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学習者に求められる「ちょっと」における受容と産出

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Academic year: 2023

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修士論文(要旨) 2015年1月

学習者に求められる「ちょっと」における受容と産出

指導 堀口純子 教授

言語教育研究科 日本語教育専攻

213J3006 清時光史

(2)

Master’s Thesis(Abstract) January 2015

Reception and Production Required for Learners Using the Term “Chotto” in Japanese

Akimi Kiyotoki 213J3006

Master’s Program in Japanese Language Education Graduate School of Language Education

J.F. Oberlin University

Thesis Supervisor: Sumiko Horiguchi

(3)

目 次

第1章 はじめに ……….….1

1.1 研究動機,研究背景……….………..1

1.2 研究目的 ………..………..2

第2章 先行研究 ………..2

2.1 語彙の「受容」と「産出」………..2

2.2 「ちょっと」に関する研究 ………3

2.3 学習者の発言に対する母語話者の受け止め方 ………...5

2.4 用語の定義 ………6

第3章 実際使用例の分類と分析 ……….8

3.1 分析の枠組み ………8

3.2 「ちょっと」の使用例の抽出 ……….10

3.3 分類と分析 ………..12

3.3.1 分類結果 ………..12

3.3.2 「ちょっと」の後続成分と表出している機能 ……….14

3.3.3 「ちょっと」の言い換えと省略 ……….16

3.4 本章のまとめ ………..18

第4章 アンケートによる調査 ………18

4.1 質問紙調査の有効性 ……….18

4.2 調査概要 ………..19

4.3 実際の使用例からの設問 ……….19

4.3.1 依頼希求 ………..21

4.3.2 話者の評価が聞き手に直接関係するか ……….22

4.3.3 「強い口調に聞こえる」のか ……….23

4.4 オリジナルの設問 ……….. 23

4.4.1 話者の適応力 ………24

4.4.2 話者の行為 ………..28

4.4.3 話者の判断 ………..30

4.4.4 話者の評価 ………..31

4.4.5 依頼希求 ………..33

4.4.6 勧誘 ………..34

第5章 考察 ………35

5.1 受容が求められる「ちょっと」 ………..35

5.2 産出が求められる「ちょっと」 ………..35

5.2.1 「ちょっと」の使用が好ましくない場合 ……….35

5.2.2 「ちょっと」の使用が好ましい場合 ……….36

5.3 日本語教育における導入への視点 ……….37

第6章 今後の課題 ………37 参考文献

(4)

1 要旨

日本語において,「ちょっと」は,日常の多様な場面で使用され,よく耳にする言葉の 一つである。ところが,その多くが,原義の「少し」や「少量」と解釈すると必ずしも成 立しない用法と見られる。「ちょっとそこまで」「これちょっとよくない?」「明日はちょっ と」など,これらに見られる「ちょっと」は聞き手とのコミュニケーションを考慮して用 いられ,「小程度」という意図で使用されていない場合がある。

母語話者においては,これらが無意識的に使用されており,日本語教育においても教科 書の中に出て来ても,その説明が十分に記載されていることが少ない。しかし,日本語学 習者は,生の日本語に触れることで,教室で習ったものではなくとも,よく聞く言葉であ ることから,見よう見まねで,使用に踏み切ることがしばしばあるようだ。実際に,「「ち ょっと」の意味を取り違えて苦労した」や「日本語らしさを求めて使ってみるようになっ た」という体験談もきく。

彭(1990)は,これらを本来の意味である,物理的に数量や程度が少ない様と区別し,「場 面的添加」という用語を定義した。さらに,話し手の心理によって,①話者の適応力②話 者の行為③話者の判断④話者の評価⑤勧誘⑥依頼希求⑦注意喚起という7つの機能に分類 した。体験談にもあるように,「場面的添加」の「ちょっと」は,この多義性から,学習者 と母語話者の間にミスコミュニケーションを生みやすい語である。しかし,日常で耳にす る頻度を考えると,学習者にとって「ちょっと」は早い段階から触れておく方が良い語と 考えられるだろう。では,学習者は,「場面的添加」の「ちょっと」の用法を全て使えるよ うにならなければならないのだろうか。また,日本語教育において,すべての用法を導入 し,使用を促すべきなのだろうか。

そこで,本稿では,「ちょっと」という言葉を学習者が運用する際,「わからなければな らない「ちょっと」」と「使用が好ましい「ちょっと」」は何かという,受容と産出に注目 し,母語話者の使用状況と使用意識からそれらを明らかにする。まず,『名大会話コーパス』

とテレビ番組から母語話者の実際の使用例を抽出し,分類・分析を通して,使用状況を観 察した。次に,20歳以上の母語話者を対象に,「ちょっと」を使用した文,「ちょっと」を 省略した文,「ちょっと」の代替表現を使用した文を用意し,それぞれについて,どのよう な印象を受けるかというアンケート調査を行った。

