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口腔健康科学講座 摂食嚥下リハビリテーション研究室
プロフィール
1.
教室員と主研究テーマ教 授 石田 瞭 摂食嚥下障害の評価法とリハビリテーション手技の新規開発 准 教 授 大久保真衣 摂食嚥下運動動態の画像診断
大学院生 三浦 慶奈 超音波診断装置を用いた舌の画像分析 渡部 友莉 筋硬度計を用いた嚥下機能の分析
芳村 竜秀 食べる意欲の変化を可視化し評価する
専 攻 生 大賀 誠一 要介護高齢者に対する経口維持支援の効果検討 對木 將人 超音波診断装置を用いた舌の画像分析
山澄 尚大 口腔機能低下症と栄養
長澤 圭子 質問紙による新たな摂食嚥下機能評価手技開発
岩口 真路 ESR 分析による摂食嚥下リハビリテーション介入効果の検討 水谷 匡佑 小児の口腔機能発達に関する調査
2.
成果の概要1) Ohkubo M, Ueda T, Miura K, Sugito H, Ono K, Seshima F, Morioka T, Uchiyama S, Yoshida M, Yajima Y:"Easy-to-eat Meals" for Outpatients Following Dental Treatment.
歯科治療後は一時的に咀嚼が困難となり、食形態の変更や栄養不足を招く可能性がある。これまでに我々が 考案したお食事セットの効果を調査するため、対象となる歯科治療後の患者にアンケートを行った。項目は 不快感の軽減、満足度、味、利便性、再度利用、量とした。全体評価および満足度に関係する項目の検討と、
非高齢者群と高齢者群の違いを検討した。
アンケート総数は 41 件で、概ね肯定的であった。満足度とその他の項目は全て正の相関性が認められた。
非高齢者群と高齢者群では、不快感の軽減および味、量で有意差が認められた。
高齢者群では不快感軽減と美味しさに影響を与えたものの、利便性に対しては両者で高く評価しており、満 足度にもつながると考えた。歯科治療直後の栄養指導としてお食事セットは効果的であり、患者の QoL 向上 に役に立つと示唆された。
Bull Tokyo Dent Coll. Dec 10;60(4):225-232, 2019. doi: 0.2209/tdcpublication.2018-0055.
2)大久保 真衣, 三浦 慶奈, 西岡 さやか, 杉山 哲也, 石田 瞭, 福田 謙一:口唇閉鎖困難と構音障害の訴 えを契機に重症筋無力症と診断された 1 例
重症筋無力症 (myasthenia gravis; MG) は自己免疫疾患である。今回我々は、口がうまく動かない、呂律 がまわらないを主訴に来院し、後に MG と診断しえた 1 例を経験したので報告する。患者は 23 歳女性。夕食 時の口唇閉鎖困難と長時間発話時の構音障害を自覚し受診となった。全身の易疲労感の訴えはなかったが、
体重減少を認めた。夕食の時間は 1 時間かかり、スープ類は手で口唇をおさえて摂取しているとのことであ った。口腔機能検査として舌圧測定を行ったところ、16.0Kpa で平均値から大幅に低下していた。また聖隷 式嚥下機能質問紙では 3 項目該当で「摂食嚥下障害あり」となった。このため嚥下内視鏡検査を行ったとこ ろ、鼻咽腔閉鎖不全および嚥下後咽頭残留が顕著であった。この口腔機能低下症に関する口腔機能検査と嚥 下内視鏡検査の結果から MG を疑い神経内科に診療依頼をしたところ、MG との確定診断を得た。
障害者歯科 40:179-184,2019.
3)三浦 慶奈, 大久保 真衣, 杉山 哲也, 大房 航, 石田 瞭: 超音波エラストグラフィを用いた安静時と水 保持時の舌の硬さの検討、老年歯科医学 34:127-135,2019.
サルコペニアは高齢者の口腔領域にも現れるとされている。舌の加齢変化による舌筋の萎縮と運動機能低下 は、舌の厚さや筋力のみならず硬さにも影響があると考えた。超音波エラストグラフィのうち Strain Elastography(SE)を用いて、安静時と液体保持時による舌の硬さの違いを測定することを目的とした。健 康成人 10 名の安静時と水およびとろみ水 3 mL を保持した状態の舌の硬さと厚さを測定した。舌の硬さの測 定には、超音波診断装置の Real-time Tissue Elastography の測定項目のうち Strain Ratio(SR)を用い た。SR 値の中央値は、安静時が 0.69、水保持時が 0.48、とろみ水保持時が 0.44 であり、安静時と比較し て水保持時において舌が有意に硬くなった。また水保持時の舌の陥凹深度は、安静時と水保持時の舌の硬さ との間に有意な負の相関関係が認められた。
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3.
