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廃プラスチック処理に関する基礎調査(焼却処理施設の余剰能力)

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廃プラスチック処理に関する基礎調査(焼却処理施設の余剰能力)

資源・廃棄物研究室 15t7-001 庄子泰葉 指導教員 宮脇健太郎 1. 研究の背景と目的

現在、消費されたプラスチックについてマテリ アルリサイクル、ケミカルリサイクル、燃料など としての利用が進められている。しかし回収され たプラスチックのうち汚れが付着していたり、混 合物が多いプラスチックはリサイクルすること が困難である。それらの廃プラスチックはこれま で中国などの国外に年間約 150 万トン輸出されて いたが、流れ込む廃棄物の量が大幅に拡大したこ とにより 2018 年から中国の廃プラスチック輸出 が禁止され国内では一部のプラスチックのリサ イクルと処理が滞るようになっている(図 1)。日 本では中国の輸入禁止措置を受けて、国内資源循 環体制の整備を後押しする制度を創設した。地球 温暖化対策計画及び第 4 次循環型社会形成促進基 本計画において環境に優しいバイオプラスチッ ク類の普及を挙げている。マイクロプラスチック や漂着ごみ等の海洋プラスチック問題も世界的 な問題となっており、生態系を含めた海洋環境へ の影響や船舶航行への障害、観光・漁業等への影 響が想定されている。

図 1 国内の廃プラスチック輸出量 企業等から排出されるプラスチックは産業廃 棄物として分類されており、リサイクルできない プラスチックについては産業廃棄物処理業者に より熱回収を伴う焼却を行うことになるが、全国 の産業廃棄物処理業者の処理能力以上のプラス

チックが発生している状況にあり大きな問題と なっている。ところが自治体のもつ一般廃棄物を 焼却する施設については全国的に処理能力が余 っている可能性がある。

ここでは都道府県や市町村など地域別の焼却 処理能力の余剰分を明らかにし、産廃プラスチッ クの一般廃棄物施設での処理の可能性を把握す ることを目的として全国の焼却施設の実態を環 境省データベースより調査し整理した。

2. 研究方法

本研究では環境省データベース1)から、国内に 設置している焼却施設の整備状況を確認し焼却

(溶融)施設全体の年間処理能力をまとめ、施設 別の余剰能力を表した。(余剰能力=処理能力-

処理量)その後都道府県別、地方公共団体別に集 計し焼却(溶融)施設の設置年や発電能力の有無 など各項目と余剰能力との関係を整理した。

3. 調査結果と考察

国内にある 1154 の焼却(溶融)施設を都道府 県と地方公共団体別にまとめたもののうち、特に 余剰能力が高かった自治体を表 1 に表した。記載 している都市の他、政令指定都市である京都市、

仙台市、福岡市などの経済的に余裕のある地域ほ ど処理能力が余っている傾向があると言えた。

表 1 余剰能力が特に高い都道府県と地方公共団体

次に焼却(溶融)施設の 2010 年から 2019 年の 10 年間に使用開始された新しい設備と 1966 年か ら 1975 年の 10 年間に使用開始された古い設備と の比較をした結果を表 2 に表した。施設数の違い にもよるが、最近活動し始めた施設の方が余剰能 力が余っていることが分かる。古い焼却施設は老

東京 1,658,274

大坂 1,526,718

神奈川 1,332,137

兵庫 1,175,638

埼玉 1,011,932

余剰能力(t/年)

都道府県

横浜市 613,064

神戸市 431,825

名古屋市 342,669

1,076,774

293,011 地方公共団体名 余剰能力(t/年)

東京二十三区清 掃一部事務組合

大阪市・八尾市・

松原市環境施設

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朽化や性能のいいものとなるように施設の更新 ないし延命措置が必要な段階を迎えると推定さ れる2)が、新しい焼却施設数が年々増加している ことと処理能力も増加の傾向がみられることか ら今後も処理能力の増加の兆しが見えた。

表 2 年代と余剰能力の関係

併せて焼却(溶融)施設の処理方式の割合も調 査した。図 2 からストーカ式の割合が高いことが 分かる。環境負荷の低減やプラスチックを焼却す ると発生すると問題視されていたダイオキシン 類の発生抑制の重視度から最近の処理方式は環 境に易しいものが多い。最新の処理方式はどれも 環境保全、安全性に優れている。しかしストーカ 式は他方式と比べて処理に多量の電力や化石燃 料を使用しないさらに優れた機能を持っている3)。 環境に配慮する結果ストーカ式が多いのだと考 えた。

図 2 焼却処理方式と余剰能力の関係 発電能力と余剰能力の関係を調査し、結果の大 きい値上位を表 3 に示した。焼却(溶融)施設に は発電機能がついているものがある。発電機能が 備わっており、かつ処理能力が余っている施設が あればエネルギー回収しながら有効的に廃棄物 処理できると考えた。発電能力が高いのは東京、

神奈川、大阪、北海道、愛知などの主要都市であ

り表 1 で示した余剰能力が高い地域とほぼ重なる ことが判明した。

表 3 発電能力と余剰能力の関係

現在、行政サービスとして市町村の裁量で産業 廃棄物と一般廃棄物と一緒に市町村の清掃工場 で焼却などの処分ができる「合わせ産業廃棄物処 理」というものが存在する。だが市町村の裁量で 限定されるので産業廃棄物なら何でも処理して もらえるわけではないため注意が必要である。そ の様な処理法を利用すればプラスチックを含め た行き場のない産業廃棄物を処理できる可能性 が広がるだろう。

4. まとめ

発展している地域ほど焼却余剰能力が高く発 電能力も高い傾向がある。新しい施設ほど余剰能 力が高い。また環境に配慮した機能を持っている。

合わせ産業廃棄物処理のサービスがあることか ら既存の廃棄物処理施設の能力に余剰が発生す るとき、都道府県及び民間事業者とも連携し余剰 能力を有効活用するなど地域全体で効率化を図 っていくことが重要視される。

5. 参考文献

1)環境省 廃棄物処理技術情報

http://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ipp an/h28/index.html(2019.1.12 閲覧)

2) 廃棄物処理施設長寿命化総合計画作成の手引 き(ごみ焼却施設編)環境省大臣官房 廃棄物・

リサイクル対策部 廃棄物対策課

http://www.env.go.jp/recycle/waste/3r_netwo rk/7_misc/gl-ple_prov.pdf (2019.1.15 閲覧) 3) 各処理方式の比較

www.city.itoigawa.lg.jp/secure/10947/03-03.

pdf(2019.1.15 閲覧)

使用開始年度余剰能力(t/年) 施設数

1966 2,688 1

1967 14,970 1

1968 0

1969 0

1970 0

1971 1,113 1

1972 23,137 3

1973 357,978 8

1974 128,509 5

1975 179,349 7

合計 707,745 26

使用開始年度余剰能力(t/年) 施設数

2010 128,065 11

2011 58,377 6

2012 39,453 11

2013 116,267 13

2014 37,266 11

2015 17,935 21

2016 283,224 19

2017 665,280 16

2018 61,600 3

2019 166,600 4

合計 1,574,067 115

横浜市 42,666 35,000

札幌市 53,878 30,000 地方公共団体名 施設別余剰

能力(t/年)

発電能力 (kW)

大阪市・八尾市・松

原市環境施設組合 29,842 27,400 大阪市・八尾市・松

原市環境施設組合 東京二十三区清掃

一部事務組合 81,697 50,000 18,969 32,000

Referensi

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