• Tidak ada hasil yang ditemukan

(所属講座等) - 国立大学法人 福岡教育大学

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "(所属講座等) - 国立大学法人 福岡教育大学"

Copied!
4
0
0

Teks penuh

(1)

1 / 4 2.研究の詳細

プロジェクト 名

韓国の初等教育における学校図書館の活用に関する研究 プロジェクト

期間 平成29年度 申請代表者

(所属講座等)

生活総合教育講座 天野真二

共同研究者

(所属講座等)

学校教育講座 河内祥子 研究の目的・方法

近年、日本の初等・中等教育では学校図書館を活用した教育活動の重要性が指摘されている。中央教育審議会 教育課程部会が 2016(平成 28)年 8 月に発出した『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ』で は、学習指導要領等の改善の方向性の一つとして、「主体的・対話的で深い学び」の実現をあげている。「主体的・

対話的で深い学び」、すなわち「アクティブ・ラーニング」の視点からの学びをいかに実現するかが重要である としており、現在「アクティブ・ラーニング」が注目を浴びている。『次期学習指導要領等に向けたこれまでの 審議のまとめ』においても「主体的・対話的な学び」の充実に向けては、「読書活動のみならず、子供たちが学 びを深めるために必要な資料(統計資料や新聞、画像や動画等も含む)の選択や情報の収集、教員の授業づくり や教材準備等を支える学校図書館の役割に期待が高まっている」とする。そこで、新しい時代を支える公立学校 の学校図書館の在り方について、実現可能なモデルを提示する必要があると考える。そこで、ICT 教育先進国と 言われる韓国の初等・中等教育すなわち幼稚園・小学校・中学校における ICT 教育の実態と学校図書館の取り組 みをみることで、高度情報通信社会を担う日本の公立学校の学校図書館の在り方について検討する。

本研究期間においては、日本と韓国における学校図書館及び読書活動等における先行研究を整理するため文献 研究を行うと同時に、韓国の水原(スウォン)市内の初等学校教諭から専門的知識の提供を受け、学校図書館の 調査及び学校司書への聞き取り調査を行い、日本の公立学校の学校図書館の在り方について検討する。また、韓 国における児童・生徒向けのメディアの特性を調査するため、韓国の絵本及び児童書を収集し、分析を行うと同 時に、韓国の文字活字文化に関する動きもフィールドワークを行う。

実施体制

プロジェクト採用の時期や予算の制限により、調査対象である韓国へのフィールド調査が 1 回限りとなった 為、公立小学校 1 校のみの調査となった。

よって、当初の計画を修正し韓国における調査に関しては、学校図書館の現地調査を行う一方、文字活字文化 振興に関する調査、及び韓国における家庭文庫調査も同時に行い、学校図書館への考察の一部とした。また、国 内調査に関してはこれまで旧教育実践総合センター学校図書館司書教諭資格関係科目担当教員が中心となり進 めてきた研究に加え、文献による調査を行い新たな情報収集に努めた。

国内調査(平成 29 年 8 月~2 月)

本学では、これまで、地域志向教育支援プロジェクト「宗像市の学校図書館及び公共図書館と連携し「地域を 学び」「地域へ活かす」司書教諭関連授業の確立」等において、旧教育実践総合センター学校図書館司書教諭資 格関係科目担当教員が中心となり、宗像市の市民図書館や学校図書館と連携し、プロジェクトを企画・実施して きた。今年度は文献による調査を行い新たな情報収集に努めた。

(2)

2 / 4 韓国調査(平成 29 年 10 月)

水原(スウォン)市の初等学校の教職員・学校司書等に対し、聞き取り調査等を行った。

①10/8 ソウル市世宗イヤギ等展示場での「ハングルの日」体験イベント視察・調査 ソウルこども文庫『BookBridge』視察・訪問・調査

②10/9 ソウル市光化門大広場・清渓川広場にて実施されたハングル文化振興イベント視察 資料収集

③10/10 水原市の初等学校視察

教諭及び学校図書館司書等から学校図書館に関する情報を得る。初等学校内、幼稚園内を視察・調査

④10/11 ソウル市国立ハングル博物館 館内見学・体験学習参加、資料収集 職員(シンナレ研究員)へのインタビュー調査

平成29年度実施による研究成果

これまでの文献調査からは、韓国における学校図書館の改革は水原市の女性(主に母親ら)から始まったとい っても過言ではなく、この市民活動は情報基盤型の教育課程を掲げた

第 7 次教育課程と共鳴し、ICT 化へと続いていくことがわかった。

2015 年には教育部から「2015 改正 教育課程総論および各論・

確定発表」が発表された。「“知識中心の暗記式教育”から“学びを 楽しむ幸せな教育”への転換」「学生中心の教室授業への改善」「統合 社会・統合科学など共通科目の新設を通して文・理科目の統合」など の目標が明らかにされ、「創意的」な人材育成のための教育として学校 図書館の役割を「体験中心の演劇活動授業の強化、1 学期に 1 冊の読書 環境づくり、4 技能の読書活動を通した人文学的な素養を持つことが できるようにすること、人生にわたって読書を楽しむことのできる 人材を育成すること」などが示された。

