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排気ガス規制の施行と分析測定技術の進歩

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(1)

排 気 ガ ス 規 制 の 施 行 と 分 析 測 定 技 術 の 進 歩

( 1 ) まえがき

国際社会が協力して地球の環境を保全す るために、各国で活発に討議したことが報 告 されているが、これらには単に技術だけ の問題ではなく、国家の政治、経済を含む 総合施策が適切であってこそ快適な生活環 境を維持する事が出来るとされている。

内燃機関、とくに自動車の排気ガス規制 の断面からの歴史的過程は、

1   9   6   8

年に 米国で成立した大気浄化法に基づき、いわ ゆるマスキー法が成立したことより始まっ た。 当時、それまで高出力と熱効率を主 たるテーマとしていた内燃機関の技術者達 は、突然自動車が主役になりかつ、効率を 犠牲にしても有害物質を減少すべきである という状況の急変にとまどったものであっ た。 しかし、その問題に 直面して優秀な 技術者を集め、測定方法を考案して現象を 解析し、基礎技術にもどって研究をすすめ た自動車メーカは結果として優秀な製品を 作り出すことに成功した。 すなわち、厳

しい規制は極めて難しい技術の実用化を推 進 し、それに応えられたことがその後の発 展につながった。 さらに、前述の環境の 規制では不充分だとして、現在、極端だと いわれるほど,:' しい排気ガスの規制が、検 討・実施されていることより、また新しい 技術が求められている。

ここでは、自動車の排気ガス規制の動向 より、常に世界的な規制のリード役である

大浦政弘・中村成男*

米国カルフォルニア州の規制を中心に、そ こに提起されている難しい課題と、それを 乗り越えるための技術的な可能性について 述べ、快適な環境作りへの 一 つの話題提供

としたい。

( 2 ) 自 動 車 排 気 ガ ス 規 制 の 動 向 2  ‑ 1) 各 国 の 規 制

1   9   7   0

年代に始まった排気ガス規制は 先進各国においては

8 0

年代半ばまで暫時 その内容を強化して 一 つの安定期を迎えて いた。 しかし、近年地球規模の環境問題 が大きな問題になってきたことや、自動車 の絶対数の増加により環境の改 善が思わし くないことなどより排気ガスの規制強化の 動きが再び活発になってきた。 とくに、

今回の動きは単に規制値を強化するのでは なく、 規制の対象の拡大、試験 ・測 定条件 の見直し、さらに代替燃料の使用の促進な ども検討されておりマスキー法の再来とま でうわさをされる状況となっている。

新しい規制への世界の各国の動向をみる と、日本では、中央公害審議会が、

1   0

年 程度先までを見通して、ディーゼル車等の

N O x

およびパーティキュレートの大幅低減

を盛り込んだ答申「今後の自動車排出ガス 低減対策のあり方」をまとめて環境庁へ提 出した。 この答申により、去る平成3年

3

2 7

日に環境庁は、表

l

に示すような

*株式会社 堀場製作所 代表取締役社長・自動車計測システム部長

(2)

表1 ディーゼル車への新たな規制イ直 利 N  Ox  拉 子 状 物 質

削・は率

3   3  

%  

0.   34 

9/  

k m  

中 坦 単 直哨式

3   5  

%  

0 .   43  g/   k m  

副室式

0  

%  

月 車

I   0.  34 

9/ 

k m  

重 旦 豆 輯 式

│ 1 7  

%  

  96  0 .

9/Krn  軍 式

I 2  

%  

ディーゼル車に関する規制を公布した 。 現在 、引き続き新しい規制と具体的な 試験 法の検討が進められている 。

米国においては、環境問題にたいする 世 論 の高まりを背景にプッシュ大統領は l 2   年ぶ りに法律の改正を発 表 し、新しい 大気 浄化法案を提出した。 また、米国 上院商 業委員会は 平成

3

3

1 9

日、 自動 車の 燃費を

2 0   0  1

年までに

4 0

%向 上させる

ことなどを義務づけた、メーカ別平均燃費

( C A F E )

の改正法案を可決している 。

その他、

E P A

(米国環境保護局)がガソ

リン車のパーテキュレートの規制を検討 し ている等の動きもある。 一方 、米 国では 州ごとに独自の規制を施行することが許 さ れていることより、スモッグが改善されな いカルフォルニア州では、

