検討の観点と特色
発 行 者 の 番 号 ・ 略 称
教 科 書 の 記 号 ・ 番 号
教 科 書 名 発 行 者 名
17 教出 古 B 336 精選古典 B 古文編 教育出版株式会社
17 教出 古 B 337 精選古典 B 漢文編 教育出版株式会社
項目 観点 特色等
1
内容の選択 *学習指導要領,教科の 目標を達成するために 必要な教材が掲載され ているか。○学習指導要領の目標を押さえ,学習指導要領に示された学習項目 を網羅し,偏りなく構成されている。
○「国語総合」で学習した古典の基礎的な学習事項をふまえ,高校 で修得すべき作品およびジャンルが網羅され,さらに長短の作品 がバランスよく配置され,古典の教科書として適切である。
2
内容の程度 *基礎的・基本的事項の 理解や習得のための配 慮がなされているか。○文・語句レベルの設問が脚注に,より深い作品理解のための設問 が手引きにおかれ,効果的・確実な学習ができるように配慮され ている。
○文法については,古文編第一部の 7 本の小教材で系統的な学習 ができるよう工夫されている。
3
内容の組織・配 列・分量*学習指導を有効に進め るための組織・配列・分 量になっているか。
○古文編・漢文編が別冊となっており,作品数も二年間の学習に耐 えられるだけのものが確保されている。
○古文編は第一部が,漢文編は第一部・第二部ともジャンル別単元 となっている。古文編の第二部は古典講読的な大単元である。第 一部は平易かつオーソドックスな教材で構成され,基礎学力の養 成にふさわしい教材配列である。第二部は第一部で取り上げられ たジャンルのより高度な内容をもつ作品が選ばれている。
○作品の数やバラエティはもとより,各領域内での関連,古文・漢 文教材との関連,また,「国語総合」・「現代文」や日本史との関 連も図られており,有効に学習活動を組むことが可能である。
4
創意工夫 *学習意欲を高めるため の配慮がなされている か。*用語・記号の取り上げ 方および記述の方法は 適切か。
○全 14 本のコラム「古典の窓」と合わせて発展的学習が期待さ れる 3 本の「古典の扉」で,古典常識や文学史の知識の獲得と ともに学習意欲の向上が期待できる。
○脚注語句は,辞書にはない事項を中心として取り上げられてい る。特殊な学習用語・略語も用いられておらず,適切である。
○口絵・付録・挿絵とも,利用価値・学習価値の高いものが掲載さ れている。単なる事項の羅列にとどまらず,短い解説が付されて おり,図・写真だけではうかがうことのできない古代人の生活が 実感できるよう工夫されている。特に「古典文学史要覧」はさま ざまな使い方が可能で,生徒の自学自習に適している。
○歴史的事実・人間関係・文学史に関わる資料が豊富に掲げられて おり(年表9か所・関係系図11か所),作品理解を深めるため に有効である。
○言語活動教材は音読・読み比べが取り上げられ,表現教材として は課題を探求し調査・発表する活動が取り上げられている。また,
第二部の「古典の扉」(3 教材)では教材に関連した同時代の文 章や評論文,現代の作品などが取り上げられており,より豊かに 古典にふれることができるよう配慮されている。
5
印刷・造本等 *印刷の鮮明度,活字の 大きさ,行間,製本な どは適切になされてい るか。○古文編・漢文編の 2 分冊構成で,さまざまな指導実態に対応し ている。紙質は白く,美しく読みやすい活字を使用している。印 刷は鮮明で,ユニバーサルデザインに配慮されたカラー図版や紙 面デザインも生徒の学習意欲を高める。表紙はコーティングが施 され,製本も堅牢である。
6
総合所見 ○学習指導要領が求める目標・指導事項を達成できるよう十分に配慮されていることはもちろ ん,生涯古典に親しむ生徒を一人でも多く増やしたいという願いを強く感じられる教科書で ある。○口絵・付録,単元扉も含めたコラム教材,文法・句型の教材などが意欲的に開発されており,
教師にとっては教えやすく,生徒にとってはわかりやすく学習意欲の高まる教科書である。