学外共同研究担当者 研究課題 学外研究施設
研究施設 所在地 責任者 石田 瞭 高齢者の高次脳機能と酸化ストレスに対す
る効果的な摂食嚥下機能療法の探索 神奈川歯科大学 横須賀市 小松知子
4.
科学研究費補助金・各種補助金研究代表者 研究課題 研究費 科研費の場合は種別も記載
石田 瞭 高齢者の「食」に対する客観的疲労感と満足度から摂食嚥下 指導の評価指標を再構築する
文部省科学研究費補助金基 盤研究(C)
5.
研究活動の特記すべき事項学会招待講演・特別講演・教育講演
講演者 年月日 演題 学会名 開催地
石田 瞭 2019. 6. 1
「口腔機能低下症」と「口腔の 機能障害」
双方への対応の重要性
第307回東歯学会 特別講演 東京都 千代田区
学術学会に相当しない団体が開催するセミナー・研究会・カンファレンス等における発表・講演
講演者 年月日 演題 講演会名 開催地
大久保真衣 2019. 5.26 小児口腔機能・食支援セミナー TDC アカデミア 2019~臨床セ ミナー~
東京都 千代田区 石田 瞭 2019. 6.22 リハビリテーションケア
(摂食嚥下障害)
2019 年度神奈川県訪問看護
師養成講習会 横浜市
大久保真衣 2019. 9.12 口腔機能発達不全症とその対応 子供の歯と健康を守る講演会 米子市 石田 瞭 2019.10.26 歯科から行う
摂食嚥下リハビリテーション
松本歯科大学校友会 本部・
4支部共催学術講演会
東京都 千代田区 石田 瞭 2019.11. 3
「食べ方」に困ったらどうしま しょう?
親の食べ方が気になる場合
食支援ネットワーク SSN 第 100 回記念講演会・日本老年 歯科医学会岡山支部共催
岡山市
大久保真衣 2019.11.11
~精神科における高齢者の治療 戦略~
『Pill dysphagia 摂食嚥下機能 について』
ロナセンテープ web seminar 調布市
石田 瞭 2019.11.23
兎にも角にも、お口のケアから 始めましょう
-食べ方、飲み方次第であなたの 生活は変貌する-
第 7 回宮古島神経科学カンフ
ァレンス 市民公開講座 宮古市
大久保真衣 2020. 2. 6 口腔機能の発達~歯科からの食
育支援~ 目黒区学校保健会特別講演会 東京都
目黒区
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講演者 年月日 演題 講演会名 開催地
石田 瞭 2020. 2. 8 介護生活の生きがいに関わる
食べる機能の支援 上十三地域歯科フォーラム 三沢市
6.
教育に関する業績、活動共用試験
氏名 年月日 種別 役割 開催地
石田 瞭 2020.
2.22-23 東京歯科大学 OSCE 評価者 東京都 千代田区 大久保真衣 2020.
2.22-23 東京歯科大学 OSCE 評価者 東京都 千代田区 他の大学・研究機関等における大学生・大学院生を対象とする講義・実習
担当者名 年月日 テーマ・演題 大学・機関 所在地
石田 瞭 2019. 5.29 在宅歯科医療と
摂食嚥下リハビリテーション 岡山大学歯学部 岡山市 大久保真衣 2019.10.17
高齢者の摂食嚥下リハビリテー ションについて 老年看護援助 論Ⅰ
和洋女子大学看護部看護学科 市川市
石田 瞭 2020. 1.20 高齢者の歯科医療
摂食嚥下リハビリテーション 朝日大学国試直前講義 瑞穂市
7.
社会的貢献・社会に対する活動医学の啓蒙を目的とする講演会(市民を対象とするもの)
講演者 年月日 演題 会合の名称 開催地
大久保真衣 2019. 6.29 赤ちゃんの口の発達とアレルギ ー
第 13 期千葉
アレルギー大学 千葉市 大久保真衣 2019. 6.27 発達期の摂食嚥下機能と食形態 千葉県船橋特別支援学校 船橋市 大久保真衣 2019.
7.25-26 摂食嚥下機能の発達について 千葉東病院摂食機能向上研修
会 千葉市
石田 瞭 2019.
7.25-26 摂食嚥下機能の発達について 千葉東病院摂食機能向上研修
会 千葉市
石田 瞭 2019.10.11 ミールラウンドと口腔ケアにつ いて
東京都板橋区立特養いずみの 苑勉強会
東京都 板橋区 石田 瞭 2019.12.24 摂食嚥下のメカニズムと
リハビリテーションの実際
板橋区地域リハビリテーショ ン講座
東京都 板橋区 石田 瞭 2019.12.13 要介護高齢者に対する口腔ケア
の注意点
(社)麗峰会 特養つじまち
勉強会 那覇市
石田 瞭 2020. 2. 8 「摂食嚥下」について
社会福祉法人かたくり会 令 和元年度 第2回 職員研修 会
柏市