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所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連

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所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連

渡 辺 哲

    は じ め に

 マーケッティング研究は,転換期の商業理論である.従来の商業,経営は,所謂個別経営に 立脚した最大限利潤獲得を目的とした商行為がそのすべてであワた.従ってそこには自ら一定 の限界的発展性が既に内包されていたわけである.技術の無限的発展を指標とする資本主義経 済の経営講造は絶えず企業をそして又販売者に経営の変革を要求しつつ,自らも構造的転換を 遂行しつつある.というのが現段階の容貌であろう.

 かかる変革を要求する経済講造の基盤に「所謂第一部門優先」一市場理論と結合した一化の 再生産理論があることは衆知の如くである.この様な変革の事実は,当然に,企業,販売者に 対して従来の微視的個別経営の視角から更に一歩前進した巨視的企業経営の適応化が問題とな

ってくるのである.

 マーケ.ティγグ研究とは,かかる変革の展開過程に即応して,企業,経営の立場より無限 の発展を理想像とする資本主義的経営への指標を体系づけしょうとする志向的理論研究である

と考えられる.

 マーケッティγグ研究は,その発展過程からみて,生産研究であり販売研究でもあった。し かし,この両者は,いずれも相関連した統一化への役割を果さんとするところに本来のマーケ ッティγグ研究の意義が存在することを認識しなければならない.なぜならば,マーケッティ ング研究は,未だ集大成化された体系的理論が完成されていないからで例えば「マーケッティ ング研究をすればセーソレスマンを必要としない」という飛躍的な謬論が生れてくるからである.

 マーケッティング研究には,一般的に1.法律的見地一商行為擁護論一2.経営学的見地一 巨視的流通論一3.経済学的見地 の3つの視角がある.小論は,当然経済学的視角であワて 生産研究を通じてマーケッティングに対しそのバックボーンを「所謂第1部門優先化の問題」

と関連させながら,それらの本質を把握しようとするところに小論の意図があるのである.而 して,このような再生産論,市場論を統括した経済学的研究の方法論的考察こそが,マーケッ ティング研究を真の前進的な理論的体系一革新的な商業,企業へのための一へとオリエγチー ルングする基本的な命題となろうことを期待するのである.

    1.「二部門分割」について

 あらゆる資本主義的産業部門を,表式の要素である「社会的生産の二部門分割」へと総括す ることには,巨大な意義をもワている.

      くの

 なぜなら「商品一資本制生産とその実現市場との関係を,社会的分業の一定の歴史的な発展 諸段階との関係で具体的につかむという観点のみが,全社会生産物の物的形態に着目すること を必要ならしめる.このような観点に立ワではじめて,社会的分業と生産手段の資本主義的独 占的所有とを基礎とし,資本家階級と労働者階級とを基軸とする社会関係の全体がどのように

(2)

32  福島大学学芸学部論集 第10号 1959−3

再生産されるかを解明しようとするとき,「二部門分割」がこの問題を解明するための重要な 鍵となる」からである.

   くの

 マルクスは,「資本論」第一巻で個別資本の生産及び再生産を研究する場合には,資本及び 生産物の,それらの価値構成部分の分析に限定することが可能であワたのに対し,「資本論」

第二巻第二十一章「社会的総資本の再生産と流通」の分析に際し,資本の諸要素から成る生産 物部分は,もはや個人的消費に役立ちえず,又,その逆でもあるが故に,玄玄に,物材的組成に

よる生産物の区分をも考慮に入れなければならなくなワてくる.

 それ故,社会的総生産を,したがってまた社会的総生産物を,二つの部門に分割している.

       の 即ち,第一部門……生産手段生産部門一生産的消費のみに充当する商品生産第二部門……消費 資料生産部門一資本家と労働者との個人的消費にあてられる商品生産とである.

 資本主義的生産構造に基づく再生産の論構(実現理論,市場論との関連に於いての)は,そ の再生産表式の分析を基点とされる.

 即ち「社会的生産が,労働者及び資本家の個人的必要の充足に役立つ生産物部分と,生産資 本の諸要素の形式に役立つ生産部分とを,どのようにして補填する」かを解明する方法論とし て,資本主義的生産機構のモデル分析を,いくつかの前提条件を規定して単純再生産,拡大再 生産の両表式で展開が行われるのである.

 先ず,単純再生産に於いて一製作年間に新たに生産される両部門の価値総額は,消費手段の 形態で存在する生産物の総価値に等しくなっていること一1(v+m)一豆,Cとそして,資 本主義社:会の発展法則である拡大再生産.資本蓄積の方途を,即ち,1(v+m)>∬,Cの 定式化に依拠して,社会的総生産物が価値.現物の両形態のそれぞれに於いて補填される商品 流通の全過程をオリエγチールングするのである.更に,この実現理論を通じて社会的総資本 の市場(流通)の形成問題を資本制生産(価値・剰余価値関係)との関連のもとに,それと国 内市場との形成,発展過程に関する所謂市場理論を定式化して具体的分析の方法を試みるわけ

である.

 註(1)

「二部門分割」の意i義は,商品生産の基本命題である「労働の二重性」を前提として,社会的総生産物を「使 用価値的視点」から 臼)生産手段生産部門雪Aグループと (ロ1消費資料生産部門一Bグループの両部門に分類

し,而して両者を関連づけすることにより,実現理論の困難性を克服しえたところにその頂点を求めることが

出来る.

 そもそも,再生産の成立条件は,単純或いは拡大再生産の何れを問わず,生産のために消費された生産手段 の補充と労働力の回復が所謂生産要素を生産手段(客観的条件)と労働力(主観的条件)とするならば当然の 必要条件である・が故に総生産物それ自体を生産手段と消費資料とに分類することに一連の理論的根拠がある.

しかし,資本主義的再生産に於いては,すべての社会的総生産物には商品資本であP,従って,この素材的内 容から分割される生産手段と消費質料とは,単に自然的物材的規定に基づくものではなく当然に価値関係に於 ける「c十V十m」(価値構成)の分割に対応していなければならないのである.(二部門分割の基盤)

参考文献 ①山田(盛),再生産過程表式分析序論25〜28P P

②坂本三善,再生産表式に於ける三部門分割の問題一軍需生産の合理的認識のために一雑誌社会科学12月号  (1雀6号昭和21年)

 しかし・表式の基礎範疇としてのし二部門分割・或いはこれとの関連での「c+V+m」に対しては,ア ダム・スミスの「V十m」論,ツガン・バラノフスキーの「三部門分割」,「P十a十r」の表式,或いは川 崎,坂本両氏等にみられる軍需工業を一部門とする「所謂三部門説」又,講座派の理論的代表学者歯周(盛)

教授の素材中心の生産力説(生産関係を無視した)等,多くの誤謬が生じている.

