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地域日本語教室の役割

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Academic year: 2025

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修士論文(要旨)

2014年1月

地域日本語教室の役割

―親子参加型教室の実践から―

指導 佐々木倫子 教授

言語教育研究科

日本語教育専攻 212J3015 髙栁なな枝

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目 次

第1章 はじめに

1.1 研究の背景 ··· 1 1.2 研究の目的 ··· 4

第2章 先行研究

2.1 地域日本語教育研究 ··· 6 2.2 実践研究 ··· 6

第3章 実践のフィールド

3.1 Cクラブ2000設立の背景と現状 ··· 9 3.2 Cクラブ2000の概要 ··· 14

第4章 調査概要と分析方法

4.1 調査概要 ··· 32 4.2 分析方法 ··· 36

第5章 調査結果と分析

5.1 スタッフインタビューの分析結果 ··· 38 5.2 保護者インタビューの分析結果 ··· 51

第6章 総合的考察

6.1 分析の参照枠に照らし合わせて ··· 61 6.2 「親子参加型教室」特有の役割 ··· 65 6.3 今後担うべき役割 ··· 67

第7章 まとめと今後の課題

7.1 本研究で明らかになったこと ··· 70 7.2 提案・提言 ··· 75 7.3 本研究の限界と今後の課題 ··· 77

謝辞

参考文献・参考URL

巻末資料1 2012年8月-2013年9月 活動内容一覧 ··· I 巻末資料2 活動の時間「振り返りシート」例 ··· V 巻末資料3 インタビュー同意書 ··· VII

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1 要旨

日本国内の在留外国人は定住化が進んできており,それにともない地域日本語教育の重要性が 指摘されている。しかし国内の日本語教育において,国は文化庁から大きな指針を打ち出してはい るが,地域の日本語教育は主としてボランティアが役割を担っている。そのため実施体制には地域 差があり,結果として,各自治体や地域の日本語教室には,試行錯誤を重ね教室を運営していくこ とが求められている。

地域日本語教育については多くの先行研究が行われてきたが,親子参加型の日本語教室研究,

および外国人散在地域における研究は多くない。各地域,各参加者に適合した教室活動を,それ ぞれの教室が独自に考えて進めている現状がある。ここから,地域での実践者による実践研究の積 み重ねが必要であることがわかる。

そこで本研究では,稿者がボランティアとして運営を担っている教室をフィールドとする。実践研 究を通じ,その教室の現状と課題,参加者のニーズを把握し,分析結果に基づき改善案を考える。

そして地域日本語教室の役割を考察し,今後,進むべき方向性を導き出すことを目的とする。

実践のフィールドとしたCクラブ2000は,外国人散在地域であるS市で月に2回活動を行って いる親子参加型の日本語教室である。現在,2003教室と2011教室の2か所で教室を開催してお り,2003教室には4家庭の親子が,2011教室には5家庭の親子または子どもが参加している。ス タッフは両教室とも同じメンバー7名(稿者含む)で行っており,午前に2011教室,午後に2003教 室で活動を行っている。それぞれの教室において活動時間は2時間で,前半1時間の個々人のニ ーズに応えた勉強を行う「勉強の時間」と,後半1時間の「活動の時間」の,2つのプログラムから構 成されている。「活動の時間」に参加者全員で工作や実験,ゲームや料理,文化紹介などを行うこと で,体験を通じ日本語を獲得・運用していくことを重視している。これに加え,参加者の母語・母文化 を大切にすること,参加者の社会参加を目指すことが活動指針となっている。

研究方法として,本研究ではフィールドの実態を明らかにするために,参与観察とインタビュー調 査を行った。参与観察では活動日ごとにフィールドノーツをとることとし,インタビューにはスタッフ 5 名,保護者6家庭7名の協力が得られた。フィールドノーツのデータはインタビュー調査の結果を質 的に分析する際に,補足的に使用することとした。分析においては,日本語教育学会(2008)の「地 域日本語教室に期待される 5 つの場としての機能」を分析の参照枠とし,稿者が実践の場とする教 室でどの程度,実現できているかを検証した。

参与観察から見えてきたことは,親子が一緒に参加し,日本語だけではなく母語・母文化 を大切にする活動や社会参加につながる活動を行うことで,保護者の活躍につながることが 第一に挙げられる。さらに,生き生きとしている保護者を子どもが見ることで,子どもの,

