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卒業論文 家庭志向と仕事志向の再定義:大学生の将来設計の示唆

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卒業論文

家庭志向と仕事志向の再定義:大学生の将来設計の示唆

2010年度入学

九州大学 文学部 人文学科 人間科学コース 社会学・地域福祉社会学専門分野

2014年1月 提出

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要約

本論文の目的は、大学生が自分の将来についてどう考えているのか、特に企業を選択す る際に家庭生活との両立と仕事のやりがいのどちらを重視するのかを調べ、その規定要因 を明らかにすることである。

大学生の将来設計について研究・調査は行われている。しかし、就職活動の際に何が重 視されているのかについての調査は、定義があいまいな数多くの項目を並べ、複数回答で 選ぶ問いとなっており、何を本当に重視しているのか分析が困難である。また仕事以外の 将来に対する意識調査は、性役割志向を問うものが多く、家庭と仕事の両立に関する意識 について尋ねているものは少ない。

大学生に「就職活動時において家庭と仕事の二つのどちらを重視するか」という問いを した際にはどのような選択が行われ、どのような要因が影響しているのだろうか。やりが いを感じる仕事と家庭生活と両立できる仕事が一致した場合には生じない問いだが、今回 の聞き取り調査で就職活動の際にこのような問題にぶつかったという話があった。しかし このような観点からの研究は行われていない。

家庭と仕事の両立を選ぶ女性が少なく、男性の家事・育児参加が充分に行われていない 実態を鑑みると、企業選択時の大学生の仕事と家庭の両立に対する考え方と、それに対し て影響を及ぼす要因を調査することには一定の価値があると考える。

第 1 章では大学生の将来設計について論ずるにあたり、性別役割分業とライフコースに ついてまとめている。続いて本論文で扱う「将来設計」について定義し、家庭と仕事の両 立についての現状分析を行っている。

第 2 章では大学生の家庭に関する将来設計についての先行研究と就職活動時に重視する 項目についての調査をまとめている。仕事以外の将来設計に関しては性別役割分業の観点 や、理想ライフコースの観点からしか研究が行われていないこと、大学生が就職活動時に 仕事のやりがいを非常に重視しており、残業量や休日・休暇の日数など家庭との両立に関 する事項の重視度は低く、更に調査によって異なることが分かった。

第 3 章では事前に行った聞き取り調査について記述している。就職活動時といっても始 めた時期の違い、選考の進み方、その時々で重視していたことは数名に話を聞いただけで も多様であることが分かった。そこで企業選択時については、就職先を決める前にほとん どの大学生が経験し、自分の適性や運といった要素が排除される「内定を得てからの企業

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選択時」に注目こととした。また、既に行われている調査と同様仕事のやりがいが非常に 重視されていることも分かった。男性に対する聞き取り調査では家庭との両立は全く考え ていなかったという人もいたが、女性に対する聞き取り調査ではほとんどの人が家庭と仕 事の両立を考えて悩んだと言っていた。そこで家庭と仕事の両立について尋ねる意義はあ ると考えた。

そこで聞き取り調査を踏まえて問題設定を行い、従属変数を設定し、さらに先行研究と 聞き取り調査を踏まえて29個の仮説を設定した。それから仮説を踏まえてⅠ経験に基づく 将来予測、Ⅱパーソナリティ、Ⅲ大学での経験という 3 つの独立変数を設定し、これらの それぞれを構成するものとしてさらに細かく独立変数の設定を行った。本調査では従属変 数の家庭志向度については家庭志向(強)・(弱)、仕事志向(強)・(弱)の四段階で計測す ることとした。第4節では本調査の概要について掲載している。

第 4章では分析、仮説の検証、考察を行っている。分析は 4本立て構成である。まず家 庭志向度には多数の規定要因が関係していると考え重回帰分析を行った。2つ目、3つ目で は家庭志向度と比較するために企業選択要因・将来設計の各要因の順位付けについて分析 した。最後に結婚後の女性の就業形態希望について相関分析を行っている。

重回帰分析の結果、家庭志向になる要因として男性は①内定取得経験②学年③父親育児 参加度の順で、女性は①内定以外の就職活動経験度②親の面倒をみる願望③兄弟数の順で 影響が強かった。また、男性において家庭志向度に影響の大きいものは大学での経験であ り、経験に基づく将来予測は相対的にあまり影響がない。一方女性は経験に基づく将来予 測の影響が強く、就職活動経験以外の大学での経験の影響は少ない。男女共に就業意識以 外のパーソナリティの影響もあまり強くない。

家庭志向度の設問において家庭志向は強弱合わせて 37%もいたにも関わらず、企業選択 要因の順位付けでは、圧倒的に残業量が最も低い順位であった。

将来設計の順位付けでは、仮説はすべて成立し、ほぼ予想通りの結果となった。やはり 男性にとっては仕事が、女性にとっては育児が、力を入れたいものという意識は変わらな いのではないだろうか。

結婚後の女性の就業形態希望の分析においては、全ての時期において女性は就業継続希 望、男性は相手の意向重視という意見が多かった。男性は結婚後の女性の就業希望時間に は時期ごとに相関があり、女性は一部的に相関がほぼ無かった。

第5章では本論文のまとめと全体を通しての反省点、今後の展望について記述している。

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目次

はじめに ... 1

1 将来設計と性別役割分業 ... 2

1.1 性別役割分業とライフコース ... 2

1.2 「将来設計」の定義 ... 3

1.3 家庭と仕事についての現状分析 ... 4

2 先行研究 ... 8

2.1 大学生の仕事以外の将来設計に対する意識 ... 8

2.2 大学生の仕事のやりがいに対する意識 ... 11

2.3 職業的アイデンティティと学部選択の関係 ... 15

3 調査と仮説の設定 ... 18

3.1 聞き取り調査とプレテスト ... 18

3.2 問題設定 ... 22

3.3 変数と仮説の設定 ... 23

3.4 本調査の概要 ... 44

4 分析と考察 ... 46

4.1 家庭志向と仕事志向 ... 46

4.2 企業選択要因の順位付け ... 59

4.3 将来設計の順位付け ... 62

4.4 結婚後の女性の就業形態希望 ... 64

5 まとめと今後の展望 ... 69

おわりに ... 72

参考文献 ... 73

付録

第一回聞き取り調査 第二回聞き取り調査 本調査質問用紙単純集計

Referensi

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