 参考文献

 1)レーニン,「いわゆる市場問題について」全集第1巻

③川崎己三郎・戦時経済の再生産構造について,(民主科学,第1巻第2号)

(3)

渡辺:所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連 33

④坂本,前掲書

⑤山田(盛),前掲書209p

⑥堀新一,市場諭.410P〜416P 匪(2)

 両部門の分割区分は・マルクスの再生産表式に基ずくもので,正確には工業の中の生産手段生産部門と消費 対象生産部門と称されているものである.同一の生産物が一部分は生産手段として又一部分は消費財として使 用される場合(石炭等)この区別が実際の統計計算に当ってどのように蓮営されるかという疑問が生じる.こ の問題に関する資料として 岡稔「ソヴェト工業生産の分析」128Pを参照すること.

    2.第一部門優先に関する問題提起

 資本蓄積のための再生産表式は,次の如き展開図式により,毎年拡大的な発展過程を模型化 することができる.

 左の表式はレーニンの「技術的進歩」を前提条件とした再生産表式であり,右はマルクス表 式を示している.

第1表  レーニン,マルクスの再生産表式の展開過程

レーニンの再生産表式

発端表式(第一年度)

 1.4000C十1㏄〔)V十100〔)m=6αX)

 皿.15(〕OC十75()V十750m=㏄0⊃

(第二年度)

1.4450C十1050V十105〔)m=・6550 皿. 1550C十760V十761)m・=3070

(第三年度)

1.4950C十1075V十1075m=7100 皿.1ω2C十766V十766mエ3134

(第三年度)

1.5467殆C十1095V十1(刃5mエ7657苑 皿.1634殆C十769V十769m=3172苑

・マルクスの再生産表式

(〃)

1.4㏄〔)C十100〔)V十1㏄〔)mエ6㏄0

皿.1500C十750V十75Dm13㎝

(〃)

1.4400C十1100V十1100m=6(m 丑.1600C十8α)V十8〔X)mエ3㈱

(〃)

1.484〔)C十1210V十1210m=7260 皿.17(望)C十88〔)V十88Dmニ35⑳

(〃)

1.5324C十1331V十1331m=7986 U,.1936C十968V十968m=3872

 この再生産表式の展開図式は,資本制生産に於ける社会的総生産の,或いは総生産物の生成 過程を意味している.問題は,この社会的総生産物が第1部門一生産手段生産部門,及び第2 部門一消費資料生産部門で部内間,或いは部門間でのそれぞれ相関連した統括での総額である ことは勿論であるが,その拡大再生産される担い手として第1部門及び第2部門が,いかなる 発展過程のもとに於いて展開拡大化されていったかという,両部門の内面的な形態的形成がそ

の焦点となることである.即ち,両部門に於けるそれぞれの発展テンポを 1.生産高の量的 比重の問題,2.増大テンポの二面性を次の表に掲げ,それらの構造的性格面を検討してみよ

う.

 この第1表から結論的にいえることは,マルクス,レーニンの両再生産表式に於いてそれぞ れ第1部門と第2部門の生産カー生産高を比較した場合,いずれも第1部門が絶えず量的にみ.

て優位であることが明瞭であろう.

 しかしながら,レーニンはマルクスの表式に対し次の如き見解を示している.「マノレクスの 表式からは,第2部門にたいする第1部門の優位などという結論は,いささかも引きだすこと ができない」「そこでは両部門が平行して発展している」.

    {1)      (2)

(4)

34  福島大学学芸学部論集 第10号 1959−3

 このレー二γの所説から当然に「この優位とはどういう意味に理解すべきか(定義)」更に 深化L,て「所謂第1部門の優位と均衡又は均等化の関連」の考察が改めて問題の提起となって

こよう.

(1)レーニン,「いわゆる市場問題について」レーニン全集.第1巻上.80P

(2)レーニン,「いわゆる市場問題について」前掲80p

第2表 各部門に於ける発展チンボの状況

第1年度{じ乞う

スンクニ

ルーマレ

度 第 2

第3年度{謎努 第4年度{諺努

生酔段のた瀕質料の騨1廊廟!範部門一一

めの生産手段めの生産手段の生産額  の生産額

実数E%…鐵1%実数防1実数1鯵

社会的1一一v:ζ6一

舞.二生一産一題_」二竺Σ

実数防制謡

珪:認:1翻離離器i鵬鶴譜雛8欝

珪;瑠t111麗翻認翻i1。gil?翻106i鶴鐸108i器1磯:野 翻1231糊…1。1ぞ告!ll瑠11181耀117i壽li81彊illg織g蟹

5,324「133.1「2,ゆ33.117,蜘33.113,872129.・7111,邸8!13L8712・.・133.33 j5・467苑i1%・72・1901109・517・磁i127・6、3・1召堕。・田8殆i1201−16・7132・o

3.「優先的発展」の定義に関連して

 問題の焦点は,即ち優先的発展の定義が「総生産高に占める第1部門関係の生産高の比重の 優位」 (生産力・量的性格面)と「第1部門のヨリ大ぎな増大テンポ」 (生産関係・質的性格 面)との両者に区分されることが考えられる.この視角から,例えば,「第1部門の優先的発 展」を総生産額の中での比重の問題と解釈し,増大テンポの問題を捨象すれぽ,端初に於いて 比重の面で優位であった部門が「増大テンポ」に影響され,或る発展段階に達した場合,その 優位が逆転的地位に立つということも考えられるのである.

       ロン

 しかしながら,この視角はあくまでも「優先的発展」の定義を,静態的なものではなく動態 的視角に立つという前提のもとに於いてはじめて是認されるべきものである.

 また,ヨリ大きな「増大テンポ」のみに主点をおき,総生産額に占める「比重」の優位を捨 象した場合,両部門の増大率が殆んど同一であワても,第1部門のヨリ大きな「増大テンポ」

を内容にもワた同一性ということもありうる.即ち.増大率の同一にも異ワた内容を包含して いる条件の場合,これをいかに解釈すべきかという疑念の余地があろう.

 それでは,資本論において「優先的発展」をいかに定義しているのだろうか.それは前記第 2表に示されている再生産表式についてみれば,「増大テンポ」を同一とし,また,生産総額 に占める比重の優位を前提として展開されているのでもないのである.即ち,マルクスは,再 生産表式の展開に除し,両部門の「均衡」条件をその前提においている.

 従ワて,前述の如く,マルクスに対するレ一二yの批判が理論的に成立することとなる.

 それでは,「優先的発展」の定義を「ヨリ大きな増大テンポ」と規定した場合,第1部門の 優先的発展は,いかなる原因により生成されるのだろうか.