その結果,受容が求められる「ちょっと」は,以下の3つの使用形式があげられる。①

「ちょっと」以下に続くマイナスの評価や事柄が省略された場合,②「ちょっと」を少量 であると捉えると発話者の意図が変わる場合,③「ちょっと」自体が呼びかけ,非難など の言語行動に直結している場合である。また,使用が好ましいと見られたのは,受容面に おいても②にあげられた「ちょっとむずかしい」という場合である。明確となったのは,

「かなり難しい」では,強い口調に聞こえ,上から目線に感じさせる傾向にあるというこ とである。それを回避し,聞き手とのコミュニケーションを保つには,「ちょっと」の挿入 が必要となってくる。また,勧誘の場面において,「気軽さ」や「唐突感の回避」には「ち ょっと」の使用が好まれる。

さらに,本稿では,調査を通して,はっきりと言うことを良いとする傾向が母語話者に 見られたことにより,「ちょっと」の使用が好ましくない場合が明確となった。まず,「ち ょっと」で言い淀み,「ちょっと」に後続する部分を省略する形式は好まれない場面が多い。

(5)

また,相手をほめる,自慢にあたる行為を話すという2つの場面もあげられる。このよう な場合は,はっきりということが好まれ,特に自慢にあたる行為においては,明らかに「少 量」や「気軽さ」から離れたものへの「ちょっと」の使用が逆効果を生むことがある。た だし,この「ちょっと」の捉え方には世代差が見られるため,主に聞き手が 60 代以上の 場合は「ちょっと」の使用が好まれる場合がある。

日本語教育への導入を考える際,受容と産出の両方で求められる「ちょっと」は,取り 上げるポイントとして重視される必要があるだろう。「ちょっと」は一見,簡単で便利そう でありながら,使うタイミングを間違えると誤解を生じる可能性が高いため,「ちょっと」

の多義性を全て導入すると学習者には難しくて面倒な語と思われるかもしれない。そこで,

本稿で注目したように,「ちょっと」の項目を「受容」と「産出」に分け,学習者が「ちょ っと」という語の学習において,どこに重点を置けばよいか提示するのは有効な方法とな るだろう。

(6)

参考文献

王立熊雄 (2014),「中国の日本語教科書における「断り」について」,桜美林大学言語教育 研究科修士論文

岡本佐智子・斎藤シゲミ (2004),「日本語副詞「ちょっと」における多義性と機能」,『北 海道文教大学論集』(5),北海道文教大学,pp.65-76

小池真理 (1998),「学習者の会話能力に対する評価に見られる日本語教師と一般日本人の ずれ:初級学習者の到達度試験のロールプレイに対する評価」,『北海道大学留 学生センター紀要』(2),北海道大学,pp.138-156

小池真理 (2000),「日本語母語話者が失礼だと感じるのは学習者のどんな発言か:「依頼」

の場面における母語話者の発話と比較して」,『北海道大学留学生センター紀要』

(4),北海道大学,pp.55-58

田中祐治 (1994),「「語を知っている」ということについて-受容語彙・発表語彙に関する 研究をもとに-」,『中国地区英語教育学会研究紀要』(23),中国地区英語教育学 会,pp.229-235

中田一志・有田節子 (2005),「発達段階における対人的表現「ちょっと」についての覚え 書き」,『大阪樟蔭女子大学日本語研究センター報告』(14),大阪樟蔭女子大学 日本語研究センター,pp.17-33

中田一志・有田節子 (2006),「社会的領域における会話の参加者の負担軽減について-「ち ょっと」の分析を通して-」,『大阪樟蔭女子大学日本語研究センター報告』(13), 大阪樟蔭女子大学日本語研究センター,pp.17-33

彭飛 (1990),『外国人を悩ませる 日本人の言語習慣に関する研究』,和泉書院

彭飛 (2004),『日本語の「配慮表現」に関する研究-中国語との比較研究における諸問題

-』,和泉書院

彭飛 (2006),『日本人と中国人とのコミュニケーション「ちょっと」はちょっと… ポンフ ェイ博士の日本語の不思議』,和泉書院,pp.18-54

マスデン眞理子 (2010),「外国人の失礼な日本語表現について:待遇表現の間違いと見え にくい用例」,『熊本大学国際化推進センター紀要』(1),熊本大学,pp.59-76 マスデン眞理子 (2011),「日本人大学生が失礼だと感じる留学生の誘い・断りの表現に関

する予備調査」,『熊本大学国際化推進センター紀要』(2),熊本大学,pp.51-73 蒙韞 (2010),「日中断りにおけるポライトネス・ストラテジーの一考察:日本人会社員と 中国人会社員の比較を通して」,『異文化コミュニケーション研究』(22),神田 外語グループ,pp.1-28

資料

名大会話コーパス https://dbms.ninjal.ac.jp/nuc/index.php?mode=viewnuc (2014年7月 5日最終検索)

サワコの朝,2014.2/1,2/8,2/15,2/22,3/1,3/22,3/29,4/5,4/26,5/17放送,TBS テラスハウス,2014.2/17,3/17,4/21,5/19放送,フジテレビ

ボクらの時代,2014.3/16,3/30,4/13,5/4,5/18放送,フジテレビ ライオンのごきげんよう,2014.3/31放送,フジテレビ

Referensi

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