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商業資本と流通のしくみ 9.

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Academic year: 2023

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2002 経済原論Ⅱ 2002.5.21

商業資本と流通のしくみ 9.

0.はじめに

○これまでは産業資本だけを考察の対象としてきた。しかし、価値(したがって利潤)は生産過 程においてのみ生み出されるとしても、資本の再生産には流通や信用(金融 、土地が不可欠で) あり、これらを担う経済主体(商業資本、銀行資本、土地所有者)にも価値(利潤)が分配され なければならない。

1.商業=流通の機能と構造 商業とは何か

(1)

=生産者と消費者との間で商品の流通(取引・売買)を媒介する営業活動 主な流通機能

(2)

①商品取引機能(商品の取引・売買、価格形成)

②物流機能(商品の輸送、保管、包装、仕分けなど)

③情報機能(受発注の伝達、在庫の適正化、需要予測や商品情報の提供など)

④金融機能(商品代金の立て替え、資金融通、信用供与など)

⑤付帯機能(広告、販売促進・マーケティング、保険など)

流通構造の具体例 (3)

2.商業資本 理論的考察 (1)

G−W< Pm・・・・・・・・・W'−G' A

流通過程 生産過程 流通過程

・資本の価値増殖は生産過程においてしか行われない(←投下労働価値説)

流通過程の存在は資本の価値増殖にとって制約要因になる

(年利潤率の低下、流通費の剰余価値からの控除は不可避)

流通過程における諸機能が独立・固定化し、その専門的な担い手として商業資本が自立化

・商業資本の自立化の根拠

①生産の連続性を保つための追加的資本投下や生産規模縮小の回避

②流通費の節約(←分業による専門化や流通機能の社会的集中)

産業資本が流通機能を自ら担う場合よりも平均利潤率が上昇

→ 商業利潤 (2)

・商業資本が獲得する商業利潤の源泉はどこにあるのか?

「安く仕入れて高く売る」というだけでは科学的認識とは言えない!

・剰余価値を自ら生み出さないとしても、資本の再生産にとって不可欠な構成部分として自立化 する以上、商業資本も平均利潤を要求する権利をもつ(産業資本と商業資本との間の競争⇒両 者あわせての平均利潤率の形成)

商業利潤の源泉は「産業資本が生み出した社会的総剰余価値の一部分」

平均利潤率の計算に修正を加える必要

・たとえば・・・・・

(2)

- 2 -

○産業資本 800の投下資本(C+V)から200の剰余価値(M)、剰余価値率100% 600C+200V+200M=1000

産業資本だけを考慮した場合の平均利潤率=200/800=25%

○実際には生産だけでなく流通も行わなければならないから、年間の生産過程が 1回転であれば 1 回転 弱(別紙資料では 5 回転→ 2.5 回転)に短縮せざるをえなくなる。さらに産業資本が流通機能を自ら担 うためには 800 の投下資本とは別に、流通過程で要する諸費用を追加的に用意しなければならない。そ の費用は、たんなる運転資金(回転資金:商品が実際に販売されて代金を取得するまでの当座の資金。

流通期間終了後に回収される資金なので、商品価格に移転しない)と、流通機能を具体的に担うための 諸費用(流通費用:店舗や物流設備等の維持費、商業労働者の賃金。流通期間終了後に使用価値的に損 耗し、補填されなければならないが、産業資本のcやvのように費用価格として最終的な商品価格に含 まることはない。価値はあくまでも生産過程において形成されるから)とに分けられる。

○流通機能を専門の商業資本に担ってもらうことによって、産業資本は追加的投下資本を用意しなくと もすぐに次の生産過程のための投下資本を回収することができる。=大きなメリット。但し、商業資本

。 「 」 。

に無償で流通業務を担ってもらうことはできない その 代価 が商業資本の取り分=商業利潤となる

○まず回転資金だけを考える。ここでは生産過程1回転に対して流通過程5回転を想定。流通過程1回 転ごとに必要となる回転資金は平均して1000/5=200。そこで200の投下資本を用意する商業資本に 登場してもらう。