 「資本主義社会は,生産手段(したがワて不変資本)一これは,労賃の形態でも剰余価値の 形態でも収入には分解されえないで,資本としてのみ機能しうる一の生産に,それが自由にし うる年労働時間中のより多くを《これに注意せよ》使用する.」この再生産過程における蓄積,

       ての

投資の諸形態が,所謂「不変資本にたいする可変資本の比率(V/C)」が逓減化するという必

(5)

渡辺:所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連 35

然性の法則を,レ一二yのマルクス批判にて指摘する第1部門「優先化」の基本的命題とする

「技術的進歩」の解題を成立させるのである.

 この「技術的進歩」が第2表にもみられる如く「生産手段のための生産手段の生産がもっと も急速に増大し,それについで消費手段のための生産手段の生産が増大し,消費手段の生産は もっとも緩慢に増大する」という所謂「第1部門優先」化が資本主義経済機講に特長的な再生       ての

産論のヨリ基本的な命題となる根拠を有するものである.

 一体,マルクスは,この「第1部門優先」の問題に対し,否定的見解をもつものであろうか という疑問を再び提起しよう.

 即ち,均衡条件を問題の視点として,マルクス及びレーニンのそれぞれの見解を結論的に述 べれば,「レーニンは,技術的進歩一資本構成高度化という基本的な命題を・社会的総資本の 再生産に適用することによって,より一層表式による蓄積の説明を具体化し,両部門に於ける 発展の不均衡等が不可避であることを証明した.がマルクスは,拡大再生産の合法則性を研究 するにあたり,現実の資本主義的発展の不均衡性を強調するために,むしろ両部門間の均衡を 仮定しており,問題の「技術革命したがワて「価値革命」はなく,資本の有機的構成を不変」

としている.

 即ち第1部門優先(不均衡化)の問題を解明する為の方法論的差異はあるが,その指標は同 一的内容であることが明瞭である.

 このことは,「重工業の優先的発展(第1部門優先)は,マルクス再生産論に立脚する不変 の命題」であることを是認するものである.

  (5,

(1)岡稔:ソヴェト工業生産の分析142P

(2)レーニン,「所謂市場問題について」第1巻(上)85p マルクス,「費本論」第2巻436P

(3) レーニン, 「前囎」83p

(4)豊田四郎,日本賛本主義論争批到一資本蓄積と市場の理論第1巻54p

(5M.T.皿e皿・B:reHe四b且aH』匠HHHHa脚HHBy五玩apK3aT・PIMapkcH3Ma npaBna1・241955

    4.ソヴェトに於ける「優先的発展」論の概況

 1954年の「経済学教科書」は,はじめて社会主義再生産の理論が,体系的に叙述され,しか        こり

も,若干の新しい範疇と法則の形成を通じて,再生産表式の社会主義経済への適用の問題とし て新しい問題提起の契機と同時的に同問題に関連する若干の論争が相前後して発生したのであ         2}

る、次に.その主なものを掲げよう.

 1.再生産表式の社会主義経済への適用の問題(一1954年一)

 2.拡大再生産における重工業の優先的発展の法則をめぐる論争(一1953年一)

 3.再生産表式とバランス論との関連について(一1930年一)

 ソヴェトに於ける「所謂第1部門優先」の問題は,社会主義生産に於ける基本的法則及びこ れに関連する数次の5カ年計画の諸実現化の志向過程を,重工業優先政策の是否という問題解 決の方法論として,他国に類をみない理論的体系ずけが行われた.先ず,農業政策に主点をお

く軽工業重点主義の政策を主張する.L M M朗eHkOBに対し,重工業重点主義者A・H・M匠k卜 冊,H.C.xpy皿eB,π.T.皿e皿五・B,(H,B,C皿皿)等々が批判して互に自己の主張を展開し たが,この問題を「第1部門優先原則をめぐる論争一マルクス再生産論の適用の問題一として 理論的な社会主義的生産の現状分析に適用せしめんとするところに該問題の頂点がうかがわれ

るのである.

(6)

36  福島大学学芸学部論集 第10号

遡重

 社会主義経済構造に於ける再生産過程が,所謂マルクス再生産論の法則に依拠して展開され るべきか・否か・についての論争は,次の人々によワて主導的な展開が行われた.

1,賛成的論者と目される人は,K.B,OcTp・BHT貫H・B,n.T,皿eHH五・B,H,H・p・皿eB,A,Pym月H.

      くお

聯・C・CTPyMH・且H・A・㍑皿E・A・K・pHMH等があげられ,叉,2.反対的論者は,主として,

       ぐり

E・KacHMo撫 ・H・McT置。五aBckK員・A・ka耳・A。EMe』bπH・B,A』a」b耳eB,n.Ky3He耳・B,n.ぬ㎝・B,

T・LyPeHK・B,H.Bekya,M.repacEMeHk・等この諸氏があげられる.

 次に,それぞれの論拠について概括的な共通点を結論的に述べてみよう.

そもそも・両者の差異が生ずる基本的な焦点の視角は,基本的経済法則の理解,即ち拡大再生 産における第1部門優先化に関する法則の方法論一該問題についての目的と手段との関連性の 把握,理解の仕方一に求められる.

 即ち「社会の消費要求の最大限充足」を共通目的としながら,特に1.賛成論は,「重工業 とその中核一機械製作業一が高い比重を占めていることは,国民経済のすべての部門が高いテ ンポで発展するための物質的,技術的前提であり」「生産手段生産の優先的増大は,消費物資        くのを生産する部門がたゆみなく急速に発展することを排除するものではなく,そのための必要な 条件であゑ」従って「重工業の優先的発展は,マルクス再生産論に立脚する不変の命題」であ

ると結論づけしている.

 一方・その反対論は,「国民経済のあらゆる部門に強力な技術的基盤を有する高度に発展し た社会主義国では」拡大再生産において「両部門の均等の発展テγポは,完全に可能であり,

客観的にも必要で」あワて,この再生産過程こそが「社会主義の基本的経済法則の要求にもっ ともよく合致している」ものであって「第1部門の優先的発展は,あらゆる拡大再生産におけ る法則ではなくてただ資本主義的再生産にだけ特有のもの」であると規定している.

       くの

 両者の理論的根拠一現状との対決において一には,それぞれに充分の理由が認められるけれ ども,該問題に関す限り次の如き見解に立つべきであろう.即ち,「重工業と軽工業との発展 テンポの相対的関係の問題は,直接にはいわゆる「国民経済が計画性をもって(釣合をたもワ て)発展するという法則」の要求に支配される.そして,この場合,「釣合」の内容を決定す       くの

るものはその時々の客観的状況のもとにおける社会主義の基本的経済法則の要求であり,そし てまた拡大再生産における生産財生産部門の優先的発展についてのマルクス再生産論の法則で ある」従ワてマルクス再生産の表式の一連の基本的命題は,資本主義あるいは社会主義を問わ ず一般的に貫徹されるべき命題である.