C A R B

(カル フォルニア州大気資源局)により 連邦規制 よりはるかに厳しい、世界一厳しい といわ れる規制が施行されることになった 。

E C

諸国では、

E C

統合に備えて規格の 制定・改訂が進められていて、

9 2

年以降 ではメンバ国が一斉に排気ガス規制 の強化 を適用する予定である 。(1)

以上のように、先進各国では規制強化 の動きが、まだ規制が施行されていない 国 では規制の導入の動きが見られ るが一般的 な傾向としては

l

.規制値の強化

2

.高速走行モードでの 試験 の導入

黒煙削・は辛

新 単 •

H   5

l 0

2   0  

%   栓入単:

H 7

4

新 五

H   6

1 0

2   0  

%  

i

;入車:

H 8

4

3

.ディーゼル 車の パーティキュレート規制 の導人

が共通に認められる 。

これらの動きの中には、 従 来の技術開発 の延長線上 で解決できる 事項 もあるが、 元 来、環境を美し くしたいとのテーマは、こ れまでのハード技術の展開とは少 し異な っ た、あるべき論が先行するため、まず規制 が先に作られそれか ら技術検討 が開始され ることがらが少なくない 。

2 ‑ 2 )  

C A R B

の規制

米国カルフォル ニア州では、従来の規制 では大気 汚染は抑制できないとして、カル フォルニア 州大気浄化法を採択し、この法 の実行のため次々と厳しい排気 ガス規制を 制定してきた。 この規制は、その検討対 象の広さ、厳しさの点で特徴的なものがあ るので 以下に その 一部を紹介する 。 a) 規制対象機関

排気ガス規制といえば 自動 車 を差 すのが 常識であったが、 今回 は排気 を出す機関す べ てを対象としているようで、排気 霰2 0  

C  C の芝刈槻から船舶の大 型 ディーゼルエ ンジン まで の規制が検討されている 。 規 制内容はあくまでその時の大気 の状態によ り修正 されると しているが、小型エンジン の電動モータヘの転換 、電気自 動車の製造 1 8   (18)   海 洋 化 学 研 究 第5巻第1号 平 成35

(3)

命令などの言葉 よ り、

C A R B

の基本姿勢

はZ E V (排気ガスのない車)を広げるこ

とではないかと思えるほどである 。現在制 定 ・検討さ れている規制を表

2

に示す。

2. C A R B

が検討している規制対象

l

低排気ガス自動車とクリーン燃料 2 自動車の蒸散ガス

3

.小型汎用エン ジ ン

4 .オ フ・ハイウエーエ ンジン

5

建 設 ・農耕機械用エンジン 6.船舶用エンジン

7

.鉄 道機関車用 エンジン

b)低排気ガス自動車とクリーン燃料 この規制は、その値が朕しいだけ でなく 今までの排気ガス規制の概念の枠を越えた 新しい考え方が導入されていて、多くの課 題を投げか けている 。 ここでは、その骨 子を紹介する。

b ‑1 ) L E V規制値

T L E V ,  L E V ,  U L E V ,  Z E V * と の言葉を創造して、各カテゴリごとの規制 値を決定 している 。(2) これらの値を表3 に示すが、暫時強化して

2 0   0   0

年に は、 たとえば炭化水素では現行の値の2 0%に

減少させ ようとするものである 。 この表 にある、

c o

(一 酸化炭素 ) 、N O X 儘

t

素酸化物 ) は従来からの規制対象の物質で あるが、 N M O G  (N o n ‑ Methane   Organic 

Gases) 、ホルムアルデヒドは 今回はじめて

明記 された物質であ る。

もう 一 つ、この規制において画期的なこと は、 1 9  9  8年以降にZ E Vすなわち 電気 自動車の生産が命令 されている 。 これに より、 自動車メーカはカルフォル ニア 州に 販 売する自動車の2 %を Z E V としなけれ ばならないこととなった。 T L E V ,  L E   V の開発はまだし も、 U L E V程度になる と現在の燃焼原理での槻関の延長として実 現出来るのか 、何か別途のプレークースル がないと実現出来 ないか、ギリギリ のレベ ルであると 言 われている 。