商業資本 200の投下資本(商品仕入資金)によって流通機能を分担 800 200

投下総資本= +

利潤=200 ※商品価格=1000(not 1200) 平均利潤率=200/1000=20%

産業資本は投下資本に対して20%の平均利潤を獲得 商業資本への売渡価格=費用価格+平均利潤

800 800 20 960

= + × %=

商業資本も投下資本に対して20%の平均利潤を獲得

200 20 40

年利潤= × %=

1 8

∴ 回転あたり利潤=

仕入価格960の商品を5回転で流通

1 192

∴ 回転あたり仕入価格=

商業資本の販売価格=費用価格+平均利潤

=仕入価格+商業利潤 192 8 200

= + =

逆に192で仕入れ、200で販売するかぎり、平均利潤を獲得することができる。

○次に流通過程で使用価値的に損耗するため、期間終了後に補填されなければならない様々な経費(流 通費用=店舗等の維持費や商業労働者の賃金など)を含めて考察する。これらの流通費用は商品価格に 加算されるのではなく(上述 、利潤から控除される。)

上記の商業資本が1回転あたり流通費用として10(年50)を必要とする場合、

800 200 50 1050

投下総資本=産業資本 +商業資本( + )=

利潤=200−50=150 ※商品価格=1000(not 1050) 平均利潤率=150/1050=14.3%

産業資本は投下資本に対して14.3%の平均利潤を獲得

800 800 14.3 914 商業資本への売渡価格= + × %=

商業資本も投下資本に対して14.3%の平均利潤を獲得 250 14.3 36

年利潤= × %=

(3)

- 3 -

1 7.2

∴ 回転あたり利潤=

仕入価格914の商品を5回転で流通

1 182.8

∴ 回転あたり仕入価格=

商業資本の販売価格=仕入価格+流通費用+商業利潤 182.8 10 7.2 200

= + + =

、 、 、 。

逆に182.8で仕入れ 10の費用をかけ 200で販売するかぎり 平均利潤を獲得できる

・この修正された平均利潤率が、商業資本を媒介しない場合(産業資本自ら流通費用と流通期間 を費やして流通機能を担う場合)の利潤率と比して上昇するかぎりにおいて、商業資本の存在 意義を見出すことができる。

商業労働者の賃金 (3)

・その源泉は、商業資本が産業利潤から控除して獲得した流通費用の一部である。商業労働は新 たな価値を生産しないとしても、商業資本が商業利潤の分与に預かるための労働であり、商業 資本にとっては「生産的」な労働といえる。

※商業労働が価値を生み出すと理解することはできないのか?

いわゆるサービス産業・サービス労働(第三次産業)の理解について

→国民所得論(テキスト第8章)

※価値を生み出さないとしても、流通過程を延長された生産過程として理解すれば、流通費用 は産業資本のc+vと同様にその商品の費用価格に含めることはできるのではないか?

→そのように解釈する研究者もいる

3.独占段階における商業資本の位置づけ 産業資本の独占化(独占的産業資本の成立)

(1)

→自ら直接に商品市場に進出して流通機能を担当し、商業資本を排除する傾向

※但し、取引コストは軽減

→流通機能を自ら担うことに伴う流通時間や流通費用の増加

→独占価格のなかに追加し、個人消費者や中小生産者、中小商業へ負担を転嫁 商業資本の独占化(独占的商業資本の成立)

(2)

→流通機能の集中と集積によって、流通時間や流通費用の節減競争で優位に

→超過商業利潤の獲得

→さらに独占価格の設定により、個人消費者や中小生産者、中小商業へ負担を転嫁しながら独 占利潤を獲得

マーケティング (3)

・企業的マーケティング論における定義(一般的定義)

「個人および組織の目標を満足させる交換を創造するために、アイディア、商品およびサービスのコ ンセプト形成、価格設定、プロモーションおよび流通を計画し実行する過程 (」 AMA1985)

「企業が市場の可能性に応じて設定した営業目的を利潤を得て達成しうるための必要な諸手段のすべ ての研究と実行 (フランス、」 F.Roche)

・批判的マーケティング論における定義

「独占資本の市場獲得・支配のための諸活動の総称 (森下二次也)」

「独占的大資本が消費者大衆に製品の大量販売を強制し 独占価格によって最大限に収奪するために、 、 消費者中心主義の理念や消費者奉仕の原理をもって統一的に実践する大量販売の推進活動 (白髭武)」

「企業もしくは企業と類似の市場活動を行う組織によって遂行される体系的な対市場活動 「資本主義」 の独占段階において、生産と消費の矛盾を個別企業的に打開し、最大利潤の獲得のために、市場を開 拓/支配する手法として発展した 「かつての自由な市場経済はすでに巨大企業のマーケティングによ」 って破壊され、彼らの支配下におかれた、統制されつつある市場経済に代わっている (保田芳昭)」

(4)

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