 ただし,生産の増大テγポを決定する諸要因に関する資本主義と社会主義との比較に於いて は,1.生産手段の所有形態の差異にもとずく生産の目的の差異,2.再生産実現の方法の差 異一計画性の問題,3.労働の形態的性格の3点に求めることは,けだし当然なことであろう.

      (積足)

 (補足)

 マルクス再生産表式を視点とする社会主義再生産論とi資本主義再生産論との比較点

(類似点)

1.表式の範躊

単純再生産と拡大再生産の区別,社会的生産の二部門分割一生産手段生産部門と消費i資料生産部門一,社会 的総生産物と国民所得との関連性等々の表式の範疇はいずれも同一的なものである.

2.表式の法則

社会的総生産物の部分間に於ける一定の比例関係,拡大再生産における第一部門優先の発展的法則……の法 則は両者共に妥当と見倣される.

 3.社会的総生産物は現物形態と価値形態の二重の形で存在することは共通である.

(7)

渡辺:所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連 37

4.社会的総生産物の実現の形態単純再生産表式におけるC1とV2とM2の各部門に於ける実現,C2,V1と M1との各部門間に互っての実現……この種の実現の法則も共通性をもっている.  岡133p

(差異点)

1、蓄積の法則

社会主義的蓄積の法則は「資本論」第1巻第23章(資本制的蓄積の一般的法則(資本主義法則)に対応する.

 (再生産表式に関する基本的差異の総括を意味する)

2.再生産の目的

一方は再生産が国民の物質的,文化的要求の最大限充足の為(社会主義)であるが他方は所謂最大限利潤確 保に従っている.

3.再生産の形態(均衡化形態)

 社会主義的なものは一定の計画性にもとづく釣合によって行われ資本主義は無政府的乃至自然成長的におこ  なわれる.

4.費本主義社会における価値構成はP=C+V+mにによって表現され社会主義の場合は社会の純吹入を包  合する国民所得とCとによる.従って両者の概念的にも又量的にも差異が認められる・

5.第1部門と第2部門の具体的相対関係に於いて特に社会主義にあっては第1部門の優先的発展の法則がそ  れへの要求と所与の条件の下での国民消費要求の最大限の充足要求に主点が存在する。

(1)HoJHMH耳eckaH EkoHoMHH1954P

  日本には「紹斉学教科書」として四分珊になっている.この書のもつ価値は,かつて都留教授が雑誌   「世界」に「社会主義籔斉には価値法則がありゃ」という「価値法則の社会主義経済に適用の問題」に   対し,その存在すべき理由を,この書を通じて理論的に展開したという意味においてソ蓮鱗研究には   必読の書となっている.

(2)Hp。TKB,PeBz3且匠M乱pkcucTk硝eHHHck・畳Te。P班HB㏄H四3B・HcTBa,一B・H叫H3k・H・M且kK−

  No.11955rこの書が一応論争の過程を説明している.

(3)n.T.皿e皿五〇B:renepa」bHaH匪匠日田HapT且且H By五b−rapH3aTopbl MapkcH3Ma・HpaBna L24・

  1955r

(4)A.rLeqHH,Co耳K田1HcTHH㏄k㏄B㏄Hpo皿3BoHcTBo H HapoHHoxoBH且cTBeHHble HpoHoP耳畳畳・一BoHpo−

  cb1 3koHoM且kK−No.7  1954r

(5)E.Kac且M・BckH且,OC㎝H・皿eHHHIIByxH・H陶He五e且H且馴ecT困HHomHp・H3B。Hc「Ba・19諮

(6)HHcT町丁3k_HkuAkaHeMHHHaykcccp:∋k・H・MHkaH即Mb皿」HHH㏄THcccP1955rソ連繍   研究所編(竹浪祥一一郎訳)工業経済学39P

(7)「前掲書」39P

(8)岡稔,前掲書 140p

(9)ソヴェト鱗研究所編:「経済学教科書」714P

    5.Marketi㎎研究の前提

 市場の問題は,現物形態よりみた生産手段,消費資料の二部門間並びに価値的にみた不変資 本,可変資本,剰余価値の三形態の間での再生産のための現物並びに価値の形態での填補がい かにして行われ,蓄積の実現過程を通して,所謂第1部門優先の法則に立脚しながら,社会的 分業の発展,農業よりの工業部門の分離,小生産の没落による賃銀労働者の発生と生産手段の 所有階級の出現による資本主義の成立を内容とする市場形成論と,この資本主義成立を前提と

した所謂市場成長論との二側面より研究すべきであると思う.

 資本主義に特長的な主体である商品生産の生成過程は,「資本主義の歴史的発展において,

二つの契機が,即ち,①直接的生産者の現物経済の商品経済への転化,(2)商品経済の資本主義 経済への転化,が重要である.第1の転化は,社会的分業一孤立した《これが商品経済の必須 条件であることに注意せよ》,個々の生産者がただ一つの産業部門の仕事に専門化すること一

(8)

38  福島大学学芸学部論集 第10号 1959−3

が現われることによって行われる.第2の転化は,個々の生産者がおのおの単独で市場目あて に商品を生産し,競争の関係に入ることによワて行われる」のである.このような資本主義の

      くり

発展における二つの契機と,この発展が市場の大きさのうちに,即ち,商品に転化される生産 物の量のうちに生じさせる変化とを,レーニンは,次の表式に図式化したのである.

       (2)

第3表 市場発展の模型(1)

生産者

1

w

V

u

1

w

V

w

計﹄

  @ 

@ @ 

@ @ 「

1

一■Y業部魍

a b  c

a b C

a b:c a b a b

C

C

a b−c a b:c

総計

9 9 9 9 9 9

6a6b16a54

a

a 2b

a

a 2b

a

a 2b

6a6b

2a  1…

一且一a

 2

 11…

皿lia

 i

wi2a

vi⊥ ぎ

 12

VI!三』『

 i2  1

計・6a6b

 1

2c

2c

2c

6c 6c

6c

9 9 9 9 9

9 54

24

市一販現物消費

売1購 買

9 9 9 9 9 9 54一  一

6 6 6 6

3 3 3 3

6i 3

6 36

1」

−一2⊥2

⊥21一2

24

⊥21﹇2

54

11

3 18

13

(5P.c.)

〔5P.c.)

13

171(5P。c ) 1司(5P・c・)

1

281(+轟.c.)

3 3 3 3 3 3 18

生産者

1

π

V

u

1

N

V

w

産業部門 a I b

  し

a

2c

C C C C 

C

4一5三5三545三5 b  b  b  b 

b

6τ6一56一56︻56︻5

a a a a 

a

6a

一6b

a

a

a・:

a

a・:

a・:

計…6a

 ヨ

(十10P。c.)!1

5 5

111  ムーー︸a 6

6b

6b 6b

6b

 ヨ 難1『

(壷.c.)1計

6a 6b 6c 6c

6c

6c

6c

総計

9 9 9

9 9 9 図 21

3 3 21

3 3 54 18

18

18

54

  売市  販

現物消費

6

2一52一52一52コ 8 8 8 8 8

48 10

3 3 10

3

3 32 6

6

6

18

33一53一53﹂53一53一5

6 11

(4P.c.)