b ‑ 2 ) N M O G  

N M O G光化学ス モ ッグの 原因 となるオ ゾンの生成に寄与する

H C

(炭化 水素) を 規 制 す る た め の 定 義 で あ る 。 ガソリンに 代 表さ れる燃料は種々の

H C

の混合 物であ

り排気 ガスには燃料 より 複雑な各種の

H C

が含まれる 。 図

l

にイソオクタンを燃焼 させた時の排気ガスの糸ll.成 を 示 す が 、 単 一 組成の燃料でも、排気ガスには多くの

H C

が生成 されることがわかる 。 従来、この H Cの規制 にはT H C (全炭化水素)との 定義があり、

F I D

法 ( 水素 炎 イオン化分

表3. 低排気ガス自動車の規制値 (小型乗用車と小型トラックg/mile)

耐久期間 排気好

J..l)‑

N M O G   c o   N O x  

訊ぶ

f ル テ ` ヒ ト `

T し E V 0.125  3 . 4   0.40  0.015  5 万マイル L E V   0.075  3 . 4   0.20 

.015

U L E V   0.040  1.  7   0.20   0.008 

T L E V   0.  1 5 6   4 . 2   0.  5 5   0. 0   1   8   10 万マイル L E V   0 . 0  9 0   4 . 2   o. 2 s   I   0. 0   1 8   U し E V 0 . 0   5 5   2. l   o. 2 5   0. 0   1   1  

* L E V  :  L o w  Emission Vehicles  T L  E V  :  Transitional L o w  Emission Vehicles  U L  E V  :  Ultra L o w  Emission V ehicles  Z  E V  :  Zero Emission Vehicles 

(4)

析法)で分析するとメタン、エタン、プロ パン等の炭素数に大略比例した炭化水素の 濃度の合計が測定されることを利用してこ の値をT H C濃度としていた 。 そして、

カルフォルニア州ではT H Cよりオゾン 生 成に影響を与えないメタンを差し引いた、

N M H  

C  

(Non‑Methane  Hydrocarbons) にて 規制を制定していた。 しかし、今回、こ

の考え方ではオゾンの生成能を正しく 表 し ていないとの判断から、 N M O Gにて規制 値を決定することになった。

ここでの、 N M O Gの定義は、 「炭素原 子

1 2

個以下の酸素を含まないメタンを除

<炭化水素化合物と炭素数5以下の含酸素 炭化水素化合物」であり、この各々の 炭化

2~

~?

1 . ' E x h a u s t   1~1 11  1  Emissions 

I  so‑Octane 

I  L  

19 

10 

18 

21 

(b) 

!so‑Octane Fuel 

水素化合物に別途定める各成分 ごとのオゾ ン反応性調整係数をそれぞれに乗じて、そ の総和が規制値とな った。 このことより 従来はF I D法で簡 単 に求められたH C濃 度 が、個々の成分に分解して測定する必要

が生 じた。

b‑3) クリーン燃料、その他

この規制の目的は、あくまで大気 の質 を 良 くすることであるが、ここでは 単 に排気 ガスの規制値を厳しくするだけでなく、排 気ガスがきれいになるクリー ン燃料と呼ば れる代替燃料を採用した 自動車 を優遇しよ うとしている点にある 。 クリーン燃料とし

l 2  

c c   c  

3  

c~

C  C  5  

A r o m a t i c s  6  

M e t h a n e   E t h a n e  

E t h e n e   ( e t h y l e n e )   E t h y n e   ( a c e t y l e n e )   P r o p a n e  

P r o p e n e   ( p r o p y l e n e )  

P r o p y n e   ( m e t h y l   a c e t y l e n e )   i ‑ B u t a n e   ( i s o ‑ b u t a n e )   n ‑ B u t a n e  

i ‑ B u t e n e   t r a n s ‑ 2 ‑ b u t e n e   c i s ‑ 2 ‑ b u t e n e   1 ‑ B u t e n e  

1 ‑ B u t y n e   ( e t h y l   a c e t y l e n e )   1 , 3 ‑ B u t a d i e n e  

n ‑ P e n t a n e   n ‑ H e x a n e   B e n z e n e   T o l u e n e   E t h y l   b e n z e n e   p‑ a n d  m ‑ X y l e n e   a ‑ X y l e n e  

