授業科目名 教育社会学I
科目番号 CB25311
単位数 2.0単位 標準履修年次 2年次
時間割 春AB秋AB水1 担当教員 飯田 浩之
授業概要 教育社会学は、教育に関わる社会事象を対象とし、社会学の視点と方法で研究する学 問である。本講では、授業前半の「教育社会学基礎論」ではとくに「個人と社会の関 係」について、授業後半の「現代社会における人間形成」では、変動する社会のなか で人間形成の役割を担う教育のあり方について検討する。「教育」を通じて社会が個 人を規定すると同時に、個人が社会を作り出しているという、両者の循環的関係を伝 達することが、本講のテーマである。
備考 社会教育主事(2012年度までの「教育社会学」に対応する。) 2012年度までの「教育 社会学」の単位取得者の受講は認めない。
授業形態 講義
授業の到達目標 社会学の基本概念および理論の学習を通して、教育事象をみる社会学的観点を身につ ける。教育事象の社会学的な検討を通して、広く人間形成として「教育」をみた場合 の「教育」を通じた個人と社会の相互規定性について考える。
授業計画 第1回オリエンテーション
第2回社会学的パースペクティブからみた教育(1)
社会学的パースペクティブとは何か/社会現象としての教育 第3回社会学的パースペクティブからみた教育(2)
教育に対する社会学からのアプローチ/教育社会学の方法/教育社会学の歴史 第4回社会と文化と教育と(1)
社会とは何か/文化とは何か 第5回社会と文化と教育と(2) 社会化・文化化としての教育 第6回社会化の諸理論(1)
価値・規範の内面化/文化の学習/言語と儀礼 第7回社会化の諸理論(2)
相互行為の過程/社会への参加・参入/社会の構築・再構築/文化の生産・再生産/社会 の変動、文化の変革
第8回社会化のエージェンシー
近代という時代/社会化のエージェンシーとしての近代家族、近代学校/ 子ども と いう存在/近代家族・近代学校の相対化
第9回社会化の問い直し
個人化と社会化/統合と葛藤/性と世代/排除と包摂/ミクロな社会とマクロな社会/社 会的カテゴリーの再検討/弱い「類別」「枠づけ」のなかの社会化/共生の可能性 第10回前半部のまとめ
第11回家族における社会化
集団としての家族/家族の変容/家族の多様化/近代家族から現代家族へ/現代家族に おける社会化とその課題
第12回地域社会における社会化(1) 生活の場としての地域社会/地域社会の変貌 第13回地域社会における社会化(2)
地域社会の教育力/現代地域社会における社会化とその課題
第14回学校における社会化(1)
文化伝達の機関としての学校/学校のカリキュラム/学校における知識と統制/交渉と しての授業
第15回学校における社会化(2)
教員社会とその構成/教員文化とその機能/教員-生徒関係 第16回学校における社会化(3)
生徒集団とその力学/生徒文化とその機能/学校文化の諸相/今日の学校における社会 化とその課題
第17回情報社会・消費社会における社会化(1)
情報社会と消費社会/青少年の生活時間と生活空間/メディアと下位文化 第18回情報社会・消費社会における社会化(2)
子ども論・若者論の現在/情報社会・消費社会における社会化とその課題 第19回逸脱と統制
青少年の逸脱/逸脱の諸理論/社会化と統制/ラベリングと逸脱/社会問題の社会学/統 制と創造
第20回後半部のまとめ[授業外の学習方法]
マスコミ等を通じて、現実に生起している子ども問題、青少年問題、教育問題、社会 問題に常に関心を向けるとともに、それを歴史的・社会的状況と関連づけて、かつ、
クリティカルに考察するために、幅広く、社会科学の書籍に触れておくことを推奨す る。
成績評価方法 授業への出席(履修)を前提として、期末試験の成績で評価する。
[欠席の場合の措置] 特段の措置はしない。
教科書 特に指定しないが、出版されている「教育社会学」の概説書を参考にしつつ聴講する こと。具体的な書名等は、授業で紹介する。
参考図書 授業に関連する文献は、その都度、紹介する。
オフィスアワー 火曜日14時˜16時
総合研究棟D 314号室hiroiida at human.tsukuba.ac.jp
受講生に望むこと 本講は社会学の観点から教育を検討することを目的としており、社会学的に思考する ことへの強い動機をもつ者を受講者として想定している。
キーワード 社会学的パースペクティブ,社会,文化,社会化,文化化,地位・役割,価値・規範,相互 行為,家族,地域社会,学校,カリキュラム,授業,教員,学校文化,生徒文化,青少年下位 文化,逸脱,統制