そこで、実態を明らかにするために水原市の小学校において調査 を実施した。初等学校は水原の住宅街にある平均的な規模の小学校 であるが、学校図書館には PC と大型スクリーン等も設置されており、

調べ学習や発表会に使用されている。(写真1)

聞き取り調査によるとどのような教科の授業でも構わないが、必ず 週に 1 度は図書館を使用する日がクラスごとに決められており、その 日は学習の場を図書館にして発表会や調べ学習をする時間であると いうことだった。(写真2)

図書館は 2 階に設置されており、入り口には学校司書が更新して いる「新しい本」のコーナーがある。その横の壁には「伝記」

「科学図書」などの種類別の効果的な読書方法が文章で明示され

ており、例えば伝記では「人物は幼少期にどうやって育ったのかを 理解しましょう」「人物が活動した時代がどのようなものだったのか

理解しましょう」「主人公に見習うべき点は何であるか理解しましょう」のように、普段慣れない種類の本の読 書方法がわからない児童に伝える役割を果たしている。その他にも「本と仲良くなる方法」などの掲示物もあり、

写真1

写真2

(3)

3 / 4

児童が図書室に入りやすい掲示をしている。図書室の中の壁には各学年ごとに「推奨図書リスト」があり学期ご とに推奨図書は入れ替わる。また、初等学校に勤める学校図書館司書への聞き取りからは、日本同様に学校図書 館における学校司書の職位に関する問題意識や課題意識、雇用問題等が確認できた。

学校図書館司書としての学校における役割は、あくまでも図書館の整備や児童への学習・選書支援等に留まっ ており、選書に関しては学校所属の教諭が会議を通して決定し、学年ごとの推薦図書を毎学期選書していること が明らかになった。しかしながら、学校図書館主催のたとえば読書週間に関する掲示物コンクールなどは学校図 書館司書がそれらの行事を教諭へ提案し、賛同した教諭が参加するようになっており、図書館内で開催される行 事に関しては図書館司書の采配に任せられていることが分かった。しかしながら、学校の教諭としてのフルタイ ムの配置ではないため学校ごとの年間行事を知らせられていない等、同僚との意思疎通は難しく、1校に一人配 置ではない問題や、読書教育に対する教諭の意識の差が浮き彫りとなった。

日本の学校図書館に関しては、これまでの予備調査において、学校図書館の充実が指摘される一方で、電子黒 板の導入などに予算がさかれ、学校図書館の充実のために必ずしも十分な予算を確保することができない学校が 少なからず存在することが明らかとなった。これまで宗像市の市民図書館や学校図書館と連携し、教育実践や研 究を行ってきたため、これらの関係を基に、学校図書館の活用状況等について今後も調査を行う予定である。

ソウルこども文庫『BookBridge』調査

韓国に在住する日本にルーツを持つ子どもたちを対象に開かれている日本人女性による家庭文庫調査を行っ た。文庫主宰者へのインタビュー調査、文庫の利用状況等を、移転後を含めて最新情報の収集に努めた。

調査結果としてソウルこども文庫は、日本国内に存在する読書促進活動としての子ども文庫の取り組みとは目的が 異なっているものの、主宰者との距離が近い家庭文庫の強みを生かし、継承語教育のためのツール提供と結婚移民 者のサードプレイスの提供の場になる可能性を示した。一方、日本の学校においても「移動する子どもたち」が韓国同 様に増加傾向にある中で、教職員が子どもの日本語をはじめとする日本社会への適応を支援している。その過程にお いて、家庭との連携は不可欠であるが、言葉や文化の違いから必ずしも円滑に進むとは限らない現状がある。学校の 役割などを勘案すると、学校が大規模な継承語教育への支援を行うことは現実的ではないが、学校図書館において、

継承語教育に関する視点を持ったメディアの収集を行い提供することにより、言葉等の問題から社会から断絶される傾 向にある保護者と学校の連携のきっかけとなる可能性がある。

2016 年 10 月の学校図書館の整備充実に関する調査研究協力会議において「これからの学校図書館の整備充実に ついて」が報告では、学校図書館は「読書センター」、「学習センター」、「情報センター」としての機能を有していること が示されたことからも、学校図書館は「一時的に学級になじめない子供の居場所となりうる」ことが指摘されている。学 校図書館が「移動する子どもたち」の「居場所」として機能することで、それぞれの文化をつなぐ場となりうることを指摘 しておきたい。学校図書館における多文化理解教育の可能性については今後の研究課題としたい。

ソウル市世宗イヤギ等展示場での「ハングルの日」体験イベント視察・調査

10 月 9 日の「ハングルの日」に合わせて韓国各地でハングルに関する多くのイベントが開催された。韓国特 有の文字活字文化として1970年に大統領令により世宗大王の功績をたたえると共に、ハングルの普及・研究を 奨励する日と定められたが、1990年から2012年まで公休日・国慶日から外された。しかしながら「ハングル」