Isa‑Octane 

炭 素 数 の 順 に 並 べ た 各 成 分 と 識 別 番 号

5  10 

2 0  

図 1 .イ ノオクタンを燃料とした時の排気ガス成分のクロマトグラフ (3)

(20)  海 洋 化 学 研 究 第5巻第1号 平 成35

(5)

ては、アルコールや

C N G

などが考え られ ているようで、この点よりも、また新たな エンジンの開発が促進され、そして、排気 ガスの分析測定技術に対しても新たな 課題 が設定された。

その他、測定には直接関係はないが、こ の規制では全ての自動車が

1

l

台この規 制値を下回る必要はなく、ある 車の群の平 均値が、規制値以下であれば良いとしてい る。 また、その規制平均値を下回った分 だけをクレジットとして発行し、このクレ ジットは他の群あるいは後年に使用するこ とが認められている。 規制値が年々厳し くなっていく環境では、早くこのクレジッ トを手に入れたいのは良く理解できること であり、そのためにも、

1

日も早く分析測 定機器を開発して欲しいとの要求にもつな がってきている。

( 3 ) 排気ガスの測定法

ここで、 一般的な排気ガス測定法を紹介

する。 排気ガスの規制は排出されるガス の重抵値で管理することにな っている 。

ところで、排気管出口でのガスの濃度とそ の流量が測定できれば問 題 はないのである が、実際には温度・圧カ・流 凪 が大きく変 化する点にてそれを測定することはむつか

しい。

そこで、現在は図

2

に示すように排気の 全量を一旦空気にて希釈して、その混合気 を一定流 量 になるように吸引する、 C V S (Constant  Volume Sampler) 法力昧用されて いる 。 まず、この定流 量の部分より 一部 のガスをバッグに採取する 。 次に、走行 試験が終了後、このバッグ中の濃度を測定 して積算流 鼠 と密度を乗じると、その試験 で排出された排気ガスの 重聾 が求まる 。

ディーゼルのパーティキュレートすなわ ち粒子状物質は、上記と同様に、空気で希 釈された後、希釈トンネルといわれる円筒 管 内を流れるようにして、 C V Sで吸引す

希訳空気

I  

5

放出一

図2. C V S法による排気ガスの測定装醤

(6)

Uエ ア ー

I  

*訳, . . ンネル

尋 訳m久 ガ ス 用 分 析 計

0191>1 

紀 子 状1書 日 咬3│R

マ フラ ー

3

バーティキュレートの測定装置 る構成 となっている 。 この後流より 一部

をま た吸引して、その 中間に位置するフィ ルタに捕獲される物質の重 星 をもって 管理 されている。

( 4 ) 排気ガス分析測定への課題と検討 これまで述べられた規制の動向は、規制 に合ったエンジンの技術的改良が出来ると いう保証や、規制に合っているかどうかを 評 価 できる測 定技術が既に準備されている ものではなかった。 今 まで述べ られた新 しい規制の具体的な展開に伴って提起され る分析・測 定に関 する技術的 課題について 検討し てみる 。

これらの課題を二つに分類し、 一 つはサ ンプリング系に関する課題と、もう 一 つは 分析機器そのものに関する課題とに分けて みる 。

4  ‑ 1) サンプリング系に関する課顆 規制の車の Real State に近い状況か らの排 出規制になってきたこと、一方規制値が現

4 .

環境大気の濃度

TIIC  ~OX co 

訊市近郊 3

s pp●  0.  05‑ 0.  10  pp1   1‑ 5  pp● 

それ以外 2   PPI  0  010 02  pp■ 0.5 ‑ ! 0 p p■ 

状の環境濃度以下に決められようとしてい ることから、サン プ リング系に対する条件 については相 当厳しい検討が必要である 。

① 希釈用空気の精製

図2 に示 したC V Sや区13 に示した希釈 トンネルには大 聾の希釈用 空 気 が必要であ り、この希釈用 空気は 一般に環境大気 から 導入されていた 。 ところが、現状の環境 大気には 表

4

に示すような汚染物質が平均 的に存在している 。一方、 U L E Vの排気 ガス規制からいうと、これ らの汚染物 質の

寿

iP

悶性

b紅心や和序

2 2  

4.