(4P.c.)

ll

(4P.c.)

(4P.c。)

 22

(+16P.c.)

12

(6P.c.)

12

(6P.c.)

12

(6P.c.)

購 買

3

3︻53一53一53一53︻5

6

 3

(十8P.e.)

4

4

 3

(十8P.c.)

4 4

 22

(十16P.c。)

 6

(+6P.c。)

6

 6

(6P.c )

6 6

 6

(十6P.c.)

(十18p。c.) (十18p.c、)

 36     36

(9)

渡辺:所謂第一・部門優先の問題とマーケッティングとの関連 39

註.レーニン,いわゆる市場問題について,全集1巻上90一つ1p

 1.1・丑…生産者(個別) 2.a,b,c,…産業部門(例えば農業,採取工業,加工工業)a=b=c=3  3.表中の市場とは,販売(及び購買)される生産物の価値の大きさを示し,販売される労働力(略号P・c)

 4.生産者から他の生産者にはしる矢印は,前者が後者の賃銀労働者たることを意味する.

 5 全過程はすべて単純再生産であるという前提に立つ.

第4表 市場発展の模型(2)

生産者

1

2

3

4 5 6

1

2 3 4 5 6

1

2

3

4 5 6

生 産業部門   ba     C a a a

a

2a 6a

a a a a

 a

主2

a a a a

a

l一2

b

b

C

2c 2c 6c 6c

C

C

三5

b

6一5

6b

b

2c

C

C

三5

b

5一6

2c

6c

現物消費産一総計

9 9 9 21

24 18

9 9 9 3

9 6 6 10

11

6

9

2一5

8

6 3

1一21一2

18

9 9 9 3

6

9

ヱ5

8 6 3

⊥2

1

2丁

18 6

揚 販  売

3 3 11

13

12

3一5

3

(4q.c.)

(5P.c.)

12

3﹄rD

3

(4P.c.)

(5P.c.)

12

購   買

3 3   3(十8P.c.)

  3(十10P、c)

生産者

1

2 3 4

5   6(+6P.c.)一6

3﹂5

3 4 5

1

2 3

4 5   6(+6P.c.)一6

3一﹁Q

3 4 5

1

2 3 4 5

 6

     6

(十6P.c。)

1

産業部門   ba     C a a

a a

 a

上2

a a a

a

2a

a a a a

a

⊥2

b C

C

4一5

b

互6

2b

b C

総計

9 9 9 3

現物消費

9

三5

8 6 3

12 12

9 9

三5

9 8

 C 5τ  b

6一5

2b 6b 6b

b C

C

5一4

b

6一5

2b

9 21

24

9 9 9 3

6 10

11

9

三5

8 6 3

1一2

⊥2

1

市 場

3一︻﹂

3

(4P.c.)

(5P.c.)

(6P.c.)

3﹂5

3

11

13

(6P.c.)

3一rD

3

(4P.c.)

(5P.c.)

(6P、c.)

3﹂5

3

4

5

6

3一5

3

 3

(十8P.c.)

  3(十10P.c.)

6

3一5

3 4

5 6

(10)

40  福島大学学芸学部論集 第10号 1959−3

註.

 この表は前,レーニンの市場発展の模型を組替えして各発展段階の特徴を個別の生産者において,それぞれ  どの様な発展過程をたどるかを説明した表である.

 特にこの表のねらいは所謂市場理論を個別企業,即ち経営学的な考察をしょうとするその足がかりにしよ  うと(本論考の主題)の接近を意味している.

 この表から考えられることは,例えば1.第1の生産者は,第3期と第4期との間に,その Cの生産を3倍に,2Cから6Cに拡大した.以前には,彼は1人で経営し働いていたが,今 では2人の賃金労働者をつかワて働いている.この生産の拡大が蓄積なしにはおこりえなかっ たことは・明らかである.又,2.不変資本は,いまや可変資本よりもより急速に増大しはじ める.たとえば,第4期を第6期と比較すると,生産手段の生産は,1.5倍への増大となるで あろう. (なぜなら,第4期には不変資本の増大を要求する資本主義的企業は2つであるが,

第6期には3つあるから).この増大を消費賃料の生産の増大と比較すると,生産手段の生産 のもワとも急速な増大をみるであろう.この傾向は,生産手段のための生産手段の生産が高度 の段階一機械制大工業一のもとでのみ発生し,巨大な発展をとげる(生産手段の急速な増大化 法則の意義と重要性)のである.

 この激化の形態は,資本主義の基本的矛盾「商品購買者としての労働者は,市場にとワて重 要である.だが,彼らの商品一労働力の一販売者としては,資本主義社会は,労働力を最低価 格に制限する傾向がある」と相関連して,各生産者は,より高く売り,より安く買おうとつと       く ン

める.その必然的結果は,強者の強大化と弱者の没落,少数者の富裕化と大衆の零落であり,

これが,独立生産者の賃金労働者への転化と,多数の小経営の少数の大経営への転化とを,も たらす諸傾向が,不可避的な実存形態として,益々前面的に押し出されてくることが特長的な

ものとなウてくるのである.

 このような,市場形成と市場発展の総合的競合による市場の諸形態は,主として,社会的分 業の激化或いは商品生産の競争により,益々資本制生産は,資本主義に特長的な最大限利潤獲 得化をその目的とすべく,所謂均衡条件に対する擾乱の原動力として転化せしめる必然性をも つものとなる.この現出形態は,1.資本蓄積の無制限性による一般的生産過剰の成立は必然 的か否か,2.資本制生産の無制限化と統制或いは計画化の問題,3.生産と消費との関係の

3つの側面とのそれぞれの関連性において把握されるのである.即ち,第1の問題は,資本主 義社会は,生産手段(不変資本)一これは,労賃の形態でも剰余価値の形態でも収入には分解

されえないで,資本としてのみ機能しうる一の生産に,それが自由にしうる年労働時間中のよ り多くを使用するというマルクスの資本蓄積に関係する法則との関連において,第2の問題は,

強者の強大化と弱者の没落,更に第3の問題は,少数者の富裕化と大衆の零落とにおいて考察 されるべきものである.

         (4)

 以上の論証を通じて結論ずけられる点は,所謂第1部門優先法則を視点とする均衡条件の現 出形態をマーケッティング研究一特にその機能との対応関係に,資本主義に顕現される最大限 利潤獲得の法則を共通的な命題としながら,それへの志向過程の方法論的むすびつきを,特に 市場生長の問題に求めつつ分析することの可能性を見出すのである.

