口腔健康科学講座 摂食嚥下リハビリテーション研究室
プロフィール
1. 教室員と主研究テーマ
教 授 石田 瞭 摂食嚥下障害の評価法とリハビリテーション手技の新規開発 准 教 授 杉山 哲也 要介護高齢者向け包括的摂食・嚥下機能評価法の開発
大久保真衣 摂食嚥下運動動態の画像診断
大学院生 三浦 慶奈 超音波診断装置を用いた舌の画像分析 専 攻 生 大賀 誠一 要介護高齢者の経口維持支援
對木 將人 超音波診断装置を用いた舌の画像分析
2. 成果の概要
1)舌後方部からの水分摂取が舌圧に与える影響
Iguchi T, Ohkubo M, Sugiyama T, Hori K, Ono T, Ishida R.
口腔がん手術後に生じる摂食嚥下障害は、いわゆる 5 期モデルのうちの準備期(咀嚼期)から咽頭期(嚥 下第 2 相)が障害される場合が多いとされている。範囲舌切除後は食塊移送不全をきたすため、代償的に頭 位を調整することで重力により移送を補ったり、シリンジなど食具を用いて摂取位置を変化させたりするこ とで対応している。その際、臨床的には食物に対し物性の濃度を上げることにより、咽頭への早期流入を防 ぎ嚥下反射の調整を行っている。健康成人では、物性を変化させることで嚥下時の舌圧が増加した ことから、
食物物性を考慮した機能障害の対応が必要と考える。また、後方部摂取時において舌運動動態が変化し低い 舌圧で食塊移送していることが示唆された。ゆえに、口腔がん患者が食塊移送不全を呈する場合は、舌運動 動態が通常とは異なることを念頭に置く必要があると考えられる。
Journal of Oral Rehabilitation 45(5):371-377,2018
2)要介護高齢者における頸部、体幹、肩甲帯の関節可動域の検討 Tashiro M, Honda Y, Ohkubo M, Sugiyama T, Ishida R.
従来から関節可動域の指標として用いられている参考可動域は、健常者のあくまで参考値であり、要介護 高齢者の頸部、体幹、肩甲帯関節可動域の平均値を調べた報告はない。また体幹、肩甲帯関節可動域と嚥下 機能との関連を調査した報告は見受けられない。そこで要介護高齢者の頸部、体幹、肩甲帯における関節可 動域の平均値の調査を行った。また、要介護高齢者を摂食嚥下障害の有無で分類し、両群における頸部、体 幹、肩甲帯における関節可動域を比較したところ、摂食嚥下障害群では頸部、体幹、肩甲帯の関節可動域に 有意な制限がみられた。このことから、頸部だけでなく、体幹、肩甲帯の関節可動域も摂食嚥下機能に影響 することが示唆された。
Geriatr Gerontol Int.17(12):2565-2572. 2017
3. 科学研究費補助金・各種補助金
研 究 代 表者 研 究 課 題 研 究 費 科 研費の場合は種別も記載
大久保真衣 舌運動の評価法とバイオフィードバック法の開発〜携帯 型超音波診断装置の応用〜
科学研究費助成事業・
基盤研究(C)
4. 研究活動の特記すべき事項
学会・研究会主催
主 催 者 名 開 催 年 月日 学 会 ・ 研究会名 会 場 開 催 地
(社)日本 老年歯科医 学会
2018. 2.11 日本老年歯科医学会千葉支部公
開研修セミナー 千葉県歯科医師会館 千葉市
学術学会に相当しない団体が開催するセミナー・研究会・カンファレンス等における発表・講演
講 演 者 年 月 日 演 題 講 演 会 名 開 催 地
石田 瞭 2017. 6.13 摂食嚥下障害への対応
日本老年歯科医学会 摂食 機能療法専門歯医師指定研 修
名古屋市
杉山 哲也 2017. 7. 6 目指そう‼‟Common disease”
認知症患者への対応力向上
東京歯科大学千葉病院医療
連携講演会 千葉市
石田 瞭 2017. 7.27 各種検査法および診断装置 第 35 回摂食機能向上研修
会 千葉市
大久保真衣 2017. 7.27 摂食嚥下機能の発達について 第 35 回摂食機能向上研修
会 千葉市
杉山 哲也 2017. 9.14
馴染みの患者さんにアレッ⁉
と思うとき−認知症頻発時代 の歯科医師の常識−
茂原市歯科医師会学術講演
会 茂原市
杉山 哲也 2017.10. 3 嚥下障害 −歯科 医師 ができる こと、できないこと−
千葉市在宅医療推進連絡協
議会講演会 千葉市
杉山 哲也 2017.10.14
今、東歯 で何教 えて るの?−
求められ る歯科 医師 養成のた めに−
東京歯科大学同窓会水真会 学術講演会
東京都 千代田区
杉山 哲也 2017.11.11
摂食嚥下 障害、 構音 障害に対 す る 舌 接 触 保 護 床 (PAP) の 診 療ガイドライン
平成 29 年度第 2 回熊谷市
歯科医師会学術講演会 熊谷市
石田 瞭 2017.11.15 乳児の発達-口腔機能につい て-
千葉県保育協議会 乳児保
育研修会 千葉市
杉山 哲也 2017.11.16 認知症頻発時代の歯科医師の 常識
山武郡歯科医師会学術講演
会 東金市
石田 瞭 2017.11.30 摂食嚥下障害の知識と多職種
連携の重要性 第8回 地域医療講演会 熊谷市
杉山 哲也 2018. 2. 4
歯科医師は‟Common
disease”認知症にどう対応 するか?
