づみ」1953年

に掲載された東條耿一の遺稿

「癩者の改心」

ーハンセン病図書館の資料整 理・移転(ハンセン病資料館 へ)の最中に発見ー

(12)

東條耿一の作品

三好達治に師事していた頃の叙情詩

臨終記(北條民雄の最期を看取った東條耿一の 手記)

訪問者(未完の遺作)文芸との訣別と作品の焼 却

癩者の父・新庭雑感・ルルドの引越・子羊日 記・種まく人達・鶯の歌・柿の木・草平庵雑筆

病床閑日 (晩年の宗教詩)

戦後、「いづみ」に掲載された遺稿、「癩者の

改心ー友への便りにかへて」

(13)

東條耿一のことば

「私は基督教的苦しみの忍従が限りなき喜びであ り愛の勝利への転換であることを述べましたが、

私の貧しい言がどれだけあなたの心を掴み得たか

と思うと甚だ心淋しさを覚えます。私は己に苦し

みを望みませんが 與えられる苦痛は神の愛として

肯定し、喜んで力の限り愛したいと思います。苦

痛を愛の忍従に転嫁してヨブの如く生きたいと思

います。惜しみなく恩恵を奪われた者のみ、よく

真に神の愛を感ずる事が出来るでしょう。私を癩

者に選び給いし神は讃むべきかな。」

(14)

松本馨のアルシーヴ

「小さき声」 第一期

1 福音伝道の始まり: 回心の記ーこの病いは死に至 らず

創刊号 19629-1969年8月まで

2 世俗のなかの福音: 自治会活動の開始

No.85 19699月よりNo.151 19753月まで

3 人権のための闘い: 自治会長時代

「倶会一処」発刊 の頃

No180 19778月よりNo.235 19823月まで

「小さき声」 第二期

再刊-No.1 19876月より 終刊-No.35 19914月まで

(15)

松本馨の活動

車椅子・盲目のハンディキャップの克服

無教会キリスト者として関根正雄に師事し「世俗の信 仰」ないし「無信仰の信仰」のラジカルな実践

キリスト者の立場(個人の権利)から国家を越える個人 のための人権活動を展開する。

ハンセン病図書館を創設し、患者自身の視点から、全生 園の歴史を綴るアルシーヴを残す。

将来のハンセン病療養所をどのようにするか、独自の視 点から、過去の世代(死者)への責任を負いつつ未来の 世代のためにできることを考える将来への構想を語る

(16)

松本馨の言葉

最後に、私が少年の頃 罹った病気について、らいに罹って死 の前に立たされたとき、心の奥底から発した言葉 「私は何 の為に生まれて来たのか」の問に答えねばなりません。

それは私自身が答えるのではなく、今日まで私を生かし、今 も生かし、後も生かして下さるであろう、私たちの主イエ ス・キリストに答えて頂きます。

「この病気は死ぬほどのものでない。それは神の栄光のため、

また、神の子がそれによって栄光を受けるためのものであ る」 (ヨハネ114)

私には社会的地位も、名誉も、目的もありません。私の心の 病気、私は 何の為に生まれてきたのかは 「神はこれらの石こ ろからアブラハムの子らをおこすことができる」の石になる ことでした。石をおこすのも、おこさないのも神です。おこ すのは神の義、神のみ栄えのためであり、 おこさないのも神 の義、神のみ栄えのためです。私は石であることに絶望しま せん。主イエス・キリストご自身が、世に捨てられた隅の親 石であるからです。

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