(1)レーニン,いわゆる市場問題について 92P

(2)レーニン, 「前囎」90へ91pp、

(3)レーニン,「前掲書」102pp豊田四郎,日本資本主義論争上巻100〜101p堀新一,市場論455p

(4)以上の問題を恐慌理論と関連せしめながら近代経済学の見地から一生産力の発展と個人的消費との矛盾

(11)

渡辺:所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連 41

を一産業部門の比例性から過剰生産の到来を永遠の彼岸に延期させることが可能である,とする見解も 行われる.

早川泰正・不均等発展と消費限界 経済評論86p1月号1956 山田盛太郎,再生産過程表式分析序論

 〃    日本費本主義分析

豊田四郎,「前掲書」第4編戦後資本蓄積市場理論の新段階の項参照

    6.MarKeti㎎研究の試論

 商品市場の大きさは,社会的分業によって規定されその市場発展の限界は,社会的労働の専 門化の限界に影響づけられる.一般的に資本家的生産における均衡条件(両部門聞の均衡化に 関連する生産と消費との関連)は,資本の有機的藩政の高度一所謂第1部門優先の命題一化の 発展段階に則応ずる商品の大量生産の発展過程にその均衡の不安定性が増大せしめる傾向をも

つ,

 このような,資本家的生産がある発展段階に達し国内市場が少数の巨大企業に支配されよう とする社会的,経済的背景に立脚して所謂典型的なマーケッティング研究の問題が発生する事 実が過去の歴史的意義において認証されている.この具体的例をマーケッティング研究の最も 旺んなアメリカの歴史的事実に於いて証してみよう.

 衆知の如く・マーケッティング研究の体系的研究化の端初は,A。W.shawが1912年Qu.

訂terly Jouma1EoDnomicsに商事過程に於ける中間商の諸機能を論じつつ,ここにマーケッ ティング特有の機能を論証し,生産研究オンリーのi当時に対し販売研究への問題提起をなした 時点に求められる.

       くじ

 マーケッティング研究には・第2次世界大戦を契機として一つの転機というものがみられる.

それは今日まで行われてきたマーケッティングにおける個別的,部門的研究の総合化と体系化 の傾向がみられることである.この傾向をもたらした重要な社会的要因は,アメリカの生産力 の比類なき上昇を可能ならしめた生産企業の巨大化である.

 従ワて企業単位生産力の巨大化は,大量商品生産物の市場への関心を高め,市場を全体的,

統一的に支配しようと生産者の意欲を強くした(経営組織の主体性の問題)ところにその特徴

がある.

 α)先ず前期(1912〜1929年)のマーケッティング研究は「企業がより多くの利潤をあげる ための販売面の経営活動を一層能率的にし,配給費をより低下せしむる」ことを主眼とし「そ のために必要な販売知識(市場,消費者,販売経路,競争関係)と販売技術(広告)サービス 等)を究明する点にそれぞれの共通点がおかれている」.

       くの

 即ち,配給活動の合理化が,恰も商品の社会的流通を調節し,生産一配給一消費間の均衡を 保持させる機能を営みながら企業の利潤獲得を実現せんとするいわば政策的,実践面を強調し たところに当時のマーケッティング研究の特殊性がある.

(L・C・Mar曲a皿・:Business Administration1930.)

 これは,Copeland教授がマーケッティングの定義を「事業経営の政策を支配する諸原理」

と規定した点に端的に表現されているのである.      鋤  しかしながら,マー・カッティングの意義はCope㎞d教授の如く諸原理(抽象論)の研究に あるのではなく,私経済の母胎である個別企業経営における販売経営に関する技術各論(広告,

セールス・サービス・セールスマン・セールス・プロモーション等々)に対して客観化,科学 性を附与せしめようとする志向過程にその重要性があるのである.

 即ち,個と全との関連の視角において個(販売,経営技術的各論)を主点としたそれぞれの

(12)

42  福島大学学芸学部論集 第10号 1959−3

主体の関連論,したがワてマーケッティング研究の方法論は,単に演繹的志向一経営技術の一        くり

般化(抽象論)一でもなく,又,帰納的方法(実務的諸活動を社会経済的見地(一般論,)抽 象論から批判する)でもない,いわば販売技術各論を前者を通じての一般化(抽象論)と,後 者の社会経済的見地から考察するという段階的な両面の過程を兼ねそないたところに真のマー ケッティング研究がある.かかる意味に於いてこの客観化であり,科学性であるが故に該研究 が商業的研究の体系をオリエγチールングする役割を有し,かつそこに商業に関する革新的理 論であるという意義の存在価値が認められるのである.

 (ロ)企業における単位生産力の巨大化は,当然に商品市場の拡大を形成する・資本主義的再 生産が高度に発達してきた二+世紀以来のアメリカの商品市場は,商業組織に配給経路の長大 化と複雑化とをもたらした.その結果的現象として先ず生産者(企業)が卸売商のみを取引営 業の対象とした所謂正常配給経路の維持を困難ならしめた、それは,極度の拡大再生産にもと づく大量生産物の商品化の実現のために販路開発を意味するmerchandisl撃の発生とその軌 を一にするのである.即ち,大規模小売形態の発達による生産者との直接取引,生産者の卸売 経営の直営を可能ならしめる生産ならびに配給技術の進歩・特に広告の発達は・生産者自らの 最終消費者への直接的訴求と,配給経営の全般的支配を可能にし且つこれを必要とするに至ワ た、ここにおいて生産者は,自己の企業よりつくられる生産物に対する販売活動は,自己中心 的な最終消費者に至る配給経路,商業組織の商品に関する流通機能の全過程を把握するように なワた.これが今日,生産者の販売活動すなわちマーケッティングと考えられるにいたワた所 以である.

 この配給組織を対象として,「マーケッティングは・広義の商業経営として問題とするとこ ろのもので,それはMarketi㎎management(米)であり,Comercil managem㎝t(英)

である」と定義するのである.

即智,Marketingの研究方灘所謂肋nmics・fMarkαf㎎とMarket㎎Mam9−t

との二局面に分類するならば,アメリカにおいては,当然に後者に属している傾向の研究が多 く,従ワて一般的にみられるMarketi㎎の定義は「財貨およびサービスを生産者から消費者 叉厳儲まで移動させるところの経営活動(B・s幡sa㏄ivi鯉である」とし 漸謂経営 的視角に立った研究方法をその内容としている .

 しかしながら,現在に至るまでマーケッティングに関する定義には種々異ワた見解がみられ ている.それは,「商業,配給,或いはマーケッティングを定義づける立場・観点・対象領域 の限界」がそれぞれ異ワているからであってアメリカにおける主たるマ昨ッティソグの研究

  くのもその一局面の主張に過ぎない。

 経営的視角換言すればMarketi㎎management的な定義 (アメリカ的)に立脚して・マ

_カッティングの研究対象及びその範疇を考察する場合には・当然にMarketi㎎とDist「ib utionとの比較,そして両者の関連性を問題としなければならないだろう.