保護者に対する気持ちやルーツのある国の言語・文化に対する意識が変化し,自尊感情につ ながる点もある。それに加えて,親子の絆が深まることで,子どもが精神的に落ち着いて学 んでいける基本姿勢がつくられていることが推察された。

分析の参照枠とした「地域日本語教室に期待される機能」には,自分が自分として認めら れる場―居場所,よりよい生活を確保するために必要な情報が入手できる場,異文化理解の 場,問題解決の場,社会参加を実現していく場の5つが掲げられている。これらの場として の役割に加え,本研究からは,子どもや親子が通う地域日本語教室には,「親子の絆を深める 役割」,「地域社会とつなげる役割」が期待されていることが明らかになった。

地域日本語教育に関わる課題は日本語教育の分野だけにとどまらず,他分野にまたがって 存在する。地域日本語教室が日本語教育を行う場としてだけではなく,さまざまな取り組み

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2

を行い,行政や学校教育関係をはじめとする日本語教育以外の組織とも連携していくことが 不可欠となる。そのためにも,今後,より多くの地域日本語教室が課題や実践知を言語化し,

発信していくことが,地域・家庭・学校の連携や,外国人政策に大きく影響すると考えてい る。

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参考文献・参考URL

大谷泰照(代表)・杉谷眞佐子・脇田博文・橋内武・林桂子・三好康子(2010)『EUの言語 教育政策―日本の外国語教育への示唆―』くろしお出版

大山万容(2013)「国際理解教育としての小学校「外国語活動」と日本における「言語への 目覚め活動」導入の可能性」言語政策学会『言語政策』(9),pp.43-63.

木下康仁(2007)『ライブ講義M-GTA―実践的質的研究法 修正版グラウンデッド・セオリ ー・アプローチのすべて』弘文堂

木下康仁(2009)『質的研究と記述の厚み―M-GTA・事例・エスノグラフィー』弘文堂 公益社団法人 日本語教育学会(2013)『2013年度日本語教育学会実践研究フォーラム予稿

集』

佐々木倫子(2006)「パラダイムシフト再考」独立行政法人国立国語研究所『日本語教育の 新たな文脈―学習環境、接触場面、コミュニケーションの多様性―』アルク,pp.259-283.

社団法人日本語教育学会(2008)平成19年度文化庁日本語教育研究委嘱

「外国人に対する実践的な日本語教育の研究開発」

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/seikatsusya/nihongo_kyoikugakka i/pdf/hokoku.pdf (2013.06.15)

ショーン,ドナルド・A(著)柳沢昌一・三輪健二(訳)(2007)『省察的実践とは何か―プ ロフェッショナルの行為と思考』鳳書房

中島和子(1998)『バイリンガル教育の方法―12歳までに親と教師ができること―』アルク 中島和子(編著)(2010)『マルチリンガル教育への招待―言語資源としての外国人・日本人

年少者』ひつじ書房

長沼豊(2012)「現下の教育課題とシティズンシップ教育」長沼豊・大久保正弘(編著)ク リック・バーナード他(著)鈴木崇弘・由井一成(訳)『社会を変える教育Citizenship Education―英国のシティズンシップ教育とクリック・レポートから-』第一編,キー

ステージ21,pp.5-17.

日本語教育政策マスタープラン研究会(2010)『日本語教育でつくる社会―私たちの見取り 図』ココ出版

フレイレ・パウロ(著)小沢有作・楠原彰・柿沼秀雄・伊藤周(訳)(1979)『被抑圧者の教 育学』亜紀書房

文化庁 文化部国語課(2012)「平成24年度国内の日本語教育の概要」

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/jittaichousa/h24/pdf/h24_zenbun.pdf

(2013.06.14)

箕浦康子(1999)『フィールドワークの技法と実際』ミネルヴァ書房

義永美央子(2009)「第二言語習得研究における社会的視点―認知的視点との比較と今後の 展望―」『社会言語科学』12(1),pp.15-31.

文化庁 http://www.bunka.go.jp/ (2013.06.02)

法務省「統計に関するプレスリリース」

http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri01_00013.html

(2013.06.15)

文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入れ状況等に関する調査」

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/04/1332660.htm (2013.09.03)

Referensi

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