検討の観点と特色 発 行 者 の 番 号 ・ 略 称
教 科 書 の 記 号 ・ 番 号
教 科 書 名 発 行 者 名
17 教出 古A302
古典文学選 古典A
教育出版株式会社項 目 観 点 特 色 等 1 内容の選択 *学習指導要領,
教科の目標を達 成するために必 要な教材が掲載 されているか。
○学習指導要領の目標を押さえ,学習指導要領に示された学習項 目を網羅し,偏りなく構成されている。
○「国語総合」で学習した古典の基礎的な学習事項をふまえ,物 語文学を中心に他ジャンルの作品もバランスよく配置され,古 典の教科書として適切である。
2 内容の程度 *基礎的・基本的 事項の理解や習 得のための配慮 がなされている か。
○文・語句レベルの設問が脚注に,より深い作品理解のための設 問が手引きに置かれ,効果的・確実な学習ができるように配慮 されている。
○見開きを基本として教材が構成され,指導・学習がしやすい。
3 内容の組織・配 列・分量
*学習指導を有効 に進めるための 組織・配列・分量 になっている か。
○古文編・漢文編とも物語を中心に単元が構成され,物語単元に 関連した形で,和歌・随筆・評論・唐詩などが適宜取り上げら れている。作品数も多く,学習実態に応じて選択することがで きる。
○古文編は,日本文学における物語の展開を追って構成され,「歌 物語」「軍記物語」「歴史物語」「作り物語」「近世小説」が 単元化されている。それぞれの単元にはコラム「物語の歴史」
が置かれ,文学史的な知識を獲得できる。また,入手可能な文 庫本も紹介され,発展読書にもつなげることができるよう工夫 されている。
○中心となる物語単元を補完するように,他ジャンルの単元が次 の単元として設定されていることも効果的である。例えば,『大 鏡』の後に同時代を描いた『枕草子』を学習することにより,
歴史文学をより深く多層的に味わうことが期待できる。
○漢文編では,二つの物語単元『史記(項羽と劉邦)』『三国志』
を軸に「逸話」「詩文」の単元を加えて構成され,生徒の興味
・関心を引き出すことが可能である。
4 創意工夫 *学習意欲を高め るための配慮が なされている か。
*用語・記号の取 り上げ方および 記述の方法は適 切か。
○単元扉・口絵や本文には,資料性が高く美しい図版が適切に掲 載され,学習意欲を高めるよう工夫されている。
○単元扉・口絵・付録は単なる事項・図版の提示にとどまらず,
短い解説が付されており,コラム「古典の窓」と合わせて,古 代人の生活が実感できるよう配慮されている。
○脚注語句は丁寧に取り上げられており,また,口絵・付録・既 習教材との関連も細かに示され,指導しやすい。特殊な学習用 語・略語も用いられておらず,適切である。
5 印刷・造本等 *印刷の鮮明度,
活字の大きさ,
行間,製本など は適切になされ ているか。
○紙質は白く,美しく読みやすい活字を使用している。
○印刷は鮮明で,ユニバーサルデザインに配慮されたカラー図版 や紙面デザインも生徒の学習意欲を高める。
○表紙はコーティングが施され,製本も堅牢である。
6 総合所見 ○学習指導要領が求める目標・指導事項を達成できるよう十分に配慮されていること はもちろん,生涯古典に親しむ生徒を一人でも多く増やしたいという願いを強く感 じられる教科書である。
○教材配列・単元構成はもちろん,口絵・付録,コラム教材などが意欲的に開発され ており,教師にとっては教えやすく,生徒にとってはわかりやすい,学習意欲の高 まる教科書である。