 この問題についてH.W,HEPNERは次の如く論及している・先ずマーケッティングの定 義を「The term marketi㎎ indudes every activity that has to do with the mov㎝e・

nt。fg。。dsfr。m血e⑳intwheve血evarepr面圓t・血e⑳int伽ve㎞yamω

nsumed」 (マーケッティングとは,財貨を生産される場所か与消費される場所まで移動させ

  て ン

るに必要なあらゆる活動を含んでいる)と規定し,そのあらゆる活動の内容一マーケッティン

グの研究対象_をrlh㏄1u伽伽血dy・fadve孟isi㎎・蜘es卿ies・P⑳㎎・produα P㎞ni㎎,and血ea蜘y叙s・fthemarket醜rms・fitsp既nt㎝d四tentia1帆om『

.rs」 (広告,販売政策,価格決定,製品計画,および現在ならびに潜在的消費者市場の分析)

(10)

(13)

渡辺:所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連 43

にあるとしている.又,Distributionを「Chanber of oommeroe of the United states」の 定義にしたがワて「Distribution is the term used in American business to embrace an the ad:ivit蛤s employed in fndi㎎Customers for goods and servioes and ln movi㎎go一

ωs,加thg・・即aphicany副伽ught鵬㎝㎜1s・ftra喩(Distributionは財貨およ

びサービスのために消費を発見し,財貨を地理的におよび商業経路を通じて移動する場合のあ

らゆる活動)とその意義を説明している.したがワてMarketi㎎とDistributionと1ま・「一        ロの般に同じ意味をもっている」 (The terms marketi㎎and distribution have the same 9㎝eral meani㎎)

       ロの

 このようにDistributionの概念は,一般的通念とは反対に,卸売および小売よりも意味が 広く,更に販売よりはるかに広汎な意義に拡大解釈化されている現状である・問題は・かかる Dis出buti⊂mに対して性格的に変革を必然化させたその要因は何か。更に拡大的視角に立つ Dstributionが果して変革を要求したその素因に対し,はたして充分な対応がなしうるかどう かという疑問が提起されるのである.

 過剰生産と,減退した購買力,変転極わまりない消費者の選好,更に相次ぐ技術的・社会的 進歩に伴う需要の量的,質的変動に対していかに対処すべきかという諸問題がヴィタルな課題 となっている現段階において,特に第二次大戦後に特長的な「Consumer is a Id㎎」一市場 的生産乃至は組織的販売化一は,単に経済的問題に限定しえず消費者の研究が心理学,統計学,

社会学等々の立場においての分析解明の手段の重要性をもたらしている.

 このような時代的社会的背景のもとに「販売活動」のより拡大的なDistributionの発生の 意義が理解される.けれども,生産と消費との分離而して市場生産の構造的機能は・所謂大量・

生産に対応する大規模消費一販売方法はMerchandisi㎎の販売組織或いは販売活動の質的転 換換言すれば前述の如ぎDistnbutlon或いは所謂Marketi㎎の諸機能により商品生産それ

自体の生産過程にそれなりの質的変革の一モメントを要求した.がそれにはまた一定の限界点 があらねばならない.なぜならば資本制生産の基本的命題に資本主義特有の構造的矛盾を内包 し,「生産のための生産」が続く限りにおいてである.即ち,生産の発展過程に順拠して展開 されるMarketi㎎の研究,Distributionには一定の研究方法,対象とその視角の所謂経営活 動め方法論が体系づけられなければならない.1つは,「経済活動を生産活動と配給活動との 二つに分けて,生産活動を農業その他の原始生産と加工生産たる工業における育成および形質 の変化を目的とするすべての経営活動とし,このような生産活動を除外したすべての経営活動,

それは生産活動の結果たる生産物の形質を変化させることなく,生産者の手から最終消費者ま たは使用者まで移動せしめる諸活動のすべてを配給活動とする」所謂Marketi㎎managem・

      ラ

entを基本的範疇とするか.2.或いは,マーケッティングの機能を生産と消費との均衡成立 化の流通的過程を通じた調整作用とするいわば配給活動を主軸としそれとの関連における生産 活動を加味した所謂経済活動の全過程にその方法論の基盤を求めんとするものである.

 若し,後者の視角が容認されるならば,マーケッティングの研究は,市場論を前提とした経 営経済的方法論となろう.即ち「市場を単に空間的な拡がりとしてでなく,同時に時間的拡が

りをもったものとして考察し,市場均衡成立過程におけるTime lagの影響,或いは不確実 要素を本質とする期待の作用一見えざる手の機能一更には一定の生産講造を前提として成立可 能な短期正常価格と,生産構造の変化にもとずく長期正常価格の関係等々の動態的,両面的な 性格を内包するもととなる.次に,市場論に立脚するマーケッティyグの研究方法を考察して

みよう.

(14)

44  福島大学学芸学部論集 第lo号 1959−3

 以上の観点からマーケッティングの研究に於いては,その前提に

1.社会経済的見地一資本主義経済との関連に於いて考察する.これは,国民経済的考察と私  的経済的考察との統一的把握を意味する.

2.最大限利潤獲得一資本主義経済の制度的命題として,また私企業の最終目標であるという  両側面の共通要因として

この二つの前提に立脚して,前述の如き販売技術各論の客観化,科学性が実現されるその過程 において実務諸活動間の関連がより具体的に把握されるのである.それ故にマーケッティング 研究とは一つの研究でもなく又一定の事実でもない.換言すれば,単に個別的な経営技術のみ をとりあげてマーケッティング研究ともいいえず,また,「広告なり,利益率なり,業界一般 としてはどういう現状にあるかという数字を与え,その考察に基づいて私企業は,次の経営活 動をどうすべきか」(浜野:マーケッティングP10〜11)という所謂経営活動のゾルレγの問 題だけではなく・これよりも更に進んでゾルレンがdoi㎎化(最大限利潤の獲得)しなけれ ば本来のマーケッィング研究ではないのである.例えば,販売技術としての「広告」を主点と

してマーケッティング研究を行うとするならば,広告の経営的行為を所謂販売技術の各論とし てのそれぞれの関連において考察し,その統一化を通じて販売知識に止揚せしめ,販売知識の 総合的視角からあらためて広告の販売技術における意義とその役割を認識せしめ,これに基づ いて広告のdol㎎が新たな視角に立ワて行われることを意味する.これを称して仮に広告の マーケッティング研究と定義しよう.

 従って・販売技術の各論としての広告の効用或いはその機能は,その視角において基本的に は,販売技術の一環としてそれの機能を広義に解釈するものである.即ち「セールス,プロモ ーションも広告部門だけで解決しうる問題ではなく,企業活動全体から討議されるべき性質の

ものである」.