空気精製椴の処理の流れ (22)  海 洋 化 学 研 究 第5巻 第1号 平 成35
(7)

レベルは、

T H C

1. 5  p p m

N O x

1.  8 p p m

co

1 0   p p m

程度であ

り、汚染物質によっては現状の 環境にお け る濃度より低い。 このため、 U L E Vの 排気ガス汚染物質を正確に測定するために は、希釈用空気に許容される汚染物質の濃 度を、各々

T H C : O . l p p m

N O x :

0.  1   p  p m

C O : l p p m

程度以下に する必要がある。

この目的で、図

4

に示すような構成の空 気精製装置が提案され た。 これは、導入 された大気を触媒や吸着剤によって精製し ようというもので、精製後の 汚染物質の濃 度 は、それぞれの要求濃度 以下にできるこ

とが確認された。

②希釈トンネルの課題

ディーゼルの機関か ら排されるパーティ キュレートの捕集には大流量の希釈空気 を 導入し た屈3 に示したような全聾希釈 トン ネル(フルトンネル)が使用される 。 こ のフルトンネルは、気体が高温になると蒸 発成分がフィルタから抜け落ちるためにサ ンプリング点の温度が規定されている等に より装 置が余 りにも大規模になる 為に代替 手法として大流量の 一部を分流した小流 量 のトンネル(ミニトンンネル)が使用され ている。 このミニトンネルには分流のイ

t

方によって2、3の方法があり、代表的な

例を図

5

に示したが、いずれも分流比の精 度について考察す れば、流路系の 圧力制御 を適当に実施すれば定常流にある間は殆ど 差 は認められない。 しかし、車が加速減 速し排気ガス流菫が過渡状態にある時に、

分流比がどれだけ安定しているかが今後の 課題である。 また代替燃料への対応や、

低希釈率に関する検討も求められている。

前者は、主としてアルコール燃料が対象 であり、この排気ガスが大量の水分を含有 していて成分測定に対して大きなバックグ ランドとして影響することによる 。 このよ うな場合に対応して、 トンネルの水分を測 定して トンネルの希釈率を変化させて 水 分 のバックグランドを下げる提案がされてい る。 (Valiable  Dilution  System)   後者は、

希釈率を大きくすると測定成分の濃度が薄 くなり測定器の測定限界を下回ることがあ る。 この場合、 一般に使用されてきたC

0 2

ガスをトレーサとして希釈比を求め、こ れより排気ガスの計算するモーダルマス法 では精度が不十分なため、希釈前と希釈後 の流量 を測定して計算に使用する 等 の、よ

り高い精度の測定が求められている 。 4  ‑ 2) 分析椴器の椴能上の課題

規制の強化に伴って、従来の分析計の基 本的な槻能ではカバ ー出 来ない領域が出て

きた 。

フ ュ ー エ ル

フ ィルター

 

..  

It

5T

me

[L  

2  

c0

 

 

わ 子 状:9頁 吸51ぞ 墓

9 9タ ク ト

パ イ パ ス パ ル プ

□  i 訊言は斥分

tf.I1

5 .

分流希釈トンネルの構成

プ ロ フ ー

ク リ テ イ カ ル つ0 ‑

9

':>'. 

(8)

ブ ゴ ス の 切 換

( 左 ) ( 右 )

I ふ 4│

ェ I][IB‑

測 定 セ ル 右

Z

測 定 セ ル 左 \

¥  /  \ 

/ 心 ヵ ・ ス試 料 ガ ス

比 に ガ ス

/  ¥  /  \ 

試料カ・ス

検 出 室 の 圧 力 変 化

l   □ 97 比 に ガ ス( Z ) I  i   検 出 室 右

l(S)A 

I   : 遵 I

検 出 室 左

しへ/ハ

P ( = P e ‑ P b )  

サ ン プ ル ガ ス( S )

吋力三三

6

クロスフロ式赤外分析計

① 分析計の感度・応答速度について 一般的に言って、分析計は、 一般大気環 境用として、高感度のものが既に開発され ており、現状の規制程度であれば追従出来 る。 しかし共存成分の影響とか、 感度の 安定性からみると、図 6 に示すようなクロ スフロ式と呼ばれる特別な構成のものが必 要 である。 これは試料ガスと参照ガスの 流路を交互に切り替えることにより変調信 号を作り出す方式で、共存成分の 干渉影響 の低下などの機能向上を実現した。 この 方式に よって、