東京歯科大学同窓会三重県
支部学術講演会 四日市市
5. 教育講演等教育に関する業績、活動
教育に関する講演( 医 学 ・歯学における教育をテーマとするものに限る)
講 演 者 年 月 日 演 題 学 会 ・ 研究会・会議名 開 催 地
大久保真衣 2017.11. 3
東京歯科大学短期大学開学フォ ーラム 専門領域の歯科医師の 立場より
第 2 回東京歯科大学衛生 士専門学校同窓会卒後研 修セミナー
東京都 千代田区
教育ワークショップ・FD 研修
講 演 者 年 月 日 ワ ー ク ショップ名 役 割 開 催 地
杉山 哲也 2017. 4.23
第 19 回試験問題作成に関するワ ークショップ〜共用試験 CBT 問 題作成のためのアドバンス・ワ ークショップ
出席 東京都
千代田区
杉山 哲也 2018. 2. 3
平成 31 年度からの新たな歯科医 師臨床研修実施体制に関するワ ークショップ
出席 東京都
千代田区
大久保真衣 2018. 2. 3
平成 31 年度からの新たな歯科医 師臨床研修実施体制に関するワ ークショップ
出席 東京都
千代田区
共用試験
氏 名 年 月 日 種 別 役 割 開 催 地
石田 瞭 2018.
2.24-25 東京歯科大学 OSCE 評価者 東京都 千代田区
杉山 哲也 2018.
2.24-25 東京歯科大学 OSCE 評価者 東京都 千代田区
大久保真衣 2017.
2.24-25 東京歯科大学 OSCE 評価者 東京都 千代田区
他の大学・研究機関等における学生・大学院生を対象とする講義
担 当 者 名 年 月 日 テ ー マ ・演題 大 学 ・ 機関 所 在 地
石田 瞭 2017. 5.24 在宅歯科医療と摂食嚥下リハビ
リテーション 岡山大学歯学部 岡山市
大久保真衣 2017. 6.21 2017. 7. 5
摂食嚥下機能の発達と障害 摂食嚥下リハビリテーション
埼玉県立大学健康開発 学科口腔保健科学専攻
越谷市
杉山 哲也 2017.7.12 2017.7.26
摂食嚥下障害の評価
摂食嚥下障害の歯科補綴的対応 在宅歯科医療と摂食嚥下リハビ リテーション
埼玉県立大学健康開発 学科口腔保健科学専攻
越谷市
杉山 哲也 2017. 7.19 2017. 8. 2
摂食嚥下リハビリテーション 栄養療法と摂食嚥下リハビリテ ーション
埼玉県立大学健康開発 学科口腔保健科学専攻
越谷市
石田 瞭 2018. 1.23
高齢者の歯科医療・摂食嚥下リ ハビリテーション(国試直前講 義)
朝日大学歯学部 瑞穂市
6. 社会的貢献・社会に対する活動
医学の啓蒙を目的とする講演会(市民を対象とするもの)
講 演 者 年 月 日 演 題 会 合 の 名称 開 催 地
大久保真衣 2017. 6. 3 赤ちゃんの口の発達とアレルギ ー
第 11 期千葉
アレルギー大学 千葉市
大久保真衣 2017. 8. 2 発達期の摂食嚥下機能と食形態 千葉県船橋特別支援学校 船橋市
石田 瞭 2017.10.14 自分らしくあるために大切にし たい食べる機能
上十三地域歯科フォーラ
ム 十和田市
大久保真衣 2017.10.28 どうして焼き芋でむせるのか〜
飲み込みやすい食品とは?〜
特定非営利活動法人日本 歯科保存学会
東京都 千代田区
大久保真衣 2017.11. 9 なぜうまく食べられないの?小 児の摂食嚥下障害とは
東京都立心身障害口腔保 健センター
東京都 新宿
石田 瞭 2018. 1.13 ミールラウンドと口腔ケアにつ いて
(社)東京援護協会いず みの苑勉強会
東京都 板橋区