    ロの

 要するに「広告を統合機能としてのマーゲッティングの一部」としながら,しかも,広告技 術は,他のマーケッティング部門(販売技術の各論)との相互関連性において考察するという 所謂mark鉗㎎mixの立場に立たねばならない.この問題をNeil,H,Bordenは「mark・

eti㎎mixの重要な要素を,1.merchandisi㎎の問題として,2.marketl㎎mixの一部

分としての価格要素,3.㎜keti㎎n丘xにおけるpersonal seeli㎎の三つに分ち」これと 関連をもつものに所謂広告要因がある.しかして,この要素に関係を有するmixの要肉を

「ブランディング,配給経路,促進活動,包装,ディスプレイ,サービス」等々としている.

       ロリ

 このような,marketi㎎mixの分類は,当然に,その視角において「marketi㎎を生産か

      ら消費に至る商品及びサービスの流れを方向づける(傍点筆者)企業の統合的な機能」と見做 していることを立証するものである.同時にmarketi㎎miXに於ける各要素,要因は,ま た,それぞれに於いて統合的な関連に立っていることを再び確認されるべきものである.

 このことから,当然に,マーケッティング研究には,所謂総合的なマーケッティング研究と,

販売技術に関連するそれぞれの個別的マーケッティング研究とがある.前者を広義のマーケッ ティング研究とし,後者を狭義のマーケヅティング研究とその視角の方法的範疇の差異により 分類することも必要なことであろう.

 以上の考察過程を結論的にいうならば,小論のマーケッティング研究は,社会経済的現象と しての商品流通に関する研究で,それの私企業に与える影響をも考察するものであり,伺且つ 市場に働きかける政策の問題と同時的に経営的販売技術に関する諸活動間の関連の問題として 統合的な理論体系を形成せんとする志向的試論である.従ワて,小論の考察視角は,経営経済 学的であり特にフィッシゼーの所謂経営的市場経済学に類似した性格をもつものである.

(15)

渡辺:所謂第一部門優先の問題とマーケッティングとの関連 45

(1)上岡,浜野,マーケッティング 6〜7pp

  商業過程における中間商の諸機能に関して考察された書物は,A・W・5hawの外に   M.P.Mcmir&H.L.11ansen,Problems in marketing1949

  P.D Converse,The ejements of m且rketing l933

(2)上岡,浜野「前掲書」8p

(3)M.T.Copeland,Marketi㎎Problems p11920

  「M塩rketing may be defined as a study of the principles that govem polieies o「business mana−

  gement in the distribution of Commodites from producers to Consumer5・」 (上岡,「前掲」11P

(4)従来Maτketin9研究の方法について解明されたもeに前記Copeiand教授等があげられる.

  同教授は方法論を.大別して 1.Comm{xlityapPyoach.2.institutionalapProach.3.functional   approach等々が三つに分けている.

  P.D.Converce,The Elements of Marketing PP16.171935この他に問題別接近(problem apPrか   ach)を加えているものもある.

  清水晶他,マーケッティングー原理と事例一4〜5P

  又,F.E,Clurk教授のapproachにもとづき前記と同様の説明をしているものもある.

  上岡,浜野,「前掲書」14〜19p

(5)Merchandisingの定義は種々異なった見解によりその時,その場所によP或いはmarketi㎎と同意義   に,又,時には販売と同様な意味に解釈されてきたが,「アメリカ,マーケッティング協会の定義によ   れば,merchandisingとは適当な商品を,適当な場所に,適当な時に適当な数量において,適当な価格   においてDistributionしょうとする計画的活動(Phnning)である,としている.したがって,商品   化方策(merchandising)は,販売し得る商品を生産または配給する方策であるということができる」

  鈴木保良,商業経営諭 138p

「6)鈴木「前掲書」9p

(7)鈴木「前掲書」7p

(8)向井,福田,体系商業学 424P

(g)H.W.Hepner=Modern Marketing−Dynarnics&Management p19.1955・

(10)H.W.Hepner,P20.

(11)H.W.Hepner,P20.

(12)Distributionの研究対象を「Distribution includes warehousi㎎,transportation,wclesale and retaiI   market王ng advertising and a substantial part of research,engin㏄ring,accounting and fna口cing」

  としている.

   (H.W.Hepner,Modem Marketing PP19〜20.

(13)II.W.Hepner,p19.

(14)鈴木「前掲書」8p.

(15)小林太三郎,広告宣伝 9p

(16)E.C.Bursk&.D.H.Fenn,planning the Future strategy of your Business pP143〜144.1956、

  小林「前掲書」8p

お  わ  り  に

7.マーケッティング研究に対する反省

 1.)マーケッティング研究を通じて資本主義経済との関連に於いて,商業理論の体系づけ

(市場理論を前提とすることにより),また,私企業の経営活動の合法則性を規定する.この 両側面を包含するが故に,ここに,マーケジティング研究のざんしん性が内包されているとい

うことが意義をもつものである.

 2.)最近,一般的に考えられている販売技術各論の一部があたかもマーケッティングの本

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46  福島大学学芸学部論集 第10号 1959−3

質であるが如き謬見をもって個別的技術に特にその力点をおくことは,結果的において学問研 究の混乱を招き,而して,従来の配給論,或いは販売技術がマーケッティγグの研究対象と同 一的な内容となりつつあることは,一見,資本主義的生産構造との関連においてという商業理 論の発展性とみなされるが,実は,マーケッティング研究がその方法論において未だ理論的な 科学性がオリエンチールングされていないためであワて,販売技術に視点をおくマーケッティ ング研究は,その研究自体に前述の如き後退的性格を認めざるをいない所以が如実に証明され なければならない.

 3。) 生産経営と販売経営との紐帯の基本的中心課題は,一つはmerchandisingの生産調整 化であり他は,生産樽造の変化に伴う販売技術即ちmarketi㎎活動の本質的転換過程の二面 が特にその焦点と見倣される.

 前者は,消費者の個別的欲求に対し1殆んど意を払うことなくして産出された大量生産物を,

場所,時期,品質,数量及び価格の観点より現実の消費者需要に適合させるために果たされる 一連の活動が所謂merchandisi㎎という機能を通じて行われる商品調整作用は,ただに販売 経営だけではなく生産経営においても部分的にしろ作用するということである.(販売経営が 商品調整を当面の課題として担うところにその独立の存在を主張しうる理由が考える)又,後 者は,最近急激に進歩した生産分野の改革,たとえばオートメーショγの採用による生産性向 上など生産構造における変化が,例えばその結果としての大量生産に則応した大量販売の手段 としての広告活動のめざましい発達等は,生産構造の変化に伴うマーケッティングに当然に改 革を要求してきた結果ということができよう.

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