C O 2

濃度で

0 . 1  

p  p m程 度の感度を得ることができた 。

② 炭化水素の分別とアルデヒドの規制 前項のb‑2)に述べたように、炭イ切<素の測 定 は各成分別に計測する必要が出てきた 。 これは、これまでの

N D I R

法 (非分散 型赤外法)とか、

F I D

法では不可能であ る。 また、アルコール燃料の使用が提起 され、この排出物としてアルデヒドの測定 も必要となってきた。 これらいずれの測

2 4  

定にも高い分解能をもつ測定槻が必要であ る。

この目的の為に、 二 つのアプローチが あった 。 一 つは

F T I R

の適用であり、

一 つはG C ‑ M S (ガスクロー質最分析 計)の適用 である 。 いずれの方法もこれ

までは理化学用 機器としては使われていた が、これを排気ガス測定用として実用化す るためには、応答速度の大幅な改良が必要 であった。

F T   I R

については、従来数 十秒であった応答速度を

5

秒程度迄早くす ることが出来たが、光路を短くしたことで 感度の低下が考えら れ、最低検出感度 を各 物質について求めているところである 。

7

F T I R

の構造図、図

8

に走行試験 結果を示すが、多成分の同時測定ができて

いる。

一方、さらに高速 ・閾感度を求めて、 G C ‑ M Sが開発が検討されている 。 G C  

‑ M S は飛行時間分別 ( T O F ) 法に よる もので、 G C は高速 カラムを使用するが 、 これについては未だに開発の緒についたば かりである。

(24)  海 洋 化 学 研 究 第5巻第1号 平 成35月

(9)

1 ̲

︱  

¥ t  

E

 

 

 

 

 

F T I R 分析計の構造 M E X A ‑ 2 0 0 0 F T   ( L A 4  C T )  

C V S  9 . 0 m ‑ / m l n .  ;9  Go•ollne F u e l e d  C a r  

7.

' 9 1 . 3 . 2 0   2  

8)

呉 ︶

1 . 0  

(X ) 03  

0 . 0   5 0 0  

︵且

d)

ON 

2 5 0  

1 0 0  

(E dd ) 

tHO  

0 . 5  

5 0  

゜゜

1 0 0   2 0 0  T I m o  (....c.) 3 0 0   4 ‑ 0 0   5 0 0  

8.

F T I R 分析計による測定結果
(10)

③ パーティキュレートの測定

パーテ ィキュレー トの測定は濾紙に捕集 したパー テ ィキュレートの重 羅 を測るこ と と規定さ れている 。 しかし、 この方法で は静特性は得 られるが 、排出 の動特性は得 られず、エンジンを改良するための指標に ならない 。 このこと より、 パーティキュ レートの動特性を得るために多 くの方法が 提案さ れて来た 。

l)

濾紙の 共振周波数の変化 (MicroBalance) 法

2)

光散乱法

3 ) 光音響 (Photo Acoustic) 法

4 )

燃 焼 酸 化法

5 ) 圧 電天秤 法 6 ) 導電率法

7)

差 圧検 出 法

8 )  2

波長

N D I R

などが試み られ、 重塁法との相関がよく、

動特性が優れているものが、求め られて き た。 一応、 重量法との相関がいいのは、

1)

3)

4 )

、であるといわれている が、まだ、実用的な面で難点を持 ってるよ うである。 現状では、

4 )

が重 景法 との 相関が最も良いと考えているが、その原 理 屈を図

9

に示す 。 今後、燃焼部を半自動

化するこ となど を含めて改良を加え尖 川 に 供したいと検討し ている 。

5 ) まとめ

以上、排気ガス規制の動向と分析測定技 術の進歩 について 概要を 記したが、こ れか らの規制 は日々に厳しくなると考えられ、

それに伴う測定技術も何とか追従 せざるを 得な い。 いわば 、規制先行型で 自動 車エン ジンの改良技術も測定技術もこれを追って いる形となっている。 しかし 、その命題 が地球の環境を良くし よ うとするものであ る以上、誰もが努力 しなければならず 、 我々も排気ガスの分析測定技術の進歩が、