に対する国民の自尊心の大きさや世相を反映して文字文化政策の大きな要として再び公休日と定められた。ソウ ル漢北の中心鍾路の世宗大王の銅像の地下はハングルに関する博物館となっているだけでなく、ハングルの日に はイベントの中心地ともなり、詩やデジタルアートなど文化継承を含めた行事を展開し、観光に訪れた外国人へ のハングル普及の役割も果たしていた。(写真3、4)

(4)

4 / 4

写真3 写真4

ソウル市国立ハングル博物館 館内見学・体験学習参加、資料収集

ハングルの成り立ちから現在に至るまでのハングルの歴史が学ぶことのできる体験型博物館である。オリニチ ブ(保育園)や幼稚園、小学校低学年が楽しく学べるように模型や映像で学べるようになっている学習施設が併 設されている。(写真5)

学習施設は完全予約制でインターネットから予約し、利用が可能となる。幼少期より ICT 教育の導入が基本と なっているため、施設の設備の半数以上がデジタル化している。(写真6)

すべての施設は無料で開放されており、ハングルを一つの情報コンテンツとして世界に発信する施設となって いる。今後、文字活字文化に関する研究の比較として課題としたい。

写真5 写真6

主な学会発表及び論文等

岩﨑千恵・河内祥子「多文化家族の継承語教育に対する取り組み-韓国の家庭文庫『Book Bridge』利用者を 中心に-」『福岡教育大学紀要』第67号、 第4分冊教職科編、 p15-28

Referensi

Dokumen terkait

区 分 留 意 事 項 履 行 状 況 未履行事項について の実施計画 6 留意事項に対する履行状況等 認 可 時 (平成20年12月24日) 設置の趣旨・目的等が活かされる よう,設置計画を確実に履行するこ と。また,学術の理論及び応用を教 授研究するという大学院の目的,さ らに理論と実践を融合して専ら幼稚 園,小学校,中学校,高等学校,中

【認可時又は届出時】 【令和3年度】 5 教員組織の状況 <教育学研究科教職実践専攻> (1)ー① 担当教員表 専任・ 職名 氏 名 (年 齢) <就任(予定)年月> 保有学位等 専任・ 職名 兼任 の別 の別 兼担・ 兼担・ 兼任 氏 名 (年 齢) <就任(予定)年月> 保有学位等 担当授業科目名 担当授業科目名

技術専攻 書道専攻 実践学校教育コース 福 教育学部 岡教 育大 学 聴覚障害児教育専攻 知的障害児教育専攻 障害児教育教員養成課程 肢体不自由児教育専攻 視覚障害児教育専攻 言語障害児教育専攻 病弱児教育専攻 福祉社会教育コース 共生社会教育課程 国際共生教育コース 情報教育コース 環境情報教育課程 環境教育コース 芸術コース 生涯スポーツ芸術課程

福 岡 教 育 大 学 の 教 育 実 習 1 現在、全国の教員養成大学は、その役割、教育研究の成果が厳しく問われています。 そんな中で、福岡教育大学では、教員としての基礎的・基盤的な資質能力を確実に習得させて各地域・学校の有為な人材と して輩出できるよう、平成28年度から、初等教育教員養成課程での選修制の廃止による大学入学者選抜、新たな教育課程の

福岡教育大学大学院教育学研究科のアドミッション・ポリシー 教職実践専攻においては,1)教員としての高い使命感,豊かな人間性・社会性,2)教員としての 高度で専門的な知識・技能,3)学校現場の課題に対応できる教員としての実践的指導力,4)教員の キャリア・ステージに応じたリーダー教員としての力量を培い,小学校,中学校・高等学校で活躍でき

学長裁量経費(教育改革支援プロジェクト)研究成果の詳細 平成24年3月31日現在 プロジェクト名 音楽教育における体験的学習の充実をめざす地域貢献とこれによる 学生の実践的教育力の育成 プロジェクト期間 平成22年度~平成23年度 申請代表者 (所属講座等) 長野俊樹 (音楽教育講座) 共同研究者 (所属講座等) 木村次宏(音楽教育講座)

本稿は,教職員の学び直しに応え,より充実した事業を推進するため,本年1月に開催した「現 職教職員研修講座等改善会議」での委員(県・市町村教育委員会,小・中校長会,教員代表)から の意見をまとめたものである。学校現場における研修の現状,「現職教職員研修講座」や「ふくし ま教育シンクタンク」に対する意見・要望,教員養成に関しての大学への要望等を伺うことが出来た。

1 / 3 2.研究の詳細 プロジェクト 名 授業実践を通した大学生の健康・体力に関する調査研究 プロジェクト 期間 平成23年度~24年度 申請代表者 (所属講座等) 市丸直人(保健体育講座) 共同研究者 (所属講座等) 池田修、清水知恵、片平誠人、本多壮太郎、楢崎 教子(保健体育講座) ①研究の目的