岡山理科大学紀要第47号App27-32(2011)
柔軟空気圧アクチュエータを用いた探索型レスキューロボットの試作
川崎貴博。赤木徹也*・堂田周治郎*・王琳
*岡山理科大学大学院工学研究系|・知能機械工学専攻
*岡山理科大学工学部知能機械工学科
(2011年9月29日受付、2011年11月7日受理)
ステージから構成される.また,チューブと内部の鋼 球の間には,潤滑のためシリコーングリスを塗布して いる.
1.緒言
近年,地震や地球温暖化に伴う異常気象などの影響 で水害を伴う自然災害が多発している.最近では,2008 年の岩手。宮城内陸地震や2009年の中国。九州北部豪 雨災害,2Cl1年の東日本大震災などが記憶に新しい.
これらの事例では,大規模な崩落や土砂崩れ,土石流,
また大雨による都市型水害などが報告されている.特 に,土石流などでは民家に大量の土砂が侵入し,生き 埋めになるといったケースも珍しくない!)'2).こうい った水分を含む環境下での要救助者や遺体の探索では,
感電による2次災害の危険から空気圧アクチュエータ を用いたロボットを使用するのも有効な手段の1つで ある.また,被災地など不整地での移動では,ロボッ トが落下や横転など大きな衝撃を受ける場面が多い.
そのため,ロボット本体の構造を頑健にする場合が多 いが,重量が大きくなり機動性が劣ってしまう.そこ でロボットとして軽量で柔軟な構造を有するものを開 発するのも,1つの有効な手段と考える.そこで本研究 では,衝撃に強い柔軟な構造を有し,さらに水分や土 砂を含む環境下で使用する探索型レスキューロボット 3M)の開発を目指す.つまり,感電の危険性が少なく 軽量で柔軟な空気圧アクチュエータを用いた探索型の
レスキューロボットの開発を検討する.
2-2柔軟空気圧シリンダの動作原理
柔軟空気圧シリンダの動作原理は以下の通りである.
まず,図1の片側の圧力室を加圧すると,真楡製ロー ラに力が伝わり,ステージが動く.ここで,シリンダ 内のシールは,チューブ自身がパッキンの役割を果た すことで行う.また,内部の鋼球は,シリンダチュー ブが湾曲しても直線動作と同様にステージに動力を伝 えることができる.また,シリンダの動作として図2 に湾曲したチューブ上でのスライドステージの動作と,
スライドステージを保持した状態での動作の様子を示 す.図2に示すように,曲がったシリンダ上でもスラ イドステージはスムーズに移動できているのが分かる また,ステージを固定することで,押出し動作も可能 であるこのシリンダの最低駆動圧力はl20kPaである.
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2.ロッドレス型柔軟空気圧シリンダ 2-1柔軟空気圧シリンダの構造
柔軟性を有したロボットを開発する上で必要となる 柔軟な空気圧アクチュエータとして,図1に以前開発 したロッドレス型柔軟空気圧シリンダ5)の構造を示す.
シリンダは,柔軟チューブ(㈱SMCTUS1208)と,直径9m の2個の鋼球,2個の鋼球の間のチューブを外側より直 径4mmの真鐡製ローラにより締付けを行ったスライド
Fig2Movementofrodlessb/peflexible pneumaticcylinder
3.柔軟空気圧シリンダ用いたレスキューロボット 3-1ロボットの構造と動作原理
図3に柔軟空気圧シリンダを用いたスライド型推進
日
FiglRodlessb/peflexiblepneumaticcylinder
28 川lllif貴博・赤木徹也・堂田周治郎・王琳
機構を有するレスキニーロボットを示す,ロボットは ストローク550mmの3本のロッドレス型柔軟空気圧シリ
ンダ,配管用の1本の柔軟チューブ(㈱SMCTUS1208),
推進を行うための開閉爪付スライドステージ,湾曲時 のずれを防ぐためのガイド,空気圧シリンダを駆動す るための8つのON/OFF弁とマイクロコンピュータ((株)
ルネサステクノロジH8/3664)から構成される.柔軟 空気圧シリンダは,そのステージの中心から半径12m で中心軸から90deg・の位置に並列に3本配置し,同じ
く90.e9.の位置に配管用のチューブを配置している.ロボットのサイズは長さ1120mm,直径70mmであり,質
量は1.08kgと軽量であるリンダのチューブ端を図2の押し出し動作のように伸 ばすことで,固定端側を左方向に引き寄せ,推進する というものであるこの推進方法では3本のシリンダ
の圧力室に同時に加圧している.3-3.ロボットの動作実験
ロボットの動作実験として,図5に湾曲動作(図5①
~③参照)と上方推進動作(図5④~⑥参照)の様子を 示す.図5①~③に示す実験では,前述の推進動作の 場合と違い,3本のシリンダ圧力室を同時に加圧するの ではなく,1本のシリンダの圧力室を加圧した状態でそ の他2本のシリンダの逆側の圧力室を加圧する.これに より,スライドステージを挟んで,それぞれ反対方向 に力が加わり,湾曲角90度以上の滑らかな湾曲が実現 できた.また,スライドステージを手で保持して3本の シリンダの片側のみ加圧(350~400kPa)した上昇実験 でも約220mm/sの速度でチューブが推進できることを 確認した.また,図5にも示す様に,ロボットは柔軟 空気圧シリンダでできており,さらに,曲がってもス ライド動作が可能であるため,ロボットに衝蝶が加わ
ってもロボット自身が変形して,力を逃がすことがで きる.… ̄vn-へp ̄芹一一一公 ̄千一宇只好一v-q~…・弔一,,--面 ̄臣\八勺一一やR-,千N
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3-2ロボットの推進原理
ロボットの推進原理を,図4に示す.このロボット は狭陸な空間内の移動を考えたものである.
図4に示すように固定端側つまり,図4の右側の開閉 爪を開いて(図4②参照)土砂に対して引っかかりをつ くった状態で,柔軟空気圧シリンダの右側の圧力室を 加圧し,スライドステージについた開閉爪をシリンダ 端部まで押し出す(図4③参照).次に押し出したスラ イド側の開閉爪を開き,引っかかりをつくり(図4④参
照),固定端側の開閉爪を閉じ(図4⑤参照),その後
柔軟空気圧シリンダ左側の圧力室を加圧し,空気圧シ:… i蕊ii議霧;1
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1-Fig5Motionofthetestedrobot 4.長変位型ゴム人エ筋
4-1長変位型ゴム人工筋の構造
前述の柔軟空気圧シリンダはシリンダ1本当たりの 発生力が約15Nと比較的小さい.これは1kg程度の軽量 なロボットの推進用のアクチュエータとしては有効で
あるが,5kg以上のロボットに対しては力不足である.そこで,さらに大きな力を生じる柔軟な空気圧アクチ
ュエータとして,以前に開発した「長変付麺空気圧ゴム人工筋」6)を図6に示す.試作アクチュエータの構 造は,網目状繊維をゴムでコーティングした市販のゴ ム人工筋(㈱FESTOMXAM-lO,初期内径10m)と内径部
に①5mmの鋼球を周方向に配置した転がり接触型スラ イドステージから構成される.ゴム人工筋はチューブ内部にあるの14mmの鋼球を鋼球のついたステージ部で 周方向から押さえ付けることで,2つの圧力室を構成し
ている.さらにステージ部のの5mmの鋼球が回転しなが らチューブを周方向から均等に締め付けることによっ て,ステージ部での摺動摩擦を減らすことが可能であ る.このアクチュエータは500kPaの印加圧力でもシー ルを保ち,さらに最低駆動圧力も64kPaと比較的小さい③
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Fig40peratingprincipleofthetcstedrobot
柔軟空気圧アクチュエータを用いた探索型レスキューロポットの試作
295.長変位型ゴム人エ筋を用いたレスキューロボット
5-1ロボットの構造
図8に長変位ゴム人工筋を用いたロボットの全体図 を示す.ロボットは,空気圧モータを推進の駆動源と し,空気圧シリンダを用いた周方向開閉機構を有する 移動ユニット,4本の長変位型ゴム人工筋とスライドス テージから構成される方向転換ユニット,ゴム人工筋 を駆動するためのON/OFF弁や制御用のマイクロコンピ ュータ(㈱ルネサステクノロジーH8/3664)が内封さ れた弁制御ユニットから構成される.ロボット全体の サイズは長さ550mm,外径は周方向開閉機構が閉じた状 態で2901,,,開いた状態では490mであり,質量は約6kg である.全てのアクチュエータの駆動に空気圧を用い ることで,水などを含む悪環境で感電の心配がなく使 用できる.また,前述の長変位ゴム人工筋を方向転換 ユニットに用いることで,ロボットの長軸方向に曲げ モーメントが加わっても,方向転換ユニットの柔軟性
により,モーメントを吸収することが可能である.
特性を有する
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Fig6ConstructionofMckibbenactuator withlongstrokemotion 4-2長変位型ゴム人工筋の動作原理
図7にアクチュエータの動作原理の概略図を示す.
ここでスライドステージを挟んで左側をA側,右側をB 側と呼ぶ.動作原理はまず,図7の①のステージ部を 固定した状態からA(自由端)側のチューブに印加する (図7の②参照)ことで,ステージ部に小さな引張り力 が生じ,対象物に接続されたB側のチューブがA側に引 込まれる.このチューブが引っ張られた状態で,さら にB側を加圧する(図7③参照)と,B側はゴム人工筋と して作用し大きな発生力を生じ,対象物を動かす.ま
た,B側を排気することで,チューブにたわみが生じ(④参照),A側に常に生じている引張り力によりB側のチュ ーブが引込まれ,長さが短くなる.同様に図7⑤から 図7⑥のようにB側のチューブへの給排気を繰り返す ことで,ストロークを可変しながら重量物の長変位引 込み動作が可能になる上述の動作での発生力は150N 以上と非常に大きく,片側の圧力室に加圧した場合で
も約20Nの押出し力が得られる.
Valvecontrol
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Fig8Rescuerobotdrivenbypneumaticactuators 5-2空気圧モータを用いた移動ユニット
図9に移動ユニットの構成を示す.移動ユニットは ラジアルピストン型空気圧モータ(㈱TAIYOTAM4-10)
と空気圧シリンダ(㈱KOGANEIPBSA10×30-71ギア部
とまたそれらを固定するフレームから構成される.動力伝達の流れは図9(a)に示すように,ロボットの中心 に設置した空気圧モータの回転動力を,モータ軸に取 り付けたウォームに伝え,放射状に配置された3つのウ ォームホイールに伝える.次に,それぞれ平歯車,ス プロケット,ラダーチェーンを介して3個の開閉ユニッ トに設置された計12個の球状タイヤを動かす.以上の ように,1つの空気圧モータの動力を,ロボットの中心 からl20deg・に放射状に配置された開閉ユニットの球 状タイヤに伝えることによりロボットが転倒した状態
でも走行が可能となるまた球》伏タイヤは状況により フィン(羽根)のついたタイヤにも変更可能である.また,3つの開閉ユニットは空気圧シリンダを使って 放射状に開閉する能力を有する.これは,ユニット内 部にある一端を軸部に,もう一端を本体との接続部に
Fig70peratingprincipleofMckibbenactuatorwithlongstrokemotion
30
111111高貴薑博・赤木徹也・堂田周治郎・王琳
固定することでユニット自体を可動できる.また前述
のようにユニットにはラダーチェーンが2つ並列に配
置され,このユニットが開いた状態でも,モータの回転力を球状タイヤに伝えることができる.この機能は,
ロボットがスタックした状況から回復するためや駆動 ユニット自体でロボットを保持するため,また,ロボ
ットの姿勢を変えるなど走行能力を向上させるための ものであるが,同時に走行時にロボット軸中心に向か って加わる力に対してダンパの役割を果たす.図10に 開閉ユニットの開閉状態の様子を示す.図10に示すよ うに,この開閉ユニットの最大可変角度は水平から
6ode9.である.
5-3長変位ゴム人工筋を用いた方向転換ユニット 図11に長変位ゴム人工筋を用いた方向転換ユーット
の概観を示す.ユニットは中心から半径96mmに並列に
配置された4本の長変位ゴム人工筋の一端を固定端と し,中央のスライドステージにステージ部に垂直に6個の補助輪を有し,ロボットの方向転換を補助するた
めのものである.またこの補助輪はフィンにも変更可能である.方向転換の動作原理は,曲げたい方向にあ
る人工筋の固定端側を加圧し,その対称の位置にある 人工筋の自由端側を加圧することにより,スムーズに補助輪のついたスライドステージが傾くことができ,
推進の際の方向を変えることができる.
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Figl2Robotcontrolsystemuslngserialcommunication
6.走行制御システム6-1操作制御システムの構成
図12に有線による操作制御システムの構成を示す.
システムは空気圧モータと3本の空気圧シリンダ,4本 の長変位ゴム人工筋,13個のON/OFF弁(㈱KOGANEI GO10HE-1)とマイクロコンピュータ(H8/3664入トラン ジスタを用いた制御回路から構成されるこれらの装 置は防水のできる弁コントロールユニット内に内封さ れている.制御の流れは,まずパソコンより入力され るコードがシリアルケーブル(RS-232C)を通じてマイ
】
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FiglOOperationofthemovingwingofthemobileunit
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柔軟空気圧アクチュエータを用いた探索型レスキューロポットの試作 31
シリンダの開発とその応用,日本機械学会論文集
(C編),VOL73,No.731,pp2108-2114(2007)
6)赤木徹也・堂田周治郎:ロングストローク動作 可能なマッキベン型アクチュエータの開発,
日本機械学会論文集(C編),VoL73,No.735,
pp2996-3002(2007)
7)KengoHarihara,TetsuyaAkagi,ShUjiroDohtaand FcngZhang:DevelopmentofaSearchTypeRescue RobotDrivenbyPneumaticAcmatoEProceedings ofSICEAnnualConfbrcncc2010,ppl311-l317(2010)
コンヘ送信される.マイコン内ではそのコメントを内 部のシリアル通信ポートを介して受信し,受信コード に対応するプログラムを実行し,I/Oポートを介して ON/OFF弁の操作を可能にする.また実験ではコードの 受信確認のために,マイコンからコードに対応した動 作をメッセージとしてパソコン側へ送信している.
6-2走行実験
図13に動作確認のため有線による操作システムを 用いて,平坦な床上で行った走行実験風景を示す.ロ ボットは前進,後退や左右旋回が可能であり,また空 気圧シリンダを用いた開閉ユニットにより,ユニット が開いた状態でもスプロケット介して球状のタイヤに 動力を伝達できることを確認している
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Figl3Motionofthetestedrobot
7.結言
本研究では,衝撃に対する耐性のため柔軟性を有し,
さらに水分を含む環境下でも使用できるレスキューロ ボットとして狭陸空間を柔軟に移動するため柔軟空気 圧シリンダを用いたロボットと空気圧モータと長変位 型空気圧ゴム人工筋を用いた探索型レスキューロボッ トを提案し,試作した.また,マイコンを用いて,PC からの文字コードによる操作システムやPS2用ジョイ スティックによる操作システムを提案,試作し,ロボ
ットの動作を確認した.
今後の課題として,試作したロボットや推進機構を 用いて実環境下での走行実験を行う予定である.
参考文献
1)山口県ホームページ,防災危機管理課,
災害記録~平成21年7月21日豪雨災害~
http://www・prefyamaguchi,19.jp/cms/alO900/bousai/
20090721saigaihtml
2)岩手・宮城内陸地震-社団法人共同通信者ニュース 特集-,不明者捜索難航、長期化も作業を阻む 大量の土砂
http://www,kyodonews・叩/feature/iwate-miyagi-eartb quake/2008/06/post-5ahtml
3)田所諭:ロボティクスと関連技術による災害対応,
日本機械学会誌,Vol、112,No.1091,pp35-36(2009)
4)田中良典。新井雅之・津久井慎吾・広瀬茂男:瓦 礫内推進連結クローラ走行車「蒼龍V号機」の開発,シス テムインテグレーション部門講演会講演論文集,
pp319-320(2005)
5)赤木徹也・堂田周治郎:ロッドレス型柔軟空気圧
32
川111奇貴博・赤木徹也・堂田周治郎・王琳
Development ofSearchTypeRescueRobotUsingF1exible
PneumaticActuator
TakahiroKawasaki瀦,TetsuyaAkagr*,ShujiroDohta瀧瀦andLinWang群
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論のeparkmentofmZaZliganrJ1iヲchambaJEh“eeringFhczzZry'clfEhzg㎡neermg
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(ReceivedSeptember29,2011;acceptedNovember7,2011)
Recently,thenaturaldisastersthatleadtothefloodbytheearthquakeandtheglobalwarmingdueto
carbondioxidearehappenedfrequently・Specifically,in2011,EastJapanGreatEarthquakecausedthe seriousflooddamagebyTmnami・Thesenewscanbeheardallovertheworld、Insuchasituation,the
rescuerobotsarerequiredthehighermobilityforthehazardousenvironmentsuchasunevennarrowspaceorwetmud・Inordertogetthehighermobilityinsuchtheenvironment,wethinkthatthevariable structurethatcanchangetheshapeoftherobotaccordingtothenarrowareaisoneofsolutionsforthis
problem・Inaddition,afluidicactuatorsuchaspneumaticactuatorisalsousefuLbecauseitiseasyto
makewaterproofAsamethodofdeformingtheshapeoftherobot,thecombinationoftheactuators
withhighstiffnessiscommonlyusedInideal,itismoredesirablethattheshapeoftherobotchanges naturallybecauseofthelowerenergyconsumption,Inthisstudy,weaimtodevelopthesearchtype
rescuerobotwithflexiblestructureusingflexiblepneurnaticactuators・Inthispaper,twotypesofrobot
wereproposedandtested・First,wedeveloptheflexiblernobilemechanismforarescuerobot、The
proposedslidingmechanismconsistsofthreeflexiblecylindersthataresetonparallelandtwo expandingclawunitstoholditinnarrowspacebytheuseofclaws・Eachendofthecylinderis
connectedeachother・ThreeslidestagesareconnectedwiththeclawunitTheotherclawunitisseton
theoneendofthecylinder・Asaresult,wecanconfirmthattheslidingmechanismcanbendby changingthepressurizedchamberinthecylinder、Themechanismcanalsotravelinthenarrowspace
smoothlybyslidingtheclawunitwiththeslidestageasaninchworm・
Inaddition,arescuerobotusingapneumaticrnotorandthelongstroketypeartificialrubber
muscleswasproposedandtested・Therobotiscomposedofthreeunits,Oneis“amobileunit',that makestherobotmoveforwardorbackward、Themiddleoneis6`avalvecontrolunit”thatconsistsofthirteenon/offcontrolvalvesandamicro-computer・Theseelementsaresurroundedbyanacrylic
cylindricalchamberconnectedtoanexhaustpipethatincludesanairsupplypipeandelectricalcables init、ThechamberisisolatedfjromtheouterenvironmenttomakethemwaterproofTheotheris“a
steeringunit,,thatcanchangetheforwarddirectionusingtheMcKibbenartificialmusclewithalongstrokemotionTherobotalsohastheopeningandclosingmechanismTheprmcipleofoperationand theperformanceofthetestedrobotsarealsodescribedinthepaper・Asaresult,thetestedrobotcould beoperatedwelLWecanconfirmthepossibilityandthevalidityofthetestedrobotforapplyinginthe
wetcondition.
Keywords:rescuerobot;flexiblestructure;flexiblepneumaticcyhnder;fneumaticmotor;
McKibbenaTtifiGtFBlmuscle.