この命題に対して大いに役立つものと期待 して努力するつもりである 。

6 ) 参考文献

]) 海野英雄はか 「年径

2

; 自動車と法)乱」 自動車技術 Yol.44 ,N o .7, 199 0  

2)  State of C alifornia  A ir  R esouccs Board "Pro   posed  Regurations  for Low=Emission Ve‑

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carbon Emissions from a  Gasoline E ngine   T ested on Chemically Defined Fuels"  S A E   900354 Feb.  1990 

燃 焼 炉 C  0 2 ,  I‑l) 検 出 器

三 0 ‑>

, I 

 

表 示 補 正 演 算 リニ ア ラ イ ザ 増 幅 沿

9 .

燃焼酸化法の原理

2 6   (26)  海 洋 化 学 研 究 第5巻第1号 平 成35

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はじめに 花は儚い(はかない)ものの象徴にもなっているが, 仕方なくしおれているのではなく,自ら進んでしおれて いく.そもそも花は種子を作るための器官である.ヒト が見て美しいと思う花の多くは,昆虫を引き寄せて受粉 を成功させるために,多種多様に進化したものである. 受粉が成功した後,あるいは受粉しなくても咲いてから

長鎖DNA調製法:大規模な代謝工学の先鞭 20世紀の遺伝子工学で扱える遺伝子は数個に限られていた. 確実に合成できる DNA サイズが 10 kbp程度との制約があっ たからである.ものづくりの対象物質は二次代謝産物が多い. 代謝経路は多数の遺伝子が関与しており,それら多数の遺伝子 発現を効率よく制御するには,すべての遺伝子を一つの分子に

とになる。 これには被害者側は耐え難い感情が湧 いてくるのは当然であろう。 被害者の気持ちとい うのは, 本人たちにしかわからない。 ただ悲しい だけでなく, 毎日毎晩いろいろなことを考えてし まい, 精神面に苦痛をきたして, とてもではない が元の暮らしに戻ることができないといった遺族 も数多くいる。 犯人の1秒も早い死を願うのは, ごく自然な感情である。 また,

2.問われるのは高い情報処理力、 背景となるトレンドワードの理解も重要に 第5問では、大学の講義を聞いてワークシートを埋めたり、講 義の内容と一致する選択肢を選んだりする問題が、昨年に引き 続き出題されました。昨年の正答率が決して高いとはいえない 中、今年は読み上げ速度がさらに13.9%上昇。共通テスト全体

女性の社会的地位は男性に比べてはるかに低く、 男性は支配される性、女性は劣るがゆえに支配さ れる性であるというのが一般的な考え方であった のだ。これが家父長制的な考えである。 この家父長制度というものにより、女性は父親 や夫、君主などの父長権力によって縁談を強制さ れたり、行動の自由を束縛されたりした。シェイ クスピアの生きた中世末から一六世紀にかけての

また、因子 1 は「私は毎日の生活で疲れを感じ ている」「日々の生活で体がだるいと感じている」 など、下坂(2001)による無気力感尺度の「疲労 感」に対応する因子と一致している項目が多いた め、「疲労感」と命名した(a=.90)。 因子 2 は「私には本当に困ったときに助けてく れる人がいない」、「周囲の人たちとの付き合いは

のいる部屋から抜け出し父親の記憶を消し, 一人 で 道下智至になりきり ギターを弾いたりして 心の平穏を得ていた。 しかし, 父親とは娘にとって最初に出会う男性 である。 主人公は父親に恐怖を感じていたために, 対人恐怖症であり, 男性恐怖症である。 主人公の 理想像は男性道下君であり, 女性としての自分 の性を受け入れられない。 そして, 好意を持って

に本当に意味はあるのか、教育のために子どもの 行動に制限をかけるのであれば、それ相応の効果 はあるのかなどを追究したい。もしこの仮説が正 しいことが証明されれば、今後そういった人が生 まれる前に対策できるのではないかと思う。 調査方法は一定量のデータを必要とするためア ンケートによる量的調査を行う。また、子どものと きにゲームを制限されており